「チャンピオン・カーニバル2025」4.13広島大会 試合詳報&試合後コメント
ニュース
<第1試合>
8人タッグマッチ 20分1本勝負
青柳亮生 田村男児 井上凌 岡田剛史 vs レイパロマ 吉田隆司 エーグル・ブラン ザイオン

「チャンピオン・カーニバル2025」(以下、カーニバル)第3戦となる広島大会。全日本プロレスとしては11年ぶりに広島産業会館東展示館での開催となり、広島県広島市出身のレイパロマと岡田剛史が特別参戦。オープニングマッチは、青柳亮生&田村男児&井上凌&岡田剛史VSレイパロマ&吉田隆司&エーグル・ブラン&ザイオンという異色の8人タッグマッチとなった。
先発はジュニア戦士の亮生とカーニバルに出場中のエーグル。無差別級ハイフライヤー対決で驚愕のムーブを連発し、いきなり観客の度肝を抜いた。パロマは井上の打撃を被弾も、尻出しヘッドシザースからロングタイツを下ろしたまま持ち味を発揮。腰をクネらせる監獄固めも極めていく。亮生と田村がカットに入ると、代わった岡田が強烈な蹴りを打ち込む。田村も続いてお尻ペンペンでパロマを懲らしめる。ローンバトルが続いたパロマだが、ニールキックでやり返すと、元NXTのザイオンが大暴れ。圧巻のパワーファイトで相手チームを一掃する。井上と吉田が対峙すると、豪快にブレーンバスターを決めた吉田が「潰れろ!」と叫んでセントーン。カットに入った亮生と田村には地獄突き、モンゴリアンチョップを連発すると、ダブルのラリアットで排除して見せる。エーグルも岡田を場外に落として、ノータッチ・トペ・コンヒーロを発射。リング上では吉田のパイナップルボンバーが井上を襲い、スリーカウントが入った。カーニバルのAブロックにエントリーしている吉田とザイオンだが、この日はノーサイドで勝ち名乗りを上げると、笑顔で何やら言葉を交わしリングを下りた。
<バックステージコメント>
吉田「見たかオールジャパン広島大会、隆司がパイナップルボンバー炸裂でシャラップや!この勢いでチャンピオン・カーニバルもシャラップ!楽勝の湖!」
亮生「ヤバいね!ヤバい!濃い!濃い!濃い!濃い!昨日も言ってますけど、ヤバいね。今日はお尻も出てたしね。いいのかあれTV的に?大丈夫ですか?モザイク処理とか。そんなのやってる場合じゃないんだよ。そんな中でもやっぱり光っていかないと、ジュニアも青柳亮生も。次こそはやりますんで見逃さないでください」
井上「隆司ヤバい。隆司のラリアットヤバい。ヤバいけど一番ヤバかったのは、あのレイパロマの…、あぁもう言えない、なんも言えない、ちょっとヤバい。とりあえず、このチャンピオン・カーニバルの試合、内容云々かんぬんあるけど、やっぱりオレの目立つ所しっかり出して、まだ1勝もしてないからさ。ここから、ここからだオレ、ここからだから、ヘビー級だけじゃないジュニアヘビー、特にオレの戦いを必ず期待しておけ!」
〈第2試合〉
チャンピオン・カーニバル Bブロック公式戦 30分1本勝負
大森北斗 vs 本田竜輝

第2試合は、大森北斗と本田竜輝のカーニバルBブロック公式戦。開幕戦で北斗は安齊勇馬に敗れて黒星スタート、本田は斉藤レイを正面突破して白星を獲得した。前日の福岡大会では、8人タッグマッチで対戦し、北斗の投げキスに本田が心を奪われる場面もあり、バックステージで北斗は「オマエはもうオレに惚れている」と公式戦の勝利を確信。翻弄されっぱなしだった本田は「べ、別に惚れてねぇし」と強がったが、因縁の一戦はどんな結末が待っているのか。
