「チャンピオン・カーニバル2025」4.27大阪大会試合詳報&試合後コメント
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4・9後楽園ホール大会で開幕した春の祭典『チャンピオン・カーニバル2025』(以下、カーニバル)は、いよいよ後半戦に突入。第8戦は、エディオンアリーナ大阪 第2競技場で開催された。
〈第1試合〉
タッグマッチ 20分1本勝負
MUSASHI 青柳亮生 vs 田村男児 井上凌

オープニングマッチには、全日ジュニアの精鋭が集結。青柳亮生は4・23後楽園大会のメインイベントで現・世界ジュニアヘビー級王者のMUSASHIから3カウントを奪取。ヘビー級の祭典中に主役をかっさらうと、ジュニア戦士によるリーグ戦開催をアピールし、MUSASHIらもリーグ戦開催に前向きな姿勢を見せている。
亮生VS田村男児で試合開始。田村がパワーファイトを仕掛ければ、亮生はトリッキーなムーブで対抗。場外ダイブと見せかけて華麗なフェイントで持ち味を発揮する。MUSASHIと井上凌が対峙。会場のボルテージを上げようとしたMUSASHIだが、井上が背後から襲撃してブーイングを浴びる。素早い動きで反撃に転じたMUSASHIが「盛り上がっていこうぜ!」と叫んで場内は拍手喝采となった。井上も意地を見せ鋭いキックを放ちRウォークを披露。田村組は代わる代わるチャンピオンを痛めつけていく。エクスプロイダーで一矢報いたMUSASHIは亮生にタッチ。疾風の如く襲い掛かった亮生は、コーナーから場外へムーンサルトアタック。5分経過。リングに戻りフィッシャーマンズ・スープレックスを狙ったが、井上がレッグラリアットで反撃。連続串刺し攻撃から田村がサイドスープレックス。井上がPKを見舞うが、MUSASHIがカットに入る。田村組が排除しようとしても、MUSASHIは巧みな試合運びを見せ、プランチャで田村を足止め。勝負を託された亮生だが、井上がバチバチの打撃からDDT。バズソーキックをカウント2で返されると、大観音スープレックスを狙う。しかし亮生が切り返して、スクリューハイキック。ハンドスプリング・レッグラリアットが飛び出すと、ロコモーション式フィッシャーマンズ・スープレックス。カウントは2で返された直後、ムーンサルトプレスをズバリと決めて、3カウントを奪って見せた。
〈バックステージコメント〉
亮生「大阪・第1試合、青柳亮生、でえ活躍だったろ。しかし青柳亮生は、まだまだまだまだこんなもんじゃない。そして今日、隣にいた世界ジュニアチャンピオン。一回取ってますよね。記憶が正しければ、あの後楽園ホールで勝ってますよね。次オレでしょ!って言いたいところなんですけど、次決まってますよね。バッチリ勝って、防衛した後に挑戦して、あげようかどうか!決めたいと思います」
MUSASHI「大阪ありがとうございました。ヘビー級がいないジュニアだけのタッグマッチということで、試合に勝ったのはいいとして、やっぱりね、チャンピオンとして自分が3つ、もしくはギブアップを奪わなきゃいけなかったと。もっと自分の欲を出していく必要があるなと思いました。せーちゃんとの防衛戦を控えているので、チャンピオンとしてさらにレベルを上げていきます」
井上「大阪、ひとつもいい所を見せられてない。前回いろいろ話したな。ジュニアリーグ、もしやるんやったら、今日のパートナーも含め、青柳亮生、MUSASHI。いろいろ戦ってくると思う。オレは2回くらい今ジュニアリーグ出てるんだ。決して高い壁ではないと思う。だからジュニアリーグ、3人含めて絶対超えてやるから。残りのヤツらもそうだ。全部、全部ひっくり返して、オレが優勝。そして、その先に見える世界ジュニア、必ず獲ってやる。必ず見ておけオマエら」
〈第2試合〉
6人タッグマッチ 20分1本勝負
安齊勇馬 本田竜輝 綾部蓮 vs 青柳優馬 斉藤レイ “ミスター斉藤”土井成樹

