「第12回 王道トーナメント」【1回戦】8月31日(日)神戸大会詳報&試合後コメント
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8.24後楽園ホール大会で開幕した『第12回 王道トーナメント』。6年ぶりとなる神戸サンボーホール大会では、2回戦・残りの3枠を巡る3試合がおこなわれ、メインイベントは三冠チャンピオン・斉藤ジュンと前年度覇者・綾部蓮が激突する注目の大一番となった。
〈第1試合〉
タッグマッチ 20分1本勝負
田村男児 佐藤光留 vs 芦野祥太郎 オデッセイ

神戸大会のオープニングを飾ったのは、“HAVOC”芦野祥太郎・オデッセイ組とJr. TAG BATTLE OF GLORY2020優勝チーム田村男児・佐藤光留組のタッグマッチ。
鈴木秀樹を破り王道トーナメント1回戦を突破したオデッセイは、光留の蹴りをものともせず肉弾ファイトで圧倒。芦野と連続串刺し攻撃を仕掛けると、HAVOCポーズで絆をアピール。芦野に俵返しを決められた光留だが、ジャンピング・ハイキックをお見舞いして田村にチェンジ。代わった田村が強烈なタックルを連発して流れを引き寄せる。オデッセイの重爆ボディプレスを被弾しても、串刺し攻撃をかわしてラリアット。コーナーに控える光留も同時に延髄斬りを決めていく。連携で芦野を排除すると、オデッセイにも狙ったが、オデッセイは全体重を乗せたラリアットで鎮圧。抵抗する田村はエルボー、ショートレンジ・ラリアットで進撃を止めたが、オデッセイは変形のスクラップバスター、ジャーニーズエンド。圧巻の一発で田村を料理すると、パートナーの芦野を軽々と抱き上げて勝利の喜びを表現した。
<HAVOCバックステージコメント>
芦野「昨日、(王道トーナメント1回戦で)デイビーボーイ・スミスJr.に負けたけどな。HAVOCは止まらねぇぞ。HAVOCは通常運転、このまま突き進んでいくぞ」
〈第2試合〉
タッグマッチ 20分1本勝負
“ミスター斉藤”土井成樹 他花師 vs 黒潮TOKYOジャパン 立花誠吾

GAORA TVと全日本プロレスTV認定6人タッグの2冠チャンピオン・他花師が、”ミスター斉藤”土井成樹とのタッグで登場。2021年11月の吉田隆司時代には、DRAGONGATEのタッグベルト、オープン・ザ・ツインゲート王座を獲得している実績あるコンビが、アップタウンの黒潮TOKYOジャパン&立花誠吾が対戦した。
試合前、8.3大田区大会でGAORA王座奪取に失敗した黒潮が「挑戦させろ!」と詰め寄ると、他花師は「いいよ!」と即受諾。2人がリングを下りて場外でやり合うと、試合開始のゴングが鳴り、リング上に残された土井と立花は困惑。腕を取られて他花師が「ギブアップ!」と何度も叫んだが試合は続行。黒潮がベルトを高々と上げて王座奪取をアピールすると、ツッコミを入れた相棒の立花を客席に投げ捨て仲間割れ。リングに戻ると、先ほどの仲たがいが嘘かのようにアップタウンコンビが息の合ったコンビネーション。土井に連続攻撃を仕掛けていく。他花師が土井ちゃんコールを発動させると、土井は黒潮のコーナー倒立をロープワークで崩す。立花に低空ドロップキックを突き刺すと、他花師が地獄突き、モンゴリアンチョップの乱打。盛り返した立花も地獄突きを封じるべく指をロック。イケメンのトラースキックを呼び込み他花師を場外に落としたが、どちらが場外ダイブを決めるかで揉めてしまう。リング下の土井が黒潮の足を引っ張り、孤立した立花にロックオン。他花師のチャンピオン・カーニバル2019(延髄斬り)が火を吹くと、土井のサマーソルトドロップを挟んでセントーンが炸裂。黒潮のカットが間に合いカウント2。土井は黒潮を排除するべくDOI555からバカタレスライディングキックへ。しかし、他花師に直撃すると、立花が戸惑いながら押さえ込んで3カウント。他花師が敗北も土井はガッツポーズを見せた。
