「熱闘!サマーアクションウォーズ2025」8月3日(日)大田区大会詳報&試合後コメント
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2年ぶりの開催となったジュニアシングルリーグ戦もいよいよ決勝戦を迎え、さらに世界タッグ王座を含む2つのタイトルマッチに、スペシャルシングルマッチと真夏のビッグマッチにふさわしい豪華カードが並んだ。
<第1試合>
第1試合 10人タッグマッチ 30分1本勝負
田村男児 佐藤光留 宮本裕向 阿部史典 立花誠吾 vs MUSASHI 吉岡世起 井上凌 “ミスター斉藤”土井成樹 小藤将太

オープニングマッチは、『ゼンニチJr.フェスティバル2025』にエントリーした選手が揃った10人タッグマッチ。
先発で対峙した井上と光留がレスリングの攻防。ロープに詰めた井上が離れ際にソバットを放つ。光留は井上の蹴り足をとらえてグラウンドに持ち込むも、井上も切り返してアキレス腱固めで光留をロープに這わせる。それぞれタッチでMUSASHIと阿部の攻防。MUSASHIが観客にアピールしようとすると、阿部が背後から蹴り。MUSASHIも低空ドロップキックでやり返し、さらに宮本にも吉岡とともに低空ドロップキックでの挟み撃ちを見せる。続いて小藤と阿部の攻防になり、小藤がドロップキックからスリーパーホールドで捕獲。ここで宮本がダイビング・フットスタンプでカットに入るも、パートナーの阿部にも攻撃が誤爆する。阿部は頭を押さえながら宮本に対して「なにやってんだ!」とクレームをつけつつ、小藤にサッカーボールキックを見舞って田村につなぐ。
光留&男児が小藤に腕ひしぎ十字固めを決めると、阿部&宮本はアキレス腱固めで捕獲。一人余った立花は小藤の傍らでメンチを切る。小藤は男児の突進は迎撃してドロップキックを放って、吉岡にタッチ。吉岡はスピーディーな攻撃で相手チームを翻弄。男児も吉岡の延髄斬りを食らいながらも、俵返しを返す。吉岡がシザーズキックを繰り出せば、男児もすぐさまバックフリップで反撃する。立花と土井の攻防となり、立花が攻め立てる。立花がほかの4人に呼びかけて全員での攻撃を促すが、誰も応じず。立花が相手チームからの連弾を食らうとようやくパートナー4人が救出に入るも、攻撃はあえなく立花に誤爆。小藤が相手チームにドロップキックを連発で放って場外に排除。MUSASHIがノータッチ式トペ・コンヒーロを放って立花をリングに戻す。土井は立花にDOI555を放ち、続けてのバカタレスライディングキックで3カウントを奪った。
試合後、マイクを手にした土井は11・7新宿での25周年記念自主興行の開催を発表。大会テーマとして「全日本プロレスとDRAGONGATEの全面交流戦、やるぞー!」と言い放つと、場内からどよめき交じりの大歓声が起こった。ゆかりある選手の参戦も含めて、どのようなカードがマッチメークされるのか期待がふくらむ。
<試合後のリング上での土井のマイク>

土井「すみません、ちょっとお時間いただきます。私事ですが、今年5月でデビュー25周年を迎えました(場内から歓声と拍手)。ありがとうございます。そこで一つ発表があります。11月7日、新宿FACEで自主興行を開催します。題して、『土井成樹デビュー25周年記念 オレやろプロデュース2025』、開催するぞ! おい、なんでこのリング上で言ったかわかるか? テーマは一つや。全日本プロレスとDRAGONGATEの全面交流戦、やるぞー! ご期待ください、ありがとうございました!」
<バックステージコメント>
MUSASHI「せーちゃん、ありがとう! 久々のむーちゃんせーちゃん結成」
吉岡「結成?」
MUSASHI「結成じゃない…復活」
吉岡「休止してたの?」
MUSASHI「休止っていうか、数カ月組めてなかったから」
吉岡「そう、久々に組めたから。久々に組んでも息バッチリだから。ねえ、むーちゃん?」
MUSASHI「闘ってもいいしね」
吉岡「うん」
MUSASHI「組んでもいいし」
吉岡「うん」
MUSASHI「どっちでもいけるよ、むーちゃんせーちゃん」
吉岡「これからどうする? 組んでく? 闘ってく?」
MUSASHI「組みながら闘かおう」
吉岡「だそうだ。OK、組みながら闘おう」
MUSASHI「むーちゃんせーちゃん、これからも続くからよろしくお願いします。ありがとうございました!」
井上「しょっぱなからお祭りムードみたいな雰囲気だけどさ、まだちょっとこの悔しい気持ち、消えてないね。誰かにぶつけたいけど、ちょっと人数多すぎて誰にぶつけていいのかわからない。けどさ、もうすぐそこにあるでしょ? 8月10日、長野、鈴木秀樹とシングル。そこでこのやるせない気持ち全部、鈴木秀樹にぶつけます。いくぞー!」
土井「聞いてくれたか? まあ、リング上で言うた通り。今年デビュー25周年ということで、なにかやりたいなと。今年逃したら、5年後の30周年になるから、今年しかできへんことやりたいなと思ってて。言った通り、11月7日、新宿FACEで自主興行やります。テーマも全日本プロレスとDRAGONGATEの全面交流戦って言うたけど、もちろんそれプラス、フリーでゆかりのある選手とか集めて、俺が見たいカード、それからファンの皆さんが見たいカード。なるべくそれに寄り添って提供できたらなと。まあ、とりあえず今日は開催日、日程を伝えることができたので、これから詰めていこうかなと。とりあえず、見て損はないと。11月7日、金曜日かな、新宿FACEで。土井成樹デビュー25周年記念 オレやろプロデュース2025、ご期待ください!」