ELPIDAの安齊勇馬&本田竜輝&綾部蓮が、斉藤レイ&“ミスター斉藤”土井成樹の斉藤ブラザーズに青柳優馬が加わったトリオと対戦。土井以外の5人はカーニバルのBブロックにエントリーしており、同じコーナーに立ったレイと優馬は、前夜に公式戦で対戦したばかりで、シングル初対決はレイに凱歌が上がった。愛知大会でメイン締めした安齊は、5・10札幌大会で優馬、5・11札幌大会でレイとの公式戦を残している。
身長200cmの綾部と173cmの土井の顔合わせで試合開始のゴング。綾部が手を高々と上げると、土井は「届かへんやんけ!」といちゃもんをつける。コーナーに登って綾部を見下した土井だったが、力比べで劣勢を強いられた。綾部をロープに走らせて、低空ドロップキックで逆襲。タッチを受けた優馬は、土井とコンビネーションを狙うも息が合わない。2人が揉めていると、綾部がジャンピング・ネックブリーカーでなぎ倒し、優馬に公式戦で敗れた恨みをぶつけていった。安齊と本田が入ると、ELPIDAが3人連続でショルダースルー。5分経過。その後も優馬のローンバトルが続いたが、ドロップキックを直撃させてレイがリングイン。本田にマシンガンチョップを叩き込み、タックルで弾き飛ばす。パワーボムを狙ったが、本田はリバース。安齊が飛び掛かると、ドロップキックで射抜いてスロイダー。ジャーマンを決めさせないレイは全身でぶつかっていき、土井にチェンジした。応援タオルを持ち込んだ優馬にツッコミを入れて連続串刺し攻撃。レイはコーナーにもたれた安齊目掛け優馬を振ると、逃げ遅れた優馬もまとめて圧殺。10分経過。素早い動きでかき乱した土井だが、優馬のドロップキックが誤爆。本田と綾部がレイを排除すると、復活した安齊がジャンピング・ニーから一撃必殺のギムレットにつないで土井から貫禄の勝利を収めた。
〈バックステージコメント〉
安齊「今日ELPIDA無事勝利。公式戦ではなかったけど、明日高松、公式戦の相手はマイク・D・ベッキオ。お互いBブロック首位タイか。明日あんたがどんなに飛ぼうと、オレのヒザで全部撃ち落として、オレが首位に立ちます」
本田「しゃあ!チャンピオン・カーニバル2025、3勝2敗!3勝2敗!岡山、マイク・D・ベッキオ。明日は公式戦ないかもしれないけど、岡山、マイク・D・ベッキオ!ぶっ潰してやるぜ!」
綾部「半年ぶりの大阪大会。大阪のみなさんお久しぶりです。今日、公式戦なかったけど、しっかり勝利ということで、次の公式戦は5・6後楽園までないから。現在2勝3敗、けっこう厳しい成績かもしれないけど、こっからすべて勝つ以外の選択肢ないな。注目しろ」
土井「ムリムリムリムリ。あいつのせい。間違いなく。なんやったっけ。“ミスター土井”青柳優馬成樹レイ斉藤、あいつのせい」
レイ「いやぁ、よく分からねぇな」
土井「レイ、組んだの久々やけど、オレは見たぞ。この前の後楽園」
レイ「後楽園?なんだっけな?」
土井「ツインテール見たよ。めっちゃ似合ってたわ」
レイ「(頭をかいて)えーと…まぁ今日は公式戦じゃなかったけども、しっかり残りの試合も公式戦も全部勝って、あのトロフィーを手にしてやるぜ!フォー!」
優馬「ミスター成樹、本当にすいませんでした。でも宣伝するんで許してください。この“ミスター斉藤”土井成樹選手の応援タオルですね、3000円で発売していますので、是非みなさんお買い求めください。よろしくお願いします。あとは個人的な話なんですけど、チャンピオン・カーニバル、2勝3敗で今止まってますね。もう3回負けているんで、正直2勝3敗、ぶっちゃけ優勝の可能性はないでしょう。ないに等しいでしょう。だからもう残りの公式戦は、優勝を目指している人たちの足を引っ張ります。」

