「チャンピオン・カーニバル2025」4.28高松大会試合詳報&試合後コメント
ニュース
<第1試合>
8人タッグマッチ 20分1本勝負
斉藤レイ MUSASHI 井上凌 “ミスター斉藤”土井成樹 vs ライジングHAYATO 青柳亮生 田村男児 長尾一大心

香川県内では2019年11月以来、約5年半ぶりの開催となった今大会では、『チャンピオン・カーニバル』(以下、カーニバル)公式戦が5試合組まれた。
オープニングマッチはジュニアヘビー級の選手を中心とした8人タッグマッチ。青柳亮生は4・23後楽園大会で現世界ジュニアヘビー級王者のMUSASHIからフォール勝ちを奪取。MUSASHIは5・18大田区大会で吉岡世起とのタイトルマッチを控えているが、亮生は同一戦で王者が防衛を果たした場合は「挑戦してあげようかどうか決めたい」とベルトも視野に入れた言葉を残している。
ゴング前からレイを挑発するなど長尾が積極的な姿勢を見せる。序盤はMUSASHIが相手チームにつかまる。防戦のMUSASHIは田村と激しいエルボー合戦を繰り広げ、延髄斬りを見舞って土井につなぐ。土井がうまく立ち回って流れを自軍に持ってくるも、MUSASHIとの連係は息が合わない。その後、長尾とレイが対峙。長尾が果敢にドロップキック、エルボーを連発するが、レイの一発の攻撃でハネ返される。レイはヘビー級の肉体を生かしてジュニア勢を次々になぎ倒す。それでもジュニア軍は力を合わせてレイの巨体を崩しにかかり、長尾のミサイルキックも呼び込む。長尾は丸め込みでレイに懸命に食らいついていくが、回転エビ固めを踏ん張られ、張り手で動きを止められる。ヒップドロップはカウント2で返すも、最後はチョークスラムに3カウントを聞いた。ジュニア勢の中でただ一人ヘビー級として交じったレイが強さを見せつけた。
<バックステージコメント>

井上「ジュニアだらけの、ジュニアだらけの8人タッグ面白かったな。あっ、でもなんか、一人めちゃくちゃデカいヤツが紛れ込んでたな。まあでも、結果的に俺らが勝ったからヨシとするよ。デカいのは、正義!」
MUSASHI「前世界ジュニア…いたいた(と土井を横に立たせる)前世界ジュニア王者の土井成樹選手と現ジュニアヘビー級王者のMUSASHIが組んだら凄い連係が飛び出すんじゃないかと思ったけど」
土井「最近、普通に喋れるんや」
MUSASHI「はい、喋れます」
土井「最近、いい感じなんや」
MUSASHI「全然、呼んでんのに、なんで来てくれないんですか」
土井「俺呼んだら、来えへんかったやん」
MUSASHI「最初呼んだのに来ないから」
土井「最初、呼びましたよね? それでボクが行かなかった。次、ボクが呼びましたけど、来なかったですよね」
MUSASHI「最初来なかったから、すべてはそこからおかしくなりました」
土井「そういうことですよ」
MUSASHI「だからもう、組まない」
土井「いやいや、組まれたカードは組んでください」
MUSASHI「もちろん。次はちゃんとやりましょうね。呼んだらちゃんと…」
土井「いや、今日もちゃんとやってますよ」
MUSASHI「もういい、もういい! ラチがあかない。もう帰る」
土井「もうちょっと話しましょう」
MUSASHI「いい、いい! 次呼んだら絶対に来てくださいね」
土井「いやわかんない、それは」
MUSASHI「キャリアとか関係なく」
土井「関係ない、関係ない」
MUSASHI「うぅ、じゃあ来てくださいよ」
土井「めっちゃ喋るんですね、最近」
MUSASHI「喋れますよ、もう」
土井「いいっすね」
MUSASHI「呼んだら来てくださいね」
土井「わかりました。おつかれさまでした」
MUSASHI「おつかれさまでした(先に引き揚げる)」
レイ「(急に姿を見せて)イェイ、ミスター!」
土井「ミスターは俺やから。ちょっといいすかね。昨日の続きになるんですけど、この前の後楽園のアレ見ました。昨日も言ったんですけど…正直言っていいですか? (ツインテール)めっちゃかわいかったです。タイプかも、イケる。イケる、イケる(引き揚げる)」
レイ「よし! 今日は公式戦じゃなかったけど、しっかりとした勝ちだ! そして明日は、ハイフライヤーのエーグル・ブランか。アイツを俺の体重で踏みつぶしてやるぜ、フゥー!」
長尾「(亮生の肩を借りながら)次は、斉藤レイをぶっ倒す!」
亮生「一大心、一大心!」
HAYATO「全日本プロレスが四国に帰って来たよ、久しぶりだね。今回はチャンピオン・カーニバルだけど、次はジュニアのリーグ戦でも帰って来たいね。みんな、待ってて。Let’s Punk!」
<第2試合>
チャンピオン・カーニバル Aブロック公式戦 30分1本勝負
鈴木秀樹 vs 吉田隆司