北斗はこの日もナルシストぶりを発揮して、序盤から投げキスで揺さぶりをかけていく。心が奪われかけた本田だが、コーナーに上がった北斗を場外に叩き落すことに成功。鉄柵に押しつけていき、「ワン!ツー!スリー!フォー!」と得意のムーブでペースを握る。スパインバスターで叩きつけると、スリーパーホールドで捕獲。ロープに逃れた北斗は、投げっぱなしジャーマン・スープレックスで流れを変えてRKOで追撃を仕掛ける。「カッコいいだろ?」と問いかけるが、本田はエルボーで返答。激しい打ち合いが繰り広げられ、北斗が優勢になるも本田が後頭部へのラリアットで反撃。間髪入れずジャーマンで投げ、スピアで突っ込んでいく。カウントツーで返されると、ファイナルベントの体勢。北斗が踏ん張るとラリアットを叩き込んで、ロープに走ってもう一発。しかし、スリーカウントは奪えない。再びファイナルベントを狙ったが、北斗が着地してジャーマンからエルボーを連打。ドラゴン・スープレックス・ホールドをツーで返されるや、コーナー最上段からナルシストプレスを発射して本田を撃破。北斗が2戦目でリーグ戦初白星を挙げ、両者2戦を消化して1勝1敗という星取り状況となった。
<バックステージコメント>
北斗「本田!素直になる時が来たのかもしれないぞ。オマエの目、試合中ずっとハートだったな。オマエみたいな恋愛弱者はオレの投げキッスに弱いだろう。ただ、だからって優しくしてあげるわけにはいかない。そして今日、チャンピオン・カーニバル圧倒的優勝候補にして、全日本プロレス最強と言われる、あの本田竜輝からスリーカウントを取った。これはどういうことか分かるか?もはやオレの優勝は確定的だ。とんでもないヘマをしない限り、あの全日本プロレス最強、一強と言われる本田竜輝を倒したこの実力に間違いはない」
本田「くそー!負けたー!オイなんだよ大森北斗、ぜんぜんカッコよくねぇじゃねーか!惑わされた。ふざけやがって。まぁ、これで1勝1敗だ。次は4月19日、新潟で青柳優馬!オマエぶっ潰してやる!くそー!」
〈第3試合〉
チャンピオン・カーニバル Aブロック公式戦 30分1本勝負
デイビーボーイ・スミスJr. vs 羆嵐

第3試合のカーニバルAブロック公式戦は、デイビーボーイ・スミスJr.と羆嵐のスーパーヘビー級対決。スミスは開幕戦で吉田を破って勝ち点2をゲット。羆嵐は4・12福岡大会でザイオンに敗れて初戦黒星となった。
試合開始のゴングが鳴るや、羆嵐が雄叫びを上げて威嚇。ヘッドロックで絡みつき、スミスの動きをコントロールしていく。スミスが何とかロープに振ると巨体が正面衝突。スミスは重いエルボーで鎮圧し、場外戦でたっぷり痛めつけていく。リングに戻ってもスミスの攻撃が続き、ジャンピング・ニー、ドロップキックとダイナミックに畳みかける。防戦一方となった羆嵐も、カウンターのドロップキックから力強いボディスラムにセントーン。「ハアー!」と叫んで気合いを入れると、アルゼンチンバックブリーカーで担ぎ上げた。しかし仕留められず、スミスがブルドックボムの体制。羆嵐はリバースすると、串刺しラリアット。スミスが抵抗しても重爆ボディアタックからラリアットをフルスイング。スミスはカウントツーで肩を上げ、ダイビング・セントーンを狙った羆嵐を捕えてアバランシュホールド。一気にダイビング・ヘッドバットを投下してカウントスリー。羆嵐を討ち取り、開幕2連勝を飾って見せた。
<バックステージコメント>
羆嵐「くそっ、スミス、ぜんぜん楽勝の湖じゃなかったな。昨日今日、オレよりもデカいやつと当たったけど、これが3年ぶりのチャンピオン・カーニバルの洗礼か…、ふざけんじゃねぇよ。2連敗したかもしれないけど、オレは諦めていないからな。必ずこの群雄割拠のAブロックをオレが勝ち抜いてやる。2位になればいいんだろ?必ず勝ち抜いてやる。スミス!オマエ必ずぶっ飛ばしてやるからな。ハアー!」