マイクを握った立花がGAORA王座獲りに動くと、黒潮も「オレに挑戦させろ!」と自己主張。土井が割って入り「誤爆が挑戦表明だと思ってもいい。めんどくさいからオレたち4人で4WAYやったらええんちゃうか!?まとめてやったらええやんけ!」とアピールすると、場内は拍手喝采。息絶え絶えの他花師は、「オマエら勝手に決めて…、ありがとうございます」とおちょけると、威勢よく「おもろいやんけ!4WAY、どうせならもっといっぱいでやりましょうや!オイ!誰でもいい。GAORAのベルト欲しいやつら、名乗り出てこいや!」と絶叫。しかし、誰も現れない。まさかの展開に他花師は、「このあとXでポストするから。インスタのDMでも、YouTubeのスパチャでも待ってるからな!全員まとめて、他花師がシャラップ」と、この場を締めた。
<他花師・土井バックステージコメント>
他花師「アホンダラ!オイ!そんなにオマエら、このベルトが欲しいんか?オイ!誰でもええやんけ。どうせやったら、大人数で競り合ったらええんちゃうか。コラ!他花師が全員シャラップするからよ。最後に一言、他花師とかけまして、鳥の理想的な鳴き声と解く、その心は、どちらもカッコウがええでしょう。シャラップ」
土井「見ての通りGAORAと言えばオレやろ!オイ!他花師からGAORA TV王座獲って、他花師シャラップさせたるから。GAORAと言えばオレやろ!」
<黒潮&立花バックステージコメント>
黒潮「今この試合終わったら、コメントまだ言ってないのにめちゃくちゃ気抜けて」
立花「じゃあ帰れよ」
黒潮「なんだよ!テメー!何GAORA便乗して!いいだろ去年1年くらい持ってたんだからよ」
立花「オレじゃねぇベルトになって、どんどんどんどんヘンテコなベルトになってるから、もう一回オレがベルトを獲って、あの価値を上げてやるんだよ」
黒潮「バカ!もう一回オレが獲ってポン酢つけてやるんだよ!」
立花「バカ!ようやくポン酢の匂いがかき消されてきたのによ」
黒潮「まぁいいよ。バトルロイヤルでやるの?なんだっていいよ。プロレスっていうのは不思議でな。人数が増えればふるほど…嚙んじゃった(姿を消す)」
立花「よし帰れ。人数が増えれば増えるほど、勝ちチャンスはない。おそらく」
黒潮「(戻って来て)逆だ!」
立花「オマエ出てくるなよ!帰るんだったら帰れよ!二度と帰ってくんな。人数増えたら勝つチャンス、そりゃないだろ」
黒潮「控室どこだっけ?」
立花「あっち。とりあえずGAORAのベルト、オレがもう一回を獲って、もう一回価値上げてやるコノヤロー、あーん」
〈第3試合〉
アジアタッグ選手権試合前哨戦8人タッグマッチ 30分1本勝負
宮原健斗 デイビーボーイ・スミスJr. MUSASHI 井上凌 vs 青柳優馬 青柳亮生 ライジングHAYATO 鈴木秀樹

第3試合はヘビー・ジュニア混成の8人タッグマッチ。8.10地元・松本で世界ジュニアヘビー級王座を奪還した青柳亮生は、初防衛戦の相手がデビュー15周年を迎えたMUSASHIに決定。青柳兄弟ではアジアタッグ王座を保持しており、こちらは“むーちゃんせーちゃん”MUSASHI&吉岡世起の挑戦表明を受け、9.15後楽園大会でのタイトルマッチが決定した。前日の8.30松江大会では、亮生がファイアバードスプラッシュでMUSASHIからピンフォール勝ちを収めている。
