「熱闘!サマーアクションウォーズ2025」~E.R.C.グループ トータルシステム presents~8月10日(日)松本大会詳報&試合後コメント
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「熱闘!サマーアクションウォーズ2025」シリーズ開幕戦は、長野・エア・ウォーターアリーナ松本(松本市総合体育館)で22年ぶりの開催。長野県松本市出身で6月に松本市観光アンバサダーに就任した青柳兄弟が凱旋し、弟・青柳亮生はセミファイナルで世界ジュニアヘビー級王座、兄・青柳優馬はメインイベントで三冠ヘビー級王座に挑戦する。
〈第1試合〉
第1試合 シングルマッチ 15分1本勝負
鈴木秀樹 vs 井上凌

ゼンニチJr.フェスティバル2025で結果を残すことができなかった井上凌は、リーグ戦最初の脱落者となり、「自分の近道になるようなことをしっかり掴んで、誰よりも上に行ってやるよ。誰よりもトップに上ってこの現状を打破してやるよ」と7.26新木場大会のバックステージでコメントを残した。8.3大田区大会で世界タッグ王座を獲得した鈴木秀樹とのシングル初対決には、「やるせない気持ち全部、鈴木秀樹にぶつけます」と気合を入れて臨んだが、試合は一方的な展開となった。
ゴング直後にグラウンドの攻防となり、百戦錬磨の秀樹が井上の動きを完全にコントロールする。マウントポジションを奪うと、上から何発も掌底を落とし、井上がロープに逃れても、腕をロックしてコーナーに押し込んで顔面とボディにエルボー。井上がやり返そうとしても鈴木は、強烈な蹴りを見舞ってストンピングを連打。背後からスリーパーホールドで絡みつくと、一気に締め落として4分55秒で試合終了。ゴングが鳴っても秀樹の攻撃は止まらず、井上をリング下に蹴り落とすと、首根っこを掴んでバックステージに下がっていった。
<バックステージコメント>
井上「オレが言った近道。オレも焦った…」
*秀樹がやって来て井上を排除する。
秀樹「何かありますか?」
――第1試合で井上選手と珍しいシングルマッチ、鈴木選手にはどんな思いがあった?
秀樹「井上はプロとしてあるまじきことを口にした。近道って言ったでしょ。誰が望んでるんですかね。井上凌が近道を歩くこと。長尾一大心がいないのにオマエがやらなくてどうするんだって。それが近道からって言うのは、オレはおかしな話だと思いますよ。おかしいと思う」
―― 一方的に叩きのめす試合になったが。
秀樹「別に彼が頑張って返して来ればいいんですよ。それが近道ですから、勝つための。僕は最短距離で勝つだけです。以上です」
〈第2試合〉
全日本プロレスTV認定6人タッグ選手権試合 60分1本勝負
【第11代王者組】大森北斗 羆嵐 他花師 vs 越中詩郎 黒潮TOKYOジャパン 立花誠吾【挑戦者組】

全日本プロレスTV認定6人タッグ王者の北斗軍は、7.20富山大会で富山ブラックラーメンマン1号・2号・V3、謎のマスクマントリオを破って2度目の防衛に成功。黒潮TOKYOジャパンは、8.3大田区大会で他花師の保持するGAORA TV王座に挑戦もベルト奪取に失敗。バックステージで即座に6人タッグ王座挑戦を表明し、相棒・立花誠吾に加え、長野県在住の越中詩郎を招聘してタイトル挑戦となった。