小藤「今日はジュニフェスの決勝戦、今年はエントリーされませんでしたが、来年はいまよりも強くなって…」
光留「おいおいおい、そんなことどうだっていいんだよ! なんだ、オマエ。これはなんなんだ?(と頬のフェイスペイントシールを指す) おい、コイツも貼ってるぞ! 相手のチームよってたかって、好感度上げようとしてんじゃねえよ! オマエはジュニアのベルトと好感度、どっちが欲しいんだ?」
小藤「……どっちも欲しいです」
光留「おい、このまま立花誠吾の好感度だけを上げて、阿部史典の好感度は賞味期限切れだ、覚えとけ! 次のジュニフェスは好感度が高い選手権だからな! なんか言ってやれ、一人ひとりジュニフェスの感想言ってやれ」
田村「ジュニアフェス、まだまだ闘っていく。まだ終わってねえんだよ。まだ始まってねえ、まだ終わってねえ。これからも闘っていくんだ!」
光留「阿部、言ってやれ!」
阿部「1勝3敗でした!」
光留「だからどうした! おい、アニキの言葉がジュニフェスの締めだ! 俺たちの代弁者だ!」
立花「今日出たジュニフェスの参加者、今回全員出たよな? ジュニフェスいろいろあったけどな、ユニットとか、バカの時代とかそんなのは全部取っ払って、全員ジュニアの階級で俺たちはヘビーが主役の中、命を懸けて闘った。決勝戦にはなれなかった、でも第1試合でも熱い、熱い試合をしたと思ってる。そうだろ!」
宮本「ジュニフェスも出てないし、1回もタッチももらえなかった…」
<第2試合>
GAORA TVチャンピオンシップ 60分1本勝負
【第29代王者】他花師 vs 黒潮TOKYOジャパン【挑戦者】

6・15京都大会で宮本裕向を下してGAORA TV王座を奪取した他花師は、ホームリングのDRAGONGATE7・13神戸大会で初防衛に成功。久々の全日本参戦となる黒潮を相手に2度目の防衛戦に臨む。ちなみに黒潮は2024年3月以降、これが同王座4度目のチャレンジとなる。
他花師が渋々、立会人にベルトを返還すると、黒潮はなぜか手鏡を預ける。他花師が手鏡を奪い取って身だしなみをチェックすると、黒潮は「それやるよ」と言い放つなど、ゴング前から丁々発止のやり取りが展開される。
ゴングが鳴り他花師が握手を求めると、黒潮が応じる。しかし、他花師が背中を向けたところにドロップキックを放ち、場内からのブーイングにも憎たらしい笑みを見せる。黒潮は他花師の髪の毛をむしり取って精神的なダメージを与える。他花師が狙った地獄突きをキャッチした黒潮は、相手の指をロープに打ちつける。さらに黒潮がコーナーからブレーンチョップを狙うも、他花師が下から地獄突きで迎撃。ここから他花師が小ずるい攻めを交えてペースを握る。防戦の黒潮は他花師の地獄突きを防いでカンヌキで固めると、相手の指を踏んづけてからヒザ蹴りを見舞う。黒潮はジャケットパンチから再び他花師の髪の毛を引き抜き、ジャンピングキックと攻勢に出る。延髄をお見舞い。他花師のセコンドの北斗らに「オマエら6人タッグのベルト持ってんだろ? 勝ったら絶対、挑戦させろよ!」と6人タッグ王座への挑戦を要求しながら、串刺し攻撃を狙う。この突進はかわされるも、他花師の指をとらえてロープにこすりつけていく摩擦攻撃。他花師は「熱い!」と苦悶の声を上げる。
黒潮がアラビアンプレスを決め、他花師の串刺し地獄突きをあっさりとかわすと、飛びつき回転エビ固め。バズソーキックから側頭部にトラースキック。イケメン落としをカウント2で返されると、ムーンサルト・プレスを放つも自爆。息を吹き返した他花師は黒潮のエビ固め狙いを踏ん張りぶっこ抜きジャーマン、さらに地獄突きの連発から2019CC(延髄斬り)と畳みかける。続けて狙った地獄突きは黒潮が指に噛みついてガード。しかし、他花師はみずから指を黒潮の口の中に押し込んでグリグリとねじる。そして指を口の中から離すと、黒潮がまさかの吐血。他花師は自身の地獄突きの威力に驚いた表情を浮かべつつ、強烈なパイナップルボンバーを叩き込んで3カウントを奪った。
相手の喉仏をも破壊してしまう“恐怖の地獄突き”を手に入れた他花師がV2に成功し、礼儀正しく「ありがとうございました!」と一礼をしてから、リングを後にした。
<バックステージコメント>
黒潮「やべぇ、喉ちんこ切られた、あれ? 優勢、手突っ込んできたのを噛みました、うーんって言ったら中で開けられて、ギューって喉ちんこをめちゃくちゃこすられて、喉ちんこ損傷。敗因、それかな。まあ、いいや。ムカつくな。まあ、いいんじゃない。もうちょっとオマエ、持っとけよ。まだ時じゃないよ。あぁ、血が凄い。時が来たら、本気で取りにいくよ。その代わり他花師、マジ持っとけよ。続きやろうぜ。来週、(8・10)松本、6人タッグ(ベルト)持ってるよな、対戦相手。北斗、羆、あのバカ、ハゲバカ。あのハゲロン毛と3人から、タイトル取ってやるよ。いいよ、(ベルトを)懸けろよ。俺だってよ、ただ負けにきたわけじゃねえぞ。よく見てたろ、俺の試合。これは挑戦表明じゃねえよ、挑戦が決定だ。フィニッシュ」
※他花師はノーコメント
<第3試合>
Road to 王道トーナメント タッグマッチ 30分1本勝負
大森北斗 羆嵐 vs デイビーボーイ・スミスJr. X(関本大介)