先発を買って出た宮原とHAYATOに続いて登場した亮生とMUSASHI。2日連続のW前哨戦となったが、この日もハイスピード&ハイレベルな攻防で会場の熱を上げていく。MUSASHIの強烈なチョップからエルボー合戦に発展。MUSASHIは低空ドロップキック→フットスタンプ→顔面ドロップキックという得意のコンボで優勢に。宮原組が連続串刺し攻撃を仕掛けていくが、負けん気を発揮した亮生はMUSASHIを迎撃。優馬がミサイルキックで飛び込むと、青柳兄弟の連携でMUSASHIを痛めつける。ローンバトルが続いたMUSASHIは、コンビネーションから切り抜け、亮生のハンドスプリング弾を優馬に誤爆させた。宮原はビジネスタッグのパートナー・優馬に怒涛のラッシュ。優馬もロックボトムでやり返し、秀樹がネックブリーカードロップ、ニードロップで追撃。宮原が反撃して、スミスがジャンピング・ニーからバックドロップの体制。耐えた秀樹は逆さ抑え込みをカウント2で返してカナディアンロッキーバスター。10分経過。井上がHAYATOのスピードに手を焼きながらも鋭い打撃で青柳組を一掃。亮生のダイブもドロップキックで迎撃して勝機を引き寄せた。宮原組が孤立したHAYATOに集中砲火。井上のハーフハッチ・スープレックスは亮生のカットでカウント2。宮原組が分断作戦に出るとMUSASHIがトペ・コンヒーロを発射。井上は大観音スープレックスで仕上げにかかったが、亮生が助けに駆けつけHAYATOと合体攻撃。亮生がケブラーダで相手チームを足止めすると、すかさずHAYATOがシド・ヴィシャスで宙を舞い完全決着。試合後も優馬とMUSASHIが激しくやり合うと、優馬は吉岡のフィニッシャーであるクラッシュドライバーでMUSASHIを完全KO。青柳兄弟は動けないMUSASHIを蹂躙すると、アジアタッグのベルトをアピールして退場した。
<青柳組バックステージコメント>
優馬「オイ!吉岡世起はどこにいるんだ。いいのか吉岡世起、オマエのパートナー、ボロ雑巾だぞ、すでに。昨日の松江の時点で、すでにボロ雑巾だったけどな。今日よく頑張ってたと思うが結局ボロ雑巾にしてやったよ。吉岡世起いいのか。オマエのパートナー、今グチャグチャだぞ」
亮生「青柳優馬の新技によって」
優馬「そうだ、青柳優馬の完全オリジナル新必殺技『吉岡世起のいぬ間に』が今日も決まってしまった。ボロッボロだよ。9.15、楽しみにしてろよ。次は吉岡世起、オマエに決めてやるからな。覚悟しとけ」
亮生「むーちゃんせーちゃん、ボロッボロだよ」
HAYATO「青柳兄弟の怖い一面みたいなの見えちゃったね。みんな忘れてるかもしれないけど、今日の試合、実は勝ったのオレなんだよね。まぁいいや。久しぶりに神戸に来れてよかったよ。みんなありがとう。Let‘s Punk!」
<宮原組バックステージコメント>
宮原「すごいな、オイ6年ぶりの神戸サンボーホールは。充満してるな、プロレス熱が。さぁ次は9.6宇都宮。野村直矢、いよいよだ。どうやら9.6まで、オマエはオレの前に姿を現さないらしいな。9.6、聞くところによるとプロレスファンは大いに期待してるらしい。まだまだ期待感は上がっていくだろう、9.6まで。野村直矢、王道トーナメント2回戦、舞台は整ったぞ。オレらがリング上で再会する舞台は整ったぞ。宇都宮、野村直矢、勝負や」