鈴木秀樹は4・27大阪大会で羆嵐に丸め込まれリーグ戦2敗目を喫し、優勝戦進出争いに踏みとどまるためにも連敗は避けたいところ。一方の吉田隆司はいまだ1勝が遠く、威勢のいい言葉とは裏腹に芳しい結果を残せていない。
序盤、吉田が握手を求めるも、秀樹は応じることなく距離を取る。秀樹がヘッドロックで締め上げる。ショルダータックル合戦が互角と見るや、吉田は再び手を差し出す。秀樹が応じようとしたところで、吉田は地獄突き。さらにテーピングでチョーク攻撃を見せる。吉田がレフェリーを欺きながら狡猾に攻める。「弱いな、オマエ」と挑発も見せたが、エルボードロップをかわされると秀樹の反撃を許す。秀樹のダブルアーム・スープレックス狙いは吉田が踏ん張り、地獄突きを連発。CC2019(延髄斬り)からセントーン。長すぎるアピールからのラリアットは秀樹と相打ち。秀樹をコーナーに詰めて再び地獄突きを乱れ打つが、両手での一撃はかわされてコーナーマットに自爆。吉田が指を押さえて悶絶する中、秀樹はコーナーマットをズラす。吉田は指の痛みに耐えながら地獄突きを放ち、コーナーに詰めて三たび地獄突きを連発。しかし、両手での一撃は再びかわされて、金具ムキ出しのコーナーに指が直撃。秀樹はグラウンドで吉田の指をいたぶり、悶絶する相手をヨーロピアンクラッチで押さえ込んで3カウント奪取。試合後、ノーサイドをアピールする秀樹は握手をしつつ吉田の指を攻撃した。
連敗を免れた秀樹は再進撃に向けて勝ち点2を上積み。一方の吉田は泥沼の6連敗となった。
<バックステージコメント>
秀樹「シャラップ! ヨーロピアンの湖!」
吉田「(両手の指を押さえながら)あー、隆司の! 隆司の! 隆司の! 女子力がー!」

<第3試合>
チャンピオン・カーニバル Aブロック公式戦 30分1本勝負
芦野祥太郎 vs デイビーボーイ・スミスJr.