8・24後楽園大会から開幕する『王道トーナメント』を控えて、大森北斗&羆嵐、そしてデイビーボーイ・スミスJrとエントリーメンバーが揃ってのタッグマッチ。スミスのパートナー「X」は入場テーマ曲で発表されることが事前にアナウンスされていた。北斗&羆嵐、スミスが入場し、続いて聞き覚えのあるテーマ曲が場内に流れると早速、観客から大歓声が沸き起こる。入場ゲートに姿を現したのは、6月末に大日本プロレスを退団し、7月27日に復帰したばかりの関本大介だった。
マイクを手にした北斗が「おいおい、Xって誰かと思ったら…関本さんだったんですか?」と語り掛けると、関本は穏やかに「そうだよ~」と応じる。続けて北斗は「復帰おめでとうございます。分かりました、復帰戦ということで、今日は正々堂々やりましょう!」とアピールして握手を求めるも、関本が応じようとしたところでガットショットを見舞って、試合開始のゴング。
羆嵐が関本に串刺しラリアットを見舞うと、続けて北斗がRKO。関本もラリアットで2人をまとめてなぎ倒して、スミスにつなぐ。スミスが攻勢に出るも、串刺しニーアタックは北斗がかわし、ジャンピング・ハイキックを見舞って羆嵐につなぐ。羆嵐がスミスにセントーン。アルゼンチン・バックブリーカーで担ぐと、関本がカットに入る。それでも羆嵐は放さず、突っ込んできた関本にスミスを投げつける。スミスはカウンターで羆嵐をとらえてボディースラム。羆嵐もドロップキックを返して、それぞれタッチ。
北斗が関本のヒザに低空ドロップキック。北斗が「ナルシストブレーンバスター!」と予告するも、これは関本が着地。それでも北斗はローリング・エルボーで関本の動きを止めて、再び「ナルシストブレーンバスター!」と予告するも、これも未遂に終わる。北斗は関本の突進を迎撃して、セカンドコーナーからのミサイルキック。三たび「ナルシストブレーンバスター」と予告し、今度こそ決めることに成功。続けて羆嵐とともに北斗軍スペシャルを狙うも、スミスがカット。しかし北斗はスミスをヘッドシザースホイップで投げ捨て、あらためて関本に北斗軍スペシャルを決める。
スミスがジャンピング・ニーで羆嵐を排除。北斗は関本の突進をかわし、ローブローから横入り式エビ固めもカウント2。関本はカウンターのラリアットで北斗を迎撃すると、シュミット式バックブリーカーで北斗をセットし、トップロープからの倒れ込み式ボディープレス=ジャイアントプレスと畳みかけて3カウントを奪った。
試合後、バックステージで関本は「X」となっていた『王道トーナメント』残り1枠への出場をアピール。かつて『チャンピオン・カーニバル』制覇、三冠ヘビー級王座挑戦も果たしている“マッスルモンスター”が、全日本マットへの本格的な侵攻をスタートさせる。
<バックステージコメント>
関本「いや、久しぶりに全日本プロレス出ました。楽しかったですね。お客さんの声援が一番力になりました。ありがとうございました。王道トーナメント、ありますよね? それにチャンスがあれば俺もエントリーしたいなと思ってます。全日本プロレスさん、お願いします。ありがとうございました」
スミス「セキモトさん、今日はタッグだったけど、次は1対1で向き合おう。俺はいま最高に飢えている。必ず王道トーナメントを制覇してみせる」
他花師「シャラップ!」
北斗「おかしいだろ、なんだあれ、人間の力?」
羆嵐「バケモンだろ」
北斗「俺だって毎日1回、30分、週6日、チョコザップで鍛えてんだよ」
他花師「チョコザップ? ノー、エニタイム?」
北斗「全然、歯がたたなかったぜ。おかしいだろ! ホワイトニングだってやってるしよ、カラオケだってやってるしよ、チョコザップで鍛えてるしよ」
他花師「脱毛もできるよ!」
北斗「脱毛だってやってるのに!」
羆嵐「関本大介はゴールドジムで3時間やってるよ」
他花師「セルフサービス!」
北斗「まあ、いい。次はタロースのセコンドに付こう。俺たちは忙しいんだ、クヨクヨしてるヒマはない」
他花師「シャラップ!」
羆嵐「次から次にこのリングにはデカくて強いモンスターが集まるな。王道トーナメント、この俺、羆嵐から目を離すな。ハァー!」
<第4試合>
真夏のスペシャルシングルマッチ① 30分1本勝負
本田竜輝 vs 野村直矢

かつて全日本所属として世界タッグ、アジアタッグ王座を戴冠するも、2019年に退団した野村直矢が、約2年5カ月ぶりに全日本マットに参戦。今大会での対戦が発表された本田竜輝は自身のSNS上で野村への不快感を示し、シングルでの必勝を誓っていた。
本田は意気込みを示すように、入場花道上で入場コスチュームを脱ぎ捨て、臨戦態勢でリングインして野村と小突き合いを見せる。ロックアップで組み合うと、野村がロープに詰めてクリーンブレーク。野村のドロップキックを受け止めた本田はショルダータックルで倒し、場外戦に持ち込む。本田は野村を鉄柵に叩きつけて、激しいエルボーの応酬を展開。本田が野村を鉄柱に叩きつけてラリアットを狙うも、かわされて鉄柱に自爆。野村は本田を鉄柵に叩きつけて、右腕に的を絞って攻撃を仕掛ける。リングに戻っても野村がワキ固め、ノーザンライト・スープレックスからチキンウイング・アームロックにつなげるなど、腕攻めを展開する。
防戦の本田はコーナーに上った野村をデッドリードライブで投げ、串刺しラリアット、スパインバスター。野村のスピアをキャッチすると、ブレーンバスターでぶん投げる。野村もブレーンバスターを返し、続けてスピア、しかし本田もすぐに立ち上がり、スピアを返す。エルボーのラリー、ジャーマン・スープレックスで投げ合うなど意地を張り合った中、本田が強烈なラリアットを叩き込むがカウント2。ファイナルベント狙いは野村が着地し、左右のエルボーを乱打。ヒザを突く野村に背後からスピアを見舞い、続けてのマキシマムはカウント2。ならばと野村はグラウンドでカタキトル(変型ピローアームロック)で締め上げてギブアップを奪った。
