「チャンピオン・カーニバル2025」4.12福岡大会 試合詳報&試合後コメント 全日本プロレス

「チャンピオン・カーニバル2025」4.12福岡大会 試合詳報&試合後コメント

ニュース

〈第1試合〉
第1試合 タッグマッチ 20分1本勝負
MUSASHI 田村男児 vs ライジングHAYATO 長尾一大心

「チャンピオン・カーニバル2025」(以下、カーニバル)第2戦となる福岡アイランドシティフォーラム大会。オープニングマッチは、世界ジュニアヘビー級王者のMUSASHIが田村男児と組み、ライジングHAYATO、長尾一大心組と激突したタッグマッチ。

 MUSASHIは3・29大田区大会で相棒・吉岡世起との世界ジュニアヘビー級選手権が組まれていたが、急性胃腸炎で欠場となり、タイトルマッチはチャンピオン・カーニバル最終戦、5・18大田区総合体育館大会に延期となった。チャンピオンの欠場でタイトルマッチが延期になる事態にHAYATO、田村男児らジュニア戦士は苦言を呈していた。

長尾が元気よく先発を買って出ると、MUSASHIと対峙して試合がスタート。真っ向勝負を仕掛けコルバタで場外に追いやると、HAYATOがドロップキックから場外ダイブと見せかけ、華麗なバク宙、得意のポーズでファンを虜にした。長尾はボディスラム狙いも投げられず、MUSASHIが逆に叩きつけ田村にチェンジ。気合いを入れ直した長尾は、田村に食らいついていったが、逆エビ固めを極められ劣勢が続く。自力でロープに逃げると、串刺し攻撃を阻止してミサイルキックで逆襲。代わったHAYATOは、田村を踏み台にしてエプロンのMUSASHIに一撃。さらに、高速ロープワークからエルボーを突き刺すと、マットを踏み鳴らしてドロップキックからフェイスクラッシャーを決めていく。田村がバックフリップで一矢報いると、MUSASHIは「盛り上がっていこうぜ!」と煽り、コーナーのHAYATOに突進。逆水平チョップ、フットスタンプ、顔面ドロップキックと得意のコンボを仕掛ける。HAYATOはゼロ戦キックで対抗すると、長尾にチェンジ。一心不乱にエルボーを打ち込んでいくが、MUSASHIは「効かねーよ!」とアピール。それでも長尾はドロップキックを直撃させ、HAYATOと連携を決めていく。スワンダイブ式ミサイルキックはカウントツー。ジャーマンが不発に終わってもノーザンライト・スープレックスに切り替え、金星奪取を狙うが、スリーカウントは奪えない。MUSASHIが強烈なチョップをブチ込み、垂直落下式ブレーンバスター。HAYATOのカットに救われた長尾だが、リング中央で逆エビ固めを決められてしまう。MUSASHIは腕をロックしたまま足をクロスして締め上げるジャベ「トゥルトゥーラ」で粘る長尾からギブアップを奪った。

バックステージでMUSASHIは、吉岡とのタイトルマッチへ向け、「もうみなさんの期待を裏切りたくないのでね、しっかり精進してまいります」とコメントを残し、勝って兜の緒を締めた様子だった。

<バックステージコメント>

MUSASHI「チャンピオン・カーニバルはね、ヘビー級の戦いかもしれないですけど、ジュニアも負けていない、面白いというのをしっかり見せて伝えていきたいですね。そして、延期になっていたせーちゃん(吉岡)とのタイトルマッチが決まりました。ありがとうございます。もうみなさんの期待を裏切りたくないのでね、しっかり精進してまいります」

HAYATO「この前、後楽園ホール大会が終わって、かっこつけたこと言っちゃったけど、あっさり負けちゃって…。今、チャンピオン・カーニバル中で、そしてここ福岡だから宮原健斗がメインイベントなのかな。分かってるよ。理屈では分かってるよ。でも、いつの日にか、いやすぐにでも、地元凱旋でも、チャンピオン・カーニバルとかそういうのあっても、ジュニアがメイン、全日本プロレスの主軸はジュニア、この目標は変わらないよ。楽しみにしていて。Let’s Punk!」