デイビーボーイ・スミスJrは勝ち点10でAブロック単独首位を快走。今一戦に勝利すれば、決勝トーナメント進出がグッと近づく。芦野祥太郎は初戦から4連敗を苦しい星取りとなるも、ザイオン、吉田隆司を下して2連勝を挙げており、後半戦にかけてようやく本来の実力に結果が伴ってきている。
序盤からグラウンドの展開を軸にせめぎ合う。グラウンドで上になったスミスが芦野の片腕を決めつつ押さえ込むも、芦野はブリッジでカバーを返していく。左腕を集中的に攻められた芦野はヒザへのドロップキックでスミスの体勢を崩し、エルボースマッシュ。スタンドでエルボーの打ち合いを展開した中、スミスが芦野の腕を取ってアームブリーカー。その後もスミスが執ような腕攻めを続ける。防戦の芦野はスミスのショートレンジ・ラリアットをかわしてバックに回ると、投げっぱなしジャーマン。バックドロップ狙いは押し潰されたスミスだが、カウンターでパワースラム。さらにバックドロップ・ホールドはカウント2。ブルドッグボム狙いを切り返した芦野は巧みにスミスの足を取り、アンクルロック。逃れたスミスのジャンピング・ニー狙いをかわすと再度、アンクルロックで締め上げる。芦野は決して離さずにスミスの足を執念で絞り続け、ついにギブアップを奪った。
前三冠ヘビー級王者から値千金のギブアップ勝ちを挙げた芦野は、4連敗から怒とうの3連勝。5・6後楽園の最終公式戦では五分の星を懸けて同期の羆嵐と激突する。一方のスミスはAブロック首位は変わらないものの、勝ち点10で足踏み。5・6後楽園での鈴木秀樹との最終公式戦に決勝トーナメント進出を懸けることになった。
<バックステージ>
芦野「勝った、デイビーボーイ・スミスJrから完璧なタップアウトだ! 言っただろ? アンクルロックだよ。逆に言えばよ、アンクルロックしかねえんだよ。このプロレス生活で10年間、信じ続けてきた技、アンクルロックだけだ。このデカい化け物が揃う全日本プロレスでも通用するってこと、もう一回、証明しなきゃいけない。肉を切らせて骨を断つ。生き残ったぞ、生き残ったぞ。次だな。次は5月6日、後楽園ホール、羆嵐だ。同期だよ、周年のメモリアルマッチでも勝ってる。一回勝ったからって、負けねえぞ、羆嵐。全日本プロレス所属として、背負ってるものの違いを見せてやる。BREAK A LEG」
<第4試合>
チャンピオン・カーニバル Aブロック公式戦 30分1本勝負
斉藤ジュン vs ザイオン

斉藤ジュンは4・27大阪大会でデイビーボーイ・スミスJrに敗れて痛恨の2敗目。三冠ヘビー級王者としてのカーニバル制覇に向けて連敗は避けたいところだが、ザイオンも爆発力を兼ね備えた闘いぶりで存在感を見せており、決して簡単な相手ではない。
静かな立ち上がりから、ショルダータックルも互いに譲らず。手四つの力比べはザイオンが押し込むも、ジュンのカウンターのラリアットを食らって場外に転がり落ちる。場外戦でザイオンがジュンを担ぎ上げて、エプロンに叩きつけ、さらに鉄柱にもぶつけていく。リングに戻ってもザイオンが攻勢。パイルドライバー狙いはジュンがリバース。串刺しフロントキック2連発からブレーンバスター。チョークスラム狙いはザイオンが阻止。ジュンはカウンターのスピアからコーナーに上り、ダイビング・ラリアット狙い。しかし、ザイオンがかわしてビッグブーツをジュンに叩き込む。消耗戦となった中、ジュンのブレーンバスター狙いをリバースで切り返したザイオンが、強烈なスピアを放つがカウント2。ザイオンのコーナーからのダイブをキャッチしたジュンは、チョークスラム。続けてのDying Lightでザイオンから3カウント。試合後、ザイオンとガッチリと握手を交わしたジュンは、三冠ベルトを高々と掲げてアピールした。
これでジュンは勝ち点8となり、宮原健斗、鈴木秀樹、そして真霜拳號を含めた4選手がAブロック2位タイで、スミスを追走する形になった。
<バックステージコメント>
ジュン「勝ったぞ! ザイオン、さすがのスーパーファイトだ。めちゃくちゃ楽しかったな。まだまだ足りない、もっとやろうぜ。次も楽しみにしてるぞ、DOOM!」