越中の入場曲『SAMURAI』に乗って登場したチャレンジャーチームは、3人揃ってハチマキをしてリングイン。対する北斗軍も揃いの道着で登場。試合前、北斗がマイクを握ると、「越中詩郎選手、今日は参戦していただき、誠にありがとうございます。レジェンド越中選手に挑戦してもらって、このベルトの価値も上がると思います」と敬意を表し、「この道着に誓って、レジェンド越中選手に誓って、今日は正々堂々よろしくお願いします」と3人で右手を差し出す。越中は握手に応じると同時に奇襲攻撃。いきなり場外戦に突入して、大荒れの幕開けとなった。越中が得意の尻技で健在ぶりをアピールしたが、8月1日に28歳になった立花がローンバトルを強いられる。羆嵐がアルゼンチンバックブリーカー。続いた他花師は鼻水を吹きかけて精神的ダメージも与えていく。立花がやり返すと、越中はヒップアタックで大暴れ。黒潮とは合体攻撃を狙ったが、息が合わず言い争いになる。忍び寄った他花師が地獄突きを乱れ打ち。黒潮を孤立させて北斗軍スペシャルを予告したが、北斗のみが叩きつけられて失敗。越中が立花とのツープラトン・ブレーンバスターで盛り返したが、ヒップアタックは黒潮に誤爆してしまう。チャンピオンチームは今度こそ北斗軍スペシャルを決めてみせると、他花師がパナップルボンバーをブチ込み、GAORA王座戦に続き黒潮を料理。3度目の防衛に成功すると、場内に新曲『他花師キテる』が鳴り響いた。
<越中&黒潮&立花のバックステージコメント>
※越中は1人で引き上げていく
黒潮「越中さん、越中さん、こちらでコメントを…」
越中「無い」
黒潮「越中さん?」
越中「無い」
立花「無いって。オマエ、怒ってるよ。どうするんだよ」
黒潮「こうなったらよ。あれ?さっき(花園)桃花いなかったっけ。ああ、越中さん」
立花「だいぶ違うな」
黒潮「大田区、他花師。今日、北斗軍。オレを怒らせたよ
立花「そうなんだ」
黒潮「つまんねぇんだよ!オイ!いいよ。オレたちアップタウンvs北斗軍、全面戦争だよ。なんだよ?文句あるのか」
立花「こっちは花園だけど」
黒潮「いいんだよ、花園でも越中でもいいんだよ。越中詩郎いてほしかった、ここに。いいんだよ。オレたちはいつも2人でやってんだよ。みなしごみてぇなヤツ、1人来ただろ。それで3人だ!アップタウンvs北斗軍、いいよ。完全にやってやる。完全決着つけてやる。あいつらはベルト全部で4本持ってるよ。全部獲ってやる」
立花「オレたち全員で全部獲ろう」
黒潮「最後懸けるものなくなって、服とかも懸けてやるからな。ふざけんじゃねぇぞ!オラ!」
<北斗軍のバックステージコメント>
他花師「OK!OK!やったぜ。防衛3度目」
北斗「そして今、聞こえてきたぞ。アップタウン、オレたちと全面対抗戦をしたいらしいな。分かったよ。そんなセリフ吐かれてオマエ、やらないなんて言うオレたちじゃない。アップタウン、てめぇら全員ぶっ潰してな、アップタウンは北斗軍の傘下となるんだ。ちょうどタロースも涙の卒業をしたところだから、アップタウンの連中、ちょうどいいよ。てめぇら全員、北斗軍の軍門に降れ!」
他花師「いいね、いいね。6人タッグ、これで3度目の防衛。それでイケメン。オマエは何度やっても諦めへんな。アップタウンと北斗軍の対抗戦?おもろいやないか。やろうやないですか、リーダー」
北斗「やりましょうよ」
他花師「やるのかって!」
北斗「やってやるって!」
羆嵐「ぶちかませって!」
他花師「2回目の防衛も3度目の防衛も他花師が獲ったぞ。他花師の勢い止まらへん。オールジャパン!これだけは言っておくぞ。よう聞いとけ。ありがとうございまーした!」
〈第3試合〉
タッグマッチ 20分1本勝負
ライジングHAYATO 田村男児 vs “ミスター斉藤”土井成樹 セニョール斉藤

