「スーパーパワーシリーズ2025」6月15日(日)京都大会詳報&試合後コメント
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『スーパーパワーシリーズ2025』が京都に上陸。今大会では、アジアタッグ選手権、GAORA TVチャンピオンシップという二大タイトルマッチに加え、三冠ヘビー級選手権と世界ジュニアヘビー級選手権のダブル前哨戦、ゼンニチ本隊と各ユニットの対抗戦がラインナップされた。
〈第1試合〉
ゼンニチ本隊 vs バカの時代 タッグマッチ 20分1本勝負
田村男児 井上凌 vs 阿部史典 立花誠吾

オープニングマッチでは、ゼンニチ本隊の田村男児&井上凌vsバカの時代の阿部史典&立花誠吾。6・14岐阜大会では、男児vs立花、井上vs阿部、シングルマッチ2試合が組まれ、男児がパワーボム、阿部がアイルビーバック式おハムロールで勝利。7月に開催されるジュニアリーグ出場を意識する4人が、この日はタッグマッチで激突した。
ゼンニチ本隊とバカの時代の対抗戦は、それぞれが個性を爆発させ熱戦を展開。井上が突き飛ばすと、立花がヤンキース座り。顔面を打ち抜いた井上は、ご機嫌にRウォーク。バカの時代は井上にコンビネーションを決めると、お株を奪うRウォークを披露した。井上がレッグラリアットで一矢報いると、田村が串刺し攻撃を阻止してジュニア離れのパワーで進撃。立花がヤンキーカッター。阿部が続いてバチバチな連続攻撃。盛り返した井上が相手チームの誤爆を誘うと、ゼンニチ本隊の時間に。井上はジャンピング・ハイキックからスクールボーイ。逆さ押さえ込みを切り返されても、田村が俵返しで救出。立花にはラリアットを叩き込んで、井上に勝負を託す。気合を入れ直した井上のバズソーキックはカウント2。ならばと大観音スープレックスを狙ったが、阿部が強烈な張り手、アイルビーバックのムーブから伊良部パンチをブチ込むや、お卍固めにつないでギブアップを奪取した。
<バックステージコメント>
阿部「何やってんだ、オマエ」
立花「なにが?」
阿部「バカだな」
立花「まぁまぁ勝ったんだから」
阿部「だけどアニキ、忘れるなよ。オレとオマエの関係を」
立花「そうだよ。オレは忘れてねぇよ。いつまで経っても忘れねぇよ」
阿部「次どこで戦うか分からねぇけどな。ジュニアリーグ始まるけどな。出るかも分からねぇけどな、アニキ。もう一回やろうぜ。ぶっ殺してやるからな」
立花「名勝負数え歌だ、この野郎!」
阿部「そんな恥ずかしいこと自分で言うな!」
立花「オマエが言いだしたんだろうが!」
田村「まだまだ満足はできません。勝ってないですし、証明したことも無い。これから7月ジュニアリーグが始まると。何をするか、ジュニアの証明ですよね。ヘビーだけではなく全日本にはジュニアがいます。みんなヘビーになりがちですけど、ジュニアもいるんだ。チャンピオン・カーニバルがあって、そのあいだジュニアは10人タッグやってたけど、少なからずうっ憤というか不満も溜まっていたんです。それをジュニアたちがいかに、全日本だけじゃなくて、もっと外の世界に証明できるようにぶちかましていきます。以上です」
井上「阿部史典、また負けちゃった。ジュニアリーグあと2回、あと6・18後楽園挟んで次の次だよ。このままじゃダメ。クソ。何か変えないと。何か自分の中で真面目に取り組むというか、もう勝ちにこだわるそういう意識が足りてない。絶対、絶対、来月ジュニアリーグ開幕戦からかますぞ。かまして全勝優勝。そしてその先に見える世界ジュニア必ず獲ってやる」
〈第2試合〉
ゼンニチ本隊 vs ELPIDA タッグマッチ 30分1本勝負
芦野祥太郎 ザイオン vs 本田竜輝 綾部蓮

