「旗揚げ記念シリーズ2025」~ファイブイズホームpresents~10月11日(土)行田大会詳報&試合後コメント 全日本プロレス

「旗揚げ記念シリーズ2025」~ファイブイズホームpresents~10月11日(土)行田大会詳報&試合後コメント

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「旗揚げ記念シリーズ2025」開幕戦となる10・11埼玉・行田グリーンアリーナ大会。世界タッグ選手権と世界ジュニアヘビー級選手権の2大タイトルマッチ、さらにHAVOCの新メンバー登場、北斗軍×アップタウンの業務提携軍の初陣など、注目カードがラインナップされた。 

〈第1試合〉
斉藤ブラザーズ vs バカの時代 6人タッグマッチ 20分1本勝負
斉藤ジュン ”ミスター斉藤”土井成樹 セニョール斉藤 vs 真霜拳號 佐藤光留 立花誠吾

オープニングマッチは斉藤ブラザーズとバカの時代の対抗戦。ヘビー・ジュニア混合となった6人タッグマッチは、真霜拳號がセニョール斉藤の腕を極めて先手を取り、強烈なミドルキックを叩き込む。“ミスター斉藤”土井成樹と佐藤光留の攻防では、土井がサマーソルトドロップを投下すれば、佐藤もアキレス腱固めで応戦。バカの時代が土井を捕らえて集中攻撃を仕掛けていく。ローンバトルが続いた土井は、真霜と佐藤の連携を阻止して低空ドロップキック。同士討ちを誘って斉藤ジュンにタッチ。三冠王座陥落から再スタートとなったジュンは、ボディスラム、ブレーンバスターで桁違いのパワーを見せつける。真霜がDDTで反撃の狼煙を上げると、立花誠吾が「オレが行く!」とタッチを要求。10・14新木場大会でのシングルマッチが決まっているジュンを討ち取ろうと、勢いよく襲い掛かったがビッグブーツを喰らってしまう。それでも一心不乱にエルボーを打ち込み、ブレーンバスターも切り返して丸め込み。佐藤が延髄斬りで援護すると、逆さ押さえ込み。これはセニョールがカットしてカウント2。その後も必死に喰らいついた立花だが、チョークスラムで叩きつけられ失速。なんとか自力で肩を上げたが、ジャックハマーが炸裂してジ・エンドとなった。

一仕事終えてマイクを握ったジュンは、右肩を負傷して欠場中の弟・斉藤レイが無事に手術を終え、復帰に向けて動き出していることを報告。昨年の世界最強タッグ決定リーグ戦で初優勝を飾ったが、レイが欠場中のため「今年の最強タッグリーグ辞退させてもらうぜ」とコメント。「オレのパートナーは弟のレイ以外あり得ない」と言い切ると、「レイが完全復活して戻ってきたら、来年の最強タッグ、必ず斉藤ブラザーズがぶっちぎりで優勝するからみんなそれを楽しみにしていてくれ」とアピールした。

<試合後のジュンのマイク>

ジュン「みんな、全日本プロレスを楽しんでるか?甘いものを食べてDOOMしてるか?今日はみんなに言いたいことがある。まずは、弟の斉藤レイについてだ。無事に手術は終わって、今リングに帰ってくる準備をしている。あいつは必ずパワーアップして帰って来るから、みんな安心してくれ。そして、もうひとつ。今年も最強タッグがやって来るな。弟のレイが肩の手術でいないから、オレのパートナーがいない。これがどういうことか分かるか?オレの答えは、レイが出ない時点で最初から決まっている。このオレ、斉藤ジュンは今年の最強タッグリーグ辞退させてもらうぜ。いろんな意見があると思う、だが、これはオレが考えて出した答えだ。斉藤ブラザーズでミスターやセニョール、仲間はたくさんいるが、最強タッグのオレのパートナーは弟のレイ以外あり得ない。去年の優勝したタッグチームが出ないのは、どういうことかよーく分かっている。だが、レイが完全復活して戻ってきたら、来年の最強タッグ、必ずレイとオレの斉藤ブラザーズがぶっちぎりで優勝するからみんなそれを楽しみにしていてくれ。オレからは以上だ。聞いてくれてありがとう。DOOM!」

