【45度目の春を制したのは斉藤レイ!】「チャンピオン・カーニバル2025」【優勝決定戦】5.18大田区大会詳報&試合後コメント
ニュース
4・9後楽園ホールでの開幕から1カ月余り、全14大会で優勝が争われてきた『チャンピオン・カーニバル』(以下、カーニバル)が最終戦を迎え、今大会ではカーニバル優勝決定戦のほかに3大タイトルマッチと豪華カードが並んだ。
<第0試合>
シングルマッチ 10分1本勝負
長尾一大心 vs 小藤将太

第0試合に出場の小藤将太(OSW所属)は、3月に新木場1stRINGで開催された若手興行『NEW AGE CHRONICLE-Z 6』に出場し、タッグマッチで長尾一大心と対戦。昨年10月デビューで21歳の長尾と同年12月デビューで24歳の小藤による、若手越境シングル対決となった。
ともにノーテーマ曲の中でリングインし、ゴング前から胸を小突き合って臨戦態勢。開始と同時に激しいエルボー合戦で意地を張り合う。小藤はアームドラッグからエルボーを落とし、「来いや!」とストンピングを浴びせる。長尾も負けじとコーナーに詰めてエルボー連打。ボディースラムで叩きつけ、逆エビ固めで締め上げるが、小藤がロープエスケープ。和田レフェリーからのゲキも受けた小藤はドロップキックを決め、さらにミサイルキックを放つ。リング中央でエルボーの応酬。小藤が長尾をロープに飛ばし、ドロップキック。さらにフィッシャーマンズ・スープレックス・ホールドもカウント2。再度のフィッシャーマン狙いを阻止した長尾は後ろ、前からドロップキックを連発。そしてどっしりと腰を落としての逆エビ固めを決める。こん身の力を込めて締め上げてギブアップを奪い、デビュー7カ月で自力初勝利をゲットした。
<バックステージコメント>
長尾「チャンカン期間中の自力初勝利、有言実行だ、この野郎! でも今日、勝って、周りを見渡したらお客さん少ないじゃないですか。そりゃそうだ、第0試合だからな。自分の初勝利はもっと、たくさんのお客さんに見てほしかった。だから今日、このカード、そして長尾一大心を第0試合にしたこと後悔させてやる。なあ、小藤将太、まだまだこんなもんじゃねえだろ?」
小藤「長尾! 今日が俺とオマエの始まりだ。ここから俺たち2人でもっともっと切磋琢磨して、全日本ジュニアのトップ取ってやろうぜ。次は絶対に俺がオマエからギブアップ取ってやる。あざした!」
<第1試合>
チャンピオン・カーニバル 優勝者決定トーナメント準決勝 時間無制限1本勝負
本田竜輝(Bブロック1位) vs 宮原健斗(Aブロック2位)

『チャンピオン・カーニバル』(以下、カーニバル)準決勝第1試合は、Bブロックを1位で突破し最年少優勝を目指す本田竜輝とAブロック2位通過で2連覇を目指す宮原健斗の対戦。両者のシングルは昨年9月の『王道トーナメント』準決勝以来、3度目となる(戦績は本田の2勝)。
ゴングと同時に宮原がコールを煽るが、場内からは本田と二分した声援が飛ぶ。序盤はじっくりとした展開。宮原がカウンターのフロントキックで本田を場外に落とす。場外戦に持ち込んで鉄柵に叩きつけるが、本田もショルダータックルを返す。本田は得意のムーブも交えてペースを握ると、場外でエルボーを乱打し、鉄柵に叩きつける。宮原も本田を担ぎ上げると、鉄柵に投げ落として反撃。頭突きを連続で見舞って本田をリングに戻すと、痛烈なフロントキック。ブレーンバスターの狙いは、本田がリバースで叩きつける。カウンターのスパインバスターを決めると、宮原の反撃を食い止めて、スピアでなぎ倒す。突進をかわした宮原は丸め込み。さらに本田のラリアット狙いをかわしてバックに回る。逃れた本田がエルボー連打、ランニング・エルボーはカウント2。強烈なラリアットが決まるもカウント2。本田がファイナルベントを狙って担ぎ上げるも、脱出した宮原がブラックアウト。突進してきた宮原に本田がトルネードクラッチを決めるが、それを宮原が十字固めで切り返して逆転の3カウント。
宮原は2連覇に王手をかけ、一方の本田の最年少優勝の夢は惜しくも潰えた。
<バックステージコメント>
本田「クソー! 負けたー! クソッ! 悔しいー! クソー!」
※宮原はノーコメント
<第2試合>
チャンピオン・カーニバル 優勝者決定トーナメント準決勝 時間無制限1本勝負
鈴木秀樹(Aブロック1位)vs斉藤レイ(Bブロック2位)