第2試合は、ゼンニチ本隊vs ELPIDA。芦野祥太郎とザイオンはチャンピオン・カーニバルの激闘を経て、新たなタッグチーム・HAVOC(ハボック)を結成。6・1仙台大会で世界タッグ王座に挑戦し、チームとしてのポテンシャルを発揮。早期のタッグ戦線再浮上を狙っている。ELPIDAの本田竜輝と綾部蓮はカーニバルの同門対決で互いの想いを確かめ合い絆を深めた。
ザイオンvs綾部でスタート。ロックアップからロープに押し込むと、綾部は頭をなでなで、ザイオンはハカ風ポーズを見せる。ザイオンのアピールでタックル合戦に突入。激しくぶつかり合い、それぞれパートナーにチェンジ。芦野と本田の元パートナー対決は、本田がダイナミックに仕掛けて反則カウントを煽る。芦野もレスリングのテクニックから強烈なエルボー。HAVOCの連携が飛び出し、ザイオンが豪快なラッシュ。本田がスピアでピンチを脱すると、綾部がジャンピング・ネックブリーカー。ビッグブーツで追撃を仕掛ける。ザイオンも意地を見せ、打撃のコンボから捻りを加えたサモアンドロップ。タッチを受けた芦野は俵返しからエルボーを連打。ジャーマンは不発となり、ELPIDAが反撃をスタートさせる。本田は豪快なスパインバスター。HAVOCがコンビネーションからフィニッシュを狙っても、綾部が助けに駆けつけ芦野に集中砲火。綾部がザイオンを排除して、芦野にフルネルソンボム。本田が猛烈なラリアットを叩き込むと、ファイナルベントを爆発させて3カウントを奪取した。
<バックステージコメント>
本田「よっしゃあ!芦野・ザイオンから勝ったぞ。昨日に続き、今日も俺たちは、全日本で1番、いやプロレス界で1番のユニットになるぜ!そして現在最強だ!」
綾部「前回世界タッグに挑戦した芦野・ザイオン組に俺たち2人で勝ったのはデカい結果だろ。次、後楽園、前回仙台で当たったタロースとも当たるな。今までにない刺激をくれてありがたいよ。綾部蓮はさらに経験を積んで強くなってしまう」
芦野「次は勝つぞ。HAVOCはこれじゃあ終わらねぇぞ。まだまだ突き進む」

〈第3試合〉
ゼンニチ本隊 vs 北斗軍 6人タッグマッチ 30分1本勝負
宮原健斗 MUSASHI デイビーボーイ・スミスJr. vs 大森北斗 羆嵐 タロース

第3試合の6人タッグマッチでは、ゼンニチ本隊の宮原健斗&デイビーボーイ・スミスJr&MUSASHIと北斗軍の大森北斗&羆嵐&タロースが激突した。バカの時代との全面対抗戦を控える北斗軍は、6・14岐阜大会で全日本プロレスTV認定6人タッグ王座をかけた同門対決(北斗&羆嵐&他花師vsタロース&ジャック・ケネディ&愛澤No.1)を敢行。6.24新木場ラグナロクへ向け結束を深めた。
宮原は先発を買って出たが、初遭遇となる身長2メートル13センチのタロースを対峙して、コーナーに下がってしまう。それでも健斗コールに背中を押され、巨神兵との対戦で試合開始のゴングが鳴った。規格外のパワーに押されたものの、ロープに走ってタックルを叩き込む。しかし巨体を倒すことができず、苦い表情を浮かべた。5分経過。タロースはMUSASHIのクロスボディを受け止めて、軽々と後方へ投げ捨てる。北斗軍はMUSASHIをこれでもかと痛めつけていった。なんとかMUSASHIが自力でピンチを抜け出すと、千両役者・宮原、最強外国人・スミスが一気に巻き返す。ブルドックボムで試合を終わらせにかかったスミスだが、羆嵐が切り返してアルゼンチン・バックブリーカー。さらにメガトン級のドロップキックを見まい、北斗とMUSASHIの対戦へ。10分経過。北斗が羆嵐とコンビネーションで主導権を握ると、MUSASHIもジュニアのスピードを生かした攻撃で逆襲。宮原とスミスの強力な援護からエストレージャフトゥーロ。羆嵐がカットに飛び込み、宮原とスミスを巨体でなぎ倒す。タロースが強烈なビッグブーツをお見舞いして、リミッターを会場。高々と抱え上げてのチョークスラム(Ride the lighten daddy)で文句なしの3カウントが入った。
<バックステージコメント>
北斗「見ろ見ろオマエ、このデカさ。デカさだけじゃない、パワーもスピードも負けてねぇな。こんな2メートル13センチがあっていいのかよ。オレはとんでもない化け物を連れてきてしまったのかもしれない。北斗軍はやばいことになっちまうぞ、これ」
宮原「よっしゃ!さぁありがとよ京都。そして次はいよいよ6月18日、東京・後楽園ホール、世界タッグ選手権試合、菊田円&KAI。さぁオレのかっこよすぎる髪の毛?懸ける?どこに行っても言われるよ。今日も京都でいろんな人に言われたぞ、『髪の毛大丈夫ですか?』ってな。あっ見つけたよ。なんだこれ。落とし物じゃないか。なんだこれは。6月18日、業界が震えて発売を待っている宮原健斗ニューTシャツじゃないか。6月18日、後楽園ホールがこの業界が震えて待つTシャツに染められるだろうな」