ゼンニチJr.フェスティバル2025準優勝のライジングHAYATOが田村男児と組み、 “ミスター斉藤”土井成樹・セニョール斉藤、斉藤ブラザーズジュニア部隊と対戦。土井は欠場した斉藤レイに代わって、第12回 王道トーナメントに出場。1回戦では関本大介との無差別級戦に臨む。
先発で登場した土井は会場の男児コールに不満そうな表情。「オレやろ!」「男児って言うな!」と対抗心を燃やして田村と熱戦を繰り広げる。HAYATOはセニョールのラフファイトに苦戦したものの、スワンダイブ式ミサイルキック。場外ダイブと見せかけバク宙で魅了すると、土井が背後から蹴り飛ばしブーイングが発生。土井とセニョールが流れるような連続攻撃、ラフプレーで試合を優位に進める。劣勢が続いたHAYATOだが、ハイスピードムーブでかき乱し、バックエルボーで反撃に成功。ダイナミックなタックルで続いていった田村は、セニョールにバックフリップ。HAYATOとコンビネーションを試みたが、不発に終わる。再び斉藤ジュニアコンビが連携で主導権。田村がラリアットで土井を黙らせ、セニョールには強烈なチョップ。すかさずHAYATOがウラカンラナで丸め込み3カウントを奪取した。
<HAYATOのバックステージコメント>
HAYATO「全日本プロレス祭、盛り上がってるね。今日ジュニフェス優勝した亮生とチャンピオン吉岡世起の試合がこの後あるけど、どっちが勝つか最後まで見届けさせてもらうよ」
<土井のバックステージコメント>
土井「オールジャパンから正式に発表されたな。王道トーナメント、レイの代役で出ることになったぞ。決まったな。トーナメントや!一発勝負や!ものにするからな!」
〈第4試合〉
ゼンニチ本隊 vs HAVOC 6人タッグマッチ 30分1本勝負
宮原健斗 デイビーボーイ・スミスJr. MUSASHI vs 芦野祥太郎 ザイオン オデッセイ

8.3大田区大会で芦野祥太郎とザイオンのチーム・HAVOCに、新メンバー・オデッセイが合流。ユニットとしての本格始動戦では、元WWE・NXT、身長193cm・184kgのモンスター・オデッセイが大きなインパクトを残し、斉藤ブラザーズを撃破した。今大会では、宮原健斗&デイビーボーイ・スミスJr.&MUSASHIのゼンニチ本隊と対戦。芦野とデイビーボーイ・スミスJr.は、王道トーナメント1回戦での対戦が決まっている。
先発は宮原とザイオン。健斗コールにも負けないザイオンコールが飛ぶと、ザイオンがハカのポーズで弾き飛ばして、芦野とコンビネーション。芦野はMUSASHIをフロント・スープレックスでぶん投げると、オデッセイにチェンジ。軽々と抱え上げコーナーに叩きつけたオデッセイは、荒々しくパンチをお見舞い。HAVOCが代わる代わるMUSASHIを痛めつけていく。MUSASHIは芦野の串刺し攻撃をかわすと、ジャンピングハイキックで反撃。スミスとオデッセイがド迫力の肉弾戦。スミスがロープに走ると、オデッセイが追走して全身でぶちあたりギロチンドロップを投下。ザイオンが打撃のコンボで続くと、意地を見せたスミスがDDTで形勢逆転。健斗コールの中、宮原が軽やかにリングを駆け回り、ドロップキックを放つ。宮原組がザイオンに連続串刺し攻撃。MUSASHIのダイビング・クロスボディは、ザイオンが受け止めたがスミスがアシストしてなぎ倒す。宮原のブラックアウトからMUSASHIはエストレージャフトゥーロ。完璧に決まったがカウント2止まり。ピンチを乗り越えたザイオンは、バイシクルキックで反撃。芦野が宮原にスクリューエルボー、オデッセイはラリアットを叩き込んでスミスを排除。孤立無援となったMUSASHIに芦野がジャーマン。オデッセイがボディプレスで圧殺すると、ザイオンがダメ押しのダイビング・ヘッドバットで飛び込み試合終了。完璧なチームワークで力を見せつけると、勝利の雄叫びをあげてリングを降りた。
