「スーパーパワーシリーズ2025」6月14日(土)岐阜大会詳報&試合後コメント 全日本プロレス

「スーパーパワーシリーズ2025」6月14日(土)岐阜大会詳報&試合後コメント

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 6・1仙台でのビッグマッチから約2週間、『スーパーパワーシリーズ』が岐阜大会から再スタート。全日本プロレスTV認定6人タッグ選手権試合ほか、6・15京都&6・18後楽園大会での各タイトルマッチに向けた前哨戦もおこなわれた。

<第1試合>
タッグマッチ 20分1本勝負
芦野祥太郎 ザイオン vs 村瀬広樹 ラウザ

 オープニングマッチには6・1仙台大会で世界タッグ王座に挑んだ芦野祥太郎&ザイオンが登場し、岐阜出身の村瀬広樹&『柳ケ瀬プロレス』所属のラウザと対戦した。

 両チームがクリーンに握手を交わして開始のゴング。先発はザイオンと村瀬。ショルダータックル合戦は互角。村瀬がドロップキックで吹き飛ばすと、ザイオンは芦野にタッチ。ラウザが軽快な動きで芦野を攻め立てる。芦野はカウンターのバックエルボーを決めて、ザイオンにスイッチ。ザイオンはラウザをコーナーに詰めて痛めつける。相手チームにつかまったラウザは、芦野にリバースのブレーンバスターを決めて村瀬につなぐ。村瀬は芦野にミサイルキック、串刺しラリアットと畳みかけ、さらにバックドロップで叩きつける。

しかし、芦野から代わったザイオンが村瀬にデスバレーボム、村瀬も延髄斬りを返してラウザにつなぐ。村瀬は芦野にラリアットを決めてラウザをアシスト。ラウザはザイオンにダイビング・クロスボディーを放つが、打撃で動きを止められてデスバレーボムのエジキとなる。ザイオンからホイップされたラウザをキャッチした芦野がそのまま投げっぱなしジャーマン。最後はザイオンがダイビング・ヘッドバットでラウザから3カウントを奪った。

芦野はバックステージで「回数を重ねたらもっとよくなる」とあらためてザイオンとのコンビの潜在能力をアピール。その上で「俺とザイオンのここ(頭の中)には明確なプランが入ってる」とタッグ戦線の中心に躍り出るための“計画”を匂わせた。

<バックステージコメント>

ザイオン「(日本語で)ツッパシル!」

芦野「なんて言ったかわかるか? 突っ走るだよ。まだ2回目だ。回数重ねたらもっと強くなるぞ、俺たちは。ザイオンと俺のここ(頭の中)には明確なプランが入ってるんだよ。全日本で、それを実行する」

ザイオン「レッツゴー、レディ!」

ラウザ「岐阜のヒーローが…すみません」

村瀬「とんだ怪物だったな。全日本にこんな化け物がまだいたなんて知らなかった。久しぶりの全日本プロレス、どんな相手を用意したかと思ったら、最高の相手だったぜ。倒しがいがあるぜ」

ラウザ「村瀬さん、次またよろしくお願いします」

村瀬「またやろうぜ」

<第2試合>
シングルマッチ 20分1本勝負
田村男児 vs 立花誠吾

 6・1仙台大会で世界ジュニアヘビー級王座に挑戦し、この日26歳の誕生日を迎えた田村男児が立花誠吾とのシングルマッチに臨む。まだ出場選手は発表されていないものの、ともに7月シリーズでの開催が決定しているジュニアヘビー級シングルリーグ戦を睨んだ闘いともなった。