試合後、野村は本田に握手を求めて言葉をかける。3年ぶりのエントリーが発表されている『王道トーナメント』に弾みをつけた野村は、2年ぶりの全日本マットでの闘いを振り返って「凄く楽しかった」とコメント。さらにトーナメント1回戦(8・24後楽園)での元パートナー・青柳優馬との一戦に向けて「2年間、ただ休んでいたわけじゃなくてしっかりと準備してきた。その差を見せて必ず勝ちます」と語り、自身が歩んできた道のりへのプライドをのぞかせた。
<バックステージコメント>
野村「ありがとうございました。約2年ぶりの全日本プロレスのリング、凄く楽しかったっす。本田選手はボクがケガをする前にやったことがあるんですけど、やっぱり凄いパワーが違いました。今度、王道トーナメント、必ず優勝します。(1回戦は青柳優馬選手が相手だが?)青柳選手はボクがプロレス界に入って、一番付き合いの長い選手なので、単純にこのカードを組まれたときも凄く嬉しかったっす。でも、試合でも勝ったり負けたりして、どうなるかわかんないですけど、ボクは2年間、ただ休んでいたわけじゃなく、しっかりと準備してきたので、その差を見せて必ず勝ちます」
本田「負けちゃった! あーもう、クソ。俺は全日本プロレスにアイツと入れ替わりで入って、4年間、必死にプライド持ってやってきたつもりだけど、結果がすべてです。もっと強くなります。クソ!」
<第5試合>
斉藤ブラザーズ vs HAVOC 6人タッグマッチ 30分1本勝負
斉藤ジュン 斉藤レイ セニョール斉藤 vs 芦野祥太郎 ザイオン オデッセイ

7・17後楽園大会で発表されたHAVOC(ハヴォック)新メンバーのオデッセイはザイオンと同時期にWWE・NXTに在籍し、193cm、184kgの巨体。3人体制となり本格的なユニットとなったハヴォックが斉藤ブラザーズを相手に始動した。
先発はジュンとザイオン。ザイオンがショルダータックルでジュンを吹っ飛ばし、打撃の畳みかけから芦野につなぐ。芦野も攻勢に出ると、続けてオデッセイにタッチ。オデッセイは軽快な動きでジュンに串刺しボディーアタックを放つ。セニョールを巨体で弾き飛ばすと、芦野にスイッチ。ハヴォックが優勢に試合を進める中、セニョールは場外戦で形勢逆転し、急所攻撃も決めてレイにつなぐ。相手チームにつかまった芦野だが、ジュンの突進を迎撃して、ランニング・エルボースマッシュを叩き込んでザイオンにタッチ。ザイオンは斉藤ブラザーズのトレイン攻撃のエジキとなるも、隙を見せたセニョールをフロントキックで吹っ飛ばしてオデッセイにつなぐ。オデッセイはセニョールをラリアットでなぎ倒し、レイとのショルダータックル合戦でも優位に立つなど圧巻のパワーを誇示。芦野&ザイオンがダブルのショルダータックルでジュンを排除すると、孤立したセニョールにオデッセイがクロスボディーアタック。最後はカウンターで放った旋回式スクラップバスター(ジャーニーズエンド)で3カウント。
オデッセイは全日本初戦でビッグインパクトを残し、バックステージではハヴォックとして全日本マットを「支配していく」と不敵に宣言。一方のレイは右肩負傷によるドクターストップと手術により、『王道トーナメント』欠場を表明。ユニットメンバーの“ミスター斉藤”土井成樹が名乗りを挙げて、代替エントリーされることになった。
<バックステージコメント>
芦野「これがハヴォックだぞ! 見ろ、このバカデカい、オデッセイと、この最高に力強いザイオンと俺、芦野だよ。ハヴォックが完成したぞ。この3人で全日本を大混乱に導いてやる」
オデッセイ「これから俺たちで支配していくぞ」
ジュン「大丈夫か? Are you OK?」
セニョール「いや~、キツいっすわ、あれは凄いわ」
ジュン「オデッセイ、デカくて、強い、凄いヤツがハヴォックに入ったな。俺たちはこのままじゃ終われないぜ。オデッセイを必ず、DOOMしてやる。セニョール」
セニョール「いや~、トーナメントあるんすよね、あれで? やっつけちゃってください。みんなで止めて、あんなの」
レイ「そして、だ。一つ言いたいっていうか、言わなきゃいけないことがある。俺の(右)肩が前からちょっとあんまりよくなかったんだけども、ちょっとドクターストップがかかった。正式にはまだ検査が残っているんだけども、恐らく手術しないといけないらしい。少しの間、欠場するぜ。ただ、俺はこれをネガティブな欠場とはとらえてない。ポジティブな欠場だ。もっとできることを増やして、そして強くなって、すぐ戻ってくるから。みんな、待っててくれ。そして8月6日の楽天さんでのイベントもしっかり出るから、みんな楽しみにしといてくれ。ただな、今後は王道トーナメントがある。それは出ることができねえ。だから、俺の代わりを誰かに頼まねえといけないんだけど、どうしたらいいのか」
土井「レイさん」
レイ「ミスター」
土井「俺も斉藤ブラザーズの一員やから。斉藤レイの代わりに俺、出してもらっていいかな?」
レイ「いいのか、ミスター?」
土井「ええよ、ええよ。全然いけるよ。俺、斉藤ブラザーズやから。レイの代わりに、俺が出る。あとはオールジャパン、決めてくれよ。決勝でジュンとやったらええ話やん。そうやろ?」
