「チャンピオン・カーニバル2025」4.20所沢大会 試合詳報&試合後コメント 全日本プロレス

「チャンピオン・カーニバル2025」4.20所沢大会 試合詳報&試合後コメント

ニュース

<第1試合>
タッグマッチ 20分1本勝負
青柳優馬 青柳亮生 vs 土方隆司 井上凌

『チャンピオン・カーニバル』(以下、カーニバル)5戦目の所沢大会のオープニングマッチに、埼玉県狭山市議会議員を務める土方隆司が登場。井上凌とのコンビで青柳兄弟と対戦した。

先発は優馬と土方。じっくりとした攻防から、土方は自軍コーナーに優馬を持っていき、井上にタッチ。亮生と対峙した井上はショルダータックルで倒し、“Rウォーク”で優馬を挑発。井上はヒップトスから亮生の背中を蹴り飛ばす。井上がロープに飛ぶと優馬が足を引っ張り、そこに亮生がドロップキックを叩き込んで形勢逆転。青柳兄弟は井上をとらえて攻め立てる。防戦の井上は青柳兄弟の誤爆を誘い、優馬にレッグラリアットを叩き込んで土方にタッチ。土方は優馬にサッカーボールキック。得意の蹴りからハーフハッチで投げ捨て、フィッシャーマンズ・バスター狙いも優馬が切り返す。エルボー合戦から土方の蹴り足をキャッチした優馬がドラゴンスクリュー。

タッチを受けた亮生も土方にミサイルキック。土方と代わった井上が亮生に鋭い蹴り。亮生も小気味いい動きからドロップキックを放ち、優馬とトレイン攻撃を狙うが、これは阻止される。井上は優馬にカウンターでドロップキック、さらに亮生のミサイルキックを優馬に誤爆させる。井上と土方が亮生にトレイン攻撃。土方が優馬を場外に排除。亮生は土方にハンドスプリング式オーバーヘッドキック。兄弟でダブルのドロップキックを放ち、優馬のダイビング・エルボードロップから亮生がムーンサルト・プレスにつないで井上から3カウント。オープニングマッチで快勝を飾った青柳兄弟はコーナーに上って、ファンの声援に応えた。

<バックステージコメント>

亮生「取ったぞ! 俺たちが今日の第1試合の主役だ。23日、後楽園ホール。まだ投票中ですよね? 主役は青柳優馬じゃなく、青柳亮生だ。10人タッグがメインイベント…」

優馬「おい、ちょっと待て。いやいや、どういうこった。昨日の三条大会、青柳優馬の試合、見たろ? どう考えても、青柳優馬がメインイベンターに相応しいんじゃないのか? 今日の所沢大会の第1試合も見事に務め上げた、この青柳優馬。第1試合も、第2試合も、第3試合も、第0試合もメインイベントもすべてこなすことができるこの天才、肌男の青柳優馬、俺以外にいないだろ。そして現在、チャンピオン・カーニバル無敗のマイク・D・ベッキオこそが相応しいだろう。昨日の三条大会見て、わかるだろ」

亮生「いい、いい。マイク・D・ベッキオが凄いのはわかった。でも俺たち10人タッグマッチがメインにならないと面白くないだろ」

優馬「いや、マイク・D・ベッキオが凄いんだ!」

亮生「凄いんだよ、マイク・D・ベッキオ。無敗だけども、10人タッグマッチ…」

優馬「(自分たちが)メインイベントじゃないとおかしいだろ」

亮生「いやいや、10人タッグマッチが取りにいきますんで、お楽しみに」

優馬「誰がメインだ」

土方「久しぶりに全日本プロレス、狭山の隣ということでお招きいただきまして、ありがとうございました。まあ、俺の時代だとか、むかしはああだったとか、言うつもりは一切ないですけど、久しぶりに井上と肩を並べてみて、目の色を変えて俺に向かってきた頃の井上の方が好きだったな」

井上「青柳兄弟、なんだおい、まだまだ、まだまだよ。いろいろちょっと思うことあるけどさ。いろいろ今日の試合も気は抜けてらんなかったけどさ。思うところ、次回23日の後楽園だよ。誰がメインになるのか。はたして俺も1位になったら女装もしなくちゃいけないのか? そこはまだまだ、お客さんの予想を見てからじゃないとわからないけど、俺自身初のメインになるからね、1位になったら。そこはちゃんと気合入れてやってやるよ」