Aブロックで現三冠ヘビー級王者の斉藤ジュン、前年度覇者の宮原、そして最終公式戦ではデイビーボーイ・スミスJrを下して堂々の1位突破を決めた鈴木秀樹と、初戦から3連敗とつまずきながらも怒とうの巻き返しでBブロック2位通過の斉藤レイによる準決勝第2試合。両者のシングルは昨年のカーニバル公式戦(レイが勝利)以来、2度目となる。
リングインした秀樹はエルボーで襲い掛かり、いきなりスリーパーで絞め上げる。まだゴング前とありレフェリー、セコンドが2人を分ける。和田レフェリーが秀樹に厳しい口調で注意を飛ばす。レイがどうにか立ち上がったところで、開始のゴング。怒りのレイは張り手、ノド輪で突進。秀樹もエルボーを返し、もつれるようにグラウンドになるも、すぐに立ち上がってレイが張り手を連打。秀樹はスリーパーで絡みつくが、脱出したレイが張り手を乱れ打つ。ダウンする秀樹に追い打ちで襲い掛かり、レフェリーがどうにか間に入る。秀樹はダウンカウント10以内に立ち上がることができず、レイが衝撃のKO勝ちで優勝戦進出を決めた。秀樹は屈辱の敗戦で、目論んでいた宮原との優勝戦を実現させることはできなかった。
<バックステージコメント>
※ともにノーコメント
<第3試合>
8人タッグマッチ 30分1本勝負
デイビーボーイ・スミスJr. 綾部蓮 青柳亮生 井上凌 vs 真霜拳號 菊田円 近藤修司 立花誠吾

スミスJr率いるカーニバル出場者とジュニア2選手によるカルテットと、他団体&フリー選手の混成カルテットが激突。
序盤から亮生がつかまる展開。デビュー24周年記念日の近藤がドラゴンゲートの後輩にあたる菊田との連係も見せるなど、力強い攻めを見せる。防戦の亮生は近藤にドロップキックを決めて綾部につなぐ。綾部が近藤にネックブリーカードロップ。菊田が背後から綾部に攻撃を加え、近藤とのダブルのショルダータックル。タッチを受けた菊田が、綾部に強烈な逆水平チョップを放っていく。綾部もエルボーを返し、フロントキックで蹴り飛ばす。スミス組が菊田に集中砲火。相手チームを分断し、リング上は井上と菊田の1対1。井上が鋭い打撃で迫るが、菊田もショートレンジ・ラリアットで反撃。カウンターのジャンピング・ヒップアタックを叩き込んで、続けてのラリアットはカウント2。ならばとローリング・ラリアットを見舞って、井上を仕留めた。
試合後にマイクを手にした菊田は「全日本プロレス、これで終わると思うなよ」と継続参戦をアピール。さらに「全日本プロレスファン、俺を見られることをありがたく思え!」とふてぶてしく言い放って、悠然と花道を下がった。
<試合後のリング上での菊田のマイク>
菊田「勝ったのは俺だ、さっさと帰れ!(ほかの選手を引き揚げさせる)。おい、全日本プロレス、チャンピオン・カーニバル、俺は敗退に終わった。好き放題使いやがってよ。これで終わると思うなよ! 全日本プロレス、一生恨むからな。全日本プロレスファンのオマエら、俺を見られることをありがたく思え、オラ!」

<バックステージコメント>
菊田「全日本プロレスよ、この俺を好き放題使いやがって。人使い荒いしよ、スケジュール管理もヘタクソだしよ。菊田円、チャンピオン・カーニバルが終わって、もうさよなら、バイバイ。そんなこと言うわけねぇからな! オマエらが好き放題やったんだから、俺も好き放題やらせてもらうぞ、全日本。これで終わりだと思うなよ。そして全日本プロレスファン、この俺を見られることをありがたいと思え。俺を崇拝しろ。わかったか!」
井上「菊田円、今日で初対決だったな。タッグマッチとはいえ、面白かったよ。俺は来月、シリーズ一個はさんでるけどさ、俺はジュニアリーグ、エントリーされてるのを信じて、ジュニアリーグに向けて頑張るよ。以上」
亮生「敵か味方かもわからない、この何人タッグマッチだ? わかりませんけど、それからもう解放されるってことでよろしいですよね? いや、多人数でも学ぶこと、多くありました。7月のジュニアリーグ戦に向けてさらに磨きをかけていきたいと思います。お楽しみに」
綾部「とくに言うこともないな」
<第4試合>
阿部史典デビュー10周年記念試合 全日本プロレスTV認定6人タッグ選手権試合 60分1本勝負
【第10代王者組】青柳優馬 阿部史典 佐藤光留 vs 大森北斗 羆嵐 吉田隆司【挑戦者組】