序盤はグラウンドでじっくりとした攻防。田村がヘッドロックでとらえ、ショルダータックルでも倒す。立花は倒されるたびに立ち上がり「あぁん?」と強気な姿勢を崩さず、再びグラウンドに持ち込んでヘッドロックで執ように締め上げる。脱出した田村はショルダータックルで突進して立花を倒し、さらに串刺しショルダータックルからブレーンバスターで叩きつける。立花はカウンターでマンハッタンドロップからフロントキック、田村を場外に放り出すと、「飛ぶぞー!」のアピールからノータッチ・トペコンの追撃。場内からの「アニキ」コールを受けた立花はスピアからグラウンドのケサ固めで猛烈に絞り上げる。田村はロープエスケープ。田村はダウンカウント9で立ち上がる。立花のエルボーに、田村もフラつきながらエルボーを返す。ともにエルボーを乱れ打った中、隙をついて立花に組みついた田村がバックドロップ。パイルドライバー狙いは立花が切り返し、イケメン落としで突き刺す。田村はカウンターのラリアット。立花のエルボーを受け止めると、ローリング・ラリアットもカウント2。ならばとパワーボムで叩きつけて3カウントを奪った。

かつてGAORA TV王座を懸けて対戦したこともある両者は久々のシングルでも真っ向から意地を張り合い、田村は「全力でやり合える相手だと再確認した」と充実感をにじませた。一方の敗れた立花も「俺とオマエならもっとスゲー試合ができる」と好敵手との“ネクスト”をアピールするとともに、来たるジュニアシングルリーグ戦制覇を掲げた。

<バックステージコメント>

田村「久しぶりに立花誠吾とシングルをして、やっぱりやり合える相手だなと。お互い全力でやり合える相手だと再確認しました。ジュニアリーグでもたぶん当たると思うので、まだまだこれからも立花誠吾をぶっ倒す気持ちでやっていきます。これからもよろしくお願いします。あと今日、誕生日で。今日、試合があって誕生日で6月14日で、今年で26歳になるんですけど、けっこうもういい感じになってくるんで、そろそろなにか残さないといけないなと思ってます。自分でもなにかを起こさないといけないなと思ってます。そうやって変わらずにやっていきます」

立花「クソ、クソー! 男児と久しぶりだよ、GAORA以来か、シングルマッチやったの? タッグはアジアタッグとかたぶん3対3とか当たってるけど、アイツ、GAORAでやってたときより強くなってるかもしれない、俺が弱くなってるかもしれない。ただ、ジュニアリーグ、同じブロックになるかどうかわからねえけどな、男児、覚えとけよ。俺とオマエならもっとスゲー試合ができると思ってるからな。俺はオマエをぶっ潰して、ジュニアリーグ優勝して、ジュニアのチャンピオンになるからな、楽しみにしとけよ、この野郎、アァン!?」

<第3試合>
シングルマッチ 20分1本勝負
井上凌 vs 阿部史典

 井上凌が各団体で実績を残している阿部史典との一騎打ちに臨む。井上にとっては、7月シリーズで開催されるジュニアヘビー級シングルリーグ戦に向けて弾みをつけるためにも、より以上に内容、結果にこだわりたいところ。

 序盤から場外戦となり、井上が阿部を攻め込む。阿部も反撃に転じて、リングに戻ると何度も何度もカバーに入って、井上のスタミナを奪いにかかる。井上は鋭い蹴りでやり返し、串刺し低空ドロップキックを突き刺す。井上は阿部の低空ドロップキックをスカすも、蹴り足をつかまれてドラゴンスクリューを決められる。阿部もサッカーボールキックなど打撃でお返し。井上も蹴り返して、互いに意地を張り合う。エルボーのラリーは井上が押し込むが、側頭部への蹴りをキャッチした阿部が裏アキレス腱固めの体勢。そこから投げっぱなしジャーマン。井上も蹴りを返し、カウンターでナックルも放つ。丸め込みの応酬から、阿部はハネ返された反動を利用してアイルビーバックの要領で井上に組みつき、ガッチリと丸め込んで3カウント。

