「スーパーパワーシリーズ2025」6月18日(水)後楽園大会詳報&試合後コメント 全日本プロレス

「スーパーパワーシリーズ2025」6月18日(水)後楽園大会詳報&試合後コメント

ニュース

 『スーパーパワーシリーズ』最終戦となった今大会では、三冠ヘビー級選手権試合を筆頭に3大タイトルマッチが開催された。

<第1試合>
6人タッグマッチ 20分1本勝負
斉藤レイ 青柳亮生 野村卓矢 vs MUSASHI デイビーボーイ・スミスJr. 小藤将太

 OSW所属の小藤将太が5・18大田区大会以来の参戦。元三冠ヘビー級王者&元世界ジュニアヘビー級王者とトリオを結成し、今年の『チャンピオン・カーニバル』覇者の斉藤レイとも対峙するという、貴重な経験となる6人タッグマッチに臨んだ。

 序盤、相手チームにつかまったMUSASHIだが、軽快な動きで野村に反撃してスミスにタッチ。スミスが一気に流れを変えて、野村にバックドロップ。ブルドッグボム狙いは野村がリバースして、レイにスイッチ。レイはショルダータックルでスミスを倒してBBQボムを狙うも、これはスミスが阻止。タッチを小藤がレイにドロップキック連発も相手は倒れず。ならばとセカンドコーナーからのミサイルキックでレイを吹っ飛ばし、野村、亮生にも続けてドロップキックを放つ。レイの突進をかわして、MUSASHIとともにトレイン攻撃。さらにスミスのフロントキックを呼び来い、小藤は続けてトップロープからのミサイルキックを決めるもカウント2。小藤は果敢にレイに立ち向かい、場内から「コフジ」コールが起こる。レイは小藤のエルボーを受け止め、逆水平チョップ一発で吹っ飛ばす。ヒップドロップはカウント2で返されるも、続けての逆片エビ固めで小藤がギブアップ。敗れるも、小藤の奮闘が光った一戦となった。

<バックステージコメント>

亮生「ニューアジアタッグチャンピオン、そして松本観光アンバサダーの青柳亮生です。試合はいかがだったでしょうか? 今日の試合はさておき、ついにジュニアのリーグ戦が7月から始まります。青柳亮生にはこれ(アジアタッグのベルトを叩きながら)取った先に見えてんだ。全勝優勝、世界ジュニア、そこまで見えてんだ。青柳亮生に後れを取らないように、皆さんもついてきてください。よろしくお願いします」

野村「久しぶりの全日本プロレスでした。これを機にもっともっと全日本のリングにも上がっていきたいし、今日は素晴らしいチームで勝てたと思います。最後はちょっとやられちゃったけど、まだまだ行きますよ」

レイ「勝ったぜ。なかなかカオスな試合だったな。まあ、当然の勝ちだな。そして、今日はミスターがジュニアの新チャンピオンになって、兄の斉藤ジュンが三冠のベルトを防衛してくれるだろう。楽しみだぜ。フォー!」

MUSASHI「後楽園ホール、ありがとうございました。次はジュニアリーグ戦。世界ジュニアのベルトを落としたMUSASHI、ここからまた上に行くぞ。再浮上だ」

小藤「自分はこの全日本プロレスでもっともっと強くなって、もっともっと上に絶対に行ってやります。そして、今日一つだけ言わせてください。長尾一大心、俺はオマエが帰ってくるまで、ずっと待ってるぞ。帰ってきたら、また俺たち2人で全日本プロレスジュニア盛り上げていこうぜ。ありがとうございました!」

<第2試合>
ゼンニチ本隊 vs バカの時代 10人タッグマッチ 30分1本勝負
諏訪魔 芦野祥太郎 田村男児 井上凌 ザイオン vs 佐藤光留 真霜拳號 宮本裕向 阿部史典 立花誠吾

 諏訪魔が3・29大田区大会以来の参戦で、かつて自身も属していた“バカの時代”と対戦。

 一部選手がレフェリーチェックを待たずにもつれ合うように場外戦になだれ込んで、そのまま開始のゴングが鳴る。攻防がリング上と場外で完全に二分される中、リング上ではザイオンが立花をパワーで翻弄。立花はザイオンの足をすくって転がすも、ショルダータックルで吹っ飛ばされて、阿部にタッチ。井上と阿部がスピードに乗った攻防を展開。場外では諏訪魔が宮本を相手に会場の鉄製の仕切り版、イスを手にするなどして大暴れ。