<第5試合>
6人タッグマッチ 20分1本勝負
宮原健斗 本田竜輝 綾部蓮 vs 大森北斗 羆嵐 菊田円

カーニバル出場選手が揃った6人タッグマッチ。本田竜輝&綾部蓮のELPIDAコンビに宮原健斗を交えた珍しいトリオと北斗軍+菊田円というこちらも異色トリオの激突で、宮原と羆嵐は4・29岡山大会での公式戦を控えた前哨戦。綾部と大森北斗は5・6後楽園、本田、綾部と菊田も5・10&11札幌での公式戦を控えている。
先発は公式戦を控える宮原と羆嵐。ロックアップからロープに押し込んだ羆嵐がクリーンブレーク。宮原のフロントキックを受け止めた羆嵐はショルダータックルで倒して、「ハァァー!」の雄叫び。場外に出た宮原は「高松、もっと俺のこと応援しろ!」と観客から「ケント」コールを引き出す。それぞれタッチで北斗と綾部の攻防。北斗が「黙れ、田舎!」などと高松の観客を挑発すると、場内からブーイングが起こる。北斗は綾部の手に噛みつき、ヒザにドロップキック。ボディースラム狙いは綾部が踏ん張り、逆に叩きつける。北斗が相手チームにつかまる展開。防戦の北斗は宮原のフロントキックを本田に誤爆させて、流れを変える。派手な場外戦が展開され、菊田は宮原に強烈な逆水平チョップを叩き込む。
リングに戻ると、菊田が本田に尻を押しつける。本田は菊田の尻に噛みついて反撃を試みるも、チョップを食らって攻撃を畳みかけることはできず。本田は羆嵐にカウンターでスピアを決めて、ようやく宮原にスイッチ。宮原が流れを変え、続いた綾部も北斗を攻め立てる。北斗もうまい立ち回りから相手3人にローブローを連発。北斗軍スペシャル狙いは菊田との息が合わず、決めることはできず。チャンスと見た綾部は北斗にフルネルソン。菊田のジャンピング・ヒップアタックを北斗に誤爆させると、本田のラリアットからデスルーレットにつないで3カウント。試合後、宮原と羆嵐が至近距離でにらみ合い。菊田と本田、綾部も視線をぶつけるなど、公式戦を控えて各選手がヒートアップした。
<バックステージコメント>
羆嵐「なんだ最初で最後の前哨戦か、宮原健斗と。まだまだ当たり足りねえな、全然触れてねえよ。覚えてるか? 2022、チャンピオン・カーニバル。確か4月9日、大阪、どっちが勝った? オマエはイヤでも忘れてんだろうな。俺は昨日のことのように覚えてるよ。おい、宮原健斗、いや健斗! この俺、羆嵐と、真っ向勝負だ。全・全日本プロレスファンに捧げてやるよ、この羆嵐の強さを。そんなとこだな。以上。ハァァー!」
宮原「シャァーー! おい、なんだこの、高松の熱量は! 凄いことになってんな、高松。6年ぶりということで、その6年分の充満したエネルギーを肌で感じたぜ。さあ、明日、おい、羆嵐! 岡山で、メインイベントで、この俺、宮原健斗vs羆嵐。明日だ明日、岡山だ! さぁ、プロレスファンよ、明日は岡山でこの俺に熱い声援を送ってくれよ。羆嵐、勝負だ!」
菊田「綾部、大丈夫か? 宮原健斗がいて、オマエ、萎縮してんのか? そんなんで、Bブロック首位のこの俺に勝てるのか? 本田も、5月10日、11日、北海道、オマエら2人当たるな。最高潮の菊田円か、オマエら2人をボッコボコにしてやるよ」
本田「おい、めっちゃ調子いいな! 明日は岡山でマイク・D・ベッキオ! アイツを潰して、そして今日いたな、ドラゴンゲート、菊田円! オマエ、5月11日の北海道で潰してやるよ」
綾部「高松も熱かったね、めちゃくちゃ盛り上がって」
北斗「おい!(と割って入ってくる)。黙れデクの坊! なに見下してんだ、身長しか取り柄のねえ、ゴミがよ。オマエ、覚えとけよ、5月6日の後楽園」
綾部「そうだな、5月6日の後楽園…」
北斗「おい、なによそ見してんだよ!(綾部の横っ面をはたく)。テメエ、やるか?」
綾部「5月6日、後楽園、次はテメエとだな」
北斗「おい、やってやるよ。2メートルの身長しか取り柄のねえヤツにな、俺が負けるわけねえだろ(綾部の胸を小突く)」
綾部「オマエみたいなチビがな、偉そうな口を叩くんじゃねえぞ(北斗の頭を挑発的に撫でる)」
北斗「オマエ、負けたら言い訳できねえぞ」
綾部「5月6日、後楽園で大森北斗、いまみたいに同じ光景、デスルーレットで3カウント、同じ光景をまた見せてやるだけだ。覚えとけ」