〈第3試合〉
チャンピオン・カーニバル Bブロック公式戦 30分1本勝負
大森北斗 vs マイク・D・ベッキオ

カーニバルBブロックは、4・26愛知大会終了時点で勝ち点6の安齊、本田、菊田円、マイク・D・ベッキオが首位で並ぶ混戦模様。大森北斗は1勝3敗と厳しい状況。3勝1敗のベッキオは、さらに白星を重ねて他の選手を突き放したいところ。
この日も北斗はナルシストポーズで魅了して先手を取ろうとしたが、睨んで詰め寄ったベッキオは強烈なフロントハイキック。トッポロープ越えのトペで身体能力の高さを見せつける。そのまま場外戦で主導権を握り、パワフルに鉄柵へ振っていった。リングに戻ると、スワンダイブ式エルボーアタック。北斗のクロスボディを受け止めると、後方に放り投げて、その場飛びムーンサルトプレスを決める。さらにブレーンバスターを仕掛けようとしたが、北斗がバックを取ってジャーマン。5分経過。ローリングエルボーで打ち抜いて、垂直落下式ブレーンバスター。カウントを迫ったが2止まり。追い込まれたベッキオだったが、ナルシストプレスにヒザを合わせて迎撃する。追撃を狙って起こそうとしたが、北斗はヒザから崩れ落ち、なかなか立ち上がれない。北斗が「舐めんなよ!」と蘇生しても、ベッキオはラリアットで黙らせる。驚異的なバネを活かしたダイビング・エルボードロップでも3カウントは奪えず。今度はデスバレーボムを狙ったが、抜け出した北斗がナルシストロールで逆転勝利。開幕3連勝からの2連敗でベッキオは足踏み状態となった。
〈バックステージコメント〉
北斗「呼吸ができねぇ…呼吸ができない…でもさ、北斗軍のリーダーであるオレが、相手がデカいとか、やられる寸前まで追い込まれたとか、そんな理由で諦めるわけがないだろ。オレはギリギリのギリギリまで絶対に諦めない。何故だか分かるか?オレが北斗軍の魂のリーダーだからだ」