〈第4試合〉
GAORA TVチャンピオンシップ 60分1本勝負
【第28代王者】宮本裕向 vs 他花師【挑戦者】

第28代王者の宮本は昨年12月に立花誠吾を破り王座戴冠。防衛ロードでは、田村男児、芦野祥太郎といったゼンニチ所属選手、さらに黒潮TOKYOジャパン、土井成樹の挑戦を退けてきた。対するチャレンジャー・他花師は、所属するDRAGONGATEの試合中継も放送しているGAORAのベルトをホームに持ち帰り、ビッグマッチでの防衛戦を目論んでいる。
宮本は3月の後楽園大会以来の王座戦で今回が5度目の防衛戦。他花師のセコンドには北斗軍のメンバーが総出でついた。2人は共に1982年生まれで同い年。男としてもプロレスラーとしても油が乗った40代対決は、いきなり他花師コールが発生。ロープに押し込んでクリーンブレークと紳士的な対応を見せた他花師は、差し出した右手を蹴り飛ばした宮本にブーイング。自分のペースに持ち込む。宮本も対抗してクリーンファイトを見せ、ようやく握手に応じてハグまで交わしたが、他花師は不意打ちの地獄突き。今までの紳士的な姿が嘘だったかのように、ラフファイト全開で暴れ回る。5分経過。他花師がリングに椅子を持ち込み宮本の右ヒザを攻める。しかしデスマッチファイターとしても実績のある宮本が怒りの反撃。逆に他花師のヒザを破壊していく。リング中央で足4の字固め。苦悶の表情を浮かべた他花師だが、なんとかロープに辿り着く。ヒザの痛みをこらえてブレーンバスターでぶっこ抜くと、地獄突きで黙らせる。さらにチャンピオン・カーニバル(延髄切り)を叩き込み、セントーンで圧殺してカバー。カウントは2止まり。拝み式ダイビング・エルボーは痛恨の自爆。ロープに振られた宮本は、ハンドスプリングのムーブから裏ヒザ十字固め。他花師はファイヤーサンダーから逃れたが、ヒザのダメージで反撃できない。それでも地獄突き、急所蹴りで流れを引き寄せると、渾身のパイナップルボンバー。サイバーボムは一度はフランケンシュタイナーで切り返されたが、パイナップルボンバーを叩き込んでから執念で決めて宮本政権に終止符。他花師がゼンニチマットでシングルの勲章を勝ち取った。
<バックステージコメント>
他花師「オイ見たか、全日本。他花師が二冠王になったぞ。言ってたよな、DRAGONGATEのリングで。俺がGAORA TVチャンピオンのベルトを獲った日には、次の神戸ワールド記念ホール、スーパービッグマッチで防衛戦を行なうと。もう誰でもいい。もう誰を他花師は止められない。ノーバディ・キャン・タカシ・釈羅不」
宮本「クソー…、クソが。ヨッシー、なにが他花師だオラ。吉田隆司だろ、アイツはヨッシーだよ。同級生だよ。よく酒を飲んでたけど、初めて試合して、ちょっとペースを握られましたね。俺もいろんな人に防衛したけど、また違うタイプで対策しておかないといけないけど。いいいい、次挑戦するから。どっかで挑戦するから。アイツの持っているベルトに挑戦します。クソ…」