<第2試合>
チャンピオン・カーニバル Bブロック公式戦 30分1本勝負
大森北斗 vs エーグル・ブラン

開幕戦(4・9後楽園)で安齊勇馬に敗れた大森北斗は、4・13広島大会で本田竜輝を撃破して1勝1敗。一方の初出場のエーグル・ブランはマイク・D・ベッキオ、安齊に敗れて苦しいスタートとなるも、前日の三条大会で綾部蓮を下して初白星を挙げた。

ブランをロープに詰めた北斗は、“ナルシストポーズ”とともにクリーンブレーク。ブランは怪訝そうな表情とともに、「ユー、ブサイク!」と挑発。怒った北斗が襲い掛かるも、ブランは軽快な動きで応戦。場外の北斗を追いかけると、逆にとらえられて場外戦で痛めつけられる。北斗は「イケメンはマスクかぶんねえんだよ!」と偏った見方も口にしながら、ブランを痛めつける。防戦のブランはロープから反転してのクロスボディーアタックで反撃。延髄斬りから旋回式ブレーンバスター。さらにスワンダイブ式ニーアタックと畳みかける。

コーナーに上ったブランをとらえた北斗が「行くぞ、春日部!」と言い間違えると、場内からブーイング。あらためて北斗は「行くぞ、所沢」と言い直して、「北斗軍スペシャル!」と叫んでブランを場外に叩き落とす。しかしブランはすぐに反撃に転じ、場内のステージ上からトペコン・アタックを放って逆転。北斗をリングに戻すと、ファイアーバード・スプラッシュ狙い。しかし北斗はスカし、串刺エルボーアタックから垂直落下式ブレーンバスター。「オマエの顔面見せてみろ!」とマスクをはぎにかかる。逃れたブランがエルボー。北斗もエルボーを返し、再びマスクに手をかけてブランの動揺を誘うと丸め込み。防戦のブランはツームストーン・パイルドライバーで反撃すると、デザートイーグルで突き刺して3カウント。星取りを2勝2敗の五分に戻した。

<バックステージコメント>

ブラン「これで2勝目だ。もう俺にネガティブな要素はない。なぜなら、俺は勝利のたびに自信をつけているからだ。この先も勝ち続けてみせる!」

北斗「おい、おい! なんだ、あのマスクマンよ。オマエらわかるか、皮かぶってる男にな、カッコいいヤツなんかいねえんだよ! アイツのブサイクな顔をよ、マスクひっぺがして露にしてやっからよ、覚えとけよ!」

<第3試合>
チャンピオン・カーニバル Aブロック公式戦 30分1本勝負
真霜拳號 vs ザイオン

真霜拳號は斉藤ジュン、宮原健斗、羆嵐に敗れてすでに3敗を喫しているものの、4・13広島で優勝候補の一人である鈴木秀樹を巧みな丸め込みで撃破し、価値ある1勝を挙げている。対するザイオンは4・12福岡で羆嵐との肉弾戦を制して幸先よくリーグ戦を滑り出すも、4・19三条大会ではデイビーボーイ・スミスJrに敗れて五分の星で3戦目を迎えた。

 互いに腕を取り合い、じっくりとした立ち上がり。ザイオンは猛烈なパワーで真霜をコーナーマットに叩きつける。真霜はすぐにザイオンの腕を固めて動きを止めにかかるが、ザイオンはみずからの体を回転させながら、強引に脱出。場外戦に持ち込むと、真霜をエプロンに叩きつけるなどして痛めつける。真霜もザイオンの左肩を鉄柱にぶつけて形勢逆転し、さらに鉄柱を利用して肩を痛めつける。リングに戻っても、真霜が攻勢。防戦のザイオンはカウンターのビッグブーツで反撃し、変型デスバレーボムで叩きつける。しかし、一瞬の隙を逃さない真霜はザイオンの腕を取って、腕ひしぎ十字固めの体勢。ザイオンは上体を起こし、脱出を試みるが、真霜は許さずに腕を締め上げる。それでもザイオンは強引に真霜を担ぎ上げて、シットダウンボムの要領で叩きつける。両者ダウンでカウントが数えられる。ダウンカウント9でともに立ち上がる。ザイオンのタックルに真霜はレッグラリアットを合わせる。ザイオンもカウンターで猛烈なラリアットを浴びせ、さらにダイビング・ヘッドバットを放つ。しかし、真霜はかわすと、素早くザイオンの腕を取って無道に持ち込んでギブアップ勝ち。見事な怪物退治で2勝目を挙げて、巻き返しに向けて弾みをつけた。

