「第12回 王道トーナメント」【1回戦】8月30日(土)松江大会詳報&試合後コメント 全日本プロレス

「第12回 王道トーナメント」【1回戦】8月30日(土)松江大会詳報&試合後コメント

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 8・24後楽園ホール大会で開幕した『第12回 王道トーナメント』2戦目の松江大会では、トーナメント1回戦2試合のほか9・15後楽園大会で決まったアジアタッグ選手権試合の前哨戦もおこなわれた。

<第1試合>
シングルマッチ 15分1本勝負

井上凌 vs ザイオン

 第1試合では8・31神戸大会で大森北斗とのトーナメント1回戦を控えるザイオンが、ジュニアの井上凌と一騎打ち。今大会では同じHAVOCのオデッセイ、芦野祥太郎がトーナメント1回戦を闘う中、弾みをつけるような闘いを見せたい。

 序盤、井上にバックを取られたザイオンはそのままグルグルと回転して、相手を振り回す。井上は力比べに応じると見せかけてローキック。続けてローキックを連打し、ショルダータックルの打ち合いも挑む。井上は低空ドロップキックでザイオンの上体を崩す。クロスボディーアタックはキャッチされるも、後方に着地してレッグラリアット。ドロップキックで場外に落とし、エプロンを走ってのサッカーボールキックを狙う。しかしザイオンは蹴り足をキャッチして、エプロンに叩きつける。防戦の井上はザイオンの突進をかわし、フロントキックから低空串刺しドロップキックで反撃。ミサイルキックを決め、ミドルキックを連打。ザイオンはブレーンバスターで形勢逆転し、井上の蹴りを受け止めると、カウンターのフライング・エルボー。続けてコーナーに上り、ダイビング・ヘッドバットを投下して完勝を収めた。

<井上のコメント>
井上「ザイオン、クソ。いまね、前のシリーズからいろんな選手とシングルマッチ続いてるよ。この経験を絶対ムダにしちゃいけない。俺はムダにしない。今日のザイオンだってそうだ。この経験生かして、俺は前に進む」

<第2試合>
全日本プロレスTV認定6人タッグ選手権試合 60分1本勝負
【第11代王者組】大森北斗 羆嵐 他花師 vs カーベル伊藤 ALLマイティ井上 レイパロマ【挑戦者組】

 第2試合では北斗軍が保持する全日本プロレスTV認定6人タッグ王座4度目の防衛戦が組まれ、挑戦者組のカーベル伊藤とトリオと組んだのは地元・松江だんだんプロレス所属のALLマイティ井上とダブプロレスのレイパロマ。異色トリオは北斗軍の牙城を崩すことはできるか?

 北斗軍は揃いの白の道着に身を包んで登場。試合前にマイクを手にした北斗は井上の娘が「ギャル」であることを指摘した上で、「羆嵐は大のギャル好きなんだ。オマエをぶっ潰して、オマエの娘と羆嵐を結婚させてやる!」と突拍子のない条件を勝手に突きつけて、挑戦者組に襲い掛かる。王者組がのっけから場外戦で主導権を握る。羆嵐から「娘、紹介しろ!」との言葉とともにエルボーを食らった井上は、「嫌なこった!」と言い返しながら逆水平チョップを見舞う。井上は北斗軍の巧みなチームワークの前に苦しい展開が続く。ローンバトルの井上は他花師の蹴りを受け止め、地獄突きも体を震わせながら耐え、逆水平チョップから延髄斬り、ショルダータックルと畳みかけて、ようやく伊藤につなぐ。

伊藤は他花師にローキック連打、スリングブレイド。カットに来た羆嵐にはローリングソバットを見舞い、さらにノータッチ・トペコンの追撃。観客のカウントダウンとともに他花師にカンチョー攻撃を見舞うなど、こだわりの試合運びを見せた上で、パロマにつなぐ。パロマは他花師にコルバタ、Tバック姿になりながらドロップキックを放ち、恍惚で捕獲。他花師はどうにかロープエスケープ。羆嵐がパロマにクロスボディーアタック。他花師が地獄突きで伊藤と井上を排除し、パロマに北斗軍スペシャルを決めて3カウント。北斗軍が異色トリオを見事に返り討ちにして、防衛に成功。ここ最近、“ご当地色”の強い挑戦者組を次々に撃破している中、北斗は「全国統一」を高らかに宣言した。