レイ「ミスター、頼んだぜ(と抱擁を交わす)。ありがとう、ミスター」
土井「今日ジュニフェス決勝あるけど、俺のジュニフェスはまだ終わってへんってことやから。ジュニアドリーム、見せたるわ」
レイ「そういうわけだ。すぐ治して戻ってくるから、みんな楽しみに待っててくれ。フォー!」
ジュン「必ず斉藤ブラザーズはリングに全員で戻って来る。DOOM!」

<第6試合>
真夏のスペシャルシングルマッチ② 30分1本勝負
綾部蓮 vs タロース

6月から北斗軍の新メンバーとなった身長2m13cmのタロースに対して、身長2mの綾部蓮が大きな刺激とともに敵がい心を燃やして、今大会でのシングルマッチが決定。大型ファイター揃いの全日本マットでも屈指のスーパーヘビー級対決となった。
両者はダイナミックなロックアップから攻防をスタートさせ、互いに力を込めながら押し込み合う。ショルダータックル合戦はタロースが制するも、フロントキックをかわされる。綾部はフロントキックでタロースを場外に落とすも、場外戦では逆に鉄柵に叩きつけられる。リングに戻ってもタロースが攻勢に出て、豪快なダイビング・ラリアットも放つ。綾部もエルボーを連打し、串刺しフロントキック。タロースにヒザをつかせてアイアン・メイデンを狙うが、これはタロースに脱出される。タロースはロープを利用してキャメルクラッチの要領で締め上げ、さらに串刺しボディーアタック。バックドロップの体勢で担ぎ上げ、前方に投げ捨てるなど長身を生かした攻めで綾部を追い込んでいく。
チョークスラム狙いは綾部がノド元を掴んで脱出。フォアアームを打ち合い、ラリアット、フロントキックも相打ちとなる。エルボーの応酬から綾部が持ち上げようとするも、逆にタロースが担ぎ上げてコーナーマットに無造作に投げ捨てる。タロースはフロントキックから綾部をコーナーに乗せて、ハイアングルのデッドリードライブでマットに叩きつける。チョークスラム狙いは綾部が切り返し、ドロップキックからランニング・ネックブリーカードロップ。そして、2m13cmを高々と担ぎ上げてデスルーレットを決めて、ド迫力のシングル対決を制した。
試合後、タロースは綾部と握手を交わし、セコンドに付いた北斗軍メンバーにユニットTシャツを返還して一礼。そして、あらためて綾部と握手から抱擁を交わし、手を取り合って歓声に応える。シングルマッチで互いの実力を確かめ合った2人が、マット界屈指の“大巨人コンビ”を電撃結成した。

<バックステージコメント>
綾部「センキュー、タロース」
タロース「イイシアイダッタ、アヤベサン」
綾部「初めてタロースとシングル。2カ月前に仙台で当たったときから、自分よりデカいヤツと闘うっていうのが、プロレスラーになってからなかったから。タッグとか含めて闘うたびに楽しくて、楽しくて、今日初めて1対1で闘って、いままで味わったことのない高揚、ワクワクを覚えた。そして本当にこれはもう、いまこの瞬間の気持ちっていうか。1対1で闘うっていうのを終えて、タロースといっしょにやっていこうっていう、そういうものが芽生えた。本当にこれは理屈じゃない。リングで闘い終えた直後の感情だから。タロース、センキュー(握手と抱擁)」
タロース「ゼンニホン、ドウモアリガトウゴザイマス。ホクトグン、ドウモアリガトウゴザイマス、トモダチ。デモ、(英語で)自分の中のベストを考えて、ともにここを制圧しようと思った。いっしょに全日本を制圧しよう。(綾部に向かって)イッショニ」
綾部「この2人でどうなっていくか、ワクワクしかないよ。全日本プロレスを見てる…全日本だけじゃない、プロレスを見てる人もそうだろう。すべて、ぶっ潰す」
他花師「ホワイ、ホワイ、ホワイ! ホワイ、タロース」
北斗「タロースがTシャツを返してきたってことは、そういうことなんだろう。最高に悲しいね。こんな切なくて、寂しくて、悲しい気持ちになれるのは、それだけ俺たちがワンチームでやってこれたからなんだと、俺は信じてる。ここでさあ、よくある『テメエ、ふざけんな』なんて言ってさ、ケンカしても、やり合ってもよかったんだろうけど、そんな安いことで俺はアイツとの思い出を汚したくはなかった。仕方ない、アイツがそう言うなら、いいだろう」
羆嵐「卒業ってこと?」
北斗「っていうことでいいんじゃないか? 安いやり合いはいらないってことだ」
羆嵐「マジかよ」
北斗「ツラいし、寂しいよ。マジで寂しいよ。でも、それだけ俺たちはワンチームでやれたってことなんだから、変なことはしないで。まずは、このワンチームでやれてるってことに気づけたな。それでいこうぜ」
他花師「そういうことやな。まあ、東京タワーとスカイツリーがつながったっていうだけや…シャラップ」
羆嵐「シャラップ」
<第7試合>
世界タッグ選手権試合 60分1本勝負
【第100代王者組】宮原健斗 青柳優馬 vs 鈴木秀樹 真霜拳號【挑戦者組】

7・17後楽園大会で世界タッグ王座V3に成功した宮原健斗&青柳優馬の前に鈴木秀樹が現れて、真霜拳號との挑戦をアピール。戦前から秀樹は「本気の青柳優馬と試合がしたい」と語り、7・24新木場大会での前哨戦では優馬をスリーパーホールドで絞め落とし、さらに宮原に対しても「いつもの200倍を見せてください」と挑発。しかし、7・26新木場大会では宮原が“200倍ブラックアウト”で秀樹から3カウントを奪い、「大田区は400倍だ」と宣告し、タイトルマッチを迎えた。