<HAVOCのバックステージコメント>
芦野「オイ!これがHAVOC!よく覚えておけよ、HAVOC!」
<宮原組のバックステージコメント>
宮原「HAVOCすげぇな。久しぶりに見たぞ、あんな入場で華があるレスラーを。日本プロレス界を探してもアイツらオレと争うな。勝負だこれから。入場でも勝負だHAVOC!いいな。そして王道トーナメント、8月24日、東京・後楽園ホール。オイ真霜拳號、今日いないなオマエ。後楽園ホールで1回戦、オレが真霜拳號オマエから必ず勝って、その次に行くからな。8月24日、後楽園ホール真霜拳號、勝負だオラ!」
〈休憩時間前・斉藤レイ挨拶〉

休憩時間前、右肩の手術のため当面のあいだ欠場することになった斉藤レイがリングイン。欠場を謝罪し、「何倍にもパワーアップして必ずこのリングに帰ってくる」と約束した。
<斉藤レイのマイク>
「まずはこの場を借りて、お客さんみんなに謝りたい。このオレ、斉藤レイは、ドクターストップがかかって右肩を手術することになった。本当なら今日、この会場で試合をして、そして王道トーナメントもしっかり出場するはずだった。だが、それはできねぇ。だからみんなすまねぇ。(頭を下げる)手術はもう少し先で、復帰時期もまだ未定だ。ただオレは、できることを増やして、そして何倍にもパワーアップして必ずこのリングに帰ってくる。だから、みんな少しのあいだ、待っててくれるか?(客席から大きな拍手)みんな、ありがとう。必ず、すぐ帰ってくるから、楽しみに待っててくれ!DOOM!」
〈第5試合〉
スペシャルタッグマッチ 30分1本勝負
綾部蓮 タロース vs 本田竜輝 関本大介

タロースのゼンニチマット初上陸以来、何度も激闘を繰り広げてきた綾部蓮とタロースは、8.3大田区大会で一騎打ちが実現。綾部が2m13cmの巨体をデスルーレットで突き刺して勝利を飾った。試合後、タロースは北斗軍にユニットTシャツを返還し、軍団離脱を表明。戦いを通じて互いを認め合った綾部とタロースが握手を交わし、大巨人コンビ電撃結成となった。
本田は8.3大田区大会で野村直矢との一騎打ちに敗れ、「もっと強くなります」と誓って再出発。6月末に大日本プロレスを退団してフリーとなった関本大介は、大田区大会にXとしてサプライズ登場すると、スミスとのタッグで北斗・羆嵐組を撃破。第12回 王道トーナメントにエントリーし、1回戦で土井と対戦する。
注目の大巨人コンビ始動戦は、タロースが関本のタックルを余裕の表情で受け止め、軽々と投げ捨ててみせる。本田と綾部の元ELPIDA対決は、激しくエルボーを打ち合うと、本田がパワフルなタックルで優勢に。反則カウントを煽り、自分のペースに持ち込む。綾部がビッグブーツで反撃して場外戦へ。観客席までなだれ込み、激しい火花が散った。リングに戻ると、大巨人2人が本田にロックオン。コーナーに詰めると巨大な足を顔面に押し当てていく。フルネルソンバスターから逃れた本田はスピアでピンチを脱出。関本は大巨人コンビを両腕ラリアットで弾き飛ばし、綾部をぶっこ抜いてブレーンバスター。フィニッシュを宣言してロープに振ったが、綾部がランニング・ネックブリーカー。タロースは串刺しボディアタックを連発してサイドバスター。