<バックステージコメント>

真霜「ザイオン、やるじゃねえか。アイツ、すげぇパワーだな。ちょっと怪物すぎる。ヤベえんじゃない、そのうち? まだ甘ぇけどよ。悪いけどよ、俺はもう勝つしかねえんだ。ザイオン、テメエにあんまり構っている暇はねえんだ。とにかくどんな手を使っても勝つ。勝って、勝ち続ける、それしか決勝に行く手はねえんだ! やるぞ、オイ!」

ザイオン「言い訳はしない。相手の闘い方が見事だった。負けたのは残念だが、この敗北も俺は糧にする。まだあきらめずに、俺は進んでいく」

<第4試合>
チャンピオン・カーニバル Aブロック公式戦 30分1本勝負
羆嵐 vs 吉田隆司

リーグ戦ならではの、北斗軍対決が実現。シリーズ開幕前の記者会見で吉田隆司は「究極の肉弾対決、そして究極の痛風対決」と、同門の羆嵐との公式戦に向けてハードなトレーニングと旺盛な食欲で作り上げた肉体を真っ向からぶつけ合うことを宣言。対する羆嵐は初戦から2連敗を喫するも、4・19三条大会で真霜拳號を下して初白星をゲットし、勢いに乗った状態で同門対決を迎えた。

ゴングと同時に「ハァァー!」と叫ぶ羆嵐に対して、吉田は犬の遠吠えのような雄叫びをあげて応戦する。ガッチリとしたロックアップから、羆嵐はロープに詰めてクリーンブレークを見せて「ハァァー!」。吉田が握手を求めるが、羆嵐は応じず。手四つでの力比べは互いに譲らず。ショルダータックル合戦も互角で、吉田が逆水平チョップを放てば、羆嵐はエルボーを返す。互いに一歩も退かない攻防を繰り広げる中、再び吉田が手を差し出す。吉田はレフェリー、セコンドの大森北斗とも握手を交わして安心させるが、やはりだまし討ちを見せて、場外戦に持ち込む。羆嵐を鉄柱にぶつけて痛めつけ、リングに戻るとテーピングでの首絞めなどラフも交えて羆嵐を攻め立てる。

吉田はなおもフィストドロップを放ち、みずからの前腕を額にこすりつける嫌らしい攻め。防戦の羆嵐はエルボー。吉田の地獄突きに羆嵐がヘッドバットを返すが、吉田は後方に倒れながら羆嵐の急所を蹴り上げるずる賢い戦法。吉田がブレーンバスターの体勢に入ると、羆嵐がリバースで叩きつける。続けてセントーンを決めるがカウント2。串刺しラリアット、セカンドコーナーからのダイビング・セントーンを投下。さらにアルゼンチン・バックブリーカーで担ぎ上げてギブアップを迫るが、吉田は相手の鼻に噛みついて脱出。地獄突きを連発し、場内から「タカシ」コールを煽る。吉田は延髄斬りから羆嵐の巨体をブレーンバスターで叩きつける。パワーボムの体勢は、羆嵐がリバース。羆嵐は「投げるぞ、オイ!」と叫んでパワーボムの体勢も、今度は吉田がリバース。ラリアットの相打ちから羆嵐がカウンターでクロスボディーアタック。さらに埼玉に乾杯!を決めるもカウント2で返されると、コーナートップからのダイビング・セントーンを投下して3カウント。リーグ戦屈指の肉弾対決を制した羆嵐は、吉田とリーダーの北斗とともに肩を組んでユニットの結束力を見せつけた。