<北斗軍のコメント>

北斗「完全に他花師を怒らせたな、アイツら。まあ、いいだろう。俺たちはこの6人タッグで日本統一の旅に出掛けているようなもんなんだ」

他花師「確かに」

北斗「今日は中国地方か、ここは。中国地方の長と言っても過言じゃないALLマイティ井上、レイパロマ、カーベル伊藤。そいつらから取ったということは、中国地方を制覇したと言っても過言じゃないだろう」

他花師「完全シャラップやな」

北斗「次、6人タッグ選手権どこでやるか。四国、九州、東北、信越…信越って言うんだっけ?」

他花師「アメリカ!?」

北斗「北海道、上越…」

他花師「メキシコ、メヒコ!?」

北斗「テメエら、黙ってんじゃねえぞ。全国の強いヤツら出て来いよ」

他花師「出て来いよ!」

北斗「とりあえず中国地方は倒したから。全国統一だ!」

他花師「おいこら、オールジャパン、これだけは言っておくぞ。北斗軍と掛けまして、予約でいっぱいのホテルと説きます」

羆嵐「その心は?」

他花師「もう誰も…とめられへん。釈羅不」

北斗「ありがとうございま~す」

羆嵐「北斗軍から目を離すな」

※挑戦者組はノーコメント

<第3試合>
タッグマッチ 30分1本勝負
斉藤ジュン 本田竜輝 vs 綾部蓮 佐藤光留

 第3試合は、8・31神戸大会でのトーナメント1回戦を控える斉藤ジュンと綾部蓮の前哨戦。ジュンと綾部は先発で対峙。ロープに詰めた綾部はブレーク際にジュンの頭を挑発的に撫でる。ジュンは綾部をロープに詰めると、お返しに頭を撫でて、DOOMポーズで挑発。互いに譲らずそれぞれパートナーにタッチ。本田が奇声を発しながらヘッドロックで締め上げるなど、光留を攻め立てる。ジュン組につかまった光留は本田の突進をかわして、ジャンピングキックを放って綾部にタッチ。綾部は本田をボディースラムで叩きつけ、逆エビ固めで捕獲。ロープエスケープした本田は綾部にエルボー連打、カウンターでスピアを決めてジュンにつなぐ。ジュンは綾部に串刺しバックエルボー、エルボードロップ。チョークスラム狙いは阻止され、綾部のネックブリーカードロップを食らう。綾部はアイアンメイデンを狙うが、ジュンがロープエスケープ。エルボーの応酬。ジュンがチョップを放つと、綾部はカウンターのエルボーからニーリフト。ジュンがカウンターのスピアからブレーンバスターの体勢も、綾部がリバースして叩きつける。タッチを受けた光留がジュンに打撃を畳みかける。綾部と光留がジュンにトレイン攻撃を狙うも、かわされる。本田が綾部を排除し、ジュンが光留にフロントキック。チョークスラムを決めると、最後は滞空式ブレーンバスターで豪快に叩きつけて3カウント。試合後、勝ち誇るジュンは綾部と至近距離で視線をぶつけ合った。

<ジュン組のコメント>

本田「おっしゃ、勝ったぜ、勝ったぜ! 明日、俺は王道トーナメント1回戦、vs羆嵐。俺があのデカブツを倒して2回戦進むぜ、シャ!」

ジュン「綾部蓮、さすがのスーパーヘビー級だな。明日、王道トーナメント1回戦でやるのが楽しみだ。必ず倒してやるよ、DOOM!」

<綾部組のコメント>

綾部「明日の神戸、メインイベント、今年の王道トーナメント1回戦、vs現三冠王者・斉藤ジュン。まあ今日、ここ島根での前哨戦は俺らの負けか。ただ明日の1回戦では現三冠王者・斉藤ジュンは、神戸でド派手に散ることになるんだ。今日はせいぜい前哨戦勝利で喜んでおけばいい。明日の大会が終わった頃には、クッキリ明暗が分かれているからな」

※光留はノーコメント

<第4試合>
アジアタッグ選手権試合前哨戦6人タッグマッチ 30分1本勝負
宮原健斗 MUSASHI 田村男児 vs 青柳優馬 青柳亮生 ライジングHAYATO

 第4試合は9・15後楽園大会で決まったアジアタッグ選手権試合の前哨戦。8・24後楽園大会で自身の15周年記念試合を終えたMUSASHIは青柳亮生が保持する世界ジュニアヘビー級王座、さらに吉岡世起とのコンビで青柳兄弟が保持するアジアタッグ王座への挑戦をアピール。今大会、パートナーの吉岡は不在ながらも、MUSASHIにとってはタイトル奪取に向けての意気込みをぶつけるための大事な闘いとなる。