<第6試合>
チャンピオン・カーニバル Bブロック公式戦 30分1本勝負
安齊勇馬 vs マイク・D・ベッキオ

安齊勇馬は4・26名古屋大会で綾部蓮とのELPIDA同門対決を制して勝ち星先行の3勝2敗。史上最年少でのカーニバル制覇に向けて、取りこぼしなく白星を積み重ねていきたい。対するマイク・D・ベッキオも独創的な動きで対戦相手を翻弄し、すでに3勝をゲット。ここまでのBブロックの星取り争いを混沌とさせている。
序盤からベッキオが変則的な動きを交え、安齊に攻撃の隙を与えずに攻める。安齊はベッキオの突進を迎撃して、ミサイルキックで反撃。ザイオンも安齊をリフトアップして後方に投げ捨てると、うつ伏せの相手にその場跳びのムーンサルト・プレス。ベッキオがパワフルな攻めと機動力を生かして、安齊にペースを握らせない。苦しい展開の安齊はベリー・トゥ・ベリーでベッキオを投げ、カウンターのドロップキックからダブルアーム・スープレックスと畳みかける。ギムレット狙いはベッキオが阻止。エルボーのラリーからベッキオがロープ際の安齊にクロスボディーアタック。場外戦でもベッキオが安齊を痛めつける。ベッキオのスワンダイブ攻撃は、安齊がドロップキックで迎撃。ベッキオもカウンターのラリアットですぐに反撃するも、コーナーに上ったところをとらえられ、雪崩式ダブルアーム・スープレックスを食らう。ダイナミックな攻めで勝機を引き寄せた安齊は、ベッキオのトリプルスプリングボードカッターをキャッチして投げっぱなしジャーマン。さらにジャンピング・ニーを叩き込むと、続けてのギムレットでベッキオを振り切った。ベッキオとの3勝2敗対決を制した安齊は勝ち点8として、菊田円とともにBブロック首位タイとなった。
<バックステージコメント>
安齊「マイク・D・ベッキオ、なにするか分からず、めっちゃ怖くてドキドキしたけど、チョー楽しかった。今日で勝ち点8か。マイク・D・ベッキオを抜いて、現在、菊田円と首位タイだ。このまま行けば、俺と菊田円が決勝トーナメントに残る未来もあるんじゃねえか。そうなったらリベンジも、最年少優勝も全部、俺がかっさらってやるよ。今日はありがとうございました」
<第7試合>
メインイベント チャンピオン・カーニバル Bブロック公式戦 30分1本勝負
青柳優馬 vs エーグル・ブラン

青柳優馬は公式戦2勝3敗と苦しい星取り状況で、本人は4・27大阪大会の試合後に「優勝の可能性はないに等しいでしょう」と語り、リーグ戦の後半戦に向けて得点上位に位置する選手の「足を引っ張ります」と宣言。今大会では同じく2勝3敗のエーグル・ブランとの対戦となったが、決勝トーナメント進出に望みをつなぐことはもちろん、今後の対戦を控える選手たちにプレッシャーを与えるためにも白星を重ねたい。
ブランが開始早々から持ち前の軽快な動きを見せて、優馬を攻め立てる。優馬が場外に出るとトペ・スイシーダを放ち、場外戦で痛めつける。リングに戻すも、優馬はゴロゴロとマットを転がって、みずから場外に出る。優馬はブランのコーナーからのムーンサルト・アタック狙いを阻止して、形勢逆転。ブランのマスクに手をかけると、リング下に2人で潜る。そして姿を現すと、優馬はブランのマスクを被って両手を広げる。「わたしがエーグル・ブランです」とアピールしたのち、再びリング下に潜る。リング下からうめき声が聞こえる中、マスクを取り戻したブランと優馬が出て来る。リングに戻っても優馬が攻勢に出るが、ブランはセカンドロープから反転してのクロスボディーアタックで反撃態勢。延髄斬りからスイング式ブレーンバスターを決めると、場外の優馬にコーナーからムーンサルト・アタック。
ブランは優馬をリングに戻すとミサイルキックを放ち、コーナーに上るとファイアーバード・スプラッシュ狙い。しかし、それは優馬がスカし、コーナーからのクロスボディーアタックを連発。そしてエンドゲームで締め上げるが、ブランがロープににじり寄る。ブランはロープ際で優馬をブレーンバスターの体勢で担ぎ上げる。エプロンに着地した優馬の上体をロープにひっかけると、両足で相手の頭部に飛びついてDDTの要領でマットに叩きつける。なおも、エプロンの優馬に飛びついてDDTを決めたブランは、場外カウント9でリングに戻ってきた優馬にスワンダイブ式ミサイルキックの追撃。優馬も負けじと追走式のエルボーアタックを放ち、カウンターのドロップキックを突き刺す。一進一退の展開の中、ブランがラリアットで優馬をなぎ倒す。エルボーの応酬から、優馬がバックドロップ。さらにダイビング・エルボードロップを放ち、再びコーナーに上るが、そこをブランにとらえられ、雪崩式スパニッシュフライを食らう。ブランはツームストーン・パイルドライバーからダイビング・ボディープレス、ファイアーバード・スプラッシュと畳みかける。追い込まれた優馬はコーナーに上ったブランをとらえると、雪崩式ブレーンバスター。ラリアット、垂直落下式ブレーンバスター、ロックスターバスターの畳みかけでも3カウントを許さなかったブランだが、最後はTHE FOOLに力尽きた。
ブランの予想以上の奮闘を受け止めて勝利した優馬は最敬礼とともに握手を交わし、マイクを手にすると約6年ぶりの高松上陸を「バーカ!」の合唱で締めた。3勝3敗の五分の星に戻して決勝トーナメント進出に土俵際で踏みとどまった優馬は、「青柳優馬ヲタクたちのために優勝トロフィー掲げて、最後に『バーカ!』って叫んでやりますよ」とあらためて“公約”を掲げ、春の頂を目指して最後の最後まで残された可能性に懸けていくことを誓った。
<リング上での優馬のマイク>