先発で対峙した優馬と秀樹が、グラウンドでせめぎ合う。コーナーに詰めた優馬が離れ際に張り手を見舞う。秀樹は優馬を組み伏して自軍コーナーに持っていき真霜にタッチすると、優馬も宮原にスイッチ。じっくりとした攻防から宮原がフロントキックを放ち、エプロンで控える秀樹にもフロントキックを決めて場外戦へ。王者組が攻め立てるも、秀樹は宮原にスリーパーホールドを決め、さらに優馬もスリーパーで捕獲。王者組は場外でダウンするが、場外カウント8で試合権利を持つ宮原がどうにかリングに戻る。
宮原が相手チームにつかまる展開。真霜、秀樹から執ようにスリーパーで絞め上げられた宮原は、カウンターのフロントキックを真霜に放って、優馬につなぐ。優馬は真霜に串刺しエルボー、ダイビング・クロスボディーアタック。真霜も素早く優馬の腕を取り、ワキ固めから腕ひしぎ十字固め、さらに裏十字固め、腕固めと移行する。優馬がロープエスケープ。タッチを受けた秀樹が優馬にぶら下がり式首4の字固めを決めると、真霜が腹部に蹴りを放つ。秀樹は優馬をコーナーに詰めると、腹部にエルボーを連打。優馬もヘッドバットで抵抗するが、ならばと秀樹は抵抗できないように相手をコーナーに逆さ吊りにして腹部にエルボーを放っていく。
劣勢の優馬は秀樹の蹴り足を取って、ドロップキックを決めて宮原にタッチ。宮原は秀樹にフロントハイキック、低空ドロップキック、側頭部にドロップキックの連続攻撃。王者組が秀樹にトレイン攻撃。優馬がコーナーに上るも真霜が阻止。秀樹は宮原にワンハンド・バックブリーカーを決め、さらに腹部にエルボーを連打。宮原も突き返すが、秀樹はバックをとらえてスリーパーで捕獲。真霜も優馬にスリーパーでカットに入り、王者組を追い込む。宮原は辛うじてロープエスケープ。秀樹のメキシカンストレッチを脱出した宮原がブラックアウト。優馬も真霜にエルボーからラリアットを放って、宮原に向かって「立て!」と鼓舞する。王者組の連係攻撃は秀樹が優馬の腹部にエルボーを見舞って回避。宮原は秀樹に投げっぱなしジャーマンを決めて、優馬のトラースキックと同時にブラックアウトをぶち込む。続けて宮原が“400倍アピール”からブラックアウトを狙うが、秀樹が阻止。シャットダウン・スープレックス狙いも秀樹が阻止し、カナディアン・ロッキーバスター。優馬が入ってきて秀樹にドロップキック。真霜も優馬にレッグラリアットを放つが、優馬もすぐに垂直落下式ブレーンバスターを返す。
秀樹が宮原にエルボーを落とし、ツームストーン・パイルドライバー。ドラゴン・スープレックス・ホールドはカウント2。秀樹は宮原にパントキックからダブルアーム・スープレックスの体勢。しかし、宮原はリバースして、スタンディング・ブラックアウト。秀樹も腹部へのエルボーを返すが、宮原は再びスタンディング。ブラックアウト。再度、“400倍アピール”からブラックアウトを放ってカバーに入るが、これは秀樹がニアロープ。シャットダウン・スープレックス狙いは秀樹が回避し、すかさず真霜が真剣(ハイキック)でアシスト。鈴木がダブルアーム・スープレックスを決めるもカウント2。ならばとダブルアーム・スープレックス・ホールドを決めてついに3カウント。“ビジネスタッグ”を撃破し、秀樹&真霜が第101代世界タッグ王者に輝いた。
勝利を収めた秀樹だが、バックステージでは「ボクのマックスは彼らのスタート」と口にするなど、王者組の奥深さと実力にあらためて敬意を示す言葉。さらに「ボクより上の世代、偉そうなこと言ってなんの責任も取らずに辞めた結果がいまの世の中。上のヤツらは責任取らなくていい、もう下に関わらないでくれ」と“上世代”への容赦ない指摘をぶちかますと、その上で「これからアイツらが変えていきますから。俺は手伝うだけ」と語って、次世代への“橋渡し”の役割を担っていく姿勢を見せた。
一方の敗れた宮原は「俺はシングルでまたこのプロレス界で這い上がる」と語り、『王道トーナメント』制覇からの三冠王座取りに照準を絞ったコメント。8・10松本大会での三冠王座挑戦を控える優馬も「なくした分を取り戻そうと思います。斉藤ジュン、オマエのベルトを取る」と、地元での三冠王座奪取を見すえた。
<バックステージコメント>
秀樹「ありがとうございました! 真霜さん、間に合わず。一人でなんとか…」
真霜「ありがとうございました」
秀樹「あぁ、いたんだ!」
真霜「なんとかね」
秀樹「間に合った。(ベルト)何本目ですか? いっぱい持ってるらしいですね」
真霜「これでタッグタイトル4つ目、(世界タッグベルトは)2本だから5冠」
秀樹「パートナーは?」
真霜「アナタでしょ、本田アユム、最上九、ナカ・シュウマ…」
秀樹「あぁ、もう!(と真霜を押しのける)。はい、ということで、なんかありますか? 宮原健斗の…見ての通りボクは疲労困憊ですから。彼はダメージあるかもしれないけど、たぶんまだ元気いっぱい。ボクのマックスは彼らのスタートですよ。今日よくわかった。宮原健斗の今日なんパーセント、400%なのか800%なのかわからないけど、凄かった。青柳優馬の全力、まだお客さんに見せられてないところがあると思います。それは対戦相手の責任、もっと青柳優馬を追い込んでいきたいです。会見でアイツが言ってたことは、ボクも完全同意です。ボクより上の世代、業界の人だけど、偉そうなこと言ってなんの責任も取らずに辞めた結果がいまの世の中ですよ。その結果がちょうどボクの世代です、失敗作です、世の中の。プロレス界の失敗作。だから、ボクはプロレス界を変えることはできない。変えるのはボクより下の世代。これは団体関わらず、どこの団体でも。その中でボクの世代ができることは、この悪い流れをストップすること。上のヤツらは責任取らなくていい、もう下に関わらないでくれ。関わってくるなら、すべて俺が相手します。思い切り過激に書いてください。『ダメにしたのはオマエらだよ』って。これからアイツらが変えていきますから。俺は手伝うだけ。ありがとうございました」