今年1月の6人タッグ王座陥落後、3度の挑戦を果たしながら奪還に失敗している北斗軍が、カーニバルを通して結束を強めたトリオで“バカの時代”にチャレンジ。5・11札幌大会のカーニバル最終公式戦では、大森北斗は王者組の一人の青柳優馬から勝利。さらに北斗は、阿部史典に対しても戦前の記者会見で「いろんなところに媚びを売っている」「ヤリチ○レスラー」などと挑発。王者組としてはすべてのうっ憤を晴らした上で、阿部の10周年記念試合に花を添えたい。
挑戦者組は揃いの白道着ズボンを着用して登場。吉田が先発で出てくると、早速「タカシ」コールが起こる。吉田は阿部に対して握手を求めるも、阿部は訝しがって拒む。吉田がレフェリー、味方、さらには敵の優馬、光留とも握手を交わして安心させるが、阿部が応じようとすると地獄突きを一閃。ノリに乗る吉田につられるように、北斗軍が阿部をとらえて攻め立てる。防戦の阿部は北斗にドラゴンスクリューを決めて、ようやく反撃。場外戦に持ち込むと、客席内になだれ込んで派手にやり合う。リング上では阿部が北斗にスピニング・トーホールドを決めて、ギブアップを迫る。さらに優馬との連係も駆使して追い込んでいく。北斗は阿部の蹴り足をつかみ、DDTを放って吉田につなぐ。
吉田は相手3人に地獄突きを連射する。光留にCC2019を放ち、優馬&阿部をラリアットでまとめてなぎ倒すと、羆嵐にタッチ。羆嵐は阿部にセントーンを放ち、アルゼンチン・バックブリーカーで担ぎ上げる。ここで光留は羆嵐の売店の売り上げが入った袋を掲げて動揺を誘う。羆嵐が技を解くと阿部が攻撃し、光留にタッチ。光留がグラウンドで羆嵐の腕を決める。それでも羆嵐は強引に担ぎ上げてマットに叩きつけると、北斗につなぐ。王者組は北斗にトレイン攻撃。優馬はブレーンバスターで北斗を叩きつけ、吉田にも3人で地獄突きを連発して蹂躙。
しかし、誤爆を誘われて形勢逆転を許すと、挑戦者組は優馬をとらえて北斗軍スペシャルを狙う。一度は逃れられそうになるも、どうにか北斗軍スペシャルを成功させると、羆嵐と吉田は飛び上がって喜びを爆発させる。吉田は優馬にラリアット、続けて羆嵐が埼玉に乾杯!を炸裂。北斗のドラゴン・スープレックス・ホールドはカウント2。続けてのナルシストプレスで3カウントを奪い、北斗軍がついに6人タッグ王座奪還に成功した。
試合後、マイクを手にした北斗は年頭から続くバカの時代との抗争に決着をつけるべく、最終決着全面対抗戦を提案し、団体に「新木場押さえとけ」と要求。さらにカーニバル公式戦で敗れた綾部も挑発し、刺客として綾部よりも体格で勝ると豪語する“XXL”を用意し、6・1仙台大会での対決を迫った。
<試合後のリング上での北斗のマイク>

北斗「おい!(「北斗」コールが起こる)バカの時代から6人タッグのベルト取り返したぞ! おい、今年から始まった北斗軍対バカの時代、次で最後だ。このベルト、手こずらせやがって。バカの時代の最後はな、俺たちが終わらせてやる。バカの時代対北斗軍、全面対抗戦! おい、全日本プロレス、新木場押さえとけよ。(羆嵐の「ドームじゃないのかよ」との声を聞いて)ドームじゃない、新木場押さえとけ。(羆嵐の「ドームだろ普通」との突っ込みを流してマイクを続ける)そして、もう一つ。おい、綾部! まだシャワーでも浴びてんのか? テメエ、チャンピオン・カーニバルではよくもやってくれたな。オマエのために俺様が直々に“X”を用意してやったよ。次の宮城でそのX、いや、
もはや“X”ではなく“XXL”と言っても過言ではないだろう。オマエよりデカいかな? 重いかな? どっちかわからんが、6月1日、仙台楽しみにしとけ! 6人タッグのベルトは俺たち北斗軍に任せとけ!」
<バックステージコメント>
阿部「(優馬を労わりながら)大丈夫か?」
光留「おい、北斗軍、これがどういうことか分かるか? いま日本のプロレスマスコミに過剰に持ち上げられている、ネジ巻き続けられてる『格闘探偵団』のエース、阿部史典の10周年をお前らが邪魔したってことだからな。見てみろ、マスコミ。誰一人笑えてねえだろ? これが答えだ。おい、北斗軍、覚えとけよ。新木場は格闘探偵団の家だ。阿部史典はあそこに住んでるんだ。言ってやれ、10周年!」
阿部「クソ。俺たちの、格闘探偵団のホームグラウンドで北斗軍を滅ぼします。10周年、負けてからのスタート。11年目、頑張ります」
光留「おい、見ろ、10年経ったって、マスコミに過剰に持ち上げられてるんだ。気の利いたこと言えなくなってるぞ。どうすんだ、北斗軍!」
優馬「絶対許さねえからな、北斗軍。阿部さんの10周年よりも、(吉田)隆司の方が人気があったことを絶対に許さない!」
阿部「クソー!」
※北斗軍はノーコメント
<第5試合>
6人タッグマッチ 30分1本勝負
斉藤ジュン “ミスター斉藤”土井成樹 セニョール斉藤 vs 芦野祥太郎 ザイオン 田村男児