〈第4試合〉
チャンピオン・カーニバル Bブロック公式戦 30分1本勝負
菊田円 vs エーグル・ブラン

DRAGONGATEより参戦の菊田円は、優馬、安齊、北斗から勝利を挙げて3勝1敗。“フランスの白い鷲”ことエーグル・ブランは開幕2連敗となったが、北斗と綾部を撃破して逆襲をスタートさせた。
菊田が腕を取ると、エーグルが軽やかな動きを見せる。ティヘラが華麗に決まると、場外ダイブを巡る攻防が繰り広げられ、エーグルはムーンサルトアタックをクリーンヒットさせた。リングに戻して、スワンダイブで飛び込んだが、菊田がかわして豪快なタックル。菊田コールに後押しされて、エーグルの胸にチョップを刻み込んでいく。首4の字固めで締め上げると、エーグルは長い足を伸ばしてロープエスケープ。5分経過。エーグルがステップ式クロスボディ、延髄斬りで流れを変えて、ブレーンバスターの体制からネックブリーカー。さらに一気に必殺のデザートイーグルで仕留めにかかるが、決めることができず、菊田がチョップからハーレム・サイドキック。チョップの嵐で防戦一方となったエーグルは、起死回生の飛びつき式DDT。トップロープを飛び越えて、固いエプロンにも突き刺していく。大鷲のように羽ばたいてのニーアタックはカウント2。長距離砲ミサイルキックが火を吹くと、450°スプラッシュでフィニッシュへ。しかし回避した菊田のヒップアタックが炸裂。菊田は腕を掴んでチョップを打ち込むとエーグルも必死に応戦。ラリアット合戦から菊田が強烈な左。10分経過。エーグルがヒップアタックを受け止めてドラゴン・スープレックス。菊田もすぐに立ち上がりヒップアタックを直撃させると、渾身のラリアット。エーグルがカウント2で返しても、こだわりのローリング・ラリアットで試合終了。4勝1敗で勝ち点を8に伸ばしBブロックの単独首位に躍り出た。
〈バックステージコメント〉
菊田「全日本プロレス大阪大会、チャンピオン・カーニバル第5戦目、エーグル・ブラウンに、ブラウン?エーグルのブラウンに勝って、これで4勝1敗だ!オレの横に並べる者、誰かいるか?Bブロックでオレだけ抜きに出てるんじゃねぇのか。大丈夫か、そんなんで。残り斉藤レイ、綾部蓮、そして本田竜輝、オレを止められるのか?DRAGONGATEの菊田円は、そう簡単に止まらねぇからよ。あと3戦、しっかり勝って、オレがDRAGONGATE勢、初のチャンピオン・カーニバル優勝して見せます」
エーグル「Tomorrow MAIN EVENT,I’ll beat Yuma Aoyagi!」
〈第5試合〉
チャンピオン・カーニバル Aブロック公式戦 30分1本勝負
鈴木秀樹 vs 羆嵐

後半4試合はAブロック公式戦。3勝1敗の鈴木秀樹は、4・23後楽園大会で三冠チャンピオンに君臨する斉藤ジュンに激勝。対する羆嵐は2勝3敗の黒星先行で崖っぷちに立たされている。
序盤はグラウンドの攻防で秀樹が優勢に。アームロックで引き込むと、クロックヘッドシザース、変形キーロック、多彩なサブミッションで動きを封じる。怪力で振り解いた羆嵐はセントーンを発射。一気にアルゼンチンバックブリーカーで担ぎ上げたが、秀樹がスリーパーホールドで絡みつく。さらにグラウンドコブラツイストを決めて、回転しながら何度もカウントを迫る。得意のヨーロピアンクラッチもカウント2止まり。その後もトリッキーな動きで相手を手玉に取った。丸め込み地獄を抜け出した羆嵐はボディアタック。5分経過。剛腕をフルスイングしてラリアットを叩き込むと、セカンドロープからのセントーン。ひらりとかわした秀樹が横十字固めも、羆嵐が丸め込み返してカウント3つ。秀樹から価値ある白星をもぎ取った羆嵐は、喜びを爆発させて勝利の雄叫び。これで3勝3敗、星取りを五分に戻した。
〈バックステージコメント〉
羆嵐「見たかオイ。鈴木秀樹、やっぱり罠を仕掛けてくると思ったよ。でも今日はオレの方が一枚上手だったな。マグレじゃねぇぞ。羆嵐の実力、見くびってもらっちゃ困るんだよ。昨日負けたけど今日は勝った。明日、明後日、相手は分かってるだろ。とにかく今日はしっかり休養して次に備えます。鈴木秀樹…やりづらい。クソ、チクショー、ハァーーー!」
秀樹「まぁ本当だったら恥ずかしいっていうことになるのかもしれないけど、恥ずかしいより悔しいです。重いのは強い。そんな感じですね。なんか負けた」
〈第6試合〉
チャンピオン・カーニバル Aブロック公式戦 30分1本勝負
芦野祥太郎 vs 吉田隆司