<斉藤ジュンのバックステージコメント>

ジュン「OK。今日もきっちりとDOOMしてやったぜ。まぁ言いたいことはいろいろとあるんだが、とりあえず次の10・14新木場でオレがみんなのアニキ・立花誠吾とのシングルがまた決まっているな。このあいだオレがヤツをボコボコにしたばかりだ。それでまたアイツとシングルをまたやれと。アニキとのシングルは楽しいんだが、もっと別のカードをオレに用意してほしいな。オレはちゃんと伝えたぜ。DOOM!」

<バカの時代のバックステージコメント>

佐藤「怪我したらどうするんだ。プロレス界の好感度ナンバーワン、立花誠吾に怪我をさせたら謝罪じゃすまないぞ。アニキ!大丈夫ですか?」

立花「ぜんぜん大丈夫だよ。ぜんぜん大丈夫だけど、首と腰、ヒザ以外、全部痛いかも…」

佐藤「何か今日、入場して新しいポーズでしたか?」

立花「28にして大人の階段を一段上がった気がする。今日はみんなの力、人に支えられるというのはこういうことだというのはちょっとだけ伝わった。でも、そんなの関係ねぇ。一段上って、また一段下りてやる。アーン」

真霜「ちょっと意味が分からないっすね」

立花「オイ、コノヤロー、全日本プロレス!今日は斉藤ジュン強かったよ。元三冠チャンピオンだからな。何回もシングルやったしな。このあいだの新木場大会で言ったよな。オマエかカード決めてるのは?誰だ、決めてるやつ。前も言ったよな、ヘビー級とジュニアヘビー級、なんで分かれているかって。それはな明確に実力差、体重差があるから。なんで新木場、また斉藤ジュンとなんだよ!ぜんぜん痛くねぇよ。あぁ~ん?オレが勝てるやつ用意しろよ。そろそろ見たいだろ、新木場に来てるやつらもオレがシングルマッチで勝つところを。だから福田社長に言っておけ、オレは斉藤ジュンじゃなくて、オレより弱いやつとシングルマッチをやる。言っておけ、ちゃんと。あぁ~ん?」

〈第2試合〉
6人タッグマッチ 20分1本勝負
大森北斗 羆嵐 黒潮TOKYOジャパン vs 田村男児 ATM 小藤将太

9・23立川大会で黒潮TOKYOジャパンがGAORA TV王座に返り咲くと、タイトルマッチを争った大森北斗が打倒HAVOCを掲げてアップタウンに業務提携を持ち掛けた。黒潮と立花が受諾し、北斗軍×アップタウン業務提携軍が誕生。それに伴いユニット名をSNSで募集。北斗がユニット名の候補が書かれた紙が入った抽選BOXを持参して入場し、黒潮がその中から1枚引いてユニット名が決定。業務提携軍が「Gボーイズ」とアナウンスされると、黒潮は「Gボーイズだけはねぇよ」「そもそも候補に入れるなよ、Gボーイズ!」としぶい顔を見せた。