宮原「俺はいまなにもなくなって、なにをしようか。負けたあと天井を眺めながら、おぼろげに次になにをしようかって考えた。プロレスファンは俺のなにが見たいんだろうってな。やはり、シングルだろう。負けたから言うわけじゃない。俺が、あの全日本プロレスの三冠(ベルト)を巻く姿だろ。そのために、王道トーナメントだ。王道トーナメント勝ち上がれば、おのずと次が見えてくる。王道トーナメント、真霜拳號、8月24日、オマエ、覚えとけよ。俺はシングルでまたこのプロレス界で這い上がる」
優馬「どこかで青柳優馬自身が慢心していたのかもしれません。今日、鈴木秀樹と向かい合って、それに気づくことができたので、いい発見だったなと思いながら、いままで以上に凄く悔しい思いがあります。でも、8月10日、俺は地元で三冠戦を控えているので、そこでやり返すって言い方は変ですけど、なくした分を取り戻そうと思います。8月10日、斉藤ジュン、オマエのベルトを取る」
<第8試合・メインイベント>
ゼンニチJr.フェスティバル2025 優勝決定戦 時間無制限1本勝負
ライジングHAYATO(Aブロック1位) vs 青柳亮生(Bブロック1位)

7・17後楽園大会から開幕した『ゼンニチJr,フェスティバル2025』優勝決定戦は、Aブロック1位のライジングHAYATOとBブロック1位の青柳亮生が激突。両者のシングルは2023年11・21新木場大会(HAYATOが勝利)以来で、過去の戦績は3勝3敗1分けの五分となっている。
ゴングが鳴ると、両者へのコールで二分される。序盤から譲らぬ攻防。亮生がロープに押し込むと、クリーンブレーク。今度はHAYATOがロープに押し込むと、離れ際にチョップを放つ。HAYATOはアームホイップで亮生を場外に出す。亮生がスカしたのを見てHAYATOがロープに足をかけると、亮生がすかさずコーナーからドロップキックを見舞う。HAYATOが場外に落ちると、リング上で亮生が挑発のポーズを決める。亮生は場外戦でHAYATOを鉄柵に叩きつける。リングに戻しても亮生が攻勢に出て、再び場外戦で客席になだれ込むと、イスに投げ捨てる。フロア上でのブレーンバスター狙いはHAYATOがリバースで叩きつける。目尻のあたりから出血したHAYATOは気にすることなく2階客席まで行くと、プランチャ・スイシーダを投下!
リングに戻り亮生がエルボーを見舞うと、HAYATOはオーバーハンドチョップからバックエルボー。突進を迎撃されたHAYATOだが、セカンドロープの亮生をデッドリードライブで投げて、逆エビ固めへ。亮生がロープエスケープ。HAYATOのバックエルボーをかいくぐった亮生がドロップキック、串刺しバックエルボー。ブーメランアタックはドロップキックで迎撃されるも、ウラカンホイップでHAYATOを投げて、ドロップキックの追撃。亮生のフィッシャーマンズ・スープレックス狙いはHAYATOが踏ん張る。ハヤトはバックエルボーで反撃し、串刺しショットガンドロップキック。もう一発ショットガンドロップキックを見舞って亮生を場外に出すと、プランチャ・スイシーダを投下する。
亮生をリングに戻すと、スワンダイブ式ミサイルキック。エルボー合戦から亮生が追走式バックエルボー。HAYATOも追走式ドロップキックを返すが、亮生はカウンターでの旋風脚をヒット。エルボーを打ち合いから、HAYATOがロープ際で亮生をカニ挟みで倒し、ロープ越えのエプロンDDT。エプロン上の攻防で、HAYATOが奈落式のヘッドシザースホイップ。場外マットに亮生をセットしてHAYATOがコーナーに上る。亮生にとらえられるも、エプロン上へのスイングDDTを決める。
亮生は場外カウント9でリングに戻る。HAYATOがうつ伏せの亮生にライオンサルトからカバーする。亮生が体勢を入れ替えカウント2。ラ・マヒストラルはHAYATOが切り返すもカウント2。亮生がHAYATOの突進をかわしてコーナーに乗せて雪崩式フランケンシュタイナーを放つが、HAYATOが体勢を入れ替えて丸め込んでカウント2。すぐさまコードブレイカーからオーバードーズで締め上げる。技を解いたHAYATOがカバーするもカウント2。シド・ヴィシャス狙いはかわされるも着地。亮生がトラースキックからハンドスプリング式レッグラリアット。ロコモーション式フィッシャーマン・スープレックスを放つが、3発目はHAYATOが回避してファルコンアローで叩きつける。
HAYATOが亮生をコーナーに乗せて雪崩式の攻撃を狙う。亮生がエビ固めの要領で着地してパワーボムの体勢も、HAYATOが踏ん張る。ならばと亮生は雪崩式スパニッシュフライを決めるがカウント2。続くムーンサルト・プレスは自爆。HAYATOがツームストーン・パイルドライバーの体勢に入るも、亮生が切り返してひとでなしドライバー。ムーンサルト・プレスからファイアーバード・スプラッシュを放つも、HAYATOがヒザ剣山で防御。HAYATOが馬乗りでチョップを見舞うと、亮生も体勢を入れ替えて馬乗りエルボー。レフェリーが分けると、亮生は笑みを浮かべて立ち上がる。HAYATOは隙をついて絡みつくと、ひとでなしドライバー。続けてのインプラントはカウント2。シド・ヴィシャス狙いは亮生がかわして、リバース・フランケンシュタイナー。亮生がラリアットからハウザーインパクトもカウント2。雄叫びを上げてコーナーに上った亮生がファイアーバード・スプラッシュを決めて、熱戦に終止符を打った。