長尾「組んだHAYATOさんも田村さんもMUSASHIさんも全員、世界ジュニアを巻いたことのある選手でした。こんな大チャンスを逃した自分が情けなくて仕方がないです。このチャンピオン・カーニバル期間中、絶対に自力勝利をあげて見せます。ありがとうございました」

〈第2試合〉
チャンピオン・カーニバル Bブロック公式戦 30分1本勝負
マイク・D・ベッキオ vs 菊田円

第2試合は、DRAGONGATEの菊田円とマイク・D・ベッキオ、初エントリー同士のカーニバルBブロック公式戦。菊田は4・9後楽園大会で青柳優馬とのシングル初対決を制し、ベッキオもエーグル・ブランを撃破して、開幕ダッシュに成功している。

 2連勝が賭けた公式戦は、ロックアップからベッキオが自慢のパワーで先手。ヘッドロックで締め上げ、スタミナを奪っていく。菊田が場外に逃げると、トペ・スイシーダを放ち、パワーだけではないことをアピールする。一度リングに戻された菊田は、スワンダイブを狙ったベッキオを場外に落とし、エプロンからヒップアタックを発射。強烈なチョップをお見舞いして打撃音を響かせると、リングに戻り首4の字固めでギブアップを迫る。5分経過。ベッキオがエルボーを被弾しながらも、フロントハイキックで反撃。ストンピングを落とし、ダイナミックなブレーンバスター、ボディスラムと怪力殺法で攻勢に出る。チョップの連打で突破口を開いた菊田は、ショルダータックルから183cmの巨体を完璧にぶっこ抜いてブレーンバスター。「行くぞ福岡!」と気合いを入れると、客席のチビッ子も「行くぞ!」コールを発生させて菊田を後押しする。抵抗するベッキオにヒップアタックをお見舞いもカウントツー止まり。息を吹き返したベッキオは菊田を場外に落とすや、トップロープ超えのトペ。リングに戻してスワンダイブ式のエルボーで追撃を仕掛けると、コーナーを飛び乗って放つRKO「トリプルスプリングボードカッター」で菊田を完全粉砕。初出場同士の一戦を制して、会心の開幕2連勝を飾った。

<バックステージコメント>

菊田「チャンピオン・カーニバルの2戦目でマイク・D・ベッキオ…、世界は広いな。あんな人がまだたくさんいるんだろ。それをこのチャンピオン・カーニバル2戦目で体感できたことはとてもいいことだと私は思います。痛い…。あんなデカくて、あんな飛んでくるやつ、そうそういないでしょ。でもね、チャンピオン・カーニバル、あと6試合くらいあるな。もう1人、外国人いるな。このまま負け続けるわけにはいかない。青柳優馬に勝ったんだ。オレはこれからは負けるわけにはいかない。勢い落とさずケツ、ヒップがホップしていくぜ!みんな、オレのケツだけ見ておけ!」

〈第3試合〉
チャンピオン・カーニバル Aブロック公式戦 30分1本勝負
羆嵐 vs ザイオン

第3試合は、3年ぶり3度目の出場となる羆嵐と初出場・ザイオンのAブロック公式戦。初来日となるザイオンは、オーストラリア出身の35歳。188cm、112kgの大型ファイターでプロレス入り前はラグビーで活躍し、サモア代表としてワールドカップに出場したことがある。2018年にWWEと契約してNXTで活躍し、現在はフリーとして活動している。