悔しい敗戦となった井上だが、試合後は「この借りは絶対に返す!」とジュニアシングルリーグ戦での阿部との“リマッチ”を熱望した。

<バックステージコメント>

阿部「疲れた、疲れた、あぁ疲れた。もう、強い。強いから、アイツたぶんジュニアリーグ、出ると思う。俺は出るかわかんないけど、これで出なきゃウソでしょ。出た上で、あらためてこの私のデタラメな、ジュニアなのかなんなのかわからないデタラメな強さを、このゼンニッポンジュニアで猛威を振るわせたいと思います。ありがとうございました!」

井上「阿部、阿部! 隙がない、アイツ、隙がねえよ。クソッ。だけど絶対、オマエもジュニアリーグ、出るんだろ? この借り絶対返すぞ、リーグ戦で必ず返す。阿部、覚悟してろ!」

<第4試合>
全日本プロレスTV認定6人タッグ選手権試合 60分1本勝負
【第11代王者組】大森北斗 羆嵐 他花師 vs タロース ジャック・ケネディ 愛澤No.1【挑戦者組】

 5・18大田区大会で悲願の6人タッグ王座奪還を果たした北斗軍が、同門による初防衛戦を敢行。大森北斗は6・1仙台大会のバックステージで、6・24新木場での“バカの時代”との全面対抗戦を控えて王者組の3人だけではなく、軍団全体の結束を高める必要があると語り、ほかのメンバー3選手にも発破。互いの力量を再確認するべく、ベルトを懸けたシビアな闘いに臨んだ。

 試合前、他花師はタロースに向かって「身長調べろ」「高いな」「シークレットブーツ?」と難クセをつける。「リーダー、タロース、大丈夫?」と心配された北斗が先発で出て来て、2m13cmのタロースと対峙。ロックアップで組み合うと、タロースがあっという間にロープに詰めてしまう。北斗がナルシストポーズで挑発すると、タロースはうなずいてがっちりと手を取り、そのまま愛澤にタッチ。他花師と向かい合った愛澤は「本日はご指名ありがとうございまーす!」と叫んで手を差し出す。他花師が応じると、ガットショットを見舞う。他花師も強烈なショルダータックルを返し、それぞれタッチで羆嵐とケネディの攻防。ショルダータックルの打ち合いは羆嵐が制して「ハァァー!」。王者組がケネディに北斗軍スペシャルを狙うと、タロースが北斗にアイアンクローを決めてカット。羆嵐と他花師は気づかずに北斗をマットに叩きつけてしまう。その後、場外戦になだれ込んで、両チームが激しくやり合う。

 リングに戻ると、北斗がつかまる展開。防戦の北斗はケネディの蹴り足をキャッチして、DDTを決めて他花師につなぐ。他花師は愛澤、ケネディに地獄突きを乱れ打つ。ケネディは他花師、羆嵐を続けてブレーンバスターで投げて、愛澤にタッチ。北斗は「愛澤、打ってこーい!」の言葉とともに胸を突き出し、チョップを受け止める。タロースにも「打ってこーい!」とアピールするが、強烈なエルボーで吹っ飛ばされる。王者組は仁王立ちのタロースに向かっていくが、なかなか攻撃を決められない。タロースは羆嵐&他花師をラリアットでまとめてなぎ倒し、北斗にトレイン攻撃。ケネディが北斗を羽交い締めにするが、愛澤のシャンパン噴射は誤爆。羆嵐&他花師は2人で力を合わせてタロースを場外に排除。そして、愛澤をコーナーに乗せて北斗軍スペシャルを決めて3カウントを奪った。

 同門でのタイトルマッチを終えた6選手は、試合後はノーサイドで肩を組み、そのまま全員でバックステージへ。あらためて結束を確かめ合った北斗軍の元に、突じょ“富山ブラックラーメンマン”からのメッセージとともに、富山ブラックラーメン(カップ麺)の差し入れが手渡される。