MUSASHI「あー、くそ…。青柳優馬、あれはせーちゃんの技だろ。くそ…、許さねぇ。青柳兄弟、許さねぇぞ」
井上「クソ!また負けた。チクショー。絶対次勝ってやるからな」
〈第4試合〉
王道トーナメント 1回戦 時間無制限1本勝負
本田竜輝 vs 羆嵐

神戸大会の後半3試合は、王道トーナメントの1回戦。5年連続5度目の出場となる本田は2023年と2024年、2年連続の準優勝であと一歩の所で頂点獲りを逃している。1回戦の相手は、新弟子時代に基礎をイチから教えてくれたという先輩の羆嵐(2年連続3度目の出場)となった。
本田の若手時代以来となる一騎打ちは、リストの取り合いから本田がヘッドロックを仕掛け、羆嵐も投げられたと同時に素早くヘッドシザースを決め互角に攻防。ロックアップから羆嵐がロープに押し込むと野性の雄叫び。本田もクリーンブレイクと見せかけ、雄叫びをオマージュしてエルボー。肉弾戦が繰り広げられると渾身のタックルで本田が優勢になり、反則カウント1・2・3・4で持ち味を発揮する。羆嵐もカウンターの体当たりからセントーン。場外戦に突入すると、鉄柵に叩きつけていった羆嵐がエプロンからセントーンを投下。場外カウント9でリングに生還した本田は、一心不乱にエルボーを連打。ナックルパンチを喰らってもスピアで突っ込んでいった。串刺しラリアットを叩き込むとスパインバスター。キャメルクラッチで捕獲する。ロープに逃げた羆嵐がカウンターのドロップキックからアルゼンチン・バックブリーカー。そのままバックフリップで叩きつけカバーもカウント2。10分経過。羆嵐の攻撃が続き串刺しラリアット、セカンドロープからのセントーン。埼玉に乾杯!は本田が決めさせず再びエルボー合戦。本田は串刺し攻撃をかわして後頭部へのラリアット、投げっぱなしジャーマン。ブレーンバスターからトドメのラリアットを狙ったが、羆嵐はボディアタックでシャットアウト。ショートレンジ・ラリアットの打ち合いは羆嵐が制して埼玉に乾杯!。完璧に決まったが本田はカウント2.9でキックアウト。ならばと羆嵐はコーナー最上段からダイビング・セントーン。本田は間一髪かわしてラリアットで正面衝突。執念でなぎ倒すとロープへ走ってもう一発。これでも羆嵐が沈まないと見るや最終兵器・ファイナルベントで羆嵐超えを達成。9.3新木場大会の2回戦では、芦野を破ったスミスと激突する。
<バックステージコメント>
本田「シャー!オイ!羆嵐から勝ったぞ!やった!やった!羆嵐にはオレが新弟子の頃から基礎だったり、いろんなことを教わった。正直すごい感謝してる。だから今日だけ、ありがとうございました。よし以上、次!デイビーボーイ・スミスJr.、2回戦も突破してオレがぶっ倒してやる!」
羆嵐「いやぁ、強かったね。本田ね。あんなにガリガリの1か月ももたないくらいで辞めると思ってた新弟子がいつの間にか、全日本プロレスの中心選手になって、羆嵐を数年後に倒すという。なんて言うの、ドラマって言うんですか。でもそんなのにオレは浸ってないですよ。あんな3年も4年も5年も後輩のヤツにね、負けてオレは悔しい。本気で決勝まで行って青柳優馬と闘って優勝する気持ちだったから。非常に悔しい。全日本レベル高いですね。(シングルは)2回目だか3回目だか、たぶんオレが初めて負けたから。また機会があればこういう公式戦でやりましょうよ。いやぁ、今日はオレの負けです。明日やったら分かんねぇけどな。以上。ハァー…声出ねえや」

〈第5試合〉
王道トーナメント 1回戦 時間無制限1本勝負
大森北斗 vs ザイオン