4・9後楽園大会の10人タッグマッチに続いての激突となった2人。ロックアップでは羆嵐がロープに押し込み、クリーンブレイクから雄叫び。壮絶な肉弾戦に発展すると、ザイオンがフライングラリアットからヘッドドロップを連発し、フットスタンプも投下する。羆嵐はボディアタックで追撃を阻止して、得意のセントーン。串刺しラリアットからボディを踏みつけ、コーナーのセカンドロープからセントーンを放つ。フォールをツーで返されると、アルゼンチンバックブリーカーで担ぎ上げた。5分経過。スリーパーを決めて抜け出したザイオンは、羆嵐の腕をクロスして締めあげて抵抗。打撃の連打からヘッドバットもラリアットを被弾。羆嵐が埼玉に乾杯!でフィニッシュを狙ったが、ザイオンはデスバレーボムで形勢逆転。ラグビーの仕込み強烈なタックルはカウントツー。ならばと、マットに突き刺すような急角度パワーボム「Xボム」でスリーカウントを奪取。熊嵐を討ち取り、スタートダッシュに成功した。

<バックステージコメント>

羆嵐「何が起きた?何が起きたんだ?ちょっと何が起きた?ザイオン…、何が起きた?ザイオン…」

〈第4試合〉
チャンピオン・カーニバル Bブロック公式戦 30分1本勝負
安齊勇馬 vs エーグル・ブラン

Bブロック公式戦、初優勝を目指す安齊勇馬と初エントリーとなるエーグル・ブランのシングル初対決。開幕戦で安齊は99秒で大森北斗を破り白星を獲得。一方エーグルはベッキオとの外国人対決に敗れ開幕黒星となった。

 試合開始のゴングが鳴ると、エーグルが腕の取り合いから軽快なムーブを見せ、安齊も冷静に対応。場外戦に突入すると、エーグルは鉄柵からクロスボディを放ち、コーナーに上がりムーンサルトアタックを発射した。得意の空中殺法で主導権を握ると、ヘッドシザースからそのままグラウンドで顔面を締め上げていく。劣勢が続いた安齊は、串刺しエルボーで流れを変えてフロント・スープレックス。打点の高いドロップキックをクリーンヒットさせると、ジャーマン・スープレックスの態勢。しかし、エーグルはバク宙で切り抜け、ダイビング・ニーアタックをズバリ。エルボーを打ち合うと、エーグルがヒザ蹴りを放ち、安齊もジャンピング・ニー。追撃を防いだエーグルが投げっぱなしドラゴン・スープレックスを決めると、安齊も同じくドラゴンで対抗する。白熱の攻防が続き、エーグルはロープを挟んだ状態からフランケンシュタイナーで脳天を突き刺し、コーナーにもたれる安齊にフロム・コーナー・トゥ・コーナー。450スプラッシュはギリギリで回避され、安齊がジャンピング・ニーで逆襲。ギムレットを狙うと、エーグルが回転エビ固めで切り返して、顔面蹴りから追撃のスワンダイブへ。しかしロープ上のエーグルを捕らえた安齊は、強引にギムレットを敢行。エーグルとの初対決を制し、春の祭典制覇へまた一歩前進した。

<バックステージコメント>

安齊「“フランスの白い鷲”エーグル・ブラン。オレが打ち勝って、これで勝ち点4点目だ。チャンピオン・カーニバル開幕から2連勝。今年めちゃくちゃ調子いいんじゃないか。よく開幕戦勝ったらとか、前半勝っていると決勝まで行けないみたいなジンクス聞くけど、オレが全部ひっくり返して全勝優勝、最年少優勝してやるよ。だからオレだけを見ておけ。オレとの約束です」

〈第5試合〉
8人タッグマッチ 20分1本勝負
斉藤ジュン 斉藤レイ 本田竜輝 青柳亮生 vs デイビーボーイ・スミスJr.  大森北斗 吉田隆司 井上凌

 休憩明けの第5試合はカーニバル出場選手にジュニア勢が加わった8人タッグマッチ、斉藤ジュン&斉藤レイ&本田竜輝&青柳亮生VSデイビーボーイ・スミスJr.&大森北斗&吉田隆司&井上凌。