羆嵐vs田村で試合がスタート。羆嵐が自慢の怪力を発揮すれば、田村もヘビー級にも匹敵するパワーで対抗。田村が豪快なタックルで羆嵐をなぎ倒す。代わったATMは羆嵐に捕まってしまい、黒潮がコーナー最上段からダイブを狙う。お金と書かれた封筒を取り出したATMは、「お金あげるから。3秒だけ寝てくれ」と要求。「よ~く考えよ~、お金は大事だよ~」と歌い出したが、黒潮は「いらねぇよ!」と断固拒否。ならばとATMはレフェリーを買収。ジャケットパンチを放った黒潮がカバーに入ると、あきらかにカウントが遅い。逆にATMがヒップアタックからカバーすると今度は高速カウント。Gボーイズが串刺し攻撃を狙ったが息が合わず、OSW・小藤将太の反撃がスタート。連続串刺し攻撃の餌食となった北斗だが、フィッシャーマンズ・スープレックスをクリア。小藤のダイブを回避すると、羆嵐が串刺しラリアットを叩き込んだと同時に黒潮が延髄斬り。北斗軍スペシャルを宣言したが、北斗だけが叩きつけられて失敗。それでも北斗は孤軍奮闘。田村と小藤、お金を差し出したATMをRKOでなで斬りにすると、「お金よりも大切なものがある!」とシャウト。コーナー付近に小藤をセットすると、黒潮のスワントーンボム、羆嵐のダイビング・セントーン、北斗のナルシストプレスという連続爆撃で3カウントを奪取。業務提携軍・Gボーイズとしての初陣を白星で飾った。

<Gボーイズのバックステージコメント>

北斗「オイ、見たか!オレたちGボーイズの力を見たか」

羆嵐「ちょっと待て、GボーイズのGってなんだ?」

北斗「オマエが言ったんだろ」

黒潮「ゲロだろ。ゲロボーイズだろ」

羆嵐「Gボーイズの本家(『池袋ウエストゲートパーク』に登場するGボーイズ)のリーダー知ってるか?タカシだぞ、どうすんだよ」

北斗「オマエが入れたんだろ。会場が変な空気になった」

羆嵐「引くなよ!誰引いたの?」

黒潮「オレだよ。引いたのじゃない、入れたの誰だよ?」

羆嵐「オレだよ。なんだよGボーイズって、飲み会のノリだろ」

黒潮「気持ちを切り替えてよ。名前もついたことだし、オレたち残りのプロレス人生、Gボーイズとして生きようぜ」

羆嵐「マジかよ、やべぇぞ」

北斗「ポーズは?」

黒潮「こうだね。(両腕でGの形を作る)向こうから見てGになってるかな?」

羆嵐「これブラックめんそーれ大丈夫?」

黒潮「こういうのどう?(右腕で力こぶを作って指をさしGを作る)むずいって、Gボーイズのポーズ募集しよう。募集して、また抽選で決めるから。こうなったらチーム抽選だよ」

北斗「とりあえず、これで(右腕で力こぶを作って指をさしGを作る)。オレたちがGボーイズだ!」

〈第3試合〉
アジアタッグ選手権試合前哨戦 タッグマッチ 30分1本勝負
綾部蓮 MUSASHI vs 本田竜輝 ライジングHAYATO

MUSASHIは、9・15後楽園大会で吉岡世起とのむーちゃんせーちゃんで青柳兄弟からアジアタッグ王座を奪取。9・23立川大会では、青柳亮生が保持する世界ジュニアヘビー級王座に挑戦するも、亮生がファイヤーバードスプラッシュでベルトを死守。試合後、亮生はむーちゃんせーちゃんに借りを返すべくアジアタッグ挑戦をアピールすると、ライジングHAYATOが呼応し、10・22後楽園大会で“アツハヤ”が挑戦することが決まった。