芦野祥太郎はシリーズ中からザイオンに対して「なにか起こせる気がする」「新しいものを見せる」とパートナーとしての手ごたえを口にし続け、最終戦でも田村男児を交えたトリオを結成した。
芦野は三冠王者のジュンと真っ向勝負を展開し、エルボースマッシュから俵返しでぶん投げる。ジュンのサイコブレイク狙いを切り返すと、アンクルホールドで捕獲。これは逃れられるも、ザイオンとの巧みなタッチワークを見せジュンに連係攻撃も見舞う。ザイオンのダイブはジュンがキャッチして、チョークスラム。両チームが入り乱れる中、ザイオンがジュンを担ぎ上げて芦野にホイップすると、すかさずジャーマン・スープレックス。相手チームの分断に成功すると、ザイオンはセニョール斉藤を攻め立て、最後はザイオンスピアで3カウントを奪った。
試合を通して好連係を見せた芦野&ザイオンは試合後、コーナーに上ってベルトを巻くポーズ。さらにバックステージでは、宮原&優馬が保持する世界タッグ王座への挑戦をアピールした。
<バックステージコメント>
芦野「ついに形になってきたんじゃねえか。(ザイオンと抱き合う)よっしゃ、完璧、完璧」
ザイオン「俺たちを見ておけ。俺たちはこのために頑張ってきたんだ。俺たちの新しいチームは誰にも止められない、たとえどんな強豪相手でも俺たちには逆らえない」
芦野「ザイオン、ネクスト、タッグチャンピオンシップ、ウィー」
ザイオン「イエス」
芦野「行くぞ、次だ、俺たちで世界タッグだ。世界タッグ挑戦するぞ、俺たちで挑戦するぞ。宮原、青柳の返答なんて待たねえよ。今日ここで決定だ! (ザイオンに向かって)ネクスト・チャレンジ、ウィー。カモーン!」
セニョール「すみませんね!」
ジュン「セニョール」
セニョール「チャンピオンいるのに、申し訳ないわ、これ」
ジュン「今日は負けてしまったかもしれないが、久しぶりのみんなでの斉藤ブラザース、最高に楽しかったぜ」
土井「あともう一つ、今日のメイン。レイがチャンカンが優勝する」
セニョール「ってなると、その次楽しみっすね! これ、マジっすか! これ凄いことになりますよ」
ジュン「きっとレイはやってくれるだろう」
セニョール「マジっすか」
土井「あるで」
セニョール「楽しみだ、これ。見に行った方がいいっすね、これ」
土井「もう少しで始まるんで」
ジュン「レイ、あとは頼んだぜ、DOOM!」
<第6試合>
アジアタッグ選手権試合 60分1本勝負
【第125代王者組】ライジングHAYATO 安齊勇馬 vs マイク・D・ベッキオ エーグル・ブラン【挑戦者組】