再び元ELPIDA対決が白熱すると、綾部がタロースを呼び込み、スパインバスターとビッグブーツの合体技。本田と関本も負けじと連続串刺しラリアット、合体ブレーンバスターで対抗する。本田はファイナルベントを決められないとみるや猛烈なラリアット。綾部がカウント2で返すと、タロースがチョークスラムで相棒を救出。息を吹き返した綾部はフルネルソンバスター。さらに、一撃必殺のデスルーレットを敢行して本田をマットに沈めた。タロースとの初タッグで会心のスタートを切った綾部は、「今後の快進撃から目を離すな」と充実感に満ちた表情でアピールした。
<綾部組のバックステージコメント>
綾部「このタッグ初陣、いいスタートだ。ELPIDAで一緒にやってた本田竜輝からデスルーレットで3カウント。やっぱり6月の後楽園で言った通り、対角でバチバチ戦うのがやっぱり楽しいな。今日はメチャクチャ楽しかったよ。何度でもやっていこう本田竜輝。そして、関本大介。あんなにぶん投げるとは思わなかったな。さすがのパワーだ。ただ、この綾部蓮とタロース組の前には、そんなパワーなど無力だということは今日証明しただろ。今後の快進撃から目を離すな」
<本田組のバックステージコメント>
関本「本田、大丈夫か」
本田「綾部蓮に負けた!悔しい…」
関本「なんだ、あのタロース。綾部もデケぇが、タロースはさらにデケぇじゃねえか、コノヤロー。聞いてねぇぞ。なんだよアイツ。しかもパワーがメチャクチャ強えじゃねぇか。怪物だな、アイツ。オレが好きなこと知ってるか。怪物退治だ。怪物退治がオレは大好物なんだよ。なあ?」
本田「オレも怪物退治大好きだよ!そして綾部蓮。オマエには絶対やり返す。クソ!」
〈第6試合・セミファイナル〉
世界ジュニアヘビー級選手権試合 60分1本勝負
【第71代王者】吉岡世起 vs 青柳亮生【挑戦者】

ジュニアヘビー級戦士によるシングルリーグ戦・ゼンニチJr.フェスティバルを提唱した青柳亮生は、8.3大田区大会の優勝決定戦でライバル・ライジングHAYATOに勝利。有言実行の優勝を成し遂げ、ジュニアの主役となった。世界ジュニアヘビー級王者の吉岡世起は、5月に盟友・MUSASHIを破り、初戴冠を果たすと、初防衛戦で田村男児、V2戦で“ミスター斉藤”土井成樹を撃破。ジュニフェスは亮生と別のブロックでエントリーとなり、2勝2敗で屈辱の予選敗退となった。
亮生はジュニフェス優勝トロフィーを共に入場。世界ジュニア王者とジュニアフェス覇者のジュニア頂上決戦、シングル初対決は、試合開始のゴングが鳴ると、亮生コールが会場を包む。亮生はヘッドロックを仕掛けてきた吉岡をロープに振ってドロップキック。吉岡が場外に逃げると、ハンドスプリングからのバク宙。悔しがった吉岡がエプロンに上がると、再びドロップキックで落としてコーナーからムーンサルトアタックを発射した。吉岡はハンドスプリングのムーブを読んで顔面にドロップキック。場外に連行して怖い一面を見せ、たっぷり痛めつけていく。リングに戻ってもラフファイトを織り交ぜながら何発も鋭い蹴りを叩き込む。地元の声援を受けて亮生が食らいつきドロップキックで応戦したが、吉岡がすぐに逆襲。変形コードブレーカーからコーナーにもたれた亮生にマシンガンキック。串刺しニーアタック、ジャンピングハイ、サッカーボールキックと追撃。エルボーを返していった亮生は、シザースキックをかわして、ステップ式の延髄斬り。さらなる追撃を狙ったが吉岡が動きを読んで、シザースキックをズバリ。先の読み合いで目まぐるしく攻守が入れ替わる。