〈第5試合〉
三冠ヘビー級選手権試合&世界ジュニアヘビー級選手権試合前哨戦6人タッグマッチ 30分1本勝負
斉藤ジュン 斉藤レイ “ミスター斉藤”土井成樹 vs 鈴木秀樹 佐藤光留 吉岡世起

三冠ヘビー級チャンピオンの斉藤ジュンとチャレンジャー・鈴木秀樹は前夜の岐阜大会から6・18後楽園大会のタイトルマッチへ向けた前哨戦がスタート。チャンピオン・カーニバルの公式戦で秀樹に敗れたジュンだが、前哨戦1stラウンドではジャックハマーで秀樹から直接3カウントを奪うと、完全防衛を宣言した。5月に世界ジュニアヘビー級王座初戴冠を果たした吉岡世起は、初防衛戦で田村男児を破ると、過去に敗れた借りを返すべく、”ミスター斉藤”土井成樹をV2戦の相手に逆指名。三冠戦と同じく6・18後楽園大会でのタイトルマッチが決定済みで、岐阜大会でも激しい火花を散らした。
2日連続となった前哨戦は、ジュンと秀樹が先発。ロープに押し込んだジュンは、ヘアゴムを外してセクシーさを放出。報復を予告してこの一戦に臨んだ秀樹が仕掛けても、冷静な戦いぶりで余裕を見せつける。続いて吉岡と土井の対戦は、ノンストップバトルが繰り広げられ、両者一歩も引かない。レイと佐藤の無差別級バトルは、佐藤が鋭い打撃からサブミッション狙い。レイはスーパーヘビー級のパワーで決めさせない。5分経過と同時に場外戦に突入する。リングに戻ってもレイの攻撃が続き、恐怖の重爆チョップをお見舞い。ロープ付近で踏みつけると、引き剥がそうとした吉岡、さらに土井もレイにおぶさる形となり佐藤が苦しむ。佐藤が自力で流れを変えると、吉岡が疾風の如く土井に襲い掛かる。めまぐるしい切り返し合戦から吉岡が延髄斬りを放てば、土井はブレーンバスターをリバース。DOI555からバカタレスライディングキックを狙ったが、吉岡が迎撃してシザースキックでやり返す。10分経過。ジュンと秀樹がエルボーを打ち合いヒートアップ。ブレーンバスターを決めたジュンは、串刺し攻撃を狙ったが、鈴木は巧みにさばいてぶら下がり式首4の字。ジュンがスリーパーを振り解くと、レイが助太刀して土井も加えた斉藤ブラザーズの連続攻撃。リング上に6選手が入り乱れると、吉岡が土井を場外に落としてラ・ケブラーダを狙う。レイが止めに入っても佐藤と力を合わせて斉藤ブラザーズを分断する。リング上はジュンと秀樹の一騎打ち状態。ボディへのエルボーでチャンピオンの進撃を止めた秀樹は、コーナーに追い込み非情な連打。救出に入ったレイをスリーパーで締め落とすと、ジャックハマーを狙ったジュンのバックを取り、こちらにもスリーパー。渾身の力で締め上げカバーに入ると、完全に力の抜けたジュンから3カウントを奪って見せた。予告通り報復勝利をあげた秀樹は、大の字となったジュンを見下ろすと、「オマエ、今日も甘いもの用意してるだろ」とマイク。
セコンドにデザートを持ってこさせると、エクレアを強奪し「代わりに食ってやるよ」とチャンピオンの眼前で勝利のスイーツを堪能した。
<バックステージコメント>
秀樹「これ昨日見た光景だなと思って。デジャヴ感でしたね」
吉岡「昨日の借りを返したぞ土井成樹。勝ってくれたのは鈴木秀樹さんだけど、しっかり1勝1敗で繋げたから。よし!次の18日後楽園、タイトルマッチ覚悟しとけ」
記者の質問「三冠チャンピオンの前で食べるスイーツは格別な味でしたか?」
秀樹「おいしかった。やっぱり絞め落としてね、食べるスイーツは美味しいなと思って」
佐藤「めっちゃうまいな」
秀樹「まぁ18日は、同じ光景をね、もう一回。オレもデザート買っていこうかな。奪うだけじゃかわいそうだから。前に言ったように、ここから全日本プロレスの三冠王座戦の質を鈴木秀樹が取り戻します」
レイ「大丈夫かオイ?やられちまったな」
ジュン「すべては18日、後楽園ホールだ。鈴木秀樹、DOOM」
レイ「18日が楽しみだぜ!フォー!」