5・11札幌大会で6人タッグながらライジングHAYATOからフォール勝ちを挙げたエーグル・ブランがベルト挑戦をアピールしたことで、最終戦でのアジアタッグ選手権が実現。戦前の記者会見でベッキオは王座奪取後のプランとして「世界でもベルトを守っていきたい」と海外での防衛戦も視野に入れた言葉を残しており、王者組としては“流出”を阻止するとともに、「世界に通用する」コンビであることを証明したい一戦となる。
先発でHAYATOとブランが譲らぬ軽快な攻防。ブランはHAYATOの隙を突いて低空ドロップキックを見舞い、場外の王者組2人にムーンサルト・アタックを発射。続けてベッキオもノータッチ・トペコンを放って、挑戦者組が主導権を握る。エプロン上の攻防で、ベッキオがHAYATOにブレーンバスターを放てば、反対側のエプロンではブランが安齊に投げっぱなしジャーマンを見舞う。一方的に王者組が攻め込まれる展開の中、HAYATOはベッキオにショットガン・ドロップキックを放ち、ようやく安齊にタッチ。
安齊はブランに串刺しエルボー、ダブルアーム・スープレックスと畳みかける。カウンターのドロップキックをブランに突き刺した安齊がジャーマンを放つも、ブランは着地。続けてひねりを加えたブレーンバスターを決めるも、安齊もジャンピング・ニーを返し、すかさずフェースロックで捕獲する。ブランはロープエスケープ。HAYATOとの連係は阻止され、代わったベッキオは相手2人にスプリングボードカッターを放つ。さらにベッキオはブランを担ぎ上げて、場外の相手2人に投げ落とすという荒技でド肝を抜く。
ブランとともにHAYATOに連続攻撃。ダブルインパクト式ローリング・ネックブリーカーが決まるも、カウント2で安齊のカットが間に合う。追い込まれたHAYATOは立ち上がることができず、フラフラの状態。それでもブランの突進をカニ挟みで倒し、ロープ越えでエプロンへのDDTを見舞う。さらにスワンダイブ式ミサイルキックのアシストから、安齊がジャーマン。安齊がロープに走ると、ベッキオは追走してボディーアタックを放ち、もろとも場外に落下する。
HAYATOとブランの1対1となり、ブランはロープの反動を利用してジャーマン・スープレックス。さらにツームストーン・パイルドライバーで叩きつけられたHAYATOだが、ファイアーバード・スプラッシュはかわして、ひとでなしドライバーで叩きつける。続けてのシド・ヴィシャスでブランを下し、苦しみながらも王座防衛に成功した。
試合後、6人タッグ王座戦でのダメージを負っている優馬を背負った亮生が登場してマイクを手にすると、「4月、5月はチャンピオン・カーニバルで盛り上がり、7月はジュニアのリーグ戦で盛り上がることは間違いありません。しかし、6月はどうするか? 青柳亮生は考えました。青柳兄弟でアジアタッグを巻けば、盛り上がるでしょう!」と王者組に挑戦表明。HAYATOは「いいよ」と快諾し、両チームによる王座戦が決定的となった。
<試合後のリング上でのやり取り>

亮生「とんでもない試合、お疲れさまでした。しかし、青柳兄弟がここに来たってことは、そういうことなんですよ。4月、5月はチャンピオン・カーニバルで盛り上がり、7月はジュニアのリーグ戦で盛り上がることは間違いありません。しかし、6月はどうするか? 青柳亮生は考えました。青柳兄弟でアジアタッグを巻けば、盛り上がるでしょう!? 盛り上がるでしょう!? ということでチャンピオン、青柳兄弟に挑戦させてください。よろしくお願いします」
HAYATO「いいよ。けど、早くそれ(優馬)連れて帰って。(青柳兄弟が引き揚げると再びマイクを手にする)次のアジタタッグ、決まったよ。みんな見に来て、それだけ。Let’s Punk」
<バックステージコメント>
安齊「今日でこれで、俺とHAYATOさん、アジアタッグ、6度目の防衛だ。次、俺たちは誰の挑戦でも受けるから、青柳兄弟。チャンピオン・カーニバル公式戦では青柳さんに負けたけど、俺とHAYATOさんだったら、誰にだって勝てる。兄弟より愛が深いっていうことを証明してやりますよ。ありがとうございました」
HAYATO「ありがとう。疲れたから座っていい? エーグル・ブラン、マイク・D・ベッキオ、凄いね。大きいのにあんなに飛んで、世界って広いんだね。けど、今日俺たちが勝ったよ。日本の俺たちが勝った、アジアタッグを守れた。今日はそれが良かったかな。早速、青柳兄弟の挑戦が決まったね。亮生とはいろんなことがあったし、お互いいいことも悪いこともいっぱい味わってきたけど。亮生がこの前ケガをしてドン底を見たよね。でも、まだいい目をを見るのは早いんじゃないかな。もっともっとドン底に突き落としてから、その青柳亮生を見てみたいよ。みんなありがとう、Let’s Punk」
亮生「よし、よし、リング上で言った通りだ。6月は青柳兄弟、いや青柳亮生が全日本プロレスをさらに面白く、さらに向こうへ連れていくので、楽しみにしといてください。(優馬に)頼むよ」
優馬「(グッタリとしながら)取ろう…」
<第7試合>
世界ジュニアヘビー級選手権試合 60分1本勝負
【第70代王者】MUSASHI vs 吉岡世起【挑戦者】