2年ぶり2度目の優勝を目指す芦野祥太郎は、悪夢の4連敗からザイオン撃破で待望の勝ち点2を獲得。4連敗中のDRAGONGATE・吉田隆司は地元・大阪で白星獲得を目指す。
試合前から地元凱旋となった吉田に声援が飛ぶ。ゴング直後、吉田がクリーンファイトを宣言して握手を求めるが芦野は無視。吉田がロープに押し込んでクリーンブレークすると、レフェリーやセコンドについた北斗軍の面々に握手。しぶしぶ応じようとした芦野に地獄突きをお見舞いする。怒りの芦野がエルボー。場外戦に突入すると客席にまで移動して大乱闘。吉田は観客を巻き込もうとしたが、芦野が引きはがして厳しく攻め立てる。リングに戻ると、吉田が急所蹴りで反撃に成功。5分経過。セコンドがレフェリーを引きつけている隙にコーナーマットを剥がした吉田は、芦野を捕まえて金具むき出しのコーナーへ豪快にスロー。テーピングを使ったチョーク攻撃で苦しめて罵声を浴びせる。芦野はエルボーのコンボで反撃して俵返し。試合を終わらせるべくアンクルロックで捕獲した。悲鳴を上げる吉田だが、なんとかロープエスケープ。10分経過。左足を抑えてなかなか立ち上がらない吉田は、隙を見せた芦野に地獄突き。乱発していくと、狙いすました延髄斬りからセントーンを投下。カウント2。自ら他花師コールを発生させると、サイバーボムの体制。芦野はリバース・スープレックスで阻止して、再びアンクルロックで絡め捕る。吉田も耐え抜いて下からダブルの地獄突き。さらにコーナーに詰めて、これでもかと喉元へ突き刺していく。たっぷり溜めてからの一発はかわされ、コーナーの金具に直撃。チャンスとばかりにファイナルフラッシュで捕らえた芦野は、白目を剥くほど力いっぱい締め上げて2勝目をゲット。奇跡の逆転優勝に希望をつなぎ、次戦のデイビーボーイ・スミスJr.戦へ向け、アンクルロック葬を予告した。
〈バックステージコメント〉
芦野「聞こえるかオレの曲が。2勝目だな。吉田隆司、チャンピオン・カーニバルだぞ。ガッチリ取ってやったぞ。何がシャラップだ、オマエ。関節の湖だよ。問題は明日だ。高松大会、デイビーボーイ・スミスJr.凄すぎるからなアイツ。ただ!ただ取れるぞ。アンクルロックだ。これひとつだ。言っとくぞスミス、アンクルロックだ。アンクルロックだ」
〈第7試合〉
チャンピオン・カーニバル Aブロック公式戦 30分1本勝負
宮原健斗 vs ザイオン

セミファイナルは、ディフェンディングチャンピオンの宮原健斗と元NXT・ザイオンのシングル初対決。宮原は3勝2敗でブロック突破圏内をキープ。ザイオンは、羆嵐と吉田に勝利しているが、4・26愛知大会で痛恨の3敗目を喫して苦しい状況が続く。
注目のAブロック公式戦は、ラグビー元オーストラリア代表のスーパーアスリートでもあるザイオンが圧倒的なパワーを誇示。バックを取られてもクラッチを豪快に解いて見せる。宮原がヘッドロックで締め上げてタックル合戦。ザイオンが締め返してキリモミ式で突っ込んでいく。場外に転げ落ちた宮原を追いかけると、豪打を浴びせ快音を響かせる。宮原も上手く鉄柵に衝突させて頭突きを連発。5分経過。ザイオンも鉄柵に振り返して、負けじとヘッドバット。エプロンに顔面を叩きつける荒技も見せる。リングに戻っても、ザイオンのペースが続く。追い込まれた宮原だが、ドロップキックの連打で逆襲し、健斗コールを浴びて反撃体制を整える。しかし、ザイオンが串刺しエルボーを被弾しても引かず、サモアンドロップ。コーナー最上段からダイビング・ヘッドバットを狙った。宮原はギリギリで回避してシャットダウン・スープレックスの体制。堪えたザイオンが打撃のラッシュを浴びせて、ラリアットでねじ伏せる。10分経過。決め技のザイオンスピアーを放ったが、宮原が鮮やかにさばいてスクールボーイ。一度はブロックされたブラックアウトを執念で突き刺すと、スタンディングでも見舞ってシャットダウン・スープレックス・ホールド。苦しみながらもザイオンとのシングル初対決を制し、会心の4勝目。勝ち点を8として連覇達成へ前進した。大熱戦を終えた宮原とザイオンが健闘を讃え合いハグをかわすと、大阪のファンは敗れたザイオンにも惜しみなく拍手とコールを送った。
〈バックステージコメント〉