ダイブを阻止した吉岡は、亮生を逆さ吊り状態にしてダイビング・フットスタンプ。旋回式ファルコンアローはカウント2。一気にクラッシュドライバーを狙ったが亮生は抵抗。ジャーマンに切り変えられてもバク宙で脱出。ハンドスプリング式レッグラリアットで流れを変えて、ロコモーション式フィッシャーマンズ・スープレックスにつないだ。ムーンサルトプレスをかわされて失速すると、吉岡が多彩な蹴りで黙らせて、足をクロスしてのキャメルクラッチ。そのまま腕を取るとFUMIEで顔面を叩きつける。防戦一方となった亮生だが、コーナー上の吉岡を捕えてスパニッシュフライ。追撃のムーンサルトプレスはカウント2。チャンスとばかりにファイヤーバードスプラッシュを放ったが、吉岡は剣山で迎撃。MADE IN JAPANで突き刺した。
亮生のフランケンシュタイナーから丸め込み合戦に突入。吉岡がクラッシュドライバーに持ち込もうとしたが亮生は必死に抵抗。顔面に非情な連打をもらった亮生だが、リバース・フランケンシュタイナー。ドロップキックをクリーンヒットさせ、ハウザーインパクト。ムーンサルトプレス2連発でも決まらないとみるや、ファイヤーバードスプラッシュで完全決着。2年ぶり3度目となる世界ジュニア戴冠、地元・松本市で歓喜の王座返り咲きを果たし、メインイベントに登場する兄に最高の形でバトンを繋いだ。
<青柳亮生のマイク>

「ただいま。獲ったぞ。次は青柳優馬が獲って、青柳兄弟で締めるのでメインイベント楽しんでください」
<亮生のバックステージコメント>
亮生「来たぜ。ついに帰ってきたよ、世界ジュニアが。このトロフィーももちろん最高にうれしいけど、やっぱりさ。これを獲るためにさ、全日本に帰ってきてやってるんだからさ。ひとまず、ひと安心。でも、ここからだね。ジュニアヘビー級主体の大会は幕を閉じ、また王道トーナメント。別にジュニアヘビー級がエントリーしているわけじゃないんで、そういうところで何ができるか、じっくり考えていきたいと思います。今日はこの喜びに浸りたいと思います」
――地元で獲った喜びは大きい?
亮生「今、言ってませんでしたか?それどころじゃなかったってことですかね。でも、地元・松本でタイトルマッチを持ってくることを目標にやってきましたし、やっと実現して、しかも獲れちゃいましたからね。松本市観光アンバサダーとしても、いい仕事をしたんじゃないですかね。しかし、さらに松本市の、全日本プロレスの、ゼンニチジュニアの青柳亮生が盛り上げていくんで、注目しておいてください」
<吉岡のバックステージコメント>
吉岡「クソ…負けたね。なんか青柳亮生、ヒロアカ(僕のヒーローアカデミア)が好きで、ヒロアカに憧れているって聞いたけどさ。ヒロアカの主人公って、できないヤツでしょ。できないヤツが頑張っていくんだよね。あんな身体能力も輝きも持っているヤツがそんなこと言うなよ。ヒーローになればいいよ。オレは何回でも何回でも前に立って、強敵として前に立ち塞がってやるからな。長野・松本も捨てたもんじゃねぇなオイ」
〈第7試合・メインイベント〉
メインイベント 三冠ヘビー級選手権試合 60分1本勝負
【第75代王者】斉藤ジュン vs 青柳優馬【挑戦者】

昨年末に第75代三冠ヘビー級王者として歴史に名を刻んだ斉藤ジュンは、盤石の防衛ロードを築き、王座戴冠から8か月が経ち今回が7度目の防衛戦。第32代王者・川田利明と第62代王者・宮原健斗が達成した最多連続防衛記録V10も照準を定めている。2023年と2024年の夏に三冠ヘビー級王座を奪取している“夏に強い男”青柳優馬は、7.21大阪大会でデイビーボーイ・スミスJr.との一騎打ちを制して挑戦権を獲得。今年の2月にも両者は、三冠ヘビー級王座を巡り対戦しており、ジュンが23分48秒の熱戦の末、Days Goneで優馬の挑戦を退けた。