当初、3・29大田区大会で2人のタイトルマッチが予定されていたものの、王者・MUSASHIが胃腸炎により急きょ欠場となり、王座戦も延期に。仕切り直しとして、場所も同じ大田区総合体育館でのパートナー同士による世界ジュニア王座戦がついに実現した。シングル初対決で、ともに対戦を望み続けていた“相思相愛”の一戦であり、ヘビー級の祭典であるカーニバル優勝決定戦を控えたセミファイナルでジュニアヘビー級の意地をぶつけ合う熱戦に期待が集まった。
両者は、のっけからエルボー合戦。スピードに乗った攻防を展開し、吉岡は高速ロープワークからジャンピング・フロントキックでMUSASHIを場外に落とす。ケブラーダ狙いは阻止されるも、場外でやり合うと、カウント9でMUSASHIと同時にリングに戻る。吉岡はエプロンのMUSASHIにジャンピング・キック。さらにロープを飛び越えて、カーブストンプの要領でMUSASHIの後頭部を踏みつけていく。吉岡はMUSASHIの背中を痛烈に蹴り上げ、クロス・フェースロックで締め上げると、MUSASHIがロープエスケープ。
防戦のMUSASHIはバックドロップで反撃。ロープにもたれかかる吉岡の背中にフットスタンプを見舞い、続けてセカンドコーナーからのボディープレスも投下。吉岡は蹴りでMUSASHIの動きを止め、シザーズキック。MUSASHIが場外に出るとケブラーダの追撃を見せ、リングに戻ると蹴りを畳みかけていく。MUSASHIは吉岡に絡みついて丸め込みを見せ、コーナーに上る。しかし、吉岡が蹴りでカットし、コーナーに上った吉岡はうつ伏せ状態でぶら下がるMUSASHIの背中にフットスタンプを見舞う。
吉岡がclock strikeからファルコンアロー。コーナーに上った吉岡をとらえたMUSASHIは雪崩式エクスプロイダーでぶん投げる。その後は互いに相手の動きを読み合い、スカし合う音速の攻防を見せ、互いに手を握り合うと、エルボーの打ち合い。ヘッドバットを見舞い合うと、ともにダウン。ダウンカウント9で吉岡が立ち上がり、MUSASHIの側頭部を蹴りで射抜く。さらにFUMIEはカウント2。MUSASHIもエクスプロイダーを連発し、コーナーマット目がけても放り投げる。続けてのエストレージャ・フトゥーロはカウント2。二天一流狙いは吉岡が脱出。ミスティカ式で絡みつくと、ラ・マヒストラルにつなぐがカウント2。投げっぱなしジャーマンを放ち合い、吉岡がハイキックでMUSASHIの動きを止める。クラッシュドライバー狙いはMUSASHIが丸め込み。互いにトラースキックを連発。MUSASHIはうつ伏せ、仰向けの相手へのエストレージャ・フトゥーロを連発もカウント2。二天一流狙いは再び吉岡が切り返してクラッシュドライバーを決めるがカウント2。側頭部を蹴り上げ、シャイニング・ウィザードを放ち、再度クラッシュドライバーを決めて熱戦に終止符を打った。
かつて全日本の練習生でもあった吉岡は、紆余曲折を経て悲願の世界ジュニア王座初戴冠。試合後、MUSASHIに「言葉はいらないよね」と語り掛けると、ガッチリと握手。さらに「再入団して12年…凄い遠回りかもしれないけど、遠回りも悪くないでしょ」と自身のキャリアを反芻しつつ、ベルトを手にした感慨を口にした。するとそこに田村男児が登場し、「熱い気持ちと闘いぶりに込み上げてくるものがありました」と王者に真っすぐに気持ちぶつけて、挑戦表明。吉岡も「こんな熱い気持ち断るわけないでしょ」と即断し、両者のタイトルマッチが決定的となった。
<試合後のリング上でのやり取り>

吉岡「むーちゃん、言葉はいらないよね(手を差し出し、MUSASHIが応じると引き起こして抱擁を交わす。MUSASHIが引き揚げたのち、再びマイクを手にする)むーちゃん、ありがとう。そして、応援してくれた全日本プロレスファンの皆さま、どうもありがとうございました。全日本に再入団して12年、凄い、凄い遠回りかもしれないけど、遠回りも悪くないでしょ(「ヨシオカ」コール)」
田村「(花道を通って登場し、マイクを持つ)吉岡世起、おめでとう。そして、お帰り。いまずっと吉岡世起、MUSASHIの闘いぶりを見ました。その熱い気持ちと、その闘いぶりに、込み上げてくるものがありました。久しぶりに高まりました。そのカッコイイ世界ジュニアチャンピオン、吉岡世起のベルトに挑戦させてほしい。お願いします」
吉岡「こんな熱い気持ち、断るわけないでしょ。やりましょう!(握手を交わし、田村が引き揚げる)今日、このベルトを取って俺なりの全日本ジュニアの始まりだと思ってます。これから俺の全日ジュニア、見届けてください!」