HAYATOとMUSASHIが先発。腕の取り合いからHAYATOは強烈な張り手を叩き込み、MUSASHIも逆水平チョップ。スピーディーな攻防からHAYATOがティヘラで場外に落として、バク宙からPUNKポーズ。綾部と本田も王道トーナメント準決勝の興奮をよみがえらせる激闘を展開。HAYATOを孤立させた綾部とMUSASHIは、素早いタッチワークで代わる代わる痛めつけていく。ブレーンバスターから逃れたHAYATOは、高速ロープワークから低空ドロップキック。体力を温存していた本田がラリアットで突っ込んでいくが、綾部もブレーンバスターをリバース。逆水平チョップで続いたMUSASHIは、本田コールをかき消してドロップキックのコンボ。再びHAYATOvsMUSASHI。チョップ合戦で意地を張り合うと、延髄斬りをかわしたHAYATOがMUSASHIの背中にライオンサルト。連続串刺し攻撃から本田とのコンビネーションが飛び出すと、人でなしドライバーを狙う。綾部がビッグブーツでひっくり返して、MUSASHIのツームストン・パイルドライバーが炸裂。フルネルソンバスターを決めた綾部は、本田をランニングネックブリーカーで排除する。このチャンスにMUSASHIは、エストレージャフトゥーロ。カウント2.9で返され、二天一流の体制に入ったが、最後の力を振り絞ったHAYATOが前方回転エビ固めで大逆転勝利。レフェリーに抗議するMUSASHIだったが、結果は覆らず前哨戦はHAYATOに凱歌が上がった。

<バックステージコメント>

HAYATO「アジアタッグチャンピオン・むーちゃんに勝ったよ。悪いけど、今日の試合、手こずったのは綾部蓮がいたからだよ。もしいなかったら楽勝で勝ってたかもね。必殺技も封じられてむーちゃんどうする?まぁどうするかわかんないけど、オレと亮生を楽しませてよ。Let‘s Punk」

MUSASHI「クソ、ライジングHAYATOああいう技術も持ってたんだね。大事な前哨戦、勝たなきゃいけないのは分かってるよ。ただ、前哨戦ひとつ落としただけだよ。このアジアタッグは渡さねぇ」

綾部「やっぱりMUSASHIとのタッグは負けてしまったなぁ、MUSASHI。まあ、予想通りだ。俺一人の力でも勝とうと思ったが、やはりMUSASHIとの意思疎通は図れないようだ。まあ、俺なりに努力はしてみたが、MUSASHIやはりお前は敵だ。さあ次、(10・14)新木場そして(10・22)後楽園と続く。後楽園ではいよいよタロースが日本に帰ってくる。最強タッグリーグは綾部蓮・タロース組の無双で終わってしまうからな。圧倒的絶望っていうのを見せつけてやるよ」

〈第4試合〉
タッグマッチ 30分1本勝負
宮原健斗 鈴木秀樹 vs 芦野祥太郎 X(潮﨑豪)

ザイオン&オデッセイの世界タッグ王座戴冠で猛威を振るうHAVOCは、この行田大会に新メンバーを投入することを発表。新メンバーXが芦野祥太郎と組んで、三冠ヘビー級王座返り咲きを果たした宮原健斗と鈴木秀樹の強力タッグと激突する。

緊張感すら漂う会場に芦野・ザイオン・オデッセイの3人が登場すると、続いてHAVOCパーカーに漆黒のマスクをつけた男が姿を現す。その正体は、9月いっぱいでプロレスリング・ノアを退団した潮﨑豪。まさかのXに場内は騒然となった。潮﨑は、2013年から2015年まで全日本プロレスに所属。第51代三冠ヘビー級王者として歴史に名を刻み、2度の世界タッグ王座戴冠、第2回王道トーナメント優勝(2014年)という輝かしい実績を残した。宮原とは、2013年11月からユニット「Xceed(エクシード)」として共闘。2015年5月には世界タッグ王座を獲得したが、潮﨑の全日本プロレス退団によって王座を返上し、ユニットも解散となった。