<バックステージコメント>

北斗「おい、熱いぜ! 熱すぎるだろ!」

吉田「オーマイゴッド! 強い!」

羆嵐「隆司、いや隆司さん、今日はありがとう」

吉田「クマちゃんの、重い、だいぶ重い…楽勝の湖!」

羆嵐「楽勝の湖だ。技名決まっちまったな。でもさ、今日俺が勝ったけど、明日やったら隆司さんが勝つかもしれないし。それはわかんない。ただ、ブロック2位まで上がれるんだよ。1位、2位、どっちでもいいよ」

吉田「行けるね」

羆嵐「行こうぜ。決勝トーナメント行こうよ。北斗軍、ナメてるヤツ、俺たちで全員、シャラップしてやろう」

吉田「今日は本当にどっちが勝ってもおかしくなかったと思う。ホンマに僅差。なにが違うかって? フェブキソスタット(痛風治療薬)のミリグラム量や。俺が20で、クマちゃんが40。そういうことや。20ミリの違いやな」

羆嵐「俺の方が重症ってことですよね?(笑)」

吉田「俺は50ミリ飲むから。またやろうぜ。シャラップ!」

羆嵐「シャラップ! 50ミリ、あるんですか?」

<第5試合>
8人タッグマッチ 20分1本勝負
宮原健斗 デイビーボーイ・スミスJr. 芦野祥太郎 MUSASHI vs 斉藤ジュン 鈴木秀樹 ライジングHAYATO 田村男児

4・23後楽園での公式戦を控える宮原健斗とデイビーボーイ・スミスJr、そして斉藤ジュンと鈴木秀樹がそれぞれ同チームに組み入れられた8人タッグマッチ。

 先発はジュンと芦野で、ジュンがショルダータックルで倒す。芦野は素早い動きからジュンの足を取り、テイクダウン。互いに譲らず、それぞれHAYATOとMUSASHIにタッチ。互いにチョップを打ち合い、アームドラッグを決め合う。HAYATOがコルバタで投げて、MUSASHIが場外に出ると飛び技のフェイント。MUSASHIがエプロンに上がると、HAYATOが場外に落としてプランチャの追撃。そこから場外戦になだれ込み、両チームの選手が激しくやり合う。リングに戻ると、MUSASHIがつかまる展開。ジュンは少しの迷いを見せながら秀樹とタッチをかわす。MUSASHIが果敢に秀樹に立ち向かい、どうにか宮原につなぐ。宮原は秀樹にドロップキックを連発。突進は秀樹がかわして、カナディアン・ロッキーバスター。

宮原にトレイン攻撃を仕掛け、秀樹はセコンドの長尾も無理やりリングに上げる。長尾は攻撃を躊躇するが、長い逡巡の末に宮原に串刺しバックエルボー。宮原は秀樹にフロントキックを叩き込むと、セコンドの長尾にも攻撃を見舞ってスミスにタッチ。スミスが秀樹にジャンピング・ニー。ブルドッグボムの体勢は秀樹がリバース。タッチを受けた田村がスミスにダイビング・ショルダータックル。さらにタックルで倒し、コーナーに上ってダイブを放つも、キャッチしたスミスはパワースラムで切り返す。両チームの選手が入り乱れる中、芦野は味方の宮原にもジャーマンを放つ。スミスは田村と秀樹をまとめてラリアットでなぎ倒すと、田村にブルドッグボムを決めて3カウント。試合後、芦野はスミスにもジャーマンを仕掛けようとし、宮原とスミスは至近距離で睨み合うなど、カーニバル公式戦を控えて各選手の思惑が交錯した。

リング上が落ち着くと、ジュンがマイクを手にする。4・23後楽園大会のメインイベントを巡って、現在“X”上でファン投票が行われていることに触れ、自身と秀樹の試合がメインになるように投票を呼び掛けた。

<リング上でのジュンのマイクと秀樹とのやり取り>

ジュン「やっと帰ったな。オマエらに聞きたいことがある? 全日本プロレスは楽しいか? 全日本プロレスは最高か? その通りだ。誰かさんのマイクみたいになっちまったな。そんな全日本プロレス、23日の後楽園ホール、メインの試合がまだ決まっていない。いろんなことを言っているヤツがいるが、ファン投票の結果次第でメインの試合が決まることになっている」