ようやく場外戦が収まって、諏訪魔がリングイン。立花、阿部をチョップ、ラリアットでなぎ倒し、真霜にもカウンターのラリアット一閃で、場内から「スワマ」コールが起こる。芦野&ザイオンがコンビネーションを見せて立花を攻める。防戦の立花は芦野にヤンキーカッターを決めて真霜にタッチ。芦野が真霜に投げっぱなしジャーマンを決めて井上につなぐ。井上が蹴りを軸に真霜を攻め立て、ザイオン&芦野も連係でアシスト。真霜が攻め込まれる中、イスを手にした諏訪魔は敵、味方関係なく痛めつけて、試合は混乱。諏訪魔が場外で暴れ回る中、真霜が井上からギブアップ勝ちを挙げたが、収まらない諏訪魔はイスを放り投げるなど大暴走を見せ、怒りの形相で引き揚げた。

 バックステージでは田村が諏訪魔にシングル対決を要求。諏訪魔は静まることのない怒りとともに対戦要求を受諾するとともに、「一回グチャグチャにした方がいいよ、全日本は」と物騒に言い放った。

<バックステージコメント>

宮本「なんだ、諏訪魔の野郎!」

光留「おい、諏訪魔。なんだいまの、オメエ。分かってんだろ。オメエがバカの時代を追いかければ追いかけるほど、オマエがバカになるんだ。(周囲に)分かるか? 分かるか? 分かるよな? 分かるよな?」

宮本「アイツが一番バカなんだよ、諏訪魔」

真霜「まあ、確かに」

光留「おい、諏訪魔! リングネーム改変マッチだ! 次、俺たちと勝負しろ。オマエが負けたら、オマエは“パートタイマーズ”だからな。いや、それだけなら訴えられそうだから、“パートタイマー諏訪魔君”だ!」

宮本「いいね、“プロレス大好き池田君”みたいで、いいね」

諏訪魔「おい、ふざけんじゃねえぞ、オマエら! なにがバカなんだ、オマエ。あんなの目指してんのか、オマエ本当に。ありえねえよ、アイツら。いらないな、全日本プロレスで闘う邪魔をしてるだけだよ、端から見て。いいよ、よそから見てるとよく分かるよ。全日本プロレスは闘いなんだよ、オマエ! (田村に向かって)そうじゃねえか、オマエ!?」

田村「レフェリーも出しゃばりやがって。強い者が勝つんだよ、強い者が正義なんだよ。それ以外はそれ以外だ。どいつもこいつも、北斗軍もEL PIDAもバカの時代もどいつもこいつも似たり寄ったり。所詮みんなバカみたいな集まりなんだよ。それをぶっ飛ばしてやる」

諏訪魔「久々に来てなにも変わってねえから、ビックリしたわ。もっとヒドくなってるわ。なんなんだ、オマエ」

田村「ぶっ飛ばす!」

諏訪魔「(急に田村に向かって)なんだオマエ!」

田村「なんだぶっ飛ばすんだよ! 久しぶりに来やがって、この野郎。なんだこの野郎。”諏訪魔チャレンジ”しろよ。受けろ、この野郎」

諏訪魔「なんだやってやるよ」

田村「受けるか、この野郎。久しぶりのシングル、やってやる」

諏訪魔「なんだコイツ、この野郎。ぶっ飛ばすぞ」

田村「ぶっ飛ばすぞ、テメエ」

諏訪魔「なんだこのアホタレが」

田村「なんだこの野郎。久しぶりに来てやりたいことやって」

諏訪魔「いつだってやってやるよ」

田村「お願いしますよ」

諏訪魔「やってやる。早く帰って寝ろ、ボケ。ありえねえな、一回グチャグチャにした方がいいよ、全日本は」

芦野「俺とザイオンのハボックはこれからだぞ。まだまだこれからだ」

井上「いってー。しばらく出てないと思って、久しぶりの登場かと思ったら、なんだ関係ねえじゃか、あれ。ちゃんと狙えよ、マジで、あの人。クッソー。いろいろ思うことはあるけどさ、今日ジュニアリーグ発表あるんでしょ? 必ず俺出てること信じてるから、絶対、出る暁には優勝…する! 絶対する! ジュニアリーグ、来月、絶対、頑張るぞ!」

<第3試合>
ELPIDA vs 北斗軍 8人タッグマッチ 30分1本勝負
ライジングHAYATO 安齊勇馬 本田竜輝 綾部蓮 vs 大森北斗 羆嵐 他花師 タロース