決戦のゴングが鳴ると、ロックアップ、力比べで互いの出方を伺い、ジュンのぶちかましで場外戦へ。優馬が鉄柵を上手く使って主導権を握り、鉄柵にもたれたジュンにギロチンドロップ。ジュンもやり返して、鉄柱を背にした優馬に猛烈なタックルを叩き込みサンドイッチ。リングに戻るとスリーパーホールドでスタミナを削る。倒れ込んだ優馬を踏みつぶして束ねていた後ろ髪を解くと、滞空式ブレーンバスターで余裕を見せつけた。優馬はドロップキックで悪い流れを断ち切り、クロスボディを連発。素早い動きで翻弄するとコーナー最上段へ。突進したジュンがビックブーツで場外に落とし、エプロンでサイコブレイクの構え。抵抗した優馬もジャーマン狙い。スリリングな攻防が続く中、ジュンのチョークスラムが炸裂した。大ダメージを負った優馬は場外カウント9でリングに戻る。
ジュンのペースが続き、串刺しビッグブーツから急角度バックドロップ。雪崩式の攻撃は優馬が決めさせずパワーボムからダイビング・エルボードロップを発射。引かないジュンもブレーンバスターをリバースして倒れ込むようにラリアット。魂を削るようなエルボー合戦。優馬は張り手を喰らいながらも、打点の高いドロップキックからロープをステップにしてのスイングDDT。ジュンはカウンターのビッグブーツ、クローズラインでダメージを与え、サイコブレイク狙い。優馬が丸め込んでジャパニーズレッグロールクラッチ。3カウントが入らないとみるや、フロントネックロックへ。ジュンが踏ん張ってブレーンバスター。スピアで追撃するとチョークスラム。サイコブレイクも爆発したが3カウントは奪えない。
丸め込みで流れを変えた優馬がロープへ走り渾身のラリアット。ダイビング・エルボードロップを2連続で投下すると、スピンキックで顔面を打ち抜いてロックスターバスター。カウント2で返されてもTHE FOOLで勝負に出る。しかし、ジュンは3カウントを許さない。一心不乱にエルボー、ラリアットを打ち込んでいった優馬だが、ジュンが顔面を張り飛ばしてローリング・ラリアット。間髪入れず決めたジャックハマーはカウント2.9。鬼の形相で首を刈っ切ると、最後の切り札・Days Goneで優馬の執念の断ち切り、灼熱の三冠戦に終止符を打った。
7度目の防衛を飾ったジュンは、「オレはこの全日本プロレスに、プロレスの右も左も分からずに入ってきた。そんな時、イチからオレに基本を教えたのは青柳優馬、アンタだった」と振り返り、「オレが今、三冠チャンピオンとしてこのリングに立っているのは間違いなく青柳優馬、アンタのおかげだ。ありがとう」と感謝。弟・レイの欠場、肩の手術を受け、「オレがこのベルトを防衛し続けて、三冠チャンピオンとしてこのリングを守り続ける。アイツがいつか帰ってきて、また挑戦を受けられるようにな。だから、今は安心して肩を治せばいい。オレはずっとオマエが帰ってくるのをリングで待ってるぜ」と放送席で三冠戦を見届けたレイにメッセージを送ると、恒例のスイーツタイムで松本産のスイカにかぶりつき大満足な様子。王道トーナメントに向けては、「去年の覇者の綾部蓮と1回戦で当たるな。アイツは今乗りに乗っているが、このオレ、斉藤ジュンがアイツを絶対に倒して、三冠チャンピオンとして王道トーナメントを優勝するから、オマエらはそれを楽しみにしているがいい」と優勝宣言が飛び出すと、「3・2・1・DOOM!」で熱闘連続の松本大会はフィナーレを迎えた。