〈第4試合〉
チャンピオン・カーニバル Bブロック公式戦 30分1本勝負
斉藤レイ vs マイク・D・ベッキオ

斉藤レイとマイク・D・ベッキオのBブロック公式戦。レイは開幕戦で本田竜輝に敗れてスタートダッシュに失敗。対するベッキオは、開幕戦でエーグル、福岡でDRAGONGATEの菊田円を撃破して、会心の2連勝を飾った。
試合開始のゴングが鳴ると、両者へのコールが交錯する。初白星を掴みたいレイがチョップを連発すると、ベッキオがハイスピードムーブでかき乱し、場外に降りたレイ目掛けてプランチャを発射。リングに戻ると、ロープに飛び乗ってのRKOを狙ったが、レイが受け止めてバックドロップ。さらに、ストンピング、エルボースマッシュで腹部を集中的に攻めていく。ボディプレスをツーで返されると、スワンダイブを狙ったベッキオに猛突進して場外に落とす。その後もラフファイトで主導権を握ったレイは、串刺し攻撃を狙ったが、回避したベッキオがスワンダイブ式エルボー。さらに変形バックドロップで巨体を叩きつける。追撃のダイビング攻撃はレイが阻止してデッドリードライブ。ボディアタックで襲い掛かると、ヘッドバットを叩き込み、仕上げのBBQボムへ。しかしベッキオが脱出して、打撃戦を繰り広げる。10分経過。奇声をあげてダブルチョップを放ったレイは、ダイビング・ボディプレスを狙う。投下する前に追いついたベッキオは、雪崩式ブレーンバスターを敢行。そして、フィニッシュホールドであるトリプルスプリングボードカッターが完璧に決まって試合終了。ベッキオが破竹の3連勝で単独首位に立ち、敗れたレイは悪夢の2連敗となった。
<バックステージコメント>

レイ「負けたぜ。久しぶりにトップからボディプレス狙ったけどダメだった。いや、そんなのは言い訳だな。マイク・D・ベッキオ、強いな。だがチャンピオン・カーニバル、まだたった2戦だ。まだまだこれからだぜ!」
〈第5試合〉
8人タッグマッチ 20分1本勝負
宮原健斗 青柳優馬 MUSASHI 大石真翔 vs ライジングHAYATO 安齊勇馬 綾部蓮 長尾一大心

第5試合は8人タッグマッチ、宮原健斗&青柳優馬&MUSASHI&大石真翔VSライジングHAYATO&安齊勇馬&綾部蓮&長尾一大心。カーニバルBブロックにエントリーした優馬、安齊、綾部。優馬は4・12福岡大会での公式戦で綾部を撃破したばかりで、安齊とは5・10札幌大会で対戦。安齊と綾部は4・26名古屋大会の同門対決を控えている。
世界ジュニア王者のMUSASHIとHAYATOが先発。チャンピオン・カーニバルの戦いに負けられないとばかりに、ジュニア戦士ならではのハイスピードバトルを繰り広げ、休憩明けの会場を盛り上げていく。長尾がリングインすると、「宮原来いよ!」と挑発。健斗コールも発生して宮原がリングに入ると、ルーキー相手に厳しい攻め。長尾も負けん気全開で立ち向かい、ドロップキックをクリーンヒットさせた。場外戦に突入すると、逃げ回る優馬を綾部が追いかけ、トムとジェリー状態に。8人が客席にまでなだれ込み、大乱闘が繰り広げられる。5分経過。リング上では長尾が宮原に捕まりローンバトル。一大心コールが起こると、長尾は優馬にミサイルキックをブチ込み、自力でピンチを脱出した。アジアタッグ王者の安齊が串刺しエルボー、フロント・スープレックスで続くと、綾部も長身を生かしたボディスラム、ビッグブーツで優馬を痛めつける。