優勝トロフィーを手にした亮生はHAYATOと抱擁から握手を交わす。2年ぶりのジュニアシングルリーグ戦を提唱者として制した亮生は充実の闘いの余韻を噛み締めるように「これが全日本プロレスジュニアだ。そして、優勝したのは青柳亮生だー!」と絶叫。続けて世界ジュニア王座への挑戦を表明し、王者の吉岡世起を招き入れる。吉岡も「断る理由はなにも見当たらない。いつでもどこでも挑んで来てください」と受諾すると、亮生は地元凱旋となる8・10松本大会でのタイトルマッチを指定し、同大会での王座戦が決定的となった。
あらためてマイクを手にした亮生は「この勢いで世界ジュニアを奪取します。ここに来るまで大変なことがいろいろありましたけど、いま最高の気持ちなんで、もうこのまま前を向いて、全日本プロレスも、全日本プロレスジュニアも、青柳亮生もさらに向こうへ行くので、皆さんは青柳亮生に付いて来てください」と全日本マットの“中心”の一人としての自覚をにじませたアピール。最後は観客とともに「プルス・ウルトラ!」を叫び、ジュニアがメインの大会を最高の形で締めくくった。

<試合後のリング上でのやり取り>

亮生「これが全日本プロレスジュニアだ。そして、優勝したのは青柳亮生だー!(『アツキ』コールが起こる)。このチョー誰が勝つかわからない、このリーグ戦を勝ち抜き、ライジングHAYATOを倒し、このトロフィーを手に入れたわけだが、青柳亮生にもう一つ足りないものがある。(『世界ジュニア』の声を聞いて)そうだ! 世界ジュニアが足りない。優勝したってことは権利ありますよね? どこかで見ている吉岡チャンピオン、よかったらリング上にお越しください。(ベルトを肩にかけた吉岡が花道から登場する)チャンピオン、取りました、これ(優勝トロフィー)。よかったら、そのベルト挑戦させてください」
吉岡「この長い花道をちょっと歩きながら考えてたんですけど、断る理由がなにも見当たりませんでした。世界ジュニアのタイトルマッチ、青柳亮生対吉岡世起、やりましょうよ。ただ、ただ、ただ一つ問題があって、いつ、どこでやるか。(観客から『いま!』の声)いいの? ただね、俺は今日このジュニフェスの決勝を大田区のメインで務め上げた青柳亮生に敬意を持って、いつでもどこでも挑んできてください。いつでもいいです!」
亮生「よし、優勝するといいこといっぱいあるな。ならば8月10日、青柳亮生の地元、松本でいかがでしょうか?」
吉岡「1週間って早くない? 急だね。でも、俺が言い出したことだからいつでもいいよ。ただ、ただ、俺は地元だからって花を持たせるような、いい性格はしてないよ。8月10日、松本大会、ジュニフェス優勝者、青柳亮生、楽しみにしてますよ(引き揚げる)」
亮生「よし、この勢いで世界ジュニアを奪取しますので、今日、大田区にいる皆さまは松本にお越しください。全員の顔、覚えましたからね。よろしくお願いします。ということで、あらためてジュニフェス優勝したぞー! ここに来るまで大変なことがいろいろありましたけど、いま最高の気持ちなんで、もうこのまま前を向いて、全日本プロレスも、全日本プロレスジュニアも、青柳亮生もさらに向こうへ行くので、皆さんは青柳亮生に付いて来てください。ということで、この大田区でプルス・ウルトラ締めをしたいと思います。よろしいでしょうかー!? 一応、説明しますね。青柳亮生が『全日本プロレス、さらに向こうへ』と言いますので、みなさんはピースサインを掲げながら『プルス・ウルトラ!』って叫んでください。よろしいでしょうか!いけますか!(×4)。じゃあ、立てる方は立ってください。(ちびっ子ファンが急に『おはようございます』と言うと)もうちょっとだけ待ってくれ。天才、現れた(笑)。ということで、全日本プロレス、さらに向こうへ、プルス・ウルトラ!」
<バックステージコメント>
亮生「よし、とうとう(トロフィーを横に置いて)見てくれ。キツかった、正直キツかった。このリーグ戦ももちろんキツかった、決勝もキツかったけど、ここに全日ジュニアを俺だけじゃないけどさ、みんなでここに持ってくるまで相当キツかったよ。でも、めちゃくちゃ嬉しいよ。キツかったけど、キツかったけど、めちゃくちゃ嬉しい。でも、勝つのは一人だけだ。きっとまだこの思いをできなかったジュニア戦士たちは、もっと厳しい、キツい思いをしていると思います。でも、そんな思いもすべて、青柳亮生が覇者として、次、松本でベルトを取ってチャンピオンとして、世界ジュニアチャンピオンとしてすべて受け止めて、全日ジュニアをナンバーワンにこれからも持っていきますんで、楽しみにしといてください。お客さんは楽しんでればいいんですよ。キツいのは俺たち、楽しませますんで、楽しんでください。今日はありがとうございました」
HAYATO「俺の夏が、終わったよ。いや、強かった。やっぱり亮生は強い。なにもない、なにも残ってない。負けて悔しいけど、ちょっと尊敬できちゃうぐらい強かった。でも、今日負けただけ。俺のプロレスラー人生は今日からまた再スタートだよ。いつかまた俺が亮生を倒すから、楽しみにして。Let’s Punk」