HAVOC仕様のフェイスペイントを施し、再び全日本のリングに足を踏み入れた潮﨑は、コーナーに上がりHAVOCポーズ。潮﨑の登場に戸惑いを隠せなかった宮原だが、ゴングを待たずしてビッグブーツで襲撃。試合開始のゴングが鳴り、場外戦で大乱闘が繰り広げられる。リングで対峙すると、潮﨑が強烈な逆水平チョップをお見舞い。宮原は再び場外に落として、ヘッドバット、ビッグブーツ。鉄柵に叩きつけると、イスを振り下ろして怨念をぶつけていく。宮原は制止に入ったレフェリーを突き飛ばすほどヒートアップ。イス攻撃での暴走が止まらず、レフェリーがゴングを要請。反則裁定によってHAVOCの勝利が言い渡された。試合後も収まらない宮原と潮﨑が取っ組み合う。セコンドによって引き剥がされると、宮原は「出たり入ったり、出たり入ったり。何がしたいんだ!」と激怒。潮﨑が「三冠ベルト挑戦させろ!」と王座戦を訴えると、宮原は10・22後楽園大会での防衛戦を受諾。タイトルマッチが決定的となり、「オレがけちょんけちょんにいじめてやるよ。オマエ潰すぞオラ」と因縁の男へ向け言い放った。

<試合後のリング上のマイク>

宮原「オイ!なんだオマエ、久しぶりだな潮﨑豪。出たり入ったり、出たり入ったり。何がしたいんだ、オマエ、コラ!何がしたいのか言ってみろ。出たり入ったり、出たり入ったりよ、オイ、コラ!」

潮﨑「出たり入ったり、出たり入ったりか。オマエのその熱い気持ちに応えて、三冠ベルト挑戦させろ!どうだ!」

宮原「オイ、オマエ言ったな、三冠ベルト。オマエ、いつの時代で頭が止まってるんだ。オレを誰だと思っているんだ。まぁいいよ。10・22でやってやろうじゃねぇか。ただよ、てめえのその何年前か分からない止まっている頭脳をオレがけちょんけちょんにいじめてやるよ。いいな。もう時代は動いてるんだ。そして最後に言っておこう。オマエ潰すぞオラ」

<HAVOCのバックステージコメント>

芦野「HAVOC新メンバーX・潮﨑豪。ありがとうございます。やったね。完璧でしたわ。リング上ですげぇこと言ってましたね」

潮﨑「何だ、宮原健斗。オレはな、全日本プロレスに戻ってきたんじゃねぇよ。HAVOC・潮﨑豪、オレはザイオンからの話でHAVOC入りを決めたんだ。HAVOCとしてHAVOCをプロレス界に轟かせてやるよ」

芦野「あとな、リング上で宮原健斗が潮﨑豪のことを過去なんだかんだ言ってたな。ちげぇよ。未来に向かってるからHAVOCに来たんだろうが。これからHAVOCがすべてをひっくり返すぞ。全日本プロレス大混乱だよ。HAVOCの意味分かるか、大混乱だよ。潮﨑豪がHAVOCに来て、全日本プロレスがHAVOCするだろうな」

潮﨑「見せてやろうぜ」

芦野「1・2・3・HAVOC!」

<宮原のバックステージコメント>

宮原「おい、あいつか。なに?潮﨑豪?久しぶりに聞いたな、この業界で潮﨑豪。何やってたんだ、オマエは近年。オレの耳にはオマエの名前は入ってこなかったぞ。オイ、改めていうけど、出たり入ったり、オマエの場合はもう一回だ。出たり入ったり。何がしたいんだ、オマエ。日本プロレス界ナメてんのか、潮﨑豪。何、三冠?このベルトか?まさか昔、オマエが巻いたことがあるからと思って発言してんじゃねぇだろうな。時代は動いてんだよ。10・22後楽園で受けて立つよ。スーパースターが受けて立つよ。なぁ、オマエに今を思い知らせてやる。プロレスで指導してやるよ」