※ここで秀樹がリングにやって来て、マイクを通さずに声を張り上げる。

秀樹「チャンピオンがメインじゃないとおかしいんじゃねえのか? この間の後楽園大会(4・9)おかしかったろ。なんでメインじゃねえんだよ!」

ジュン「いまから俺が言おうとしていることを、ベラベラ喋るんじゃない。だから、まだ投票が済んでいないヤツは、三冠チャンピオンのこの俺、斉藤ジュンに投票しろ。そうしたら後楽園ホール大会のメインで、いま目の前にいる、この鈴木秀樹をオマエらの前でボコボコに叩き潰すことができる。23日…(まだリングにいる秀樹に)早く帰れよ。23日、俺が勝って、甘いものを食べて締めてやるから、オマエらの投票よろしく頼むぜ。うるさい、鈴木秀樹、DOOM!」

<バックステージコメント>

MUSASHI「埼玉、ありがとうございました。次は23日の後楽園ホールですね。メインイベント、どうなったんだよ。女装、どうなったんだよ。豪華なカードが揃ってる中で、私が入ってる10人タッグ、MUSASHIとせーちゃんと…いや、せーちゃんはいないな。MUSAHIと…MUSASHIとほか強豪レスラーが多数揃う10人タッグがメインになったら、新鮮で斬新でスペシャルなんじゃないか」

芦野「いま3連敗中だ。次の後楽園ホール、真霜拳號。いま日本プロレス界における、テクニカルな試合、技巧派の試合、一番を見せられるんじゃないか? いま投票でメインを決めてるけどよ、俺にとっちゃメインだろうと、第1試合だろうといいよ。真霜とガッチリやり合って、取り合いだ、命の削り合いして、俺が勝つ。チャンピオン・カーニバル、ここから巻き返すぞ。俺は絶対に這い上がってやる!」

宮原「(頭を押さえながら)おい、一大心、コラ! まあ、いいよ。次は23日、東京、後楽園ホールだ。おい、プロレスファン、もうメインイベントは決まったのか? 決まったのか? まだか。おい、23日、宮原健斗vsデイビーボーイ・スミスJr、4月23日、後楽園ホールでメインイベントの舞台で、俺が必ずデイビーボーイ・スミスJrを倒す(と言って世界タッグのベルトを掲げる)」

ジュン「また変なタッグだったな。なんで今日、あのタッグだったんだ? まあ、いいや。そんなことよりも、俺の頭の中は23日の後楽園大会でいっぱいだ。リング上でも言ったように、まだメインのカードは決まってないから。投票結果でメインのカードが決まるから、まだ投票してないヤツは、この俺、斉藤ジュンに投票しろよ。あのうるさい鈴木秀樹をメインでボコボコに叩き潰してやる。DOOM!」

HAYATO「チャンピオン・カーニバル中、世界ジュニアチャンピオンのMUSASHIとよく当たってるけど、やっぱりいつものMUSASHIじゃない気がしないでもないな。いつもは俺がチョップしてもやり返してこないのに、今日はやり返してきた。やっぱりジュニア戦士として、チャンピオン・カーニバル中、なにか思うことがあるんじゃないかな。まあ、その話はおいといて、次の後楽園ホール、メインイベントがファン投票で決まるね。これでもしジュニア戦士がいる10人タッグマッチがメインイベントになったら、楽しいよね。楽しみにしてるよ。Let’s Punk!」

秀樹「(長尾選手が加勢したが?)やっぱり人って簡単なものだと思いますね。直前にお土産買って渡しておいたんで。それが効いたかなと。宮原がいくら長尾先輩に貢いだところで、我々の絆は深いですから。ちゃんと柔術やろうぜ、ちゃんとプロレスやろうぜ、ちゃんと取材しようぜ」