<バックステージコメント>
吉岡「むーちゃん、言葉はいらないと思うほどやり合ったけど、これだけは言わせてくれ。むーちゃん、ありがとう。むーちゃんに負けたくないから、最高のパートナーだから。だから今日、限界を超えて、このベルトを取ることができました。12年ぶり、12年前入団して、デビューもしないまま去ってしまったこの団体で、こうやってまた迎え入れてくれて、今日この舞台でベルトを取れて。12年、干支一回りですよ。遠回りかもしれないけど、遠回りしたおかげで今日があるなら、遠回りも悪くないでしょ。次は、田村男児。正直なにも考えられないけど、あんな熱くなってる相手を断るわけにはいかないんですよね(と言いながらベルトをバンバンと叩く)」
MUSASI「クソ…せーちゃん、ありがとう」
<第8試合 メインイベント>
チャンピオン・カーニバル 優勝者決定トーナメント決勝戦 時間無制限1本勝負
宮原健斗 vs 斉藤レイ

カーニバル2連覇に王手をかけた宮原と、ジュンとの“兄弟三冠王座戦”を実現させたいレイによる、初シングルでの優勝決定戦。
序盤、レイが場外戦でペースを握るも、コーナーを背にした宮原への突進はかわされて、鉄柱に自爆する。形勢逆転の宮原が鉄柱にレイをぶつけるなど痛めつける。レイも強烈な逆水平チョップを見舞って反撃すると、鉄柱にセットした宮原に今度こそ突進をかますことに成功。
リングに戻ると、レイが攻勢に出る。防戦の宮原は低空ドロップキックで反撃するも、ボディースラム狙いは押し潰される。レイはすかさずスリーパーで捕獲し、宮原に大きなダメージを与える。レイは宮原をコーナーに乗せて、雪崩式ブレーンバスター狙い。宮原も堪えるが、レイが投げ切ってみせる。レイがブレーンバスターの体勢に入ると、宮原がリバースで叩きつける。宮原がエルボーを連打すると、レイは「カモン!」と挑発し、逆水平チョップ。しかし、宮原は隙を突いてレイの腕を引っ張りこむと、グラウンドに持ち込んでスネークリミットで締め上げる。レイはどうにかロープエスケープ。
宮原がロープ際のレイにブラックアウト。再度の突進はレイがとらえ、そのままチョークスラムで叩きつける。レイのクロスボディーアタックをかわした宮原がマヒストラルの要領で丸め込むもカウント2。宮原はジャーマン・スープレックスからブラックアウトを見舞い、シャットダウン・スープレックスを狙う。脱出したレイは左の張り手からカウンターでクロスボディーアタック。そしてBBQボムで叩きつけるも、カウント2で宮原が返す。アイスバイン狙いは宮原がかわし、スタンド式ブラックアウト。カウンターのスタンド式ブラックアウトから正調ブラックアウト。そしてシャットダウン・スープレックスの体勢に入るも、逃れたレイがカウンターでアイスバインを一撃。さらに走り込んでのアイスバインを命中させるが、宮原はカウント2で返す。ならばとレイはとどめのBBQボムで叩きつけて、3カウント。今年のカーニバル覇者の称号を手にした。
試合後、レイはまず「アンタは最高のレスラーだ」と宮原に最敬礼のマイクを見せる。続けて戦前から口にしていた「優勝したらやりたいこと」として、放送席の兄・ジュンをリングに呼び込んだ。
ジュンと向かい合ったレイは「6・1仙台で、この俺の挑戦を受けてくれ」と、2人の地元である宮城県での三冠ヘビー級王座戦を要求。ジュンも「その挑戦受けてやるぜ」と受諾し、史上初の双子対決での三冠王座戦が決定した。
カーニバル優勝、そして兄との三冠王座戦が決まったレイは「この俺、斉藤レイはプロレスラーになって良かった。この全日本プロレスに入れて良かった」と噛み締めるように言葉をつなぎ、「俺はこの全日本プロレスをもっともっと盛り上げていきたい」と使命感をにじませるアピール。最後は観客とともに「ゼンニッポン、DOOM!」と叫び、2025年のチャンピオン・カーニバルを締めくくった。
<試合後のリング上のやり取り>