ロックボトムで反撃した優馬は、大石にチェンジ。綾部に飛び掛かり、スイングDDTを狙ったが、ブレーンバスターで切り返されてしまう。青コーナーサイドは長尾にスイッチ。すると長尾がまたもや宮原を挑発。長尾はドロップキックをもらってしまったが、串刺し攻撃を決めさせず、MUSASHIと大石を排除。世界タッグ王者に君臨する宮原と優馬のコンビネーションも切り崩し、ミサイルキックで見せ場を作った。ルーキーの奮闘にELPIDAの3人も続き、流れるような連続攻撃を宮原に仕掛ける。千載一遇のチャンスをつかんだ長尾は、ノーザンライト・スープレックスで勝負。ここは大石のカットでカウントツー。目まぐるしい主導権争いが繰り広げられる中、MUSASHIがトペ・コンヒーロ、HAYATOがスワンダイブ式プランチャを放ち、リング上には宮原と長尾が残された。フロントハイキック、頭突きを食らっても諦めない長尾は、スクールボーイ、逆さ抑え込みなど丸め込みを連発。しかし、宮原がバイシクルキックで黙らせ、ブラックアウトをズバリ。長尾が驚異の粘りを見せると、ルーキー相手にシャットダウン・スープレックス・ホールド。極上の一発で長尾に引導を渡した。試合後、健闘を讃えた宮原は右手を差し出したが、悔しさを爆発させた長尾は、その手を叩いて退場した。
<バックステージコメント>
宮原「しゃー!広島パワーを体中にもらったよ。さぁ次はチャンピオン・カーニバル2025公式戦、新潟三条だ!この全日本プロレスのお膝元だ。ジャイアント馬場さんの故郷・新潟三条。そして、オレは思い出がいっぱい詰まったあの会場で芦野祥太郎、タイマン勝負だ!さぁ芦野祥太郎、準備はいいか?4月19日、新潟三条で宮原健斗VS芦野祥太郎だ。てめぇを三条でシャットダウンや。三条行くぜ!」
優馬「よしゃーやりました。むーちゃんさん、もう胃腸炎大丈夫?」
MUSASHI「大丈夫!バッチリ!ご迷惑をお掛けしました。もう元気です!完全復活です!」
優馬「うん●出てない?」
大石「あ、でもここに…(コスチュームのお尻の部分を指さす)」
MUSASHI「これうん●じゃない。大丈夫」
優馬「あれ?大石さん、なんでいるんですか?仙台の方じゃ?どうしたんですか?」
大石「仙台の方なんですけどいるんですよ。斉藤ブラザーズ追っかけたら広島まで来ちゃいました」
優馬「ご足労ありがとうございます。チャンピオン・カーニバル中の余りものたちによる吹き溜まり8人タッグで出会える奇跡というものがありますからね。次回は4月19日三条だな。オイ本田竜輝!オマエ見てたぞ。大森北斗ごときに負けたようなヤツによ、このオレが遅れを取るわけないだろ本田竜輝。オイ本田竜輝。本田竜輝オマエどうした?オマエ大森北斗ごときに負けてんのか。ハハ。恥ずかしいよ。ハッハッハッハッ。大森北斗に負けてやんの本田竜輝。ハーッハッハッハッ。大森北斗ごときに負けてやんのー!」
大石「アーハッハッハッ。アーハッハッハッ」
MUSASHI「せーちゃん、イギリスで元気にしてるかな?」
安齊「今日チャンピオン・カーニバル公式戦じゃなかったけど、久しぶりにオレの初めての後輩・長尾と組んで、確実に成長している姿が見れました。先輩として一番かっこいい背中見せたいですよね。やっぱり史上最年少チャンピオン・カーニバル優勝だと思っていますので、次の公式戦(4・20所沢大会)本田竜輝、オレが必ず勝ちます」
綾部「今日は公式戦が無くて、ただ対戦相手に青柳優馬がいた。あいつを仕留め損なったのが心残りだな今日は。ただ長尾一大心の奮闘ぶりはすごかったと素直に思う。そして次、19日新潟で公式戦VSエーグル・ブランだ。初対戦。今あんまり当たることの無いタイプだからな。率直に楽しみだし、エーグル・ブランどれだけ飛ぼうが、2m綾部蓮には通用しないということを体で分からせてやる」