<第6試合>
チャンピオン・カーニバル Bブロック公式戦 30分1本勝負
斉藤レイ vs 綾部蓮

2戦を終えていまだ白星のない斉藤レイと同じくいまだ白星が遠い綾部蓮の公式戦。序盤での大きなつまずきは避けたい両者にとって、是が非でも勝利をもぎ取りたい一戦となる。シングル対決は3度目で、昨年9月の『王道トーナメント』準決勝では綾部が勝利している(通算1勝1敗)。

 序盤から互いの肉体を真正面からぶつけ合う中、レイはショルダータックルで綾部を場外に出して、場外を連れ回して痛めつける。しかし、鉄柱を背にさせた綾部への突進はかわされて、逆に場外で痛めつけられる。リングに戻り、レイは強引に綾部を場外に出して、再び場外戦に持ち込む。綾部を鉄柱にセットすると、今度こそボディーアタックでサンドイッチにする。リングに戻っても、レイが攻勢に出る。パワーボムの体勢は綾部がリバース。ジャンピング・ネックブリーカードロップから串刺しフロントキック。エルボー合戦から、綾部がボディースラムで叩きつける。綾部はレイの反撃を許さずに攻撃を畳みかけるが、ブレーンバスターはレイがリバースで叩きつける。綾部もブレーンバスター、ドロップキックと食らいついていくが、レイはカウンターでクロスボディーアタック。パワーボムの体勢は綾部が脱出。綾部が強烈なエルボーからドロップキックを突き刺すが、カウント2。ならばとアイアン・メイデンで捕獲してギブアップ勝ち。綾部は待望の初白星、一方のレイは3敗目を喫し、序盤から苦しすぎる星取り状況となった。

<バックステージコメント>

綾部「チャンピオン・カーニバル、1勝目だ。このBブロックで1勝を挙げるというのは、これほど重い。それをいま身をもって体感したよ。斉藤レイとのシングルは今日で3度目だった。いまの勝利で2勝1敗だ。斉藤レイとの闘いはいつも個人的にめちゃくちゃ燃えるし、楽しみにしてる。勝ったからこそそういう感情が出てくるのかもしれないけど、今後、まだまだずっとやり合っていきたい相手だからな。そして次、後楽園ホール、本田竜輝だ。去年の王道トーナメント決勝以来、同じ後楽園ホールで極限の闘いしよう。ファン投票でメインがどうたらって言ってるけど、このカードしかねえだろ」

レイ「いいか、俺はこれっぽっちも…これっぽっちも! あきらめちゃいねえ! 今年のチャンピオン・カーニバル、優勝するのはこの俺、斉藤レイだー!」

<第7試合>
メインイベント チャンピオン・カーニバル Bブロック公式戦 30分1本勝負
本田竜輝 vs 安齊勇馬

史上最年少でのカーニバル制覇に向けて順調に白星を重ねている安齊勇馬と、4・19三条大会で青柳優馬を下して白星を先行させた本田竜輝のELPIDA同門対決。両者は昨年7月に三冠ヘビー級王座を懸けて対戦し、新世代同士の激闘の末に当時の王者の安齊が防衛に成功している。2023年5月の初シングルは安齊、昨年4月のカーニバル公式戦は本田が勝利しており、今回が4度目の一騎打ち。本田は前日の三条大会の試合後に「ニューピリオド対決、どっちが上か勝負だ!」とリーグ戦の行方を占う一戦に向けて対抗心をムキ出しとしていた。

序盤から安齊が客席になだれ込む派手な場外戦でペースを握る。本田はカウンターのショルダータックルで反撃すると、場外に連れ出して、鉄柱に勢いよく安齊を叩きつけるなど、痛めつけていく。リングに戻っても本田は攻勢に出て、おなじみのレフェリーといっしょに「1、2、3、4!」と反則カウントを数えるなど、みずからのペースに持ち込む。安齊は突進をかわしてミサイルキックを決めて反撃に転じるも、本田もまたカウンターのスパインバスターで形勢逆転。突進を迎撃した安齊がコーナーに上ると、本田はすぐさま場外に叩き落とす。エプロンで両者はエルボー合戦。打ち勝った安齊がフルネルソンでとらえると、そのままドラゴン・スープレックスで叩きつける。本田は場外カウント9でリングに戻る。