Aブロックにエントリーした三冠ヘビー級王者・ジュンは、4・27大会でスミス、4・29岡山で吉田と対戦。吉田とスミスは4・9後楽園大会で対戦し、スミスが勝利している。Bブロックには、レイ、本田、北斗がエントリーし、レイと北斗は5・10札幌大会、本田と北斗は4・13広島で激突。4・9後楽園大会では、レイと本田が対戦し、本田が白星スタートを切っている。

広島大会の公式戦を控える本田と北斗が先発。ロックアップからロープに押し込んだ北斗が離れ際に投げキスをすると、魅了された本田は「かっこいい…」と漏らしヒザをついてしまう。北斗が「飛び込んで来い」と両手を広げて迎え入れたが、我に返った本田はボディスラムで叩きつけて見せた。レイとスミスはスーパーヘビー級の肉弾戦を展開。スミスがDDTからギロチンドロップを投下。避けたレイがジュンとの合体攻撃を狙うが不発に終わる。飛び込んだ吉田が地獄突き、モンゴリアンチョップの乱れ打ち。斉藤ブラザーズはダブルのタックルで黙らせたが、スミスがラリアットで弾き飛ばし、地元凱旋となる井上(福岡県久留米市出身)にチェンジする。10分経過。スミス組がジュンに集中砲火を浴びせると、北斗がコーナー上で合体殺法をアピール。故郷に錦を飾りたい井上が北斗を叩き落して横取りしたが、スミス・吉田との合体型・雪崩式ブレーンバスターは失敗に終わり、自分がパワーボムで叩きつけられる形に。それでも、三冠チャンピオンに玉砕覚悟で挑んだ井上は、切れ味鋭いスープレックス、打撃のラッシュ。しかし、バズソーキックでもスリーカウントを奪えず、猛攻を耐え抜いたレイが猛烈な連打からラリアット。最後は必殺のサイコブレイクで叩きつけ、奮闘した井上を沈めて見せた。

試合後も本田と北斗は場外で大乱闘。公式戦へ向け因縁を深めると、バックステージで北斗は「オマエはもうオレに惚れている」と言い放ち、本田は「べ、別に惚れてねぇし」と強がった。

<バックステージコメント>

北斗「本田、オマエ、一瞬オレに惚れただろ。オレは騙せねぇぞ。思い出したかのように反撃してももう遅いよ。オマエはもうオレに惚れている」

井上「あー!地元なのに片道1時間30分、往復で3時間しかかからない地元で負けてしまった!でも次は絶対に勝つ。絶対に勝って近いうちにタイトル絶対に奪って、この福岡に帰ってくるからな。許さんぞ今日は」

吉田「いいね、いいね、斉藤ブラザーズ、オイ!チャンピオン・カーニバル、覚えておけよ、公式戦でこの借りは100万倍にしてシャラップしてやるからな!楽勝の湖!」

本田「別に惚れてねぇし。明日潰すだけだから別に。べ、別に惚れてねぇし。別に…、惚れてねぇし」

亮生「濃すぎます。チャンピオン・カーニバルに、井上凌地元凱旋、脇役の活躍もあり、きっと盛り上がったんじゃないでしょうか?明日からそうはいかないぞ。青柳亮生が主役を取りに行きますからお楽しみに」

ジュン「なんだ今の試合は?なんだあの不思議な組み合わせは?まぁ公式戦ではなかったが勝ちは勝ちだ。オマエ、調子はどうだ?」

レイ「1回負けているな」

ジュン「まだチャンピオン・カーニバルは始まったばかりだから決勝でやろうぜ。そして優勝するのは、このオレだ。まぁ福岡に来ているから、(福岡銘菓)ひよ子のピーちゃんを食べに行こう。DOOM!」