富山ブラックラーメンマンは2号&V3とともに7・20富山大会での6人タッグ王座挑戦をアピール。これを聞いた北斗は気乗りしない様子ながらも、他花師の前向きな姿勢に後押しされて挑戦を受諾した。さらに明日の京都大会でGAORA TV王座に挑戦する他花師から促されて、カップ麺での“気合注入”をおこない、“反省会”に向かった。

<バックステージコメント>

羆嵐「OK、OK、OK!」

北斗「集合、集合!」

他花師「リーダー、やりましたねぇ!」

北斗「感慨深いよ。ちょうど結成して1年ぐらいか? 1人も欠けることなくここまで来たぞ。北斗軍はいまやチャンピオンチームもいる、最強のチームだ!」

羆嵐「間違いない」

北斗「俺たちを倒せるヤツなんかいない。それを6月24日、対抗戦で証明するんだよ。オマエら行けるか!?」

他花師「やってやるよ!」

羆嵐「ハァァー!」

北斗「俺たち、バカの時代を壊滅させてやるよ」

他花師「釈羅不してやろうぜ」

羆嵐「釈羅不」

北斗「反省会と行こうか?」

羆嵐「ロビーの湖?」

映像スタッフ「北斗軍宛にとある方からメッセージと差し入れが届いております」

北斗「ラジオじゃねえんだよ。なんだよ差し入れ、お土産?」

映像スタッフ「北斗軍の皆さまへ、富山ブラックラーメンを差し上げます」

他花師「めっちゃ美味しそうやん!」

北斗「まあ、チャンピオンチームってことか。なんだよ、これがどうした?」

映像スタッフ「7月20日、ポルファートとやま大会で富山ブラックラーメンマン、富山ブラックラーメンマン2号、富山ブラックラーメンマンV3の3人で北斗軍が持つ全日本プロレスTV認定6人タッグのベルトに挑戦させろ。富山ブラックラーメンマンより。以上です」

羆嵐「早速?」

北斗「おい、富山ブラックラーメンマン、富山ブラックラーメンマン2、富山ブラックラーメンマン3、おい、こんなもの俺たち届けるなんて、おいおいおい、俺たちもナメられたもんだな」

羆嵐「安いもんだな。カップラーメンかよ」

北斗「こんなもんで挑戦できると思ってんのかよ!」

他花師「でもよ、なかなか濃厚なやりがいのある相手ちゃいますか?」

北斗「そういうことかよ」

他花師「そういう意味やと思いますよ」

北斗「そんな黒いヤツら、俺たちがぶっ潰してやる。7月20日、富山大会、6人タッグ選手権、決定だ!」

他花師「釈羅不!」

羆嵐「ハァァー!」

他花師「そしてリーダー、ボクは明日、京都でGAORA TVに挑戦するんで。明日、取ったら2冠すわ。リーダー、GAORA TVも北斗軍に持ってきますんで」

北斗「甘くないぞ、他花師! 行けんのか?」

他花師「リーダー、行けます!」

北斗「他花師、やれんのか?」

他花師「張ってください!」

北斗「気合入れろ!(富山ブラックラーメンでほっぺたを張る) よし、ということでオマエら、明日、他花師はセミファイナルか」

他花師「気合入ったな」

北斗「全員で」

羆嵐「総出でな」

北斗「セコンドついて、他花師を応援しよう。ワンチーム、北斗軍!」

他花師「ジャックも来るかもな」

<第5試合>
アジアタッグ選手権試合前哨戦8人タッグマッチ 30分1本勝負
ライジングHAYATO 安齊勇馬 本田竜輝 綾部蓮 vs 宮原健斗 青柳亮生 MUSASHI デイビーボーイ・スミスJr.