<リング上のマイク>

ジュン「三冠ベルトを防衛したぞ!オレはこの全日本プロレスに入ってきた時にプロレスの右も左も分からずに入ってきた。そんな時、イチからオレに基本を教えたのは青柳優馬、アンタだった。オレは恩返しがしたいとか、前のことを振り返るとか、そんなつもりは一切ない。だが、オレが今、三冠チャンピオンとしてこのリングに立っているのは間違いなく青柳優馬、アンタのおかげだ。ありがとう。地元の松本でこのベルト、欲しくて欲しくてたまらなかっただろう。だが、オレにも負けられない理由がある。弟の斉藤レイが肩の手術でしばらく、このリングに立つことができない。だから、オレがこのベルトを防衛し続けて、三冠チャンピオンとしてこのリングを守り続ける。アイツがいつか帰ってきて、また挑戦を受けられるようにな。だから、今は安心して肩を治せばいい。オレはずっとオマエが帰ってくるのをリングで待ってるぜ。というわけで、勝ったのはこのオレ、斉藤ジュンだ。地元・松本の青柳優馬のファンは残念だったな。そしたらチャンピオンの特権で待ちに待った甘い物の時間だ。好きにやらせてもらうぜ。今日、会場暑かったな。いろいろと考えたんだけど、やっぱり夏は暑いからスイカでしょ。でっかいな。これは長野県松本産のスイカ。これをいただきます。甘くて美味しいなぁ。みずみずしくて、シャキシャキしてて、オレは今最高に夏を感じている。みんな欲しいか?今日は独り占めするぜ。もう1つ言いたいことがあった。次はいよいよ王道トーナメントがやってくる。このオレ、斉藤ジュンは去年の覇者の綾部蓮と1回戦で当たるな。アイツは今乗りに乗っているが、このオレ、斉藤ジュンがアイツを絶対に倒して、三冠チャンピオンとして王道トーナメントを優勝するから、オマエらはそれを楽しみにしているがいい。5分くらい待ってくれ、このスイカを全部食べる。というのは冗談だ。ベルトを防衛できたし、スイカも食べれたし、満足だから全員立ってくれ。青柳優馬のファンもDOOMしないとDOOMするぞ。暑い夏はまだまだこれからが本番だ。みんなで一緒に乗り越えていこうぜ。みんな準備はいいか?いくぞ!3・2・1・DOOM!」
<ジュンのバックステージコメント>
ジュン「三冠ベルト7度目の防衛に成功したぜ。今日は会場が暑かったから、とりあえずスイカで水分補給させてもらうぞ。あぁ、美味いな。松本産のスイカはみずみずしくて、あまくて美味しいぜ。今日防衛したら、誰も名乗りを上げるヤツは来なかったな。まぁ次はいよいよ王道トーナメントがやってくるから。オレは勢いに乗っている綾部蓮と1回戦で当たる。アイツを倒して、必ずこのベルトを持ったまま王道トーナメントを優勝してやるぜ。それにしても、やっぱり青柳優馬は強かったな。危なかったが、まぁリング上でも話した通り、レイがしばらく肩の手術でリングに戻ってこれないからな。オレがこのベルトを防衛し続けて、アイツが帰ったあかつきには、チャンピオンとしてアイツの挑戦を受けたいんだ。それまでは負けるわけにはいかない。楽しかったぜ。あぁスイカ美味いな。せっかく松本にいるんだ。もっといろいろと食べに行こう。DOOM!」
<優馬のバックステージコメント>
優馬「オイどうなってる?この辺、スイカの匂いするぞ。チクショー。やっちまった…。地元で獲りたかった…。でも、松本にお越しの皆さん、今日は応援ありがとうございました。次があるかまだ分かりませんが、次ある時は必ず皆さんの応援にお応えするように努力します。ありがとうございました」