レイ「優勝するのはこのオレ、斉藤レイだ!」

〈第6試合〉
チャンピオン・カーニバル Aブロック公式戦 30分1本勝負
鈴木秀樹 vs 芦野祥太郎

開幕白星を飾った鈴木秀樹とこの日が初戦となる2023年優勝者・芦野祥太郎のAブロック公式戦。2年連続2度目のエントリーとなった秀樹は、4・9後楽園大会のメインイベントで宮原健斗を破り、カーニバル制覇へ好発進を決めている。

場内が静まり返るほど緊張感漂う攻防で幕を開けると、秀樹がエルボーで仕掛けるが、芦野は素早く足を取って、鉄柱にヒザを叩きつけていく。序盤から一転集中のヒザ攻めを展開し、ストレッチマフラーでもダメージを蓄積させる。追撃を阻止した秀樹は、ぶら下がり式首4の字で反撃。カミカゼで叩きつけると、腕をロックしてボディにエルボーを連打していく。ダブルアーム・スープレックスの体制に入ると、芦野がリバース・スープレックスで返して、追撃のスクリューエルボー。さらに、豪快な俵返しを決めてカバーに入る。カウントツーで返されるや、豪快なジャーマン・スープレック。バックを取り返した秀樹もジャーマンで応戦して卍固めを狙ったが、芦野は一瞬の隙をついてアンクルロック。ロープに逃げられても再びジャーマンで叩きつける。芦野はボディを打ち抜かれながらも、執念のアンクルロック。秀樹が切り返そうとしても、しつこく締め上げる。しかし、下から何度も顔面を蹴り上げていった秀樹は、動きの止まった芦野にバックドロップホールド。圧巻の畳みかけで優勝経験者の芦野を沈めて開幕2連勝。勝ち点を4に伸ばした。

<バックステージコメント>

芦野「チャンピオン・カーニバル2025、鈴木秀樹…、勝ちへの執念が足りねぇのか。クソッ…」

※秀樹がやって来て睨み合う。しかし、秀樹は何も言葉を発さずに姿を消す。

芦野「(床を殴って)クソッ、クソッ、クソッ…」

〈第7試合〉
チャンピオン・カーニバル Bブロック公式戦 30分1本勝負
青柳優馬 vs 綾部蓮

2戦目となる青柳優馬と2年連続2度目の出場で初戦となる綾部蓮のBブロック公式戦。2人は昨年のカーニバルでも同じブロックにエントリーし、その時は優馬がデスルーレットをエンドゲームで切り返して勝利。また、昨年10月、王道トーナメントを制覇した綾部が当時の三冠王者・優馬に挑んだタイトルマッチでも、優馬がTHE FOOLで勝利している。

カーニバル史上最年少優勝の記録を持つ優馬だが、開幕戦の4・9後楽園大会では初対決の菊田円に敗れ、痛恨の黒星スタート。巻き返しを誓って2戦目に臨んだ。

綾部はロックアップからロープに押し込むと、上から見下ろし頭を撫でて挑発。優馬がタックルの連打からドロップキックを放っても、受け流して突進でなぎ倒す。場外戦では優馬が鉄柱に叩きつけ反撃に成功。鉄柵にも何度もぶつけていき試合をコントロールする。リングに戻るとギロチンドロップ、エルボースマッシュからコーナーに飛び乗るが、綾部がドロップキックで撃ち落とす。再び場外戦に突入し、今度は綾部が鉄柵に叩きつけ、やられた分を倍返し。先にリングに上がると、足を組んで寝転びリングインを待つ余裕まで見せた。ショルダースルーで高々とぶん投げ、逆エビ固めで捕獲。ロープエスケープした優馬は、鮮やかな丸め込みでピンチを脱出し、鋭いドロップキック。串刺しエルボーを叩き込むと、「投げるぞ!」とブレーンバスターの体制に入る。投げ切ることはできなかったが、再びドロップキックをヒットさせ、場外の綾部を追いかけ鉄柱へのフェイスクラッシャー。リングに戻ると、綾部が息を吹き返し、白熱のエルボー合戦。フロントネックロックで絡みついた優馬だが、綾部はブレーンバスターで切り返し形勢逆転。串刺しビッグブーツで打ち抜くと、ジャンピング・ネックブリーカーで追撃を仕掛ける。さらにアイアンメイデンを狙うが、必死に抵抗した優馬が丸め込みを次々に決めていく。落ち着いて肩を上げた綾部は、フルネルソンバスターでシャットアウト。優馬がデスルーレットを阻止しても、投げっぱなしのドラゴン・スープレックスをお見舞い。さらに、トドメのデスルーレットを狙ったが、着地した優馬がジャックナイフ固めでガッチリ抑え込み大逆転勝利。キラー綾部ぶりを発揮して巨人狩りに成功。勝ち点2をもぎ取った。