〈第5試合・セミファイナル〉
世界ジュニアヘビー級選手権試合 60分1本勝負
【第72代王者】青柳亮生 vs 井上凌【挑戦者】

青柳亮生は、ゼンニチJr.フェスティバルの優勝決定戦でライジングHAYATOを破り優勝を飾ると、地元凱旋となった8・10松本大会で吉岡世起を撃破して2年ぶり3度目となる世界ジュニア戴冠。9・23 立川大会では、MUSASHIの挑戦を退け初防衛に成功し、名勝負を連発してジュニア戦線をけん引している。そんな亮生の戦いに刺激を受けた生え抜きの井上凌が覚悟を胸に挑戦状を叩きつけ、亮生は後輩の熱い想いに答え王座戦に合意した。

ゼンニチジュニア新時代の世界ジュニア戦。パンタロンで王座戦に臨んだ井上は、気合全開のタックル。チャンピオンの高速ムーブに対応してビッグブーツを叩き込む。鋭い打撃を打ち込み先手を取ったが、場外戦では亮生が何度も鉄柵に叩きつけ逆エビ固め。公開授業を予告していた通り、井上を厳しく攻め立てる。愚直に喰らいついた井上は、起死回生のレッグラリアット。串刺しビッグブーツ、ドロップキックで顔面を打ち抜く。チャンピオンをサンドバック状態にすると、反撃を狙った亮生のボディアタックを迎撃。亮生が場外に逃げると、エプロンを走ってサッカーボールキック。さらに、カナディアンデストロイヤーで固いエプロンに脳天を突き刺した。得意のスープレックスで追撃を仕掛けた井上は、サッカーボールキック。しかし亮生が受け止めて、壮絶なエルボー合戦。亮生の旋風脚を回避した井上がPK。亮生もロコモーション式フィッシャーマンズ・スープレックスでやり返したが、井上は3発目を切り返して意地のブレーンバスター。両者ダウン。先に立ち上がった井上がボディスラムを決めてコーナー最上段。15分経過。コーナー上の攻防を制した亮生がスパニッシュフライ。ハンドスプリング式レッグラリアットを直撃させると、ファイヤーバードスプラッシュで仕上げにかかった。執念で立ち上がった井上は、雪崩式ハーフハッチ・スープレックス。間髪入れずダイビング・エルボーを突き刺してカバーもカウント2。追撃を振り切った亮生が丸め込みを連発。カナディアンデストロイヤーで勝機を引き寄せた井上は、バズソーキック一閃。新兵器の苧環(おだまき)を爆発させる。3カウントが入らないとみるや、最終兵器の大観音スープレックスへ。切り抜けた亮生はハイキックをかわしてリバース・フランケンシュタイナー。ハウザーインパクトで追撃を仕掛け、ムーンサルトプレスを2連発。井上が驚異の粘りを見せても、ファイヤーバードスプラッシュをクリーンヒットさせて試合終了。亮生が全身全霊のファイトを受け止めた上で2度目の防衛を飾った。

試合後、チャンピオンの前に現れたのは佐藤光留。全日ジュニアへの想いを語り、挑戦表明すると、亮生は挑戦を受諾。“思い入れのある場所”でのタイトルマッチを約束した。

<バックステージコメント>

亮生「世界ジュニア2度目の防衛達成です。『いろいろ教えてやる』と言ったけど、青柳亮生もまだまだだし、それでも井上凌はこのベルトを懸けて、さらに成長したと思います。まだまだ、ここから全日本プロレスジュニアというのが上がっていくと思うんで、さらに凄いものをお見せできるような選手に井上もオレもなると思うんで期待しといてください。そして、佐藤光留選手。いろいろ想いを語ってくれて、そんなことはずっと見てたんで分かってはいますし、光留さんってことも大事なんですけど、それよりもオレだけじゃないと思う、みんなが思い入れのある場所っていうところでこの世界ジュニアを懸けて戦いたいと思ってるんで。そのうえで対戦相手が光留さん、思いをぶつけやすいというか、凄くいい対戦カードなんで、しかも思い入れのある場所で最高のものを見せたいと思ってるんで、今後も全日本プロレスジュニアをお見逃しなく」