 ゴング前から宮原が会場を健斗ワールドに引き込む。HAYATOが宮原に強烈なチョップからコルバタで投げる。場外の宮原に飛び技のフェイントからポーズを決めると、宮原は客席内を歩いて子どものファンと握手を交わす。亮生とMUSASHIの攻防。素早い展開からMUSASHIが亮生をコルバタで投げ、宮原、田村とトレイン攻撃。MUSASHIがロープに飛ぶと、優馬が足を引っ張り場外に出す。亮生は宮原、田村をうまく場外に出して、相手チームにHAYATOとともに同時プランチャを発射する。相手チームにつかまったMUSASHIは優馬の突進をカニばさみで倒し、さらに延髄斬りを放って宮原につなぐ。

宮原が一気にペースを変えていく。優馬もカウンターのドロップキックを返してHAYATOにタッチ。HAYATOはロープの反動を利用してのムーンサルト・アタックなどで宮原を攻め立てる。宮原はカウンターのフロントキックでHAYATOの動きを止めて、田村にタッチ。田村が豪快なラリアットを放てば、HAYATOはブレーンバスターを決めて亮生にタッチ。亮生とMUSASHIが激しいエルボーのラリー。MUSASHIはエクスプロイダーで亮生を投げ、宮原と田村のアシストを経て、エストレージャフトゥーロもカウント2。二天一流狙いは切り返され、HAYATOのミサイルキックを食らう。亮生&HAYATOが連係攻撃でMUSASHIを追い込み、さらに青柳兄弟がダブルのドロップキック。優馬はMUSASHIに吉岡の必殺技のクラッシュドライバーを決め、続けて亮生がファイアーバード・スプラッシュを投下して3カウント。

 優馬&亮生はしっかりと前哨戦を制してタイトルマッチに向けて死角なしの強さを誇示。優馬はクラッシュドライバーをあくまでも自身の新必殺技と主張し、その上で「吉岡世起のいぬ間に」という技名まで公表して、挑戦者組を挑発した。一方のMUSASHIは王座戦に向けての意気込みを示すどころか、王者組から直接3カウントを奪われるという手痛い敗北。それでも前を向くように、8・31神戸大会での巻き返しを誓った。

<青柳組のコメント>

優馬「ヨッシャ。どうだ、見たか」

亮生「なんだあれ、初めて見たぞ」

優馬「松江で開発した、青柳優馬の新必殺技だ」

亮生「初めて見たぞ。とんでもないな」

優馬「初めて見ただろ。プロレス界で一度も見たことのない必殺技だろ」

亮生「あれでMUSASHI、ほぼ死んでたよ」

優馬「終わってたろ、死んでたよ」

亮生「ファイアーバードいらなかったな」

優馬「殺してやったよ。俺の松江で開発した新しい技、青柳優馬の新必殺技の名前をいまここで考える。発表しよう。♪デレデレデレデレデレ、デン! 吉岡世起のいぬ間に、という技だ。吉岡世起がいない間にできた必殺技だ」

亮生「そういうことか」

優馬「アジアタッグ選手権試合では、いまMUSASHIを料理してやったから、当日は吉岡世起に俺の新必殺技、“吉岡世起のいぬ間に”を食らわしてやる。覚悟しておけ。そして俺たち、ようやく初防衛戦だよ」

亮生「いつ取ったっけ?」

優馬「6月…。あまりにもスパンが空きすぎて、自分たちがアジアタッグチャンピオンであることをしっかり忘れていた。しかし、俺たち“ネバーエンディングタッグチャンピオン”がずっと防衛し続けてやるからな」

亮生「3カ月に一度のお楽しみ」

優馬「そういうことだ。頑張ろう」

亮生「ということで、アジアタッグは青柳優馬の新必殺技で防衛が決まった。あとは世界ジュニアだ。MUSASHI、今日といっしょだ。青柳亮生がファイアーバードで丸焼きにしてやる」