優馬「本日は全日本プロレス高松大会にご来場ありがとうございました。6年ぶりに帰ってきたんですけど、たぶん現地の方は私のことなんて忘れていると思うので。あらためまして、全日本プロレスの青柳優馬です(拍手)。高松はちょっと田舎だから、もしかしたらチャンピオン・カーニバルというものを知らないかもしれないので、ざっくり説明すると、強いヤツと強いヤツが闘って、一番強いヤツを決めようっていうお祭りです。私、2勝3敗、今日勝つことができたので3勝3敗。まあ、ぶっちゃけた話、優勝の可能性は限りなくゼロに近いです。ありきたりな言葉も言えずに本当に申し訳ないんですけど、ほんのちょっとだけの可能性を、皆さんボクに騙されたと思って、信じてもらっていいでしょうか?(拍手)。限りなくゼロに近い可能性ですけど、まだまだ優勝できるとボクは信じていますので、どうか高松の皆さんも信じてください。よろしくお願いします。
今日は香川のめちゃくちゃ美味いうどんを食べてきたので、なんとか勝つことができたので、また全日本プロレス、香川大会があるときは、うどんを食べに帰って来ます。そして香川の皆さん、ちょっと田舎なので、ボクの“バカ締め”というものを知らないかもしれないので、ちょっと説明させてもらいます。今日だけは良い子も、ちょっぴり悪い大人も全員、ボクの『せーの』に合わせて、『バーカ』と思い切り叫んでください。普段なら言えないようなことも全日本プロレスに来たら思いっきり叫べますから、一回だけ練習しておきましょう。ボクが『せーの』って言ったら、『バーカ』って言ってね。今日はお家の人も、子どもの素行を許してください。いきますよ、せーの!(観客が一斉に「バーカ!」と叫ぶ)。高松の皆さん、溜まってんな! よっしゃ、思い切り吐き出して終わろう。全日本プロレス、ご来場ありがとうございました! せーの、バーカ!」
<バックステージコメント>
優馬「チャンピオン・カーニバルでエーグル・ブランと対戦して、めちゃくちゃビックリしたし、強かった。別に甘く見ていたつもりはなかったけど、こんなにもやられるとは思ってなかったし、勝つことができて光栄に思う。いまチャンピオン・カーニバル、3勝3敗で、限りなくゼロに近い優勝の可能性はまだまだ残っているので、青柳優馬ヲタクたちのために優勝トロフィー掲げて、どデカいトロフィーを掲げて、最後に『バーカ!』って叫んでやりますよ。バーカ!」