井上「壁は、壁はまだまだ高い。でも、もう下向くことはやめたんでね。また気を取り直して頑張りますよ。クソ、くやしいな今日は…。でも止まってられないから。まだまだ、まだまだ戦っていく」

<試合後のリング上のマイク>

佐藤「オレさ、全日本に上がってもう15年経つんだよ。そのときリングにいたやつら99パーセント、もういなくなったよ。オレはさ、全日本ジュニアを守ってきたとは言わねえよ。でも、でも!今日のニュースは辞めたやつとか戻ってきたやつだったと思うんだよ。オレはそれが我慢できねぇんだよ!オレも全日本ジュニアなんだよ。それ覆すには、自分のプロレスしかないからここに上がってきたんだよ。佐藤光留の挑戦、受けてください。お願いします」

亮生「こんなに熱い思いを聞いて断ることはありません。でも、ひとつだけいいですか。実は、この世界ジュニアのベルトを懸けて戦いたい、思い入れのある場所があるんです。そこでだったら光留さんの挑戦を受けて戦いたいです。こちらこそよろしくお願いします」

〈第6試合・メインイベント〉
世界タッグ選手権試合 60分1本勝負
【第102代王者組】ザイオン オデッセイ vs 青柳優馬 安齊勇馬【挑戦者組】

ゼンニチマットで進撃を続けるザイオンとオデッセイは、9・23立川大会で鈴木秀樹・真霜拳號組を破り世界タッグ王座初戴冠。優馬と安齊は同大会でタッグ対決。試合後、優馬が世界最強タッグ決定リーグ戦2025を見据えて「安齊勇馬となら、強くて、カッコいい“最強タッグ”になると思っています。騙されたと思ってオレと組んでみないか」とラブコールを送ると、安齊は「騙されたと思って付いていきます」とタッグ結成に合意。早速、世界タッグのベルトに照準を定めた。

チャンピオンチームは芦野・潮﨑と登場し、テーマ曲に合わせてHAVOCポーズ。オデッセイvs優馬で試合開始のゴングが打ち鳴らされると、いきなりオデッセイが圧倒的なパワーを見せつける。優馬が何度もタックルで突っ込んでいってもビクともしない。優馬は低空ドロップキックでヒザをつかせると、ヒゲをむしり取ってからロープに走る。ザイオンが巨体ではじき返し、腰をくねらせて余裕をアピールした。ザイオンvs安齊。ロックアップから腕の取り合い、グラウンドの攻防で互いの力を探り合う。安齊がエルボーで押し込むと、ザイオンも軽快な動きでかく乱し、ワイルドなタックル。場外戦に突入すると、安齊がエプロンからジャンピング・ニーアタック。ザイオンも鉄柵からのダイブを受け止めてサモアンドロップで叩きつけた。そのままチャンピオンチームは、ラフプレーを織り交ぜたダイナミックな攻撃で主導権を握る。その後、安齊が捕まる時間が続いたが、ミサイルキックでピンチを脱出。10分経過。エルボーで飛び掛かった優馬は、ザイオンにダイビング・ボディアタックを放ち、オデッセイのボディプレスを誤爆させる。オデッセイを真似た腰くねポーズ、HAVOCポーズで挑発。怒ったザイオンがブレーンバスターで反撃。オデッセイは優馬を抱え上げてコーナーに叩きつけると、ラリアットを連打。体重184kgのボディアタック、ボディプレスで圧殺していく。ザイオンが続いて全力でコーナーにスロー。引き込み式のサモアンドロップは優馬が抜け出して後頭部にドロップキック。15分経過。安齊が串刺しエルボーからスロイダー。打点の高いドロップキックからフェイスロック。優馬もスリーパーホールドでオデッセイを捕獲する。ザイオンがロープに逃れても、Wユウマは流れるような連続攻撃。相棒のピンチにオデッセイが駆け付け、優馬と安齊を2人まとめてサイドバスターで黙らせる。安齊を捕らえたオデッセイがバックドロップの体制に入ると、ザイオンがネックブリーカードロップを決めるコンビネーション。一気にダイビング・ヘッドバットでフィニッシュを狙ったザイオンだが、優馬が足を引っ張って阻止。この隙に息を吹き返した安齊は雪崩式ブレーンバスター。優馬がオデッセイを場外に落としてプランチャで足止め。20分経過。ザイオンと安齊がエルボーを打ち合い激しい火花。安齊はジャンピング・ニーアタック2連発からギムレットを狙うが、担ぎ上げられたザイオンが脳天にエルボーを突き刺して阻止。オデッセイが重爆ボディアタックで優馬を戦線離脱に追い込むと、ザイオンは安齊にザイオンスピア。オデッセイのジャーニーズエンドからザイオンがダイビング・ヘッドバットを投下する圧巻の必殺リレーで安齊を完全粉砕した。