3年連続4度目の出場となる大森北斗と初出場・ザイオンのトーナメント1回戦。北斗は記者会見でザイオンについて「ラグビーキャラのイロモノで明らかにかませ犬」と見下した発言を残し、「最強ユニットである証をまた一つ手に入れたい」と意気込みを語った。両者はシングル初対決。北斗はクリーンファイトを約束してザイオンと握手。試合がスタートすると、ロープに押し込んだ北斗がナルシストポーズ。一旦離れるとザイオンは、拷問のようなヘッドロック。たまらず場外に逃げた北斗は、リング下からザイオンの背後に回って翻弄。セコンドの他花師が助太刀して地獄突きを叩き込み場外戦へ。北斗軍が2人がかりでラフプレーを仕掛けていった。怒りのザイオンはリングに戻ると、ブレーンバスターをリバース。力いっぱいコーナーに叩きつけると二段蹴りを決め、レインメーカー式に引き込んでのサモアンドロップ。レフェリーのカウントを妨害した他花師がはしゃいでいると、芦野とオデッセイが詰め寄り邪魔者を制裁する。この隙に蘇生した北斗は急所攻撃を連発。しかしザイオンは効いていないとばかりにハカポーズ。丸め込みもクリアすると、カウンターのジャンピング・エルボー。すかさずダイビング・ヘッドバットを直撃させ、北斗軍のリーダーを完全粉砕してみせた。1回戦を突破したザイオンは、今大会のメインイベントで行われる綾部蓮vs斉藤ジュンの勝者と9.3新木場大会で対戦する。
<バックステージコメント>
北斗「ザイオン、オマエがHAVOCのリーダーなのは見て分かるよ。顔になんかついてるしな。まさかオマエ、初シングルで知らなかったけどよ、アイツのお〇んちんはサモアンだったな。だからか、強ぇわけだ。だが、もう1回分かっちまったら次は通用しねえぞ。テメエのサモアンお〇んちんをオレがグチャグチャにしてやるよ!」
〈第6試合・メインイベント〉
王道トーナメント 1回戦 時間無制限1本勝負
斉藤ジュン vs 綾部蓮

4年連続4度目の出場で前年度優勝者の綾部蓮は、王道トーナメントへ向けた記者会見で「去年よりはるかに強くなってしまった綾部蓮というものを証明して、今年も王道トーナメント、連覇しようかなと思います」と予告。三冠ヘビー級チャンピオンに君臨する斉藤ジュンは、3年連続4度目の出場。盤石の防衛ロードを築いており、「オレが優勝した暁には、次の三冠戦の挑戦者を逆指名してやる。やりたい奴はもう見つけているんだ」と明かし、トーナメントに臨んだ。
第12回 王道トーナメント1回戦・最後の試合。神戸で実現した極上のシングル初対決は、がっちりとロックアップで組み合うと、離れ際に綾部はジュンが束ねていた後ろ髪を解き、頭を撫でて挑発。ジュンも負けじとロープに押し込み返し綾部の頭を撫でてみせた。綾部が突進をかわすと、フロントハイキックでジュンを場外に落とす。客席まで移動して白熱のエルボー合戦。綾部は鉄柱に振ろうとしたが、逆に叩きつけられて大ダメージ。何度も鉄柵、鉄柱に叩きつけて優勢となったジュンは、リング上で大の字になった綾部にエルボーを落とす。防戦一方となった綾部は、串刺し攻撃を阻止してエルボー。ランニング・ネックブリーカーを豪快に決めると、追撃のフロントハイキックをお見舞い。アイアンメイデンを狙ったが、ジュンは完全に決まる前にエスケープする。綾部がロープに走ると、ジュンが追走してタックル。コーナーにもたれた綾部の顔面を打ち抜くとブレーンバスターで投げ切った。チョークスラムを決めさせない綾部が鋭いエルボーを打ち込めば、ジュンも引かずにスピア。