HAYATO「ELPIDAのみんな、チャンピオン・カーニバル頑張っているみたいだね。階級の違いはあるのかもしれないけど、なんかオレだけ出ていなくて正直悔しいよ。でも応援したいと思っているよ。みんな頑張って。オレも頑張る」
長尾「ELPIDAの3人と組んで、なかなか戦うことの無いゼンニチ本隊の宮原さん、青柳さん、こんないいカードはなかなか無いと思います。この中でも僕は勝たなきゃ意味がないんです」
〈第6試合〉
チャンピオン・カーニバル Aブロック公式戦 30分1本勝負
鈴木秀樹 vs 真霜拳號

セミファイナルは、鈴木秀樹と2AW・真霜拳號のカーニバルAブロック公式戦。秀樹は開幕戦で宮原、福岡大会で芦野を破り開幕2連勝。真霜は開幕戦でジュン、福岡大会で宮原に敗れ2連敗。対照的な星取り状況の2人が広島の地で激突した。
両者が相手の動きを探り合い、静かな立ち上がりからグラウンドの攻防へ。スタンドに戻ると、真霜が首を取ってバックを取ろうとしたが、秀樹が足に絡みついてテイクダウン。ロープブレイクとなり、真霜が一旦場外に避難する。緊張感漂う攻防が続き5分経過。バックを取った秀樹は真霜の腕をクロスして動きを制御。コーナーに叩きつけカミカゼを決めると、ボディにエルボーを打ち込んでいく。リバースフルネルソンを極められた真霜だが、ドラゴンスクリューで危機回避。左ヒザにロックオンして、鋭い蹴りを叩き込んでいく。抵抗する秀樹にニークラッシャーを仕掛けると、臨機応変にさまざまな足関節を極める。下のポジションから何度も蹴り上げて拷問から脱した秀樹は、延髄斬りをお見舞い。真霜がヒザから崩れ落ち、ダウンカウントが進む。カウント7で引きずり起こした秀樹は、ジャーマンドライバーでグサリ。そのままカバーに入ったが、真霜はカウント2・9で肩を上げる。ならばとダブルアームスープレックを狙うも、真霜は抵抗。顔面蹴りを間一髪回避すると、手に汗握る切り返し合戦から、真霜が足をロックしての丸め込み。一瞬の隙をついてスリーカウントをかっさらい、勝ち点2を掴むと共に秀樹に黒星を付け連勝を止めた。
<バックステージコメント>
真霜「おしゃあー!全日本プロレス、キツいねー。でもよ勝ったのはオレだよ。もうさ、2連敗した時点でオレはなりふり構っていられないんだ。次負けたら危ねぇと思ってるからよ。どうした鈴木秀樹、そんなもんかテメェの頭脳は。テメェの技術はよ。丸め込みはないと思ってたか、関節技だけだと思ってたか、バカヤローが!」
〈第7試合〉
メインイベント チャンピオン・カーニバル Aブロック公式戦 30分1本勝負
斉藤ジュン vs 芦野祥太郎

広島大会のトリを飾ったのは、三冠ヘビー級チャンピオン・斉藤ジュンと芦野祥太郎のカーニバルAブロック公式戦。ジュンは開幕戦で真霜との決戦を制し、春の祭典制覇へ好発進。2023年の優勝以来、2度目の優勝を目指す芦野は、4・12福岡大会で秀樹に敗れて黒星スタートとなった。