●バックステージコメント

優馬「ようやく勝ち点2点獲得しました。いやー、たまったもんじゃないよ。さすがに開幕2戦目で2連敗するわけにはいかないからね。綾部蓮もオレと同じように初戦を落とすという苦しみを味わってくれたようだな。大変大変気分がいいぜ。ひとつ言っておくけどな綾部蓮、オレは26歳6か月という最年少記録保持者だ。地味に最年少覇者だ。オレが優勝したからそういう記録があるんだ。プロフィールに書こうが、どこに行って自慢しようが、オレの勝手だ。言っとくけどな、このオレが最年少覇者だ。そして綾部蓮、5戦5勝だ。オレは5回やって今のところ5回勝ってるぞ。全部勝ってるからな。プロフィール欄に『5回やって全部勝ってる』って書いてやるからな。覚悟しておけ綾部蓮」

綾部「なんだよこれ。チャンピオン・カーニバル公式戦1戦目。なんで青柳優馬にことごとく勝てないんだオレは…。なんなんだあいつは…。このチャンピオン・カーニバル1戦目で綾部蓮の心に怒りが宿ってしまった。次から当たるやつら全員無事に帰れると思うなよ。まぁ青柳優馬光栄に思え、綾部蓮から勝利したということはSNSのプロフィール欄に『あの綾部蓮から勝利』と付け加えることを特別に許可しよう」

〈第8試合〉
メインイベント チャンピオン・カーニバル Aブロック公式戦 30分1本勝負
宮原健斗 vs 真霜拳號

福岡大会のメインイベントは、福岡県福岡市出身の宮原健斗が2AWの真霜拳號を迎え撃ったAブロック公式戦。両者は、2016年6月15日に三冠ヘビー級選手権、2018年9月24日に第6回王道トーナメント優勝決定戦で対戦し、いずれも宮原が勝利している。

開幕戦では、宮原が秀樹、真霜がジュンに敗れ、ともに黒星スタート。初白星を巡る注目の一戦は、ゴング直後に健斗コールが発生。じっくり互いの力を確かめ合うと、真霜がヘッドロックで締め上げて先手を取る。真霜は場外に引きずり込むが、宮原は追撃を防いで鉄柵に叩きつける荒技。頭突きを繰り出してリングに戻ると、マッスルポーズを決めて健斗コールを煽る。再び場外に降りると、真霜が返り討ちにして、鉄柵や鉄柱を使った腕へのピンポイント攻撃。ロープを挟んでの攻防では、飛び降り式アームブリーカーで宮原の右腕が悲鳴を上げる。その後も真霜は反撃を許さず、腕へ容赦ない蹴り。さらに河津落としから変形のグラウンド卍固めを極める。拷問を耐え抜いた宮原は、低空ドロップキックから顔面も打ち抜き反撃開始。串刺しブラックアウトからエプロンでパイルドライバーを狙ったが、真霜がリバースして場外のマットを剥がすと、ヒザを押し当て剥き出しの床に宮原の右腕を叩きつける。リングに戻り、サッカーボールキックの嵐。宮原は逃げずに受け止め、「まだまだ!」と意地を張る。痛みをこらえてエルボー合戦が繰り広げられると、会場は健斗コールでエールを送る。ブレーンバスターで主導権を握った宮原は、距離を取ってブラックアウトをズバリ。ロープに走って追撃を狙ったが、真霜が腕ひしぎ逆十字固めで絡め捕り腕固めへ移行。宮原は再び右腕を攻められるもカウンターのラリアット。シャットダウン・スープレックスの体制に入ると、抜け出した真霜が飛びついて無道で勝負に出る。苦悶の表情を浮かべた宮原だが、なんとかロープエスケープ。真霜が垂直落下式ブレーンバスターで突き刺そうとした瞬間、宮原はギリギリで着地してブラックアウト一閃。ハイキック、延髄斬りを被弾しながらも、諦めずにヒザを突き刺していくと、抵抗する真霜の動きを封じ、ついにシャットダウン・スープレックスが完成。20分超えの熱戦を制し、地元・福岡で勝利の咆哮をあげた。