 6・15京都大会でライジングHAYATO&安齊勇馬がアジアタッグ王座を失ってタイトルホルダーがいなくなってしまったEL PIDAと、全日本プロレスTV認定6人タッグ王座に加えて、先日の京都大会で他花師がGAORA TV王座を奪取して勢いを加速させている北斗軍という対照的なユニット同士による8人タッグマッチ。

 ELPIDA4選手は南側の客席から入場するも、そこに北斗軍が襲撃をかけて、いきなりの場外戦が展開される。羆嵐がHAYATOをリングに上げたところで、ようやく試合開始のゴングが鳴る。北斗軍はHAYATOをとらえて、ラフも交えながら一方的に痛めつける。防戦のHAYATOだったが、北斗がロープに飛んだところで本田が足を引っ張り倒す。そこにHAYATOが低空ドロップキックを決めて、安齊にタッチ。安齊は他花師にベリー・トゥ・ベリー。他花師がチョップを放てば、安齊はエルボーを返す。他花師に急所を蹴り上げられた安齊は、そのまま本田にタッチ。EL PIDAは他花師にトレイン攻撃を狙うが、他花師は地獄突きで迎撃し、さらに乱れ打って劣勢を打開する。タッチを受けた羆嵐は本田を担ぎ上げてバックフリップからセントーンと畳みかける。羆嵐と本田がエルボーの応酬。ラリアットの相打ちから、本田が走り込んでの一撃で羆嵐をなぎ倒す。タッチを受けた綾部も羆嵐にランニング・ネックブリーカードロップ。EL PIDAは羆嵐にトレイン攻撃。しかし綾部の攻撃はかわされて、逆に北斗軍のトレイン攻撃のエジキとなる。北斗軍スペシャル狙いは失敗し、北斗がマットに叩きつけられてしまう。綾部はタロースをフロントキックで場外に落とす。安齊が羆嵐にジャンピング・ニーアタック、続けて綾部がデスルーレットを決めて3カウントを奪った。

試合後、マイクを手にした綾部は「ELPIDAを抜ける」と突然の脱退を宣言。本田、HAYATOもそれに続き、一人残された安齊も「各々がそれぞれのやり方で、全日本を盛り上げていく」と語り、事実上のELPIDA解散を告げた。昨年5月に結成され、「ELPIDA」と命名されてから丸1年。全日本マットに新時代を呼び込むべく結成されたユニットは突然の終焉を迎え、メンバー4人はそれぞれの方法で自分自身を高め、団体を盛り上げていくことになった。また、安齊はバックステージで「少しの間、欠場します」と口にし、一時的に全日本マットから離れることを明らかにした。

<試合後のELPIDAのリング上マイク>

綾部「北斗軍に勝利だ。まあ、別にいまの勝利で仙台のリベンジを果たしたなんてまったく思ってないよ。タロースとは今後もどんどんどんどん闘っていきたいと思ってる。最高の刺激だからな。タロース、どんどん闘っていこう。そして、一つ決断をしたんだ。今日をもって、綾部蓮、ELPIDAを抜ける(場内から悲鳴とどよめきが起きる)。約1年前、同じここ後楽園ホールで、3人がリング上に集まっているのを見て楽しそうだと直感で思って、俺もリングに上がってその輪に加わった。ただ、いまの俺はもう、この4人で組んでやっていくこと以上に、対角に立ってどんどんどんどん闘っていくことが楽しいと思えてならないんだ。だから、急だけどELPIDAを抜けるっていう選択をさせてもらうよ(花道を引き揚げる)」

本田「おい、なんだ綾部、お互い闘っていた方が楽しいって? おい、俺もそう思ってたよ! だったら、俺もELPIDAを抜けるわー! 抜けるけど、これからは俺1人でやっていくぞ。おいみんな、全日本プロレスで誰が一番ヤバい男か知ってっか? 誰がどう見ても、この俺、本田竜輝だ! これからは好き勝手に暴れさせてもらうわ。綾部、HAYATO、安齊、1年間ありがとう(花道を下がる)」

HAYATO「俺もこのまえアジアタッグを落として、まだまだだなって。俺にはまだこの先があるんだなって、気づいたんだよね。みんなといる時間は楽しいし、頼りになったけど、俺はみんなをちょっと頼りすぎちゃうから、これからは一人でジュニアの道を進んでいくよ。みんないままでありがとう(花道を下がる)」

安齊「元々、ELPIDAは全日本の時代を変える、ここを盛り上げるって始めたチーム。それは横に立とうと、対角に立とうと、変わらないでしょう。各々がそれぞれのやり方で、全日本を盛り上げていくけど、みんなにもどっかに行った3人にも一つだけ言っておきます。この団体を一番盛り上げるのは安齊勇馬だから。だからこれからも、全日本プロレスのことを、そして俺のことを見ていてください。俺との約束です。みんなELPIDAをありがとう」

<バックステージコメント>

HAYATO「言いたいことはリング上で言った通りだよ。もうすぐジュニアリーグも始まるし。でも、ELPIDAにいると、一人だけジュニアの俺がつかまって、ヘビー級が仇を取ってくれる、そういう形になることが多かった。でも、それじゃあ、俺はもっと上に行けない。俺はもう出来上がってる、完成してるって思ってたけど、まだまだ目指すべき上があるってこの前のアジアタッグのときに見つけた。いままでみんなありがとう」

安齊「1年前に同じ考えを持って集まった4人。やっぱりいまでも同じ考えなんだなって、ちょっと思っちゃったね。全日本を盛り上げたいっていう気持ちも変わらないと思う。そしてなにより、対角に立って闘った方が面白いっていう気持ち。4人それぞれがみんな同じ気持ちだと思う。今日で、ELPIDAは一旦終わりです。これからはそれぞれがそれぞれのやり方で、この全日本プロレスを盛り上げて、業界で一番になるようにやっていくと思います。この前の京都でアジアタッグを落として、今日ELPIDAが解散して、一つだけ決めました。俺は自分自身をもっと盛り上げるため、全日本プロレスを盛り上げるため、ちょっとの間、このリング外で闘ってきます。安齊勇馬、少しの間欠場します。ありがとうございます」

綾部「まあ、急な宣言というか、いきなりのELPIDA抜ける宣言になってしまったけど。本当にリング上で言った通り、いま現時点、綾部蓮はこの4人でやっていく楽しさよりも、それ以上にやっぱりチャンピオン・カーニバルを通じて安齊勇馬、本田竜輝と闘っていく上で、闘ったときの楽しさっていう方が上回ってしまった。だからこういう選択をしたまで。本当に約1年、ユニットを組んで同じチームとしてやってきたからこそ、刺激し合って、綾部蓮は強くなれたと思うから。今後は対角に立って、どんどん闘っていきたいな。それで北斗軍のタロース、今日そんなに長い時間やり合えなかったけど、どんどんどんどん闘っていきたい相手だ。最高の刺激だからな。またやろう」

本田「ELPIDA、終了! ELPIDA、終了!まあ、1年間、安齊、HAYATO、綾部とやってて、俺は楽しかった。まあでも確かに、闘ってる方がもっと盛り上がるよな。そして、この俺、本田竜輝が一人になった。誰がこの全日本プロレスで一番ヤベー奴だと思ってんだ。なにするかわかんねえぞ」

北斗「おい、よくもやりやがったな! おい、ELPIDA、覚えとけよ。この借りはな、絶対返すぞ。バカの時代、壊滅させたらな、次はオマエらEL PIDA、やってやるぞ。どこでもいいぞ、新木場でもいいし、新宿FACEでもいいし、オマエらと軍団対抗戦でやってやるから、覚悟しとけ。そして今日、タロースが言いたいことがあるらしいよ」

タロース「俺がすべてを終わらせてやる。そのときはもうすぐだ」

北斗「そういうことだ」

他花師「俺が2冠王の他花師や! 釈羅不!」

羆嵐「ハァー!」

北斗「EL PIDA、覚えとけ!」

(休憩明け)

休憩明けに7・17後楽園大会から開幕するジュニアシングルリーグ戦『ゼンニチJr.フェスティバル2025』の出場メンバーを発表。A ブロックはライジングHAYATO、井上凌、佐藤光留、立花誠吾、吉岡世起。BブロックはMUSASHI、田村男児、青柳亮生、阿部史典、“ミスター斉藤”土井成樹。8・3大田区大会で優勝決定戦がおこなわれる。

<第4試合>
世界ジュニアヘビー級選手権試合 60分1本勝負
【第71代王者】吉岡世起 vs “ミスター斉藤”土井成樹【挑戦者】

 6・1仙台大会で田村男児を下して世界ジュニア王座の初防衛に成功した吉岡みずから次期挑戦者に土井を指名。両者は土井が世界ジュニア王者時代の昨年10・28苫小牧大会でもベルトを懸けて対戦しており、前回は挑戦者として敗れた吉岡が今度は王者としてリベンジを狙う。

 序盤はじっくりとした攻防。吉岡はスピードに乗ったロープワークから、土井の動きを読んだ上で背中にサッカーボールキック。土井は吉岡を場外に落とし、担ぎ上げると鉄柵に落とす。吉岡は腹部にダメージを負う。そこから完全にペースを握られた吉岡だが、場外の土井へのケブラーダアタックで反撃態勢。リングに戻り、吉岡は得意の蹴りを畳みかける。土井もネックブリーカーからローリング・セントーン。土井がチョップを放てば、吉岡はエルボー、ミドルキックを返す。吉岡は土井の畳みかけを許さずに蹴り技で勢いを遮断し、クラッシュドライバーを狙う。これ土井が阻止するも、吉岡はひるむことなくトラースキックを見舞い、スワントーンボムを狙う。これをかわした土井はDOI555からバカタレ・スライディングキックの畳みかけもカウント2。吉岡はラ・ミスティカで絡みついてからラ・マヒストラルもカウント2。バカタレ・スライディングキックを食らっても立ち上がった吉岡が土井の側頭部を射抜く。そこから目まぐるしい丸め込み合戦となった中、吉岡がガッチリと押さえ込んで3カウント。昨年10月の借りを返すとともに、苦しみながらも2度目の防衛に成功。世界ジュニア王者として、ジュニアシングルリーグ戦に臨むことになった。

<バックステージコメント>

吉岡「土井、“ミスター斉藤”土井成樹、リベンジ果たしたぞ。あの苫小牧で負けてから、ずっとずっと狙ってたんだ。そして、来月から開催されるジュニアリーグ、もちろんチャンピオンとして出るからには全勝優勝だからな。全勝優勝して、Bブロックのヤツと片っ端から防衛戦して、倒してやるよ」

土井「3つ取られたんか? 取られたんか? アァ、クソ。試合前に7月開催されるジュニアのリーグ戦が発表されて、もちろん俺もエントリーされてる。チャンピオンとして弾みつけて、試合する予定やったけど、クソ! おい、吉岡、アイツ、ブロック違うよな? もう一回、やらせろ。俺もBブロック勝ち抜くから、オマエもAブロック勝ち抜いて、もういっぺんや。勝ち逃げはさせへんぞ」

<第5試合>
世界タッグ選手権試合 60分1本勝負
【第100代王者組】宮原健斗 青柳優馬 vs 菊田円 KAI【挑戦者組】

 6・1仙台大会で世界タッグ王座の初防衛に成功した青柳優馬は、今年の『チャンピオン・カーニバル』公式戦で敗れているDRAGONGATEの菊田円を挑戦者に逆指名。パートナーの宮原は第100代王者組の権限として「6月18日、後楽園ホール」でのタイトルマッチを勝手に決定した。

 これを受けて、ドラゴンゲートのヒールユニット・Z-Bratsの菊田&KAI組の挑戦が発表されたものの、挑戦者組は王座戦受諾の条件として優馬に対して土下座を強要。優馬は恥も外聞もかなぐり捨てて土下座を見せ、さらに「もし負けた場合、ボクではなく宮原健斗の髪の毛を懸けます」とパートナーの意向も聞かずに多大なリスクを押しつけた中でタイトルマッチを迎えた。

 王者組は序盤から菊田&KAIの狡猾な攻撃の前にペースを狂わされ、挑戦者組は場外戦でも派手に相手チームを痛めつける。リングに戻ると、宮原がつかまり完全に挑戦者組のペースになる。優馬は苦しむ宮原にバリカンをかざして鼓舞(?)するが、それでも流れは変わらない。防戦の宮原は菊田をリバースのブレーンバスターで叩きつけて、ようやく優馬にタッチ。優馬とKAIの攻防。優馬がKAIにカウンターでドロップキック、フライング・クロスボディーアタック。優馬はケツを叩いて菊田を挑発するも、突進はKAIに迎撃されて菊田につながれてしまう。

優馬は土下座で菊田を動揺させて、うまくヘッドシザースホイップで投げ捨てて、宮原にタッチ。菊田は攻め込まれるも、KAIのアシストを受けて形勢逆転。宮原にジャンピング・ヒップアタック。ローリング・ラリアット狙いはカウンターでブラックアウトを食らって阻止される。それでも菊田はレフェリーを攻防に巻き込ませ、その隙にKAIが王者組にイス攻撃を見舞う。菊田とKAIが宮原に前後からラリアット連発。菊田の低空ヒップアタックからKAIが走り込んで強烈なラリアットを見舞うが、カウント2。KAIのサンダーファイアー。パワーボムも宮原はカウント2で返す。メテオインパクトも返されたKAIだが、宮原をレフェリーにぶつけて昏倒させる。KAIのイス攻撃は宮原がかわして、優馬がドロップキック。さらに優馬は菊田をラリアットで倒し、イスをセットするとKAIを座らせる。そこに宮原とともにブラックアウト&トラースキック。なおも宮原がブラックアウトを放ち、続けてのシャットダウン・スープレックス・ホールドでクセ者コンビを撃破。2度目の防衛に成功した。

試合後、宮原がバリカンを手にKAIに詰め寄る。KAIは土下座で許しを請うと見せかけて、宮原にローブローを見舞い、悪態をつきながら引き揚げた。

すると入れ替わるように大森北斗が現れて王者組を挑発し、タロースを呼び込む。タロースは「ワタシハ、チャンピオンニナリタイデス」と日本語で挑戦アピールし、北斗が7・17後楽園大会でのタイトルマッチを指定。一方、王者組の宮原はバックステージで老朽化した世界タッグのベルトのリニューアルを予告した。

<試合後の北斗軍のリング上でのマイク>

北斗「おいおいおい、おい宮原、青柳、オマエらそんな土下座したかったのかよ。俺はいつでもウエルカムだぜ、いますぐ(土下座を)してくれたっていいぜ。まあ、もし今日ぶざまに負けてたら、6月24日、張り合いがなくなっちゃうから。全面対抗戦、楽しみにしてるよ、青柳君。それはおいといて。今日オマエらに話があるのは俺じゃねえんだよ。俺の愛する可愛い子ちゃんがどうしても話があるって言うから、聞いてやってくれ。カモン、可愛い子ちゃん(タロースを呼び込む)。なんか言いたいことがあるのか?」

タロース「ワタシハ、チャンピオンニナリタイデス。ワタシハ、チャンピオンニナリタイデス!」

北斗「グッド、ジャパニーズ!」

タロース「マダマダデス」

北斗「オマエがそう言うなら、リーダーとしてその願い叶えてやらないとな。7月17日、後楽園で俺とタロースが世界タッグに挑戦する。その汚ねえベルトよ、よく磨いとけよ」

<バックステージコメント>

北斗「そういうことだ! 俺の可愛い、可愛いタロースちゃんと7月17日の後楽園で世界タッグ挑戦させてもらうからな」

タロース「ワタシハ、チャンピオンニナリタイデス!」

北斗「そういうことだ! その願い、リーダーとして叶えてやろう」

宮原「さあ、第100代世界タッグチャンピオン、無事に防衛だ。さあ、KAI&菊田、また会えるのを楽しみにしてるよ。まぁまぁ、いい刺激をもらったぜ。第100代、さあ、この世界タッグベルトもそろそろ年季がかなり経っているようだ」

優馬「ボロボロだ」

宮原「次の7月、後楽園ホールの世界タッグ戦で…」

優馬「え?」

宮原「新しい世界タッグベルトに…」

優馬「マジすか?」

宮原「100代の権限で! リニューアルしてやろうかと考えてるよ」

優馬「できるんすか!?」

宮原「楽しみにしとけ」

優馬「え? マジか!?」

KAI「おいおいおい、全日本プロレス、ふざけんじゃねえぞ! 俺ら何連戦目だと思ってんだ? 俺ら京都で始まって、博多2試合して、佐世保でやって、鹿児島やって、今日来てんの。メチャクチャな日程組んでんじゃねえよ。これは全日本プロレスの陰謀で、俺ら負けたな。ふざけんじゃねえぞ、この野郎。すべてはオマエらのスケジュール管理のなさのせいだ。俺らこのまま負けたと思ってねえよ、あんな奴らに負けたと思ってねえよ。俺らは昨日までの疲れで負けたんだよ。ふざけんじゃねえぞ、全日本プロレス。俺ら一生恨むな」

菊田「一生恨むよ」

KAI「このままで終わると思うなよ。分かったか? バイバーイ!」

<第6試合>
メインイベント 三冠ヘビー級選手権試合 60分1本勝負
【第75代王者】斉藤ジュン vs 鈴木秀樹【挑戦者】

 6・1仙台大会で弟・斉藤レイとの“兄弟三冠戦”を制した斉藤ジュンの前に、『チャンピオン・カーニバル』公式戦で勝利している鈴木秀樹が現れて、「オマエの持っている三冠ベルトに挑戦はしない。オマエの三冠ベルトを取りにきた」と挑戦表明ならぬ“奪取表明”をおこない、今大会でのタイトルマッチが決定。

 6・14岐阜大会の前哨戦ではジュンが秀樹からピンフォール勝ちを挙げたものの、6・15京都大会では秀樹がスリーパーホールドで王者を絞め上げてお返しの勝利。さらに秀樹は、ジュンが試合後に食するために用意していたエクレアを代わりに食べるという挑発行為を見せ、「全日本プロレスの三冠王座戦の質を取り戻す」とベルト奪取とともに自身が思い描く三冠王座戦に向けた立て直しを誓った。

ゴングが鳴り互いに警戒しながら距離を詰め、ロックアップで組み合うとすぐにジュンが腕を取りにいく。腕を取り合いながら、ロープエスケープ。スタンドの差し合いからジュンがロープに詰めてブレーク。秀樹がすぐに組みつくも、距離を取ったジュンがショルダータックルで倒す。場外戦に持ち込んで痛めつけたジュンは、リングに戻ってもペースを握って攻め立てる。秀樹は隙を突いてのぶら下がり式首4の字固めで形勢を立て直し、ジュンの腹部にヘッドバットからネックブリーカー、そして相手の腕をクロスさせて締め上げる。ボディースラム狙いはジュンが許さず、逆に担ぎ上げてマットに叩きつける。ジュンが串刺しフロントキック連発から滞空時間の長いブレーンバスター。秀樹の畳みかけを許さずにジュンが攻勢を仕掛け、バックドロップで叩きつけると、さらにバックに回る。しかし秀樹はバックを取り返して、チキンウイング・フェースロックの体勢に入る。

こらえるジュンに対して、秀樹はツームストーン・パイルドライバーで突き刺すもカウント2。秀樹はグラウンドで相手の右足を折りたたみ、右腕を取りにいく。そこからフェースロックに移行して、STFでグイグイと締め上げていく。ジュンがロープににじり寄ると、両手を捕獲して逃げ道をなくす。さらにスリーパーホールドに移行して絞めるが、ジュンがどうにかロープエスケープ。秀樹はスタンドでリバース・フルネルソンの体勢。こらえるジュンを秀樹が豪快に後方にスープレックスも、すぐに立ち上がったジュンもチョークスラムを返す。

ジュンがコーナーに上ると、秀樹がとらえる。一度は振り落とされた秀樹だが、再度コーナーでジュンをとらえて雪崩式ダブルアーム・スープレックス。しかし、ジュンもすぐにスピアを返して、両者ダウン。ダウンカウント7でともに立ち上がり、ジュンがエルボーを叩き込む。秀樹もエルボーを返すが、みずからも倒れ込んでしまう。両者フラフラになりながらエルボーを叩き込み合った中、秀樹はジュンの腹部にエルボー。ジュンもエルボーを返すが、秀樹も打撃を返す。ジュンの突進をかわした秀樹は片腕を固定して、腹部にエルボーを連打。バックドロップを決めるが、ジュンも強烈な張り手からラリアット。秀樹がカウンターでドロップキック、さらに四つん這いのジュンにエルボーを落とし、胸板を蹴り上げる。スリーパーで絡みついて絞め上げ、グッタリしたところでカバーに入るもカウント2。ダブルアーム・スープレックス狙いはジュンが切り返す。ジャックハマーはカウント1で秀樹が返すも、続けてのDying Lightでついに3カウント。互いにシビアな攻防に終始した緊張感ある一戦を制したジュンが、価値ある防衛を果たした。

 試合後、ジュンが締めようとするとスミスJrが登場して挑戦表明。するとそこに優馬もやってきて王者に詰め寄ると、ジュンは両者での挑戦者決定戦を提案し、あらためて締めの“スイーツタイム”に突入しようとするも、今度は本田竜輝が猫ちゃんのフィナンシェを手にしてリングに登場。本田はフィナンシェを食べた上で、ジュンに挑戦をアピール。ジュンはフィナンシェを食べられた恨みも相まって、スミスと優馬の勝者と対戦する前に本田を「叩き潰す」と宣告し、両者の三冠王座戦が決定的となった。

<試合後のリング上のやり取り>

ジュン「三冠ベルト、防衛したぜ! 鈴木秀樹、強かったな。意識が飛んだと思ったぜ。俺は前にアンタに“俺じゃメインを務めるのは相応しくない”と言われて、あれからいろいろ考えたが、俺の力はまだまだこんなはずじゃないはずだと。俺は鈴木秀樹、アンタに別に認めてもらいたいわけじゃない。だが、これだけ言える。誰が来てもこのベルト、俺が守ってやると…俺が全日本プロレスの三冠チャンピオン、斉藤ジュンだ!」

※スミスJrがやって来て三冠王座への挑戦を表明すると、優馬がやって来て同じくベルトへの挑戦をアピールする。

優馬「俺ともそのベルト懸けて闘ってくれよ。(スミスに向かって)ユーはネクストだ。(スミスのアピールを聞いて)俺が先だ。ミーはネクストだ!」

ジュン「俺はこんなに強い2人がいっぺんに来てくれて、めちゃくちゃ嬉しいよ。じゃあ分かった、2人でお互いに闘って勝った方が、俺とこのベルトを懸けて俺と闘うっていうのはどうだ? チャンピオンはこの俺だ、誰にも文句は言わせない。どうだ、お客さん!(場内から拍手が起こる)」

優馬「(スミスのアピールをマネて)次、サイトウさんとやるのはこの俺だ!」

ジュン「誰が来ても返り討ちにしてやる、DOOM!(優馬とスミスが引き揚げる)すぐに来たな。俺はいまウズウズしてることがある。なにか分かるか?(「甘いもの!」の声が飛ぶ)。そう、甘いものが絶対の時間だ。オマエらはそれが見たくて来たんだろ? 今日は鈴木秀樹が大好きな猫ちゃんのフィナンシェを用意してあるから。オマエ、持ってくるんだ(練習生に取りに行かせるも、本田がフィナンシェを手にやって来る)」

ジュン「それは、俺のだ(本田はジュンに上げるフリをしてみずから食べる)」

本田「(モゴモゴした口調で)おい、斉藤ジュン…(水を飲んで気を取り直して)おい、斉藤ジュン。今年もこの季節がやって来たな」

ジュン「オマエ、スイーツ泥棒を卒業したんじゃなかったのか?」

本田「オマエ、なにを言ってるんだ。人間とは弱い生き物なんだ。その中でも本田竜輝は弱く、もろい。同じことを何度も何度も繰り返してしまう。まあ、そんなことはさておいて。おい、斉藤ジュン、オマエが三冠を取って、防衛していくたびに、俺は悔しくて悔しくて仕方ねえんだわ。青柳、スミス、関係ねえよ。先にこの俺に三冠挑戦させろ!」

ジュン「本田竜輝、望み通りにしてやろう。こうなったら、青柳優馬もスミスも関係ない。まずはオマエから叩き潰してやる。覚悟しろよ、この野郎。本田竜輝、DOOM!」

本田「俺はオマエのこと本気で潰すぞ。(フィナンシェを手にリングを下りて、観客に配りながら引き揚げる)」

ジュン「アイツはひどい奴だ。あんなひどいプロレスラー、俺は見たことがない。こうなったら、俺がアイツを叩き潰してやるから、オマエらそれを楽しみにしてろ。じゃあ、俺もう食べる甘いものないし、早く買いに行きたいから、みんな立ってくれ。俺が右手を上げたら、全員で3、2、1、DOOMで締めるんだ。いいな? 今日は練習はなしだ。なぜなら、俺が早く甘い物を買いに行って食べたいからな。じゃあ、みんな準備はいいか! これからも全日本プロレスは明るく、楽しく、そして激しくプロレスをやっていくから、オマエらこれからもよろしく頼むぜ。みんな、準備はいいか!(×3) よし、行くぜ、3、2、1、DOOM!」

<バックステージコメント>

ジュン「鈴木秀樹から防衛したぜ。いや、タフな相手だった。意識が何度も飛びかけたな。リング上でも言ったが、前にアンタから、俺がメインじゃ務まらないって言っていたが、そのときの借りを返すわけじゃないが、しっかりと全日本プロレスの三冠チャンピオン、斉藤ジュンをオマエに見せてやったぜ。鈴木秀樹、またアンタとやりたいな。そしたら、終わったばかりで一体なんなんだ? 青柳優馬、デイボーボーイ・スミスJrも、あんな強いヤツらが来てくれるのは嬉しいんだが、2人いっぺんだと、しかも本田竜輝、オマエまたも俺が楽しみにわざわざ取っておいた甘い物を食べやがったな。デイビーボーイ・スミスJrと青柳優馬は後だ。まずは本田竜輝、オマエを叩き潰してやる。覚悟しとけよ、DOOM!」

秀樹「見ての通り、強かったです、チャンピオン。はい、参りました。またでも、頑張ります。ありがとう、頑張りましょう!」

本田「おい、ELPIDAを抜けて、早速行動させてもらったぜ。おい、斉藤ジュン、オマエが活躍してる姿、俺は悔しくて悔しくて溜まんねえんだよ。おい、スイーツも泥棒したことだし、次は三冠のベルトを俺が正々堂々、取ってやるよ。おい、斉藤ジュン、オマエ、本当に潰すぞ」