 5・18大田区大会で苦しみながらもマイク・D・ベッキオ&エーグル・ブランからアジアタッグ王座を防衛した安齊勇馬&ライジングHAYATOの前に青柳亮生が現れ、兄・優馬との挑戦をアピール。6・15京都大会でのタイトルマッチを翌日に控えて、王者組の2人と亮生が前哨戦で激突した。

 先発で対峙したHAYATOと亮生が譲らぬ攻防。その後、MUSASHIが相手チームにつかまる時間が長くなるも、本田のラリアットをかわして延髄斬りを決めて、ようやく宮原につなぐ。宮原は本田にフロントキック、低空ドロップキック、さらにドロップキックと畳みかけて、一気に流れを返す。安齊が宮原にドロップキックからダブルアーム・スープレックスの体勢。宮原はカウンターのフロントキックを叩き込んでスミスにつなぐ。ヘビー級の攻防を挟んで、HAYATOと亮生が軽快な動きを見せる。互いに目まぐるしい切り返し合いを見せて、意地を張り合う。それぞれタッチで綾部とMUSASHIの攻防。MUSASHIがチョップを放つが、綾部はカウンターのフロントキック。MUSASHIは綾部の突進をかわし、安齊、本田に対してもスピーディーな動きでかく乱。亮生も綾部にミサイルキックを放ってアシストし、場外の相手チームにコーナーからムーンサルト・アタックを放つ。宮原、スミスのアシストからMUSASHIが綾部を追い込むが、強烈なエルボーで動きを止められ、フルネルソンバスターはカウント2で返すも、最後はデスルーレットで3カウントを聞いた。

 試合後、マイクを手にした亮生は「明日、新しいアジアタッグチャンピオンが誕生します」と、翌日のタイトルマッチでの必勝を宣言。対するHAYATOは「勝つのは俺たちだよ」と返し、2人は火花を散らした。

<試合後のリング上でのやり取り>

亮生「今日は負けましたが、一つだけよろしいでしょうか? 明日、京都KBSホールにて、アジアタッグ選手権試合がおこなわれます。そこで青柳兄弟が勝利し、新しいアジアタッグチャンピオンが生まれます。今日、ちょこちょこ面白いなって思った方は、明日、青柳兄弟がチャンピオンになるところ、ぜひナマで見にきてください。よろしくお願いします」

HAYATO「一つだけ修正して。勝つのは俺たちだよ」

綾部「(亮生が引き揚げたあとにマイクを持つ)明日のアジアタッグムードになってるけど、この試合で勝ったのは綾部蓮だ。ということで…」

本田「(マイクを奪い取り)ということで! 勝ったのは、俺たち4人のEL PIDAだ! 綾部、今日勝ったんだろ、それはもう過去の話だ。安齊、HAYATO、明日アジアタッグ選手権試合か、それはもう未来の話だ。いまから俺は現在の話をしようと思う! この岐阜大会終了後、俺たち4人、EL PIDAでサイン会をするぞー! これは現在の話だ。みんな来てね」

<バックステージコメント>

綾部「1年ぶりの岐阜でしっかりMUSASHIからデスルーレットで3カウント取った。まあ、前回来たときよりもはるかに強くなってしまった綾部蓮っていうのを岐阜の皆さんに見てもらった以上、明日の京都大会も芦野、ザイオン組、ぶっ潰しましょうか」

本田「今日の試合で過去、現在、未来、全部つながったぜ! 明日の京都大会、俺たちが絶対勝ってやるぜ!」

HAYATO「明日はいよいよ、アジアタッグ戦だね。まあ、亮生と何度も挑戦して取れなかったこのアジアタッグをいま巻いているけど、別に過去の俺たちが間違っていたわけじゃないし。でも、いまの俺たちは正しい。それを世間にも、亮生にも明日、証明するよ」

安齊「明日のアジアタッグ、個人的な話、俺はまだ一回も青柳さんに勝ったことがない。ただ、それはシングルマッチでの話。俺とHAYATOさんだったら、不可能なんてないと思うから。明日、必ず青柳兄弟に勝って、まだまだ俺たちがこのアジアタッグのベルトを巻き続けます」