安齊が串刺しエルボーを決めると、本田は串刺しラリアット。安齊の突進をかわした本田が後頭部にラリアット。ジャーマン、エルボーを打ち合い、安齊がジャンピング・ニーを決めると、本田もすぐにラリアットを返す。負けじと安齊もすぐに立ち上がりジャンピング・ニーを叩き込んで、両者ダウン。カウント8でともに立ち上がり、リング中央でエルボーの応酬。本田のラリアットをかいくぐった安齊がダブルアーム・スープレックスで投げ捨てるも、本田もカウンターのスピアを決めて畳みかけを許さず。本田が再びスピアを放つも、カウント2。本田は「決めるぞ!」と叫んで、ファイナルベントの体勢。安齊は脱出し、投げっぱなしジャーマン。ジャンピング・ニーはカウント2。安齊はギムレットの体勢も、本田は脱出。ならばと安齊はジャーマン・スープレックス・ホールドもカウント2。安齊は背後からジャンピング・ニー。正面からの一撃は本田がキャッチして、ファイナルベントで叩きつける。本田がショートレンジ・ラリアットから走り込んでのラリアットを叩き込むが、カウント2で安齊が肩を上げる。本田がファイナルベントの体勢も、安齊が脱出。安齊がジャーマンを決めれば、本田もラリアット。それをカウント2で返されると、今度こそファイナルベントを決めて3カウント奪取。

前日の青柳優馬に続いて安齊を撃破した本田が、3勝目を挙げてBブロック首位タイ。2夜連続でメインイベントで勝利を収めると“ホンダンス”を披露し、「もう今年のチャンピオン・カーニバル、俺が優勝するしかないだろ! 最年少記録を塗り替えてみせる」と猛烈な勢いとともに堂々たる優勝宣言をおこなった。

<リング上での本田のマイク>

本田「安齊勇馬から勝ったぞー! おい、安齊、今日はありがとう。またいつでも、俺たちで熱い、熱い闘いしようぜ。じゃあ、あらためてもう一度、安齊勇馬から勝ったぞー!(「ホンダ」コール)まあ、昨日に続き、今日も本田竜輝が全日本プロレスのメインイベントで勝ったということで、俺はみんなに見せたいものがあるんだ。(場内から「なに~?」の声)ホンダンスだー! ミュージック、流してくれー!(入場曲に合わせて軽快にホンダンスを披露する)みんなありがとう! 昨日、青柳優馬から勝って、今日は安齊勇馬から勝った。もう、今年のチャンピオン・カーニバル、俺が優勝するしかないだろ! 必ず大田区総合体育館大会で俺が優勝して、最年少記録を塗り替えてみせる。じゃあ、今日俺がこの所沢の場を締めたいと思う。俺の締めの言葉は、反則カウントだー! みんな、俺が“反則カウントを数える準備はいいかー?”と言ったら、“オー!”と言って、せーので1、2、3、4でこの場を締めたいと思う。みんな反則カウントを数える準備はいいかー? せーの、1、2、3、4、ありがとう!」

<バックステージコメント>

本田「安齊勇馬に勝ったぞー! 安齊勇馬から勝ったー! ということは、昨日に続き、今日も本田竜輝がメインイベントを締めた。もう今年にチャンピオン・カーニバルは俺が優勝するしかない! 俺が優勝するしかない! というわけで次、4月23日、後楽園ホール、綾部蓮。同じチームとして、絶対にオマエには負けたくないし、もうオマエに負けない。叩き潰してやるぜ!」

安齊「正直、Bブロックで一番負けたくない相手だった。同じニューピリオド、タッグを組んで、いまもELPIDAとしていっしょに闘っていて、向いて方は同じ、同じ志を持ってる仲間だけど、一番のライバルだと思ってる。そんな本田竜輝にメインイベントで負けてめちゃくちゃ悔しい、チョー悔しいけど、楽しかった。本田竜輝と組んでるときはもちろん楽しいけど、横にいるときよりも対角の方が楽しいな。チャンピオン・カーニバル、まだ折り返してもない。たった1敗ぐらいでへこたれないぞ。次、後楽園、菊田円。俺が必ず全日本背負って、オマエに勝ってやる」