チャンピオンチームが防衛ロードの第一歩を刻むと、業務提携軍・Gボーイズが登場。北斗が「オレと羆嵐が、その世界のベルトを引っぺがしてやるよ!」と宣戦布告すると、チャンピオンチームは北斗・羆嵐と握手をかわし挑戦を受けて立つ姿勢。北斗軍が退場すると、誇らしげに世界タッグのベルトを掲げ、何度もHAVOCと叫び行田大会を締めくくった。

<試合後のリング上のマイク>

北斗「オイ!オマエら、この全日本のリングで好き勝手しやがって。挙句の果てには、なんか1人増えてんな。(潮﨑に)誰だオマエ?テメエらみたいなザコが集まったってな。絶対おれたちに勝てない。オレたちが誰か知ってるか?北斗軍とアップタウンの合同ユニット、オレたちがGボーイズだ。次はオレたちGボーイズがそのベルトに挑戦する。オレと羆嵐が、その世界のベルトを引っぺがしてやるよ!」

羆嵐「ハー!」

<HAVOCのバックステージコメント>

ザイオン「オレたちは家族、オレたちはハボック!芦野、ザイオン、オデッセイ、潮﨑、誰もオレたちを止められない」

潮﨑「今日、全日本プロレス、まぁHAVOCの潮﨑豪としてリングに上がりましたけど、次見たいでしょ?見たいよね?(10・14)新木場、オレが宮原を黙らせてやるよ。楽しみにしとけ」

芦野「三冠行くんですよね?」

潮﨑「おう、行くよ」

芦野「じゃあ(自分に)足りねぇな、ベルトが。どうしようかな…。GAORAかな、GAORAでいいか。今日も上がってきたな、北斗軍とイケメンたち。オイ、イケメン、久々にやろうよ。真剣勝負でベルト懸けてやろうよ。今オレたちの勢い止められるヤツは誰もいねぇんだよ。HAVOCがナンバーワンだ」

オデッセイ「イチバーン!」

芦野「すべてのベルト、HAVOCが獲ってやるよ!」

<Wユウマのバックステージコメント>

優馬「獲れると思ったんだけどな…。クソ、悔しすぎる。でも、青柳優馬は思ったよ。可能性をビンビンに感じたよ。安齊勇馬とならいけると思ってる。改めて安齊にお願いしたいことがあるんだけど、オレと一緒に最強タッグ出ようぜ。どうだ?次は絶対に誰も騙さないよ。オレと最強タッグ出てください」

安齊「今日世界タッグで正直チャンピオンとちょっと差を感じちゃいました。だから青柳さんともっともっとオレ、強くなって必ず優勝しましょう。今度は信じてついていきます」

優馬「やろう。今日はホントに申し訳なかった。次は11月22日から最強タッグ。そして、その前の北海道シリーズ、オレたちで北海道をメチャクチャに熱く盛り上げていきますよ。行きましょう」

安齊「この先ずっと青柳優馬と安齊勇馬、2人のユウマを見ててください。オレとの約束です」