疲労困憊の宮原はノーマイクでバックステージに下がろうとしたが、大・健斗コールに応えてマイクを握り「帰って来たぜ福岡!そして、チャンピオン・カーニバル1勝目ゲットだぜ!」と絶叫。「チャンピオン・カーニバル20205、誰が優勝することを望みますか?」と問いかけ、健斗コールを浴びると、満足そうな顔を見せる。「次、ここ福岡に帰って来る時は、チャンピオン・カーニバル優勝して帰って来るぜ」と約束すると、リングサイド、花道に駆け寄った観客にファンサービス。「ありがとう福岡!」と感謝の思いを叫び、福岡大会は幕を閉じた。

<宮原のリング上でのマイク>

「帰って来たぜ福岡!そして、チャンピオン・カーニバル1勝目ゲットだぜ!福岡のみなさん、今日は最高な応援をありがとうございました。福岡が生んだスーパースター宮原健斗が地元福岡に帰って来たぜ。宮原健斗が福岡県で生まれた最高の男だ。そこで福岡のみなさんの正直な声が聞きたい。チャンピオン・カーニバル2025、福岡のみなさんは誰が優勝することを望みますか?正直な声を聞かせてくれ!(健斗コールが発生して)満場一致で宮原健斗です。次、ここ福岡に帰って来る時は、チャンピオン・カーニバル優勝して帰って来るぜ。その時また大好きな福岡のみんなに会えるのを楽しみにしてるぜ。最後に福岡のみなさんに聞きたい、宮原健斗、そして全日本プロレス、最高ですか?福岡、最高」

<バックステージコメント>

宮原「しゃあ!よっしゃー!しゃー!1勝目掴んだぞ。福岡、オレの超地元・福岡。そこでチャンピオン・カーニバル1勝目を真霜拳號から取ったぞ。チャンピオン・カーニバル1勝目をゲットした。次の相手は誰だ?さぁ勝負しようじゃないか。福岡のみなさんがどうやら満場一致でオレの優勝を望んでいるからな。この福岡が生んだスーパースター・宮原健斗の優勝姿を会場のみなさま全員が見たいと思っている。なぁ福岡、次帰った時はオレがチャンピオン・カーニバル覇者として帰って来る。さぁ明日は広島だ。広島のみんなよ、見に来いや。チャンピオン・カーニバル、宣言しておくよ、優勝者が明日広島に来るぞ」

真霜「負けたなオイ。これで2連敗だよ。斉藤ジュンに負け、宮原健斗に負け、リーグ戦始まった早々に2敗。厳しいか。これ厳しいと思うか。負け、負け、続いて2連敗。いいよ、いいよ。それがどうしたって言うんだよ。平気だよ、こんなもん。まだまだ取り返せるだろ。リーグ戦はまだまだ続くんだ。この2人とまたやるためにも勝ち上がってやるよ。ここからだよ。ここからオレが逆襲してやる。あと全部勝ちゃあ問題ないだろ」