「世界最強タッグ決定リーグ戦2025」【開幕戦】11月22日(土)後楽園大会詳報&試合後コメント
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今年で48回目を数える年末恒例『世界最強タッグ決定リーグ戦』がいよいよ開幕。今年はA・Bブロックで計12チームがエントリーし、12・7名古屋大会まで公式リーグ戦を闘い、12・10後楽園大会で各ブロック1位同士での優勝決定戦がおこなわれる。開幕戦の今大会では公式戦5試合が組まれた。
<第1試合>
世界最強タッグ決定リーグ戦2025 Bブロック公式戦 30分1本勝負
ザイオン オデッセイ vs 他花師 黒潮TOKYOジャパン

オープニングマッチには現世界タッグ王者組のザイオン&オデッセイが登場し、北斗軍&UP TOWN連合軍の他花師&黒潮TOKYOジャパンと対戦した。
第1試合開始前に最強タッグ出場チームによる入場式を実施。『オリンピア』に乗り12チーム(佐藤光留のみ欠席)がリングに揃い、世界タッグ王者のザイオン&オデッセイは引き揚げ際にベルトを誇示し、HAVOC全員でアピール。その光景を見ていた他花師はオデッセイの背中を蹴とばし、HAVOC勢が揃っているところに黒潮がコーナーからトペコンアタックを見舞い、そのまま第1試合になだれ込んだ。
黒潮はザイオンにジャケットパンチを連打。突進はザイオンがキャッチするも、黒潮が着地。黒潮がザイオンを押さえるが、他花師のショルダータックルは誤爆。ザイオンが他花師にエルボー。他花師は倒れ込みながらザイオンに急所蹴り。他花師&黒潮がオデッセイにダブルのブレーンバスターを狙うも、リバースされる。オデッセイのボディープレスは他花師&黒潮がかわし、ロープ際のザイオンを2人がかりのラリアットで場外に落とす。そのままザイオンを客席後方まで連れ込んで攻撃。黒潮がいち早くリングに戻って、リングアウト勝ちを狙う。場外カウントが進む中、ザイオンはカウント9でどうにかリングに戻る。ザイオン&オデッセイは相手2人をラリアットでなぎ倒し、他花師を排除すると、オデッセイが黒潮にジャーニーズエンド。すかさずザイオンがダイビング・ヘッドバットを叩き込んで3カウント。
ザイオン&オデッセイが他花師&黒潮のかく乱戦法をハネのけて白星発進。世界タッグ王者としての優勝に向けて確かな一歩を踏み出した。

<ザイオン&オデッセイのコメント>
ザイオン「チャンピオンがここにいる。真の世界タッグチャンピオンになることが俺たちの目的だ。ヤツらが襲いかかってこようと、そんなものは俺たちにとっても想定内のこと。俺たちの背中にはブルズアイがある」
オデッセイ「俺たちはチャンピオンだ。誰もが俺たちが持っているものを欲しがっているようだが、誰も俺たちを止めることはできない。俺たちはすでに優勝する準備ができている。これは俺たちのものだ」
ザイオン「俺たちは…」
オデッセイ「俺たちは…」
ザイオン&オデッセイ「俺たちは、HAVOC!」
<他花師&黒潮のコメント>
他花師「あぁ、間違えた。危険、毒ガスが発生しましたね。俺たちのタッグ、なにか化学反応が起こるかと思ったけど…どうした、イケメンさん。どうした、どうした、怖い? 怖い?」
黒潮「(ウソ泣きをしながら)俺たちのタッグリーグはほぼ終わった」
他花師「いや、まだ終わってない。まだ初戦やから。初戦にあの一番デカいチームと闘って黒星、これはもうしょうがない」
黒潮「うん、惜しかった」
他花師「惜しいね、非常に惜しかった」
黒潮「ただ、今日思ったのは、他花師がケンカを売ってくれるっていう作戦はこれはかなり勝利を導き出すかもしれない」
他花師「おぉ、なるほど」
黒潮「ということは明日の沼津、宮原健斗、デイビーボーイ・スミスJr.。他花師さん、今日中にお願いしていいですか?」
他花師「今日中にアレをね」