亮生「ついに明日、青柳兄弟が京都でアジアタッグチャンピオンになります。世間は梅雨ですが、青柳亮生の夏がもう始まりますから。皆さん遅れないように、京都から始まりますから。よろしくお願いします」

宮原「タロース! オマエとの初遭遇楽しみにしてるぞ。行くぞ、京都KBSホール、シャァー!」

<第6試合>
メインイベント 三冠ヘビー級選手権試合&世界ジュニアヘビー級選手権試合前哨戦 6人タッグマッチ 30分1本勝負
斉藤ジュン 斉藤レイ “ミスター斉藤”土井成樹 vs 鈴木秀樹 青柳優馬 吉岡世起

 6・1仙台大会で斉藤レイを下して史上初の兄弟による三冠ヘビー級王座戦を制した斉藤ジュンに対して、鈴木秀樹が「ベルト取り」を表明。今年の『チャンピオン・カーニバル』公式戦でジュンに勝利している秀樹は、「(所属として)全日本プロレスの試合の質を上げる」という目的を遂行するためにも三冠王座は必須と語り、初の最高峰王座戴冠に向けて自信をみなぎらせている。一方のジュンは「なんでもできる相手」と秀樹を評価しつつも、カーニバルでの二の舞を避けるべく「今度は俺のペースに持っていく」と自身の持ち味であるパワー主体の闘いに持ち込みたいと語っている。また、5・18大田区大会で世界ジュニアヘビー級初戴冠を果たし、6・1仙台大会では田村男児を返り討ちにした吉岡世起は、次期挑戦者に土井成樹を指名。三冠ヘビー級王座戦とともに6・18後楽園でのタイトルマッチが決まり、ダブル前哨戦となった。

 ジュンと秀樹が先発で対峙。ジュンがロープに押し込んで、クリーンブレーク。互いに投げられまいと踏ん張り、ジュンは秀樹をとらえて自軍コーナーに持って行く。ジュンは何度も髪の毛をかきあげて秀樹を挑発。コーナーから動かぬ秀樹を見た土井は「もうええって!」と突っ込みを入れ、秀樹は吉岡にタッチ。吉岡は猛スピードのロープワークから土井にフロントキックを浴びせる。その後は優馬が相手チームにつかまる。

 防戦の優馬は土井にカウンターでドロップキックを決めて、吉岡につなぐ。吉岡は土井に蹴りを畳みかける。土井も吉岡のスピードについていくが、DOI555をかわした吉岡がシザーズキック。それでも土井はブレーンバスターを返して、ジュンにタッチ。

ジュンと秀樹がエルボーの応酬。秀樹はカウンターでドロップキックを突き刺すが、ジュンもすぐさまスピアを返す。斉藤ブラザーズが秀樹にトレイン攻撃。レイのボディープレスからジュンがエルボードロップを投下する。秀樹はカウンターでジュンを担ぎ上げてカナディアンロッキーバスター。コーナーに詰めたジュンの腹部にエルボーを連発するが、レフェリーに分けられる。するとレイが秀樹に張り手、ジュンがショルダータックル。秀樹はドロップキックで反撃するが、斉藤ブラザーズは受け止めると、ダブルチョークスラムで叩きつける。続けてジュンが滞空式ジャックハマーで豪快に叩きつけて3カウントを奪った。

決戦を4日後に控えて挑戦者から直接フォール勝ちを挙げた三冠ヘビー級王者のジュンは、「この調子で18日も防衛してやる」と死角なしの絶好調をアピール。土井が買ってきたフルーツゼリー専門店のスイーツと岐阜のクラフトビールをそれぞれレイと堪能し、1年前に“ミスター斉藤”土井を加えた新生・斉藤ブラザーズが始動した岐阜大会を締めた。