〈第6試合〉
メインイベント アジアタッグ選手権試合 60分1本勝負
【第125代王者組】ライジングHAYATO 安齊勇馬 vs 青柳優馬 青柳亮生【挑戦者組】

昨年10月にベルトを奪取したチャンピオンチーム・ライジングHAYATO&安齊勇馬は、半年で6度の防衛に成功。5・18大田区大会でマイク・D・ベッキオ&エーグル・ブランを破った直後に、青柳兄弟の挑戦表明を受諾した。チャレンジャーチーム・青柳優馬&青柳亮生は、2・9後楽園大会で当時の王者・斉藤ブラザーズとの世界タッグ史上初の兄弟タッグ対決を実現させ、大熱戦を繰り広げたが惜しくも兄弟でのゼンニチタイトル獲得は果たせなかった。天龍プロジェクトのリングでは、2023年にUNタッグ王座を獲得している。
アジアタッグ京都決戦は、かつてアジアタッグ挑戦で共闘したHAYATOと亮生の対戦でスタート。王座戴冠を果たしたHAYATOとアジアの至宝を獲得できていない亮生、いきなり両者の意地がぶつかり合う。HAYATOがお馴染みのバク宙パフォーマンスを見せれば、亮生もハンドプリングからのバク宙を見せる。春にチャンピオン・カーニバル公式戦で激闘を繰り広げた安齊と優馬もスパークする。場外戦ではステージ上で優馬がブレーンバスター狙い。安齊は決めさせずスリーパーでスタミナを奪う。5分経過。リングに戻ると、チャンピオンチームのペースで試合が進み、優馬を痛めつけたが、青柳兄弟が息の合ったムーブでやり返して再び場外戦に持ち込む。リングでHAYATOと孤立させ主導権を握る。ローンバトルが続いたHAYATOは、起死回生のドロップキック。体力を温存した安齊が一気に試合をひっくり返す。ドロップキックを兄弟に見舞って、フェイスロックで亮生を捕獲。優馬が巻き返しドロップキックから串刺しエルボー。トップロープからボディアタックを放ち、エンドゲームを極めたがロープに逃げられる。ロックスターバスターが不発に終わると壮絶なエルボー合戦。15分経過。優馬がジャーマンを放つと、安齊もすぐに立ち上がってお返し。両チーム、パートナーにチェンジ。亮生のアクロバティックな動きを読んだHAYATOは、高速ロープワークからバックエルボー。場外に追いやってスワンダイブ式のプランチャを発射する。チャンピオンチームの連携を切り崩した亮生は、ハンドスプリング式レッグラリアット。兄を呼び込んで連続トレイン攻撃。さらに、トラースキック、ドロップキック、その場飛びムーンサルトプレスと畳みかける。安齊にも合体技を狙ったが、安齊が優馬に投げっぱなしドラゴンからフェイスロック。HAYATOも亮生にコードブレーカーを決め、オーバードーズでギブアップを迫る。長い時間締め続けたが、優馬が顔面を固められながらも執念でカット。ならばとHAYATOは、コーナー最上段からダイブを狙う。弟を守った優馬が時間を稼ぐと、このあいだに蘇生した亮生が雪崩式フランケンシュタイナー。旋風脚から追撃を狙うと、HAYATOがファルコンアロー。安齊と優馬も激しくやり合い、リング上で4人がダウン。HAYATOと亮生がダウンカウント8で立ち上がると、最後の力を振り絞りエルボーを打ち合う。HAYATOがトップロープを超えてのDDTで亮生をエプロンに突き刺すと、安齊がジャーマンの体制。そこにスワンダイブ式ミサイルキックをブチ込む合体技を敢行。優馬がカットに飛び込んでもシド・ヴィシャスで勝負。しかし、寸前でかわされ、優馬がダイビング・エルボーをグサリ。安齊をロックスターバスターで排除して、弟に勝負を託す。亮生はロコモーション式フィッシャーマンズ・スープレックス。ムーンサルトプレスを命中させたが、HAYATOがフォールをひっくり返す。25分経過。HAYATOはチャンスとばかりに人でなしドライバー。カウント1で返した亮生は、トラースキックからリバース・フランケンシュタイナー。追撃のハウザーインパクトをカウント2で返されると、必殺のファイヤーバードスプラッシュ。ライバル・HAYATOを沈めて、ついに兄弟でアジアタッグのベルトを巻いた。第126代王者組として歴史に名を刻むと、亮生は「小さな頃からプロレスごっこをして育ってきたにぃにと共にベルトを巻けて、青柳亮生は最高の気持ちです」と感慨深げに語り、京都大会にアジアタッグ王者として再び帰ってくることを約束した。
<リング上のマイク>