黒潮「明日の試合のことを今日中にお願いしていいですか?」
他花師「今日中にね。沼津だけに、浜名湖。浜名湖と言えばうなぎ、うなぎと言えばヌルヌル。ヌルヌルと言えば…」
黒潮「秋山!」
他花師「正解! 釈羅不!」
黒潮「俺たちのタッグリーグはまだ終わってねえ。いつまででも喋るぞ。第2試合目の勝者がここに戻ってくるまで喋り続けやる」
他花師「これだけは言わせてくれ。普通のタッグは足し算や。1+1は2。他花師とイケメンのタッグは掛け算やから。1×1は1って、いや、下がっとるやないかい~」
黒潮「そして! クソー! 俺たちはどかねえよ、俺たちはどかねえ」
他花師「最強タッグ、ほんまに勝ちたいやろ。最強タッグ2025とかけまして、質屋さんと説きます」
黒潮「その心は?」
他花師「“かち”にこだわるね。お後がよろしいようで!」
黒潮「そして! まだまだ終わんねえぞ、まだまだ喋るぞ。どうせオマエらよ、ムカつくんだよ。俺たちのタッグが負けると思いやがってよ。どうやったら負けるんだよ!」
他花師「教えてくれ!」
黒潮「どうやったら負けるんだよ! あぁ?」
他花師「Xにポストしてくれ。どうやったら負けるか聞きたいね」
黒潮「ありねえだろうって」
他花師「No way! How to lose!」
黒潮「俺たちは午前11時35分頃から試合開始した。俺は今日、10時5分に起きた!」
他花師「え、遅いやん」
黒潮「遅いのかな、やっぱり」
他花師「俺は今日、会場入りが9時やったかな。いつも神座食いに行くねんけど、神座閉まっとるやないか!」
黒潮「だからか!」
他花師「神座だけに…バリカタやな」
黒潮「おい、どうやって終わったらいい! 俺たちは今日初めてタッグを組んでな、コメントの終わり方すらわかんねえタッグチームなんだよ!」
他花師「釈羅不!」
黒潮「どうやって(イスから)立つんだよ、これ!」
他花師「とりあえずいま北斗軍試合してるから、セコンド行きましょうか」
黒潮「応援しに行こう」
他花師「釈羅不」
<第2試合>
世界最強タッグ決定リーグ戦2025 Aブロック公式戦 30分1本勝負
芦野祥太郎 潮﨑豪 vs 大森北斗 羆嵐

今年10月から古巣全日本マットに参戦し、HAVOCの一員となった潮﨑豪が芦野祥太郎とのコンビで11年ぶりに最強タッグにエントリー。初戦の相手となった大森北斗からは戦前、「オマエはHAVOCで浮いている」と挑発され、「オマエが最高に輝ける場所は北斗軍だ」との勧誘を受けた。対する潮﨑は「俺、そこで輝ける?」と北斗の発言に懐疑的な言葉を投げ掛け、その上で「北斗軍には入らないということをキッチリ分からせたい」と必勝を誓った。
芦野&潮﨑はザイオン&オデッセイとともに入場し、メンバー全員で「HAVOC!」のアピール。先発は潮﨑と北斗。ロープに詰めた北斗が離れ際にナルシストポーズで挑発し、さらに「北斗軍に来い」とアピール。潮﨑は困惑の表情を浮かべ、場内からは「シオザキ」コールが発生。北斗が手を差し出すと、潮﨑は腕で“バッテン印”。それでも握手を求める北斗に応じたと見せかけて、ショートレンジでレフトハンドのラリアットをぶち込む。
芦野&潮﨑が北斗をとらえて痛めつける。防戦の北斗は芦野に低空ドロップキックからDDTを決めて羆嵐につなぐ。羆嵐は芦野を担ぎ上げて潮﨑に投げつけるなど攻勢に出る。突進は芦野が迎撃し、ランニング・エルボースマッシュから投げっぱなしジャーマン。タッチを受けた潮﨑はケサ斬りチョップ。ブレーンバスター狙いは羆嵐が踏ん張る。フライング・ショルダーも受け止めた羆嵐はカウンターでドロップキックを放って、北斗にタッチ。北斗は潮﨑になおも「来いよ!」と勧誘しつつ、羆嵐との連係・連続攻撃で追い込んでいく。