両者、膝立ちの状態からエルボーを振り抜き、ジュンが強烈な張り手にスピア。サイコブレイクは決めることができなかったが、頭突きで黙らせて追撃のヒザ。カウント2。意地でもサイコブレイクを決めさせない綾部。フロントハイキックの壮絶なラリーが続き、試合開始から15分が経過。かろうじて優勢となった綾部は、雪崩式ブレーンバスター。渾身のドロップキックはカウント2止まり。得意のアイアンメイデンで仕留めにかかる。リング中央でガッチリ極まったが、ジュンが長い脚を伸ばしてロープエスケープ。綾部が追撃を狙うと、ジュンは顔面を張り飛ばしてローリング・ラリアット。さらにジャックハマーを敢行。ギリギリで肩を上げた綾部は、Dying Lightを被弾したが、ニアロープで命拾い。ジュンが奥の手・Days Goneの体制に入っても、抜け出してドロップキック一閃。投げっぱなしドラゴン・スープレックスをカウント2で返されても、必殺のデスルーレットで灼熱の一戦に終止符を打った。
三冠チャンピオン・ジュンが1回戦で姿を消し、進化を続ける大巨人・綾部が2連覇へ会心のスタート。そして、9.3新木場大会でおこなわれる2回戦のカード、綾部vsザイオンが確定。三冠王者狩りをやってのけ、自信に満ちた表情を見せた綾部は、「圧倒的強さを見せてこのオレ綾部蓮が文句なしの勝利を収めて今年もトロフィーをいただくとするよ」と改めて優勝を宣言し、神戸大会を締めくくった。
<リング上のマイク>

綾部「1回戦突破だ。王道トーナメント2025・1回戦、vs現三冠王者・斉藤ジュン。言わずもがな斉藤ジュン、めちゃくちゃ強かった。ただこのオレ綾部連が、その上を行ってしまった。それだけの話だ。やっぱり楽しいね。強いヤツと闘うのは最高にワクワクする。2回戦の相手はザイオンか。9.3新木場、ザイオンと初シングル。勢いのあるハヴォックだが、綾部蓮の前では無力だということを分からせてやる。そして神戸、今の闘いを見ればわかるだろ。今年の王道トーナメントも頂に立つのは誰かということを。そう、綾部蓮一択だ。次の2回戦、そして9月15日、後楽園ホールの準決勝、そして決勝、圧倒的強さを見せてこのオレ綾部蓮が文句なしの勝利を収めて今年もトロフィーをいただくとするよ。つまり、今年の王道トーナメントもはるか高き頂に立つのは、このオレ、綾部蓮だ」
<バックステージコメント>
綾部「よし、1回戦突破だ。今年の王道トーナメント、1回戦から現三冠王者・斉藤ジュン。やっぱりめちゃくちゃ強かったよ。シングル初めて闘ったけどね。7回、三冠王座を防衛してるだけのことはあるよ。ただ、今の結果を見ればわかる通り、その上を行ってしまったのがこのオレ、綾部蓮ということだ。見てる人も分かっただろ、綾部蓮の強さってのが。前回覇者として連覇の可能性があるのはこの綾部蓮だけ。なかなかプロレス界で連覇っていうのはそう多くはないが、綾部蓮が危なげなく2025年もトロフィーを手にして、連覇してしまうだろうな。王道トーナメント=綾部蓮になる日もそう遠くないだろ。そして2回戦、9月3日新木場ではザイオン戦か、決まったな。ザイオンも初シングル。やるにあたって2つ分かってることがあるんだ。まず1つ、確実にめちゃくちゃ楽しいということ。これは間違いない。そしてもう1つ、勝利するのは綾部蓮ということだ。つまり、新木場のリングでザイオンは沈むことになるんだ。それまで楽しんでくれ」
ジュン「言い訳はしない。今日負けたのはオレだ。だが、この借りはキッチリと返してやる。DOOM!明石焼きと高砂のきんつば、食べたかったな…」