HAYATO「久しぶりの松江大会だよ。実は俺が愛媛プロレスでデビューして3試合目に試合したのが、ここ島根県なんだよね。だから俺にとっても帰って来れてよかったと思ってるし、もっと帰ってきたいと思うよ。みんな、待ってて。Let’s Punk!」

<宮原組のコメント>

MUSASHI「あー、クソ。前哨戦初戦だよ、取られちったよ。しかも、せーちゃんのフィニッシュホールド、俺に出しやがって。せーちゃん、どこ行った? せーちゃん、ゴメン。前哨戦、取られちゃったよ。ただ明日、やり返すよ」

宮原「凄かったな、松江の皆さんの、スーパースター宮原健斗への“ウェルカム”の声援。凄まじいパワーをもらったよ。明日は神戸だ、神戸の皆さんが俺を待っている。ところで、野村直矢! どこ行ったんだ? 9・6宇都宮まで、俺の前に姿を現さないつもりか、野村直矢? 野村直矢、9・6宇都宮、どんな雰囲気になるのか。プロレスファンは楽しみにしてるぜ。さあ野村直矢、9・6宇都宮で俺の前に立つテメエの顔がどんな顔なのか、俺含めてプロレスファンも楽しみにしてるぞ。俺が必ず野村直矢を倒す!」

※田村はノーコメント

<第5試合>
王道トーナメント 1回戦 時間無制限1本勝負
鈴木秀樹 vs オデッセイ

 セミファイナルはトーナメント1回戦で鈴木秀樹とオデッセイが激突。HAVOCの新メンバーとして8・3大田区大会から全日本マットに参戦しているオデッセイは、184kgの巨体を生かしたパワーファイトでファンのド肝を抜くとともに、対戦相手を圧倒。多彩なレスリングテクニックを持つ秀樹はいかなる戦法で攻略を試みるのか?

 開始早々、ロックアップで組み合うと、オデッセイが秀樹を突き飛ばす。ヘッドロックでとらえてショルダータックルで倒すと、さらにでんぐり返しの要領で秀樹を圧殺する。秀樹は場外で間を取ってからリングに戻る。手四つの力比べもオデッセイが圧倒。なかなか攻略の糸口が見つけられない秀樹だが腕を取り巧みな身のこなしでバックに回る。しかしオデッセイに弾き飛ばされて、場外に転落。場外でもオデッセイが攻勢に出て、ベアハッグの要領で担ぎ上げて鉄柱に衝突させ、持ち上げてエプロンにも叩きつけるなど、秀樹に反撃の隙を与えない。

それでも秀樹はオデッセイの串刺しをかわし、腹部にエルボー。さらにぶら下がり式の首4の字固めから、オデッセイの左足をとらえてレッグブリーカー。ニードロップからサーフボードストレッチ。脱出したオデッセイはカウンターでクロスボディーアタック。軽快な動きで串刺しボディーアタック、ランニング・エルボードロップと畳みかける。秀樹はオデッセイをエプロンに出すと、ドロップキックで場外に落とす。スライディングキックから場外で激しくストンピングを落とす。リングに戻し、ローキックから延髄斬りでオデッセイに片ヒザをつかせ、オクトパスホールドで絡みつこうとするも、振りほどかれてしまう。オデッセイはカウンターで秀樹をキャッチし、アバランシュホールドで叩きつける。続けてのジャーニーズエンド(旋回式スクラップバスター)で3カウント。

オデッセイが実力者の秀樹を難なく料理して、圧倒的な破壊力をアピール。現世界タッグ王者を撃破し、バックステージではタッグベルト取りにも意欲を見せた。トーナメント2回戦(9・6宇都宮)での関本大介との超肉弾対決にも期待と注目が集まる怪物ぶりを見せ、ほかの選手にとっては厄介すぎる大きな脅威となりそうだ。

<オデッセイのコメント>

オデッセイ「どうだ、見たか! HAVOCが王道トーナメントで優勝してみせる。確かに秀樹は才能があり強いが、俺には及ばない。俺はチョー強いからな。そして今、HAVOCには勲章が必要だ。いまからカレンダーに印をつけておけ。秀樹、俺たちをタッグベルトに挑戦させろ。HAVOCが破壊してやるぜ」

<秀樹のコメント>

秀樹「ちょっと座って…ベルト落としちゃいけないですね。なにも通じなかったですね。体重だけじゃないですね。すべてにおいて負けてた気がします。強い、全日本プロレスはデカい。所属になってあらためて実感しました。小賢しいのは通用しねえな」

<第6試合・メインイベント>
王道トーナメント 1回戦 時間無制限1本勝負
芦野祥太郎 vs デイビーボーイ・スミスJr.