宮原「しゃー!よっしゃあ!手に入れたぞ、手に入れたぞ、この第3の故郷・大阪で。さぁ!宮原健斗は今何勝だ?ヘイ!4勝だ!単独トップだろ。単独トップだ、間違いない。大阪のファンのみんなのパワーをもらったからね。さぁ、まだまだ続くぞチャンピオン・カーニバル。さぁ明日は!四国にスーパースター・宮原健斗が上陸だ。四国、香川、高松のみなさんよ、オレに会いに来いや。よっっしゃー!4勝目!」
ザイオン「トップ中のトップで最強中の最強、BEST of the BEST、ケント、リスペクト以外の何ものでも無いよ」
〈第8試合〉
メインイベント チャンピオン・カーニバル Aブロック公式戦 30分1本勝負
斉藤ジュン vs デイビーボーイ・スミスJr.

三冠チャンピオンの斉藤ジュンは、3勝1敗で白星先行。デイビーボーイ・スミスJr.は開幕から怒涛の4連勝を飾ったが、前夜の愛知大会で真霜に敗れ、今年のカーニバル初黒星を喫した。両者は昨年の大晦日に三冠ヘビー級王座を巡り激突し、ジュンがスミスを攻略してベルトを奪取に成功した。
約4か月越しのリマッチは、雪辱を果たしたいスミスが先に仕掛け、ヘッドロックで力いっぱい締め上げていく。偉大なる父から受け継いだテクニックを見せつけながら、余裕をアピール。しかし三冠王者の意地を見せたジュンが、バックドロップで反撃の狼煙を上げた。場外では迫力満点の肉弾戦を展開。スミスがブレーンバスターを決めて荒々しいストンピング。5分経過。スミスがグラウンドで三冠チャンピオンの動きを封じていく。サーフボードストレッチで捕らえたが、ジュンはロープエスケープ。壮絶なエルボー合戦に突入してもスミス優勢の状況は変わらず、ギロチンドロップ2連発。さらにはスリーパーホールドでスタミナを奪う。10分経過。なんとか流れを変えたジュンは、串刺しビッグブーツをブチ込んで一気にラッシュ。引かないスミスもパワースラムで叩きつけ、雪崩式アバランシュホールドを狙う。なんとか阻止したジュン、ダイビング・ラリアットは空を切ったが、ひるまずにスピアを突き刺した。エプロンでも火花を散らし、スミスがDDTでグサリ。大ダメージを負ったジュンは、場外カウント9でリングに生還。15分経過。休む間を与えないスミスは雪崩式ブレーンバスターを狙ったが、ジュンが強引に雪崩式チョークスラム。正調のチョークスラムは不発に終わりジャーマンを喰らってしまったが、後頭部にヒザをズバリ。ゴツゴツとした打ち合いからスミスがバックドロップ・ホールド。ジュンが肩を上げても、勝負所を逃さずブルドッグボムで三冠戦のリベンジに成功。スミスは勝ち点を10に伸ばして、再びAブロックの単独首位に立った。
マイクを握ったスミスは、「アイ・ラブ・ゼンニッポン」とファンと共に叫び、会場がひとつに。残りの公式戦は、4・28高松大会のVS芦野祥太郎と5・6後楽園大会のVS鈴木秀樹。全日本愛を胸に最強外国人が春の祭典制覇へ、また進撃を始めた。

〈バックステージコメント〉
スミス「Osaka!Thank you!どうもありがとうございました!」
ジュン「デイビーボーイ・スミスJr、また、借りを返さなきゃいけない相手ができたな…」