王者の風格を漂わせるジュンは、タックル合戦で打ち勝ち先手。芦野が反撃を試みても、強烈なバックドロップで黙らせ、自慢の長髪をなびかせ余裕を見せつける。場外戦ではファンが掲げていた自身の応援タオルを拝借してチョーク攻撃。汗を拭って優しく返却した。ジュンのファンサービス中に息を吹き返した芦野は、逆襲すると、応援タオルを受け取って負けじとチョーク攻撃を仕掛けた。5分経過。両者リングに上がり、再びジュンが試合をコントロール。腕をロックした芦野は、そのままコーナーに叩きつけて形勢逆転。開幕戦で真霜に右腕を攻められ続けたジュンは、パワーファイトを封じられ失速してしまう。鬼神と化した芦野は、右腕のテーピングを剥ぎ取って容赦ない腕殺しを展開する。アームロックでギブアップを迫ると、ジュンは腕を極められたまま立ち上がりショルダースルー。フロントハイキックで顔面を打ち抜き、滞空時間の長いブレーンバスターで豪快に叩きつけた。10分経過。場外に追いやられた芦野は、ロープを使ったアームブリーカーからミサイルキック。ジャーマン・スープレックスで完璧に投げたが、ジュンもすぐに立ち上がり後頭部へのヒザ。両者立ち上がれず、ダウンカウントが数えられる。カウント9で立ち上がったジュンと芦野は、壮絶な打撃戦。右腕を刈って勝機を引き寄せた芦野は、首を掴んでエルボーを連打。バックドロップで投げ切ると、フォールを返されたと同時に必殺のアンクルロック。締め上げ続けて、試合は15分が経過。ジュンが蹴り上げて抵抗すると、芦野は腕ひしぎ逆十字固めにシフトチェンジ。さらに三角締めで捕らえたが、ジュンが強引に振り解く。脇固めもディフェンスしたジュンは、猛烈なラリアット。一気にジャックハマーで畳みかけたが、芦野も執念のキックアウト。ならばとジュンは、開幕戦で披露した新兵器・Dying Light(ランニング・フロントキック)を直撃させ、熱戦に終止符を打った。三冠王者のジュンが2連勝を飾り、もうひとつの頂点獲りへまた一歩前進。試合後は、広島銘菓のもみじ饅頭を頬張り笑顔を見せると、「このオレが全勝優勝して、必ずまた広島に戻って来るから、その時はオマエらも一緒にもみじ饅頭を食べよう」と約束した。一方、連敗を喫した芦野は早くもカーニバル制覇に黄色信号が点ってしまった。
<ジュンのリング上でのマイク>

「広島に全日本プロレスが帰って来たぞ。芦野祥太郎、めちゃくちゃ強かった。オレの腕がぶっ壊れるかと思った。オマエらにひとつ聞きたいことがある。広島と言ったら何だ?そう、もみじ饅頭だ。そんな素晴らしい広島でチャンピオン・カーニバル2戦目、芦野祥太郎に勝てたのはオマエらの応援のおかげだ。礼を言うぜ。ありがとう。そして全勝優勝して、また広島に帰ってくるのはもちろんだが、もうひとつやりたいことがある。なんだと思う?甘いものの時間だ。オレの用意したあれを持ってこい。もちろんもみじ饅頭だ。いただきます。めちゃくちゃ美味しい。試合で攻められた腕に塩バターが沁みるぜ。まだまだチャンピオン・カーニバルは始まったばかり。このオレが全勝優勝して、必ずまた広島に戻って来るから、その時はオマエらも一緒にもみじ饅頭を食べよう。広島、DOOM!」
<バックステージコメント>
ジュン「広島に帰って来たぜ。そんな広島でチャンピオン・カーニバル2戦目、芦野祥太郎に勝ったぞ。しかし真霜といい、芦野といい、腕ばかり攻めるな。だが問題はない。甘いものを食べてぐっすり寝れば、明日にはすぐ回復する。せっかく広島に来たんだ、もっと旨いものを食べに行こう。次の試合も楽しみだ。DOOM!」
芦野「アイツが甘いもの食っている間に意識が回復しました。チクショー。あんだけアンクルロックで絞り込んで、まだ甘いもの食う余裕があるのかアイツ。チクショー。でも強いね三冠チャンピオン。ただ、たったの2敗。まだまだ試合は残ってるんだ。次は全日本の顔だろ。宮原健斗だろ。オレの世界に引きずり込んで、アイツをボコボコにしてやるよ。ゼンニチ本隊になって忘れてたけどな、オレ、宮原健斗のこと大っ嫌いだから!絶対ぶっ潰すからなアイツ。宮原健斗、大っ嫌い!」