 メインイベントで組まれたトーナメント1回戦は、今年の『チャンピオン・カーニバル』公式戦(4・28高松)以来となる芦野祥太郎vsデイビーボーイ・スミスJr。前回の対戦ではスミスからアンクルロックでギブアップを奪った芦野は、先日の8・24後楽園大会の前哨戦(6人タッグマッチ)でもタップアウトを奪うことに成功。磨きをかけてきたサブミッション技で三たびのギブアップ勝ちを狙う。

 芦野はザイオンとオデッセイに送り出されるようにしてリングに向かう。ゴングが鳴ると、じっくりとしたグラウンドの攻防。腕の取り合いとヘッドロックの決め合いが軸となり、スミスはショルダータックルで芦野を倒すと、すぐにグラウンドでケサ固めの要領で締め上げていく。ジリジリと痛めつけられる芦野はスミスの左足にニークラッシャー。スミスもエルボーを返すが、芦野はうまく足を取りアンクルロックを狙う。スミスが脱出すると、すかさず後頭部にエルボースマッシュを放ち、ニュートラルのコーナーマットを外す。芦野はスミスの左足を持って担ぎ上げ、金具むき出しのコーナーに叩きつける。スミスは場外で苦悶の声を上げる。芦野は場外でもスミスに左足を痛めつけ、ブレーンバスターを狙う。しかしこれはスミスがリバースして、芦野を場外マット上に叩きつける。

芦野はリングに戻ったスミスの左足をとらえ、エプロンを利用してレッグブリーカー、さらに鉄柱も使って足を執ように攻め立てる。スミスは足攻め地獄からなかなか逃れられない。スミスは片足を取られながらも、もう一方の足で延髄斬り、さらにDDTで芦野を突き刺す。ノーザンライト・スープレックスを決めるも、左足のダメージからブリッジが崩れてしまう。それでもギロチンドロップを放ち、ブルドッグボムの体勢。これは芦野がリバースし、エルボースマッシュをかち上げる。左ヒザにドロップキックを放ち、ヒザをつかせると低空ラリアット。スミスもカウンターでラリアットを返し、バックを取る。しかし芦野が前方回転でスミスの足を取り、アンクルロックで捕獲。スミスは上体を起こすとシャープシューターに切り返すが、芦野がロープエスケープ。

芦野は投げっぱなしジャーマンからアンクルロックにつなげようとするが、スミスが蹴飛ばして脱出。スミスはカウンターでパワースラムを決め、パワーボムで叩きつける。芦野は隙を見つけてスミスの足を取り、アンクルロックをガッチリと決める。スミスは脚力を使って振りほどき、芦野を金具むき出しの鉄柱に衝突させる。フラフラとする芦野を見たスミスはチャンスととらえ、素早くバックドロップを放つ。続けて腕を突き上げるアピールからバックドロップ・ホールドを決めて、足攻めに苦しみながらも3カウント奪取。チャンピオン・カーニバルでの借りを返して、トーナメント2回戦進出を決めた。

 スミスはマイクを手にすると、ファンへの感謝を口にして起立を促す。そして観客とともに「1、2、3、アイ・ラブ・ゼンニッポン!」と叫び、四方の客席に「オー、オー、オー、オー!」のアピールを見せて大会を締めた。

<スミスのコメント>

スミス「芦野、いまの気分はどうだ? 今日は俺の日だったようだな。8月はデイビーボーイ・スミスJrの季節だ。なんたって俺は獅子座だからな。今日の試合は熱かった。まるでいまの日本の気候と同じように、そして王道トーナメントと同じようにな。芦野を倒し、残りのヤツらもドミノ倒しのように倒れていくだろう。いまオマエらが見ているのは、王道トーナメントの優勝者だ。これがデイビーボーイ・スミスJrだ。1、2、3、アイ・ラブ・ゼンニッポン!」

<芦野のコメント>

芦野「今日は負けちゃいけねえ理由がいくつもあった。だけど負けたよ。はるばる遠くから全日本プロレスに来てるザイオンとオデッセイに申し訳ねえ。ただな、HAVOCは止まらねえぞ。We are HAVOC」