亮生「アジアタッグ、獲ったぞー! まずは青柳さんありがとう。やっと、やっとやっと青柳兄弟で全日本のアジアタッグを巻くことができました。小さな頃からプロレスごっこをして育ってきたにぃにと共にベルトを巻けて、青柳亮生は最高の気持ちです。このまま気持ちよく締めたいところですが、お兄様の話も少し聞いてやってください」
優馬「京都大会にご来場のみなさん、今日はありがとうございます。弟とようやく2人で、青柳兄弟で勲章を獲ることが…、まぁ、ウソなんですけど。ぜんぜん涙は出てこないんですけど、めちゃめちゃうれしいです。みなさんも喜んでいただけましたでしょうか?みなさん本当にありがとう。ということで、今日はバカで締めてみたいと思いますが、みなさんよろしいでしょうか。僕がせーの!と言ったら、思いっきり腹の底からバーカ!と叫んでください。普段なかなか言うことのできない言葉だと思います。家庭でも叫びたいこともあれば、学校、職場、絶対叫ぶことができないNGワードです。しかし、全日本プロレスの会場に来ることによって叫ぶことができちゃう。みなさん、バカ締めいかせてもらいます。一回しかやりませんよ。せーの、バーカ!」
亮生「(優馬のテーマ曲がかかるが)危ない、危ない。俺!京都KBSホールにお越しのみなさま、今日は誠にありがとうございました。また京都に帰ってくるときは青柳兄弟が、このベルトを持ってまた帰ってくるので、今日来たみんな絶対応援に来てください。よろしくお願いします。それではプルス・ウルトラ締めでいきたいと思います。よろしいでしょうか?全日本プロレス、青柳兄弟、京都、さらに向こうへ!プルス・ウルトラ!」
<バックステージコメント>
優馬「長かった」
亮生「長げー」
優馬「長いつってもそんなにめちゃめちゃ挑戦したわけじゃないけど、獲ることができた。あのライジングHAYATO、青柳…、違う安齊勇馬組から獲ったんだ」
亮生「これは重いよ。青柳兄弟、重いよ。ここからだ」
優馬「ベルト臭くねぇな」
亮生「新しいからね」
優馬「ベルトまだまだ新しいから、これから青柳兄弟臭をつけて歴史と新時代をどんどん、どんどん作っていこうじゃないかと」
亮生「やっていこう。青柳兄弟にお任せください!」
優馬「そして明日、青柳兄弟そこそこいい発表があると思うので、そちらもお楽しみに」
亮生「ありがとうございました!」
安齊「大丈夫っすか?」
HAYATO「ごめんね安齊…。もう勝てると思ったんだけどな…。ちょっと強くなった気になって勘違いしたみたい。まだまだだね。でも、まだまだってことは、まだまだ強くなれるってことかもしれないし、またこれから頑張るよ」
安齊「オレもHAYATOさんも一回の負けで諦めたわけじゃない。この先全日本にいて、青柳兄弟がいてアジアタッグが、その他のベルトが全日本にある限り、まだまだチャンスなんかたくさんある。オレとHAYATOさんはこのあと一歩も立ち止まらず、まだまだ先へ目指します。今日はすいませんでした」