一方、三冠王座戦を控えて痛恨の敗北を喫した秀樹は「明日だ、明日」と語り、明日の京都大会での“報復”を示唆するような言葉を不気味に言い放った。

<試合後のリング上でのやり取り>

ジュン「全日本プロレスが岐阜に帰ってきたぞ! 今日、俺の試合は6月18日、後楽園ホールでおこなわれる三冠戦の前哨戦だったわけだ。鈴木秀樹、きっちりと叩きのめしたぜ。この調子で18日、必ず三冠ベルト、オマエから防衛してやる。オマエら楽しみにしておけ!」

土井「18日、ジュニア、三冠戦がおこなわれる同じ日に俺も吉岡世起が持っている世界ジュニア挑戦するぞ! 挑戦するだけじゃなく、ベルトも取るからな。『チャンピオン・カーニバル』はレイが優勝した。それから18日、ジュンが三冠防衛し、俺も世界ジュニア取って、もう一回、斉藤ブラザーズでタイトルマッチを独占するぞ! 今日はその前祝いと行こうか? 恒例のやつ行きますか?」

ジュン「ミスター斉藤、今日は俺、なにも用意してないぞ」

土井「大丈夫、大丈夫。ちょっと買いに行ってくるから、いま。5分、10分、2人でトークショーでつないどってくれや(と言い残して一度、裏に引き揚げる)」

ジュン「なにを話せばいいんだ? じゃあ…(レイに向かって)オマエ、今朝、なに食べたんだ?(土井がダッシュで戻って来たのを見て)早っ!」

土井「買ってきました!」

ジュン「ミスター、早いな。すげースピードだな。早いな。おぉ、ミスター、これは俺が1年前もここで食べた、『リトルプリンセス』さんの、もしかしてあれか?」

土井「去年とまったく同じです。でも、ここで去年も言ってました。来年も勝ったら、またここで同じもの食べて、祝勝会しようって言ってましたからね。約束を果たしましたよ」

ジュン「俺の大好きなフルーツゼリー、イチゴと抹茶だ」

土井「それも去年、言いましたからね! (レイに向かって)これはなんでしょうか?」

レイ「これは白川の濃LAND BEERだ」

土井「そうです、それも去年言いましたから! やっぱりリング上で感想を聞きたいんで」

※以後、ジュン&レイがそれぞれの“食レポ”をおこなう。

土井「完璧です。じゃあ、いつものヤツで締めてもらっていいですか?」

ジュン「俺たち斉藤ブラザーズ、そして全日本プロレスはまたここ岐阜に戻って来るから、お客さん、みんな楽しみにしててくれ! フゥー! じゃあ、締めるか。全員立てるか。みんなでより一体感をもって締めたい。今日は俺が右腕を上げたら、みんないっしょに『3、2、1、DOOM!』、いいか? 一回、練習したほうがよさそうだな。いくぞ、3、2、1、DOOM…もう少し声を出せ!(場内笑い)。いいか、みんな声を出すんだぞ。みんな準備はいいか? いくぞ、3、2、1、DOOM!」

<バックステージコメント>

土井「リング上で言った通りや! レイが『チャンピオン・カーニバル』優勝して、ジュンが18日、三冠防衛して、俺も18日、吉岡世起から世界ジュニア取るからな。もう一回、斉藤ブラザーズでタイトル独占や、おい!」ジュン「リング上でも言ったが、俺は18日、必ず鈴木秀樹から防衛して、この三冠ベルトを永遠に防衛してやる。まずは、明日だ」

レイ「そして岐阜のみんな、俺たち斉藤ブラザーズ、そして全日本プロレスはまたここに戻ってくるから、楽しみにしててくれ! よし、じゃあ、(ビールの)おかわりだな」

吉岡「アァ! 今日も土井成樹にしてやられたけど、前回(世界ジュニア戦をやった)苫小牧だっけ? 向こうが持ってて、挑戦して負けた、その借りを今日の分もきっちりまとめて18日、後楽園で返させてもらうから、見とけ、土井成樹!」

秀樹「(優馬の肩を借りながら)明日、明日だ、明日、明日」