レイ「チャンピオン・カーニバル、この俺、斉藤レイが優勝したぜ、フォーー! まあ、思えば今回のチャンピオン・カーニバル、開幕戦から3連敗だ。だが、俺は俺自身をずっと信じていた。それがこうして素晴らしい結果につながったこと、最高に嬉しいぜ、フォー! そして、これは俺一人じゃできなかった。今日いっしょに、いや、これまでいっしょにずっと信じ続けてくれたお客さん、ファンのみんな、礼を言うぜ、フォー。そして、今日の最高な試合をともにした宮原健斗にも礼が言いてえ。俺は今日勝ったぐらいで、アンタを超えたとは思っちゃいねえ。まだまだ全日本プロレス=宮原健斗って思ってるヤツもいるだろう。宮原健斗、アンタは最高のレスラーだぜ。
そしてだ。俺はこのチャンピオン・カーニバル優勝したら、やりたいことが一つあったんだ。おい、ジュン、リングに上がって来いよ。カモン!(放送席のジュンがゆっくりと立ち上がりリングまでやって来る)長いよ! 斉藤ジュン、いや、三冠チャンピオン、アンタの言った通り、シングルで結果を残してやったぜ。6・1仙台大会で、この俺の挑戦を受けてくれ!」
ジュン「レイ、おめでとう。俺は確かにオマエに結果を出せと言った。結果、出したな。いいだろう、その挑戦受けてやるぜ。6・1、斉藤レイをDOOMしてやる」
レイ「(リングに残っているジュンに対して)いや、いいよ、もう。(トロフィーを指して)これは俺のもんだ。よーし、じゃあ挑戦表明もしっかりとやったことだし。念願のビールをやらせてもらうぜ。ビール、カモン! ビール、どこだ? いまから取りに行くのか?準備してると思ったのに。まあ、しょうがねえ。俺が好きなビール、いろいろあるからな。ちゃんとどれが俺の好きなビールか分かってんだろうな? たぶん大丈夫だ。お、早いな(とビールを受け取る)おい、キンキンに冷えてんじゃねえか! 俺の好きなビールいっぱいあるんだけど、これも好きなうちの一つ。アサヒのビタリストだ! じゃあ、お先に、いただきます(とビールを美味しそうに煽る)。ちょっともう一口。最高にうまいぜ、フォーー! 試合直後のこの俺の熱い体に、このキリッと冷えた、シャープな、ドライなテイストが、ビターな味わいも相まって最高にうまいぜ!
お客さん、最後に一つ言わせてくれ。この俺、斉藤レイはプロレスラーになって良かった(拍手が起こる)。この全日本プロレスに入れて、良かった。お客さん、今日は楽しんでもらえたか? だが俺はこの全日本プロレスをもっともっと、もっともっと盛り上げていきてぇ。だからお客さん、これからもよろしくお願いします!(「レイ」コールの中、一礼)。じゃあ最後にお客さん、立てる人はみんな立ってくれ。俺が最後に、全日本プロレス、DOOMって言うから、いっしょに言ってくれたら嬉しいな。みんな、言ってくれるか?言ってくれるか? よーし、行くぜ! 全日本プロレスをもっともっと盛り上げてやるぜ、楽しみにしてろ! ゼンニッポン、DOOM!」
<バックステージコメント>
レイ「やった!(トロフィーを置いて)勝ったぜ! これ、どっちが正面だ、大丈夫かこれ? あぁ、勝ったぜ! フォー! チャンピオン・カーニバル、優勝してやったぜ! さすがは宮原健斗、とんでもねえ強敵だった。今までで一番つえぇ相手だったんじゃねえのか。正直、最後の方はダメだと思った。だが、俺自身を強く信じたおかげで、こうしてこのトロフィーを手に入れることができたぜ! フォー! そして、リング上で言った通り、俺が今日勝ったからって、最高のレスラーであるアンタをまだまだ超えたとは思っちゃいねえ。今日は俺の何がなんでも勝ちてえっていう、執念が上回ったんだろうな。そして、6・1仙台大会で三冠チャンピオンの兄・斉藤ジュンと三冠戦を、やるぜ! 史上初の双子での兄弟での三冠戦だ。それも地元・宮城でだ。めちゃめちゃ盛り上がるだろうぜ。ただな、やるからにはもちろん俺が勝って、新三冠チャンピオンになるつもりだ。しっかりとジュンをぶっ倒して、あの三冠のベルトを、全日本プロレスの至宝のベルトを、この手に次は手に入れてやるぜ! フォー! 今日はこのどでけぇトロフィーを俺の手の中に収めた。最高だぜ。(脇に積まれているビールに気づき)あっ、いっぱいあるじゃねえか。ビールがいつまで経ってもこねえなと思ったら、しっかりキンキンに冷えたヤツが置いてあった。気が利くな。さっきも乾杯したけど、あらためてチャンピオン・カーニバルに乾杯。(ビールをあおる)おー、うっま。(また飲む)んー、あぁ、凄くいい。いや、試合直後に飲むキンキンに冷えたビール、こんなうまいものは、この世に二つとねえな。よし、じゃあ、しっかりと6・1仙台大会で新三冠チャンピオンになってやるぜ、フォー!」
※宮原はノーコメント