北斗軍スペシャルも見事に決めるが、潮﨑がカウント2で返す。北斗のダイビング・ボディープレスは潮﨑がヒザ剣山。芦野は羆嵐を利用して北斗を攻撃。潮﨑も羆嵐にラリアットを放ち、北斗にはゴーフラッシャーもカウント2。ならばと豪腕ラリアットで3カウントを奪い、HAVOCコンビが北斗軍を下して快勝発進を飾った。
<芦野&潮﨑組のコメント>
芦野「豪さん、ありがとうございました! 完璧、完璧ですね。北斗と握手したときに、なに考えてんのかなって思ったけど」
潮﨑「したっけ?」
芦野「してないか」
潮﨑「してない、してない。するわけないじゃん」
芦野「豪さんが浮いてる? 浮いてないよ! これが潮﨑豪のHAVOCなんだよ。HAVOCに浮くも浮かないもないぞ。HAVOCはみんなでHAVOC。気持ちがHAVOCならHAVOCなんだよ。これを見てるアナタも、アナタも、ここにいる記者の方も全員、HAVOC。全日本のレスラーも少しでもいいなと思っちゃったら、HAVOCなんだよ。We are HAVOC。新しいHAVOCファンの名前、決まりました。『ハヴォカニアン』。堂々と、『わたしはハヴォカニアンです』って名乗れ。もっと入場で『HAVOC』ってやってこうぜ。この世界最強タッグ決定リーグも、HAVOCが全部持ってくぞ。明日、佐藤光留、男児。(潮﨑に向かい)なんか因縁あるみたいですね?」
潮﨑「なんかある? あるのかな?」
芦野「これはあんまり触れない方がいいのか。豪さんに任せるんで」
潮﨑「なんだろうが、とことんやり合おう」
芦野「全勝行きましょう、全勝」
潮﨑「とことんやり合おう」
芦野「ザイオンとオデッセイにぶつかるまでは絶対に負けられねえんだよ、俺たちは。豪さん、優勝するのは、俺たち…」
潮﨑「俺たち…」
芦野「俺たちが…」
芦野&潮﨑「HAVOC!」
<北斗&羆嵐のコメント>
北斗「潮﨑はまあいいや、もう。アイツはもういらないわ。北斗軍、結成して、もう1年以上。いろんなリーグ戦やトーナメントに出て来たけど、北斗軍で開幕戦を勝ったヤツが一人もいない。俺たちはスタートダッシュがめっぽうダメだな。開幕戦、勝ったことがない。これはもう傾向と対策をするしかないな」
羆嵐「オマエはちょっと集中力ないぞ。潮﨑豪に術中にハマってるよ。転がされてるよ」
北斗「やられたな」
羆嵐「集中しないとヤバいぞ。6チームしかないんだぞ、俺たち。1敗したらキツいんだよ」
北斗「ああやって女のことも転がしてきたって言うのか?」
羆嵐「知らねえよ、そんなの。本人に聞けや、俺に聞くな。集中が足りないよ、オマエ。勝てねえぞ、オマエ。トロフィー、トロフィー、世界のトロフィーを取るって言ったろ」
北斗「わかってねえな。最強タッグっていうのは、優勝チームはだいたい開幕戦はいかれる(負ける)んだよ。過去の傾向に出てんだよ。5チームしかねえからヤベぇけどな」
羆嵐「オマエ、ヤバいぞ、ちょっと。気緩んでんじゃねえか」
北斗「明日だ、明日。タロース、やってやるよ」
羆嵐「ヤバいね、潮﨑、芦野組に負けた1敗はデカいから。明日は綾部、タロースか。俺が担いでやる。誰よりも俺が、フリーの羆嵐が全日本プロレスだってことを明日も見せてやるから。以上だ。ハァァー! 負けねえぞ」
<第3試合>
6人タッグマッチ 30分1本勝負
斉藤ジュン MUSASHI 吉岡世起 vs 田村男児 井上凌 小藤将太

最強タッグにエントリーしているMUSASHI&吉岡世起と田村男児(パートナーは佐藤光留)が6人タッグに登場。
序盤からアジアタッグ王者のMUSASHI&吉岡が若干のギクシャクも交えながら連係を見せる。しかし、2人での突進は小藤に迎撃され、ミサイルキックを食らう。吉岡は田村にシザーズキックを決めて、ジュンにタッチ。ジュンは田村に滞空式ブレーンバスター。田村もぶち当たるようなショルダータックルを放って、井上につなぐ。井上はジュンに得意の蹴りを畳みかける。井上の攻勢をフロントキックで食い止めたジュンはラリアット。MUSASHI&吉岡が田村、小藤を排除。ジュンは井上に豪快なチョークスラムを決めて、3カウント。試合後、場外ではMUSASHIと田村がヒートアップ。MUSASHIは吉岡になだめられながら引き揚げた。
バックステージでは最強タッグにエントリーしていないジュンが、シリーズ中に組まれている試合での全勝を宣言。目標を達成した暁には「あらためて宮原健斗に挑戦してやるぜ」と三冠ヘビー級王座を見すえてアピールした。

<ジュン組のコメント>
ジュン「いよいよ始まった最強タッグ。今年は斉藤ブラザースは出場しないが、俺は全部、自分の試合を勝って、面白くしてやると言った。シリーズの試合を全部勝ったら、あらためて宮原健斗に挑戦してやるぜ。まずは今日で1勝目だ。明日の沼津も楽しみにしとけ。DOOM!」
吉岡「むーちゃん、どうしたの?」
MUSASHI「なにが?」
吉岡「情緒不安定? 大丈夫? 荒れたり、急になんか…」
MUSASHI「全然いつも通り」
吉岡「大丈夫、落ち着いて。深呼吸できる?」
MUSASHI「冷静きま…きま…極まりない」
吉岡「冷静きままりない?」
MUSASHI「極まりない」
吉岡「一回、深呼吸しようか(2人で深呼吸をする)」
MUSASHI「それはそうとさ、せーちゃん、最強タッグ始まったわけだけど、むーちゃんせーちゃんって知ってる?」
吉岡「え? 知って? え? 本人じゃないの?」
MUSASHI「もちろん知ってるよね。最近さ、ダブル吉岡だっけ? むーちゃんせーちゃんでいつもやってる連係やってみたり、“ススヨシ”だっけ? タッグの手ごたえがあったのかなんなのか分かんないけど、また組もうよみたいな匂わせしてさ。なに、俺に焼きもちでもやかしたいわけ?」
吉岡「そういうつもりはなかったですけど…」
MUSASHI「これから最強タッグ優勝しようねって、手を取り合って頑張ろうって言ってるのに、なにそれ? そんなんで優勝できるの?」
吉岡「すみませんでした…」
MUSASHI「そうでしょ、いまは俺だけを見てくれよ! いまは、むーちゃんせーちゃんだけでいいんじゃないの? いいよ別にいろんな人とタッグ組んでも、そこは怒らない。ただ、いまは、むーちゃんせーちゃんでしょ?」吉岡「はい…」
MUSASHI「分かった?」
吉岡「はい、久しぶりでテンション上がっちゃって」
MUSASHI「分かる、テンション上がるのは分かるけど、いまは、むーちゃんせーちゃんでしょって話だよ。それだけ言いたかった。だからなにかぶつけて、もっとぶつけてよ」
吉岡「なにかをぶつけて?」
MUSASHI「ぶつけて、ぶつけて。(ベルトをぶつけられて)痛い! そういうぶつけるじゃなくて、熱い気持ちをガァッと。これから始まるんだから、俺らの最強タッグが」
吉岡「OK! 考えてくる!(先に引き揚げる)」
MUSASHI「……まあ、俺はねせーちゃんのことが大好きです。以上です」
<田村組のコメント>
田村「開幕した、最強タッグ。けど、今日は公式戦がないと。明日からなんで、ボクと光留さんが勝ちます。HAVOC、潮﨑豪、芦野祥太郎組に勝つ。そのためにはちょっと厳しくやろうかなと思ってるんで、お楽しみにしてください。ぶっ倒します」
井上「最強タッグ、始まりましたね。今年のメンツはジュニアの選手も選ばれて、けっこう所属ほとんど入ってる。だけど俺はエントリーされてない。つまり戦力外ってことですよ。世界最強の名にふさわしくない、そういうことです。このエントリーされていない、なにもないなかで、しっかりと自分のテーマ探していきますよ」
小藤「自分もこの最強タッグ、エントリーされてないですけど、この最強タッグ期間中、数々の強豪選手とのシングルマッチ、決まってます。俺はここで結果を残して、来年はもっと全日本プロレス、小藤が中心に行ってやります」
<第4試合>
世界最強タッグ決定リーグ戦2025 Aブロック公式戦 30分1本勝負
鈴木秀樹 真霜拳號 vs 綾部蓮 タロース

今リーグ戦にあたりみずから優勝候補と公言している綾部蓮&タロースが、“ましもん”鈴木秀樹&真霜拳號との初戦に臨む。
先発でタロースと対峙した真霜はうまくかく乱しながら立ち向かうも、弾き飛ばされてしまう。タッチの手を差し出された秀樹は、相手側が綾部にタッチしたのを見て真霜と代わる。秀樹は綾部のボディーにエルボー、エルボースマッシュ。綾部はカウンターで秀樹を担ぎ上げて、ボディースラム。綾部&タロースがトレイン攻撃。そして合体技を狙うが、タロースがロープに飛ぶと真霜が場外から足を引っ張る。秀樹は綾部にフロント・ネックロック。さらにコーナーに詰めて片腕を固定すると、ボディーにエルボー連打。綾部もエルボーを返すが、秀樹はコーナーに詰められながらも巧みに下腹部に蹴りを見舞う。代わった真霜も綾部にミドルキックを連発。相手チームにつかまった綾部は秀樹にブレーンバスターを決めてタロースにつなぐ。
タロースは串刺しボディーアタック。カットに来た真霜をフロントキックで倒し、秀樹を担ぎ上げると真霜の上に叩きつける。さらに2人まとめとサイドバスターで叩きつけるという驚異のパワーを見せつける。ダブルチョークスラム狙いは秀樹&真霜が阻止し、ローキック連打。ヒザを突いたタロースに低空延髄斬りを見舞う。タロースからタッチを受けた綾部は秀樹に串刺しフロントキック、ランニング・ネックブリーカー。
秀樹も綾部を巧みに座らせて、低空ドロップキック連発。スリーパーホールドで絡みつくと、真霜がタロースを場外で足4の字固めで捕獲。秀樹はぶら下がり式の首4の字固めから、コーナーに上る。とらえた綾部が秀樹にエルボー。そして雪崩式ブレーンバスターもカウント2。秀樹は隙を見て再びスリーパーで絡みつく。綾部はコーナーに押しつけて脱出し、タロースの串刺し攻撃を呼び込む。綾部が秀樹にフルネルソンバスター。真霜を合体チョークスラムで排除し、秀樹にも合体攻撃を連発。最後は綾部がデスルーレットで叩きつけて3カウント。
秀樹&真霜の巧みな試合運びに苦しみながらも、圧倒的な合体攻撃で相手チームを食い止めて、ハネのけた綾部&タロースが有言実行の優勝に向けて1勝目をゲットした。
<綾部&タロースのコメント>
綾部「最強タッグ始まった、開幕戦。当然の結果だな。鈴木秀樹、真霜拳號、前世界タッグ王者だけあって強かったよ。ただ、我々、綾部蓮&タロース、タイタンズ・オブ・カラミティが上を行った。それだけの話だ。今日は序章に過ぎないから。対戦相手、観客を絶望の渦に飲み込んでやる」
タロース「俺たちはこのリーグ戦を制覇すると約束した。タイタンズ・オブ・カラミティがこのリーグ戦を制覇する。相手が誰であろうと、場所がいつどこであろうと関係ない。俺とアヤベさんが全員ぶっ倒してみせる」
<秀樹&真霜のコメント>
真霜「クソ…」
秀樹「いや、俺の方がやられてる」
真霜「いや…」
秀樹「いや、違うでしょ、俺の方がやられてるから」
真霜「俺の方が小さいから、凄い担がれてたんっすよ。なんだアイツら? デケぇっすね、アイツら。まあ、初戦ですよ、今日は。まだまだまだまだ、今日負けたからって」
秀樹「いや、今日勝たないとダメでしょ。今日負けたからいいとかないでしょ、なに言ってんだよ、バカ野郎!」
真霜「リーグ戦だから、リーグ戦だからさ」
秀樹「(腰を押さえながら)もういい、喋ると痛いから。お茶飲もう、お茶。お茶飲もう」
<第5試合・セミファイナル>
世界最強タッグ決定リーグ戦2025 Bブロック公式戦 30分1本勝負
宮原健斗 デイビーボーイ・スミスJr. vs 本田竜輝 野村直矢

昨年は準優勝に終わった宮原健斗&デイビーボーイ・スミスJrの日英コンビが登場。宮原は「今年は優勝しか価値がない」とキッパリと言い切り、昨年はあと一歩で届かなかった栄冠に向けて強い意気込みを示している。一方の本田竜輝&野村直矢は初出場。実力者コンビとの初戦で、いまは未知数のチームとしての可能性を示したいところ。
先発で宮原と対峙した野村はロープに詰めると離れ際にエルボー。宮原もフロントキックを返して、譲らぬ攻防を見せる。それぞれタッチでスミスと本田の攻防。スミスが本田をショルダータックルで倒し、宮原とダブルの攻撃も見せる。本田は宮原の突進をカニ挟みで倒して、ロープに押しつける。宮原も本田の足を引っ張り場外戦に引きずり込む。本田もすぐに反撃に転じて、宮原を鉄柵に叩きつける。鉄柵に押しつけると、観客とともに「1、2、3、4!」。リングに戻っても、本田&野村が宮原をとらえて攻め込む。
防戦の宮原は隙を見てスミスにどうにかつなぐ。スミスが一気に流れを変え、野村を痛烈なブレーンバスターで叩きつけ、さらにパワースラム。野村は追走式のエルボーアタックで反撃し、スピアを決めると本田にタッチ。本田はスミスに串刺しラリアット、カウンターのスピア。スミスはDDTを返して宮原にタッチ。宮原は本田のヒザに低空ドロップキック、さらにドロップキックを畳みかけて、「ケント」コールを煽る。
本田&野村も2人がかりでスミスをなぎ倒し、さらに宮原にもダブルのブレーンバスター。本田のラリアット狙いは宮原がかわす。本田はブラックアウトをキャッチして、丸め込み。スピアから野村のフロッグスプラッシュを呼び込み、さらに合体スピアもカウント2。「ホンダ」コールの中、ラリアットで宮原をなぎ倒すが、これもカウント2。ファイナルベント狙いは宮原が阻止し、ブラックアウト。スミスも本田にバックドロップ。野村はスミスとエルボー合戦からデスバレーボム。本田は宮原に突進も、カウンターでブラックアウト。ショートレンジ・ラリアットを受け止めた宮原はバックに回ると、シャットダウン・スープレックスで3カウントを奪った。
前年の雪辱に燃える宮原&スミスが幸先のいいスタートを切り、試合後には宮原がマイクを手にして、12・10後楽園での優勝決定戦まで勝ち進むことを予告。さらにスミスと「最高」&「アイ・ラブ・ゼンニッポン」を叫び、メインイベント前の“中締め”とばかりに拳を突き上げた。

<リング上での宮原&スミスのマイク>
宮原「1勝目、ゲットだぜ! おい、後楽園、宮原健斗とデイビーボーイ・スミスJr、見られるだけでありがたいと思え。しっかり目に焼きつけておけよ。そして12月10日、ここ後楽園ホールで優勝決定戦がおこなわれるが、俺らは必ずこの舞台に帰ってくるぜ。そこで後楽園ホールのお客さんに聞きたーい! 全日本プロレス、最高ですかー!?」
スミス「(客席からの「最高!」の声を受けて)サイコウデース! アイ・ラブ・ゼンニッポン!」
<宮原&スミスのコメント>
宮原「おい、一発目、決めたぞ。酔いしれたろ、後楽園ホール。何度も言わせるな、俺たちの存在を見られることをありがたく思えよ。ファンは今日から始まった世界最強タッグ決定リーグ戦、日本全国に俺たちスター2人を見に来るんだな。必ずや12月10日は、俺らが最後にあの優勝トロフィーを持ち上げる」
スミス「その通り。最高ブルドッグスはただカッコいいだけではない」
黒潮「(急に割り込んできて)おーい! オマエら、他花師が明日、オマエらをぶっ潰してやるよ! 俺たちはただのにぎやかしじゃねえんだよ。これを見てみろ!(とTシャツの背中に書かれた文字を見せる)」
宮原「プロレスはゴールのないマラソン」
黒潮「その通りじゃ」
宮原「明日それを証明するのかオマエら」
黒潮「やってやるよ」
宮原「沼津で泣かすぞ。他花師なんか言ってみろ。明日の沼津に関して」
他花師「これだけは言っておくぞ。沼津とかけまして、英語と説く」
黒潮「その心は?」
他花師「どちらも“イズ”があるでしょう」
黒潮「…やってやる、明日、オリャ! 見とけ、宮原健斗、デイビーボーイ・スミスJr!(他花師とともに引き揚げる)」
宮原「(英語で)スミス、彼らはクレイジーだ」
スミス「チーム・バカ?」
宮原「明日、沼津でやってやろうぜ。おい、イケメン、他花師、オマエらにぎやかしじゃないらしいな。じゃあ、俺らに勝ってみろよ。楽しみにしてるぜ」
スミス「イケメン、オマエが何を言っているのかよく分からなかったが、一つだけ理解しておけ。真の実力者が常に頂点に立つんだ。そして、それは最高ブルドッグスだ。今日の1勝で残りの最強タッグ公式戦もドミノ倒しのように崩して、勝利を手にしていく。アイ・ラブ・ゼンニッポン! 最高ブルドッグスこそが最強で最高だ。最強の中の最強だ」
宮原「ところでよ、大みそかは(三冠ベルトを叩きながら)誰が来るんだよ?」
<野村&本田のコメント>
野村「悔しい」
本田「クソっ!」
野村「あぁ、悔しい。本田、悔しい」
本田「まだ1敗だろ! 今日開幕したんだ、絶対俺たちが優勝する! おい、宮原、スミス、オマエら絶対に返してやる」
野村「OK、まだ1敗だ。行くぞ、本田」
<第6試合・メインイベント>
世界最強タッグ決定リーグ戦2025 Bブロック公式戦 30分1本勝負
青柳優馬 安齊勇馬 vs 青柳亮生 ライジングHAYATO

開幕前にSNS上で実施されたファンの優勝予想で1位に輝いた青柳優馬&安齊勇馬vs“アツハヤ”青柳亮生&ライジングHAYATOの好勝負必至の一戦がメインイベントで組まれた。戦前、亮生は「害虫・青柳優馬を駆除し、安齊勇馬を救いたい」と兄に非情なる通告をおこない、一方のHAYATOも「俺を捨てていった男がいるかもしれない。ボコボコにするよ」とこちらも元相棒の安齊に向けて宣戦布告。タッグチームとしての経験値も生かして、ジュニアコンビが優勝候補の一角からの白星を狙う。
序盤、HAYATOが安齊をロープに詰めて、離れ際に強烈なチョップを見舞う。顔色が変わった安齊もドロップキックを返し、HAYATOは相手を場外に叩き出すと、ポーズを決める。背後から優馬が近づくと、亮生がミサイルキック。亮生&HAYATOがダブルドロップキックで相手2人を場外に出し、同時プランチャで追撃。防戦になりかけた優馬&安齊は場外戦で流れを変えて、相手チームを徹底的に痛めつける。リングに戻っても、優馬&安齊が亮生をとらえて攻め立てる。優馬はエプロンで控えるHAYATOも挑発しつつ、亮生をいたぶる。防戦の亮生は優馬にドロップキックを放ち、HAYATOにタッチ。
HAYATOは優馬を踏み台にしてエプロンで控える安齊にドロップキック。優馬にも攻勢をかけるが、カウンターでキチンシンクを食らって動きを止められる。安齊はHAYATOをコーナーに詰めて、エルボー連打。場内から「ハヤト」コールが起こる中、安齊がバックをとらえる。これはHAYATOが振りほどき、強烈なオーバーハンドチョップ。安齊もアッパーニーを返して、ダブルアーム・スープレックス。ギムレット狙いはHAYATOがウラカン・ラナで切り返す。ベリー・トゥ・ベリーで投げ捨てられたHAYATOはすぐさま安齊をブレーンバスターで叩きつける。
それぞれタッチで優馬と亮生の攻防。亮生のフィッシャーマンズ・スープレックス狙いは優馬が阻止。グラウンドでエンドゲームで捕獲する。逃れた亮生は優馬にハンドスプリング式レッグラリアット。HAYATOとのトレイン攻撃から合体コードブレーカー、合体ネックブリーカー・ドロップと畳みかける。亮生のムーンサルト・プレスは優馬がかわす。優馬は亮生にドロップキック。亮生も相手に絡みついての変型DDTを返す。両者ダウンで、カウント9でともに立ち上がる。
優馬と亮生がエルボー合戦。優馬が追走式の串刺しエルボーアタックからバックドロップ。安齊との連続攻撃で亮生を追い込んでいく。粘る亮生は優馬に丸め込みを連発。旋風脚からHAYATOがナガオDDT。亮生がロコモーション式フィッシャーマンズ・スープレックスもカウント2。ムーンサルト・プレスからカバーに入るも、安齊が亮生のバックを取りジャーマン。安齊はHAYATO、亮生にジャンピング・ニー連発。優馬は亮生にラリアット、ロックスターバスター。THE FOOL狙いは亮生が切り返して、ラリアットで優馬をなぎ倒す。安齊にもHAYATOとのトラースキック、さらに連係技で排除。HAYATOが優馬にひとでなしドライバー。そして2人でコーナーに上ると、亮生がHAYATOに雪崩式スパニッシュフライを決める形で優馬を圧殺。“シド&ナンシー”と名づけられた捨て身の合体技で勝機を引き寄せると、HAYATOが安齊を食い止め、亮生が優馬にファイアーバード・スプラッシュを決めて、大熱戦に終止符を打った。

期待に違わぬ試合内容で兄・優馬超えを果たした亮生は、ヘビー級の強豪チームが揃う中で「全日本のリングにはデカくて、強くて、カッコいいレスラーを倒しちまう、ちっちゃくて強くてカッコいいレスラーがいるんだ」とジュニアヘビー級としての意地とプライドをのぞかせるアピール。その上で「この勢いでかき乱して優勝しちゃいますんで、楽しみにしといてください」とリーグ戦制覇を予告し、HAYATOとともに開幕戦を締めた。
<リング上での亮生&HAYATOのマイク>
亮生「勝ったぞー! 青柳優馬に青柳亮生が勝ったぞー! “戸籍”はもうどうでもいいんだ。いつかの後楽園でエースが言ってましたよ。全日本プロレスはデカくて、強くて、カッコいいヤツが集まるリングだって。でもな、全日本のリングにはな、デカくて、強くて、カッコいいレスラーを倒しちまう、ちっちゃくて強くてカッコいいレスラーがいるんだ! この勢いでアツハヤがかき乱して、かき乱して、優勝しちゃいますんで、楽しみにしといてください。そして、HAYATOさん、この勝利は2人で手にしたものです。ひと言、聞かせてやってください、皆さんに」
HAYATO「みんな今日、楽しかった? (大歓声を聞いて)じゃあいいや、ありがとう」
亮生「HAYATOさんも相当楽しかったみたいです。ということで、“プルス・ウルトラ・Let’s Punk締め”をしたいと思います。皆さんご存知でしょうが、青柳亮生が『全日本プロレス、さらに向こうへ』と叫びましたら『プルス・ウルトラ』とピースサインを掲げてください。そのまあHAYATOさんが『Let’s Punk』と言ったら、(ピースを)ひっくり返してください。優勝してもこれやるんで、今日覚えていってください。それではよろしいでしょうかー! よろしいでしょうかー! よろしいでしょうかー! 全日本プロレス、さらに向こうへ、プルス・ウルトラ!」
HAYATO「Let’s Punk!」

<亮生&HAYATOのコメント>
亮生「見たか、見ただろ? これがアツハヤだ。デカくて、強くて、カッコいいレスラーが集まるだけの全日本じゃないぞ。デカくて、強くて、カッコいいレスラーを倒す、ちっちちゃくて、強くて、カッコいい俺たちがいるんだ。そう簡単にうまく行くと思うなよ、ヘビー級ども。全員、ぶっ潰してやる。明日もザイオン、オデッセイ」
HAYATO「デカいヤツらが勝つ、そんなプロレスだけじゃおもしろくないでしょ? 明日もやってやろう」
亮生「もうやろう、勢いでいくしかない!」
<安齊のコメント>
安齊「青柳さんが…。今日のこの勝敗で俺の選択が間違ってたとか正しかったとか、そんなの決めるつもりないけど。俺は今日のこの負けも全部乗り越え、青柳さんとの道を正解にしてみせます。そして、今日の試合でやっぱりあらためて思ったけど、亮生さんの横だと、俺のときとは違う表情見せて、正直悔しいです。でも、このタッグリーグ、今日開幕。俺と青柳さんが必ず優勝するから、俺と青柳さんのこと見ててください